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【海外レビューまとめ】SONYが本格的な立体音響時代を見据えて音作りを一新した業務用モニターヘッドホン「SONY MDR-MV1」

SONY MDR-MV1

SONY MDR-MV1

 

SONYが新しくリリースしたモニターヘッドホン「MDR-MV1」が話題です。日本国内だけでなく、世界中が今夢中であると言っても過言ではありません。

 

SONYは、音楽制作者に360 Reality Audio用コンテンツ作成のより良いツールを提供することを目的として、MDR-MV1を開発しています。このヘッドホンは、360 Reality Audioという独自形式を備えていますが、もちろん他のフォーマット(例:Dolby Atmos)でも使えます。

 

SONYによれば、MDR-MV1は、空間オーディオエンジニアにとって特に適しているとされていますが、従来のステレオ音源を扱うクリエイターにも十分な訴求力がある設計になっています。開放型の構造により、内部で反射音が最小限に抑えられ、密閉型ヘッドホンと比較して音響共鳴も大幅に排除されています。

 

www.youtube.com

 

 

SONY MDR-MV1の特徴

  • スタジオミキシング&マスタリング用
  • ステレオ&空間オーディオ/没入型モニタリング
  • 自然な音場感を実現するオープンバック設計
  • 40mmダイナミックドライバー、ネオジム磁石採用
  • 5 Hz〜80 kHzの周波数特性
  • 正確なハイレゾ音源の再生
  • 快適なソフトスエードのイヤーパッド
  • 24Ωのインピーダンス
  • 耐久性のあるアルミ削り出しのビルドクオリティ
  • 着脱式ケーブル、1/4″⇒3.5mmアダプター

 

SONYによると、MDR-MV1は色付けのない周波数特性で、プロダクションユースに適しているとされています。

 

MDR-MV1は通気性の良いイヤーパッドを採用しており、ケーブルなしで223gとかなり軽量であり、SONYは、長時間でも快適に装着できるフィット感を追求しました。

 

MDR-MV1はSONYの業務用モニターとしては初めてのオープンバック構造が採用されており、SONYによれば、これにより内部反射音を低減し、音響共鳴を排除しながら、自然で豊かな空間情報と音を正確に再現し、スタジオでの制作環境を仮想的に実現する際にも極めて高い透明性を実現できると主張しています。

 

 

SONYは、エンジニアが低歪み、高コンプライアンスな振動板形状、コルゲーションデザインを導き出し、MDR-MV1は一般的に低域再生能力に劣るとされる開放型でありながら密閉型に劣らない低域の周波数を再生できるとしています。

 

再生できる周波数特性レンジは非常に優れており、低音域から超高音域(5Hz~80kHz)まで再生することができます。

 

ケーブルのプラグは、制作現場で広く使われている高品質な6.35mm(1/4インチ)ステレオ標準プラグを採用しています。付属のプラグアダプターを使用することで、3.5mmステレオミニジャック搭載の機器にも接続が可能です。本体との接続部はネジ式で着脱可能なため、確実な接続とケーブル交換が可能です。

 

 

 

スタジオモニターとして求められるメンテナンス性についても十分配慮した先進的な設計を施したとSONYは述べています。

 

スペック

まずはいつも通り基本情報のおさらいです。

  • 再生周波数:5Hz-80000Hz
  • インピーダンス:24Ω
  • 感度:100dB/mW

 

SONY MDR-MV1のインピーダンススペックは24Ωとコンシューマーモデルのヘッドホンと変わらない水準に設定されています。基本的に駆動に特別なデジタルオーディオプレーヤーやアンプを必要とせず、スマートフォンでも問題なく駆動できます。

 

シングルダイナミックドライバーモデルで制動特性も安定しているため、アンプによって急激に音が変わるということはほぼありません。基本的に再生機器を選ばないモニターと言えるでしょう。

 

 

パッケージ

最近のSONYの方針に基づき、MDR-MV1のパッケージはサステナブル社会を意識した環境配慮型パッケージで提供されます。

 

ボックスは紙製で環境に優しく、包装材も環境に配慮した素材が使われており、パッケージ全体がエコフレンドリーな雰囲気を感じさせます。

 

SONY MDR-MV1

SONY MDR-MV1

SONY MDR-MV1

SONY MDR-MV1

SONY MDR-MV1

SONY MDR-MV1

 

競合する製品、たとえばAustrian Audio Hi-X55SHURE SRH1540と異なり、携行用のポーチやケースのようなものは全く付属しません。

 

プロ用製品のパッケージが簡素であることは珍しくないので、業務用としてこれを購入するユーザーがこの点を考慮するかはわかりませんが、一般的に付属品が豪華なコンシューマーモデルに慣れたユーザーには少し物寂しい構成であることは間違いないでしょう。

 

ただしSONYはMDR-M1STを段ボールそのままのような非常に簡素なパッケージで提供しているため、それに比べればだいぶまともになったと言えるかもしれません。

 

一方で、SONY MDR-7506のような製品はもっとおしゃれなパッケージで提供されています。

 

とにかく開梱体験に特別なものはありません。付属品は必要最低限で、パッケージの開梱はきわめて短時間に、おそらくほとんど感動なく終わります。

 

SONY MDR-MV1

 

ビルドクオリティ

MDR-MV1のビルドは非常に印象的です。それは薄く軽量でありながら頑丈なアルミで成形されています。一部のレビュアーはそれがプラスチック製ではないかと誤解したほど、軽量です。

 

 

MDR-MV1のプロダクトデザインは新しいようで、実際には前世代までのSONYのスタジオモニターのデザイン文法を随所に取り入れており、製品群に通底する統一感が維持されています。

 

とくにこのProfessionalロゴはMDR-7506の熱心なファンである私の目に留まりました。これはMDR-7506のイヤーカップの帯(「青帯」)と同じ色合いであり、世界のスタジオで今でも愛用され続けているこの世界的なヒット商品のデザイン文法を踏襲して見せることで、このヘッドホンでSONYが世界標準を目指しているという壮大な野望をささやかに表明したのかもしれません。

 

SONYの自信の表れを感じます。

 

 

周波数特性

サウンドについてはMDR-MV1のレビュー記事などですでに詳しく解説していますが、別記事の内容をもう一度掲載します。

 

先行していくつかのサイトで周波数特性が公開されているのを確認しています。私の測定値ともほぼ同じなので、それら先行で公開されている周波数特性を見てみましょう。

 

https://squig.link/headphones/?share=Super_OE_Target,Sony_MDR-MV1

https://squig.link/headphones/?share=Super_OE_Target,Sony_MDR-MV1

 

SONYはMDR-MV1が優れた空間表現能力を持っていると主張しています。

 

少なくとも周波数特性を見る限り、SONYの主張は正しく、高域は適正音量時での非常に正確な定位感とディテールの再現を目指して調整されていることがわかります。

 

 

一方で中域はステージングが強調され、ボーカルが前に、楽器音はそれを取り囲むように、奥行き感が強調されており、面白みがありますが、正確な立体感と質感表現を多少犠牲にしています。

 

このような調整だとステレオ録音でも少しサラウンド感が出て、没入感が増す傾向があり、立体音響向けを謳うMDR-MV1のステレオ録音再生用の音としてはこういう味付けが良いと判断したのかもしれません。

 

伝統的なスタジオモニターは、中域でとくに正確な質感表現を実現することを目指すことが多く、楽器とボーカルを同等のバランスで重みづけすることが一般的だと思います。

 

一方で、SONYはMDR-M1STでもボーカル重視の調整をしていたので、こうした調整はSONYのサウンド哲学に基づいている可能性があります。

 

私の知り合いのオーディオマニアでもステレオ録音のボーカルを前に出したほうが自然だというような主張をしている人はいましたし、実際ボーカルが前に出てきたほうが作業がしやすいという人もいるんでしょう。こういう考え方自体は珍しくありません。

 

 

私個人の意見としては、元のステレオ録音音源が同等に重みづけしているものに不自然に差をつけることは、原曲の立体感の正確な把握に悪影響を与えると思います。私自身、MDR-MV1のサウンドに窮屈さを感じることは事実です。その曲がどんな再生環境で再生されるかわからないのだから、モニターヘッドホンは努めて中立的であったほうがツールとしては使い勝手が良いでしょう。けれども、これは考え方次第とも言えます。

 

また、SONYは開放型でありながら密閉型ヘッドホン並みの優れた低域特性を実現したと主張していますが、それは周波数特性の上ではほとんど全くその通りです。少なくともMDR-M1STより低域特性は優れています。

 

 

海外レビューまとめ

Sony MDR-MV1は、ミキシングおよびマスタリング空間音声用に設計されたオープンバックヘッドホンです。 エンジニアリングと音響的な精度が高く、正確なイメージングで音楽の各パートをピンポイントで分離して提示します。 低、中、高音域は、低域が厚く、自然なミッドベースを提供し、適度なサブベースロールオフを備えています。 中音域は、高音域に向かって急速に増加し、オーバートーンに強調されたギターやボーカルは、低域の基底音を混雑させるリスクを回避しています。 トレブルは、上部高音域で強化されていますが、やや過剰な存在感を生じることがあります。 トレブルにはEQを適用することで、この過剰感を緩和することができます。全体的に軽量で快適なデザインになっており、長時間の使用にも最適です。

 

majorhifi.com

 

 

Sony MDR-MV1は、周波数帯域が広く、正確なサウンドステージを持っており、3次元ミキシングに適していると主張されています。低域は深く、中域はクリアで精度が高く、高域も十分にクリアである思います。また、360度のサラウンド効果を持っていると主張されていますが、この機能については実用性については未だ議論があります。

 

gearspace.com

 

MDR-MV1は、中性で色がなく、それでも暖かみがあり、分析的に「冷たく」聞こえないような音を求めるユーザーに最も納得できるでしょう。超低域から信じられないほど高い80 kHzまでの周波数範囲で音を再生し、新しく開発されたHDドライバーは3Dオーディオの再生にも適しています。全体的に、音は快適で、詳細さがあるにもかかわらず、分析的に「冷たく」聞こえず、音色を変えません。

 

もしあなたが、ニュートラルで色付けのないサウンド、そしてある種の暖かさ、しかし分析的に「冷たい」サウンドではない、ミキシング&マスタリング用ヘッドホンをお探しなら、Sony MDR-MV1をぜひ候補に挙げてみて下さい。

 

MDR-MV1は、無共振の超深音域から、淡々とした中音域、開放的でありながら控えめな高音域まで、幅広い音域をカバーしています。このサウンドは、高い装着感とスムーズなハンドリングと相まって、このオープン型ヘッドホンをプロの音楽再生に適していることは間違いありません。

 

長所

  • 共振のない低音域
  • きめ細かな中音域
  • 優れた音声明瞭度
  • 開放感のある音
  • 快適な装着感
  • スムーズな操作性

 

短所

  • 高音域がややこもっている。
  • 簡素すぎるかもしれないパッケージ内容
  • アプリ接続の初期設定に手間がかかる

 

www.headphonecheck.com

 

 

MDR-7506 は、現時点でも世界で最も使用されているアクティブ モニタリング ヘッドホンです。 おかげで、ソニーはこのようなオープンバックモニタリングヘッドホンを出しても不思議ではない会社になりました。

 

実はモニタリングヘッドホンの種類は1つだけではありません。 アプリケーションによって必要な機能は異なります。 MDR-7506 のような完全密閉型モニタリングヘッドホンは、録音とパフォーマンスの確認用です。一方で、ミキシングやマスタリングの目的では、遮音性や音漏れよりも、サウンド全体のバランスが重要です。

 

MDR-MV1は、まさにそのミキシングとマスタリングに最適化されたヘッドホンです。 特に立体音響モニタリングを考慮し、モニタースピーカーで聴いているかのような自然な音場感を重視しました。 デザインはプロオーディオヘッドホンとして実用性を徹底的に重視しました。 こういうぶっきらぼうなデザインがむしろ良い感じですし、信頼感を感じます。

 

MDR-MV1は、オープン型ヘッドホンとして非常に優れた音質を持っています。特に、ステレオサウンドモニタリングを考慮して、モニタースピーカーを通して聴いているかのような自然な音場を重視しています。低音帯幅を確保するために、ドライバーの背面にダクト構造が追加されています。

 

低音で倍音が強調されていますが、これには低音域がより深く感じられる効果もあります。40mmのオープンバックヘッドホンとしては、確かに超低音がよく聞こえる感覚があります。 これからMDR-7506と実際の音を比較し、測定器で録音してみます。

 

全体的には、自然で広がりのある音が特徴で、ジャンルや好みを問わずに良い音です。また、中音域が強く、ボーカルやメロディックな楽器が明確に強調されるチューニングになっています。全体的なエネルギーが高く、高音から超高音まで特徴的な高解像度音源を判断するのに良い方法です。

 

このヘッドホンは、ドラマ鑑賞などの音楽以外の用途にも適しています。特に、スタジオでの音楽制作や編集、モニタリングに適しています。また、家庭でテレビを見ながら使用するにも適しており、長時間使用しても快適に過ごせます。全体的に、ヘッドホンとしての使い勝手も高く、音質も優れているため、幅広い層におすすめできます。

 

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レビュー記事

 

個人的な感想

 

まとめ

SONY MDR-MV1はSONYの業務用スタジオモニターの革新的な製品であるだけでなく、コンシューマーが映像コンテンツや音楽コンテンツ、ゲーミングコンテンツを再生するヘッドホンとしても新しい価値を提案しているモデルであることに様々なレビュアーが気づき、感銘を受けています。

 

とくに私を驚かせたのは韓国のYoutubeレビュアーで、彼の測定は私とほとんど同じであるだけでなく、その考察も私がMDR-MV1を手に入れて感じたこと、レビューで説明したことをより明確にしているところもあり、大変感銘を受けました。とても素晴らしいレビューだと思います。

 

SONY MDR-MV1は私がレビューで指摘したように、決して安い機種ではありませんし、ずば抜けてコスパが良いとか音が並外れて凄いというような機種ではありません。しかし、それは明らかに次の時代のモニターヘッドホンの一つの標準として多くの人々が情熱と技術を傾けて作ったものであることは、多くのレビュアーがその魅力について語るのを抑えきれないことからも明快です。

 

MDR-MV1のサウンドはここに紹介した以外の多くのオーディオコミュニティにも波紋を広げており、これから数か月にわたってもっと興味深い洞察が生まれ続けるかもしれません。

 

【新製品】SONY MDR-MV1:立体音響時代を見据えたSONYが提案する新時代標準のスタジオモニター

SONY MDR-MV1

SONY MDR-MV1

 

SONY MDR-MV1、それは「音楽制作の新境地」を切り拓くリファレンスモニター

SONYのモニターヘッドホン製品群は、日本国内の音楽制作現場でこれまで広く支持されてきました。

 

今回、ラインアップに新たに加わった「MDR-MV1」は、音を正確に再現するモニターヘッドホンの本質を押さえつつ、新たな価値を提案する意欲的な新モデルです。

 

制作スタジオと同じ音響環境をヘッドホンで再現するという新技術「360 Virtual Mixing Environment」のパフォーマンスを最大限に引き出すことで、立体音響音源制作からステレオ音源制作まで、幅広く音楽作りの現場に貢献することを目指したとされています。

 

今SONYが持てる技術と情熱がつまった、すべてのアーティストと音楽ファン必見の、この新世代スタジオモニターがいよいよ本日リリースされました!

 

 

 

モニターヘッドホンとは

一般のヘッドホンを、完成した音楽をリスナーが楽しむためのものだとするならば、「モニターヘッドホン」は、クリエイターが音楽をはじめとしたコンテンツ制作において、音を確認する(モニターする)ためのヘッドホンとなります。完成したコンテンツがどのようにリスナーに届くかを確認することに加え、音源が正確に録音できているか、音源に加えた効果が正確に反映されているかを確認するといったことに使用されます。

 

 

なぜ今MDR-MV1だったのか:その背景

立体音響の普及に伴う制作環境やレコーディング機器の進化が求められる中、新たな基準となるクリエイター向けモニターヘッドホンとして開発されたのが「MDR-MV1」です。

 

360 Reality Audioといったオブジェクトベースの立体音響フォーマットが広がりを見せる中、360VMEというソニー独自の技術を組み合わせて用いることで、ヘッドホンでスピーカーと同じ音場を再現することができます。

 

これは、スタジオの音響空間で行う音作りを、自宅にいながらヘッドホンで行えるようにした技術です。

 

世界的なパンデミックもあり、音楽制作環境はより多様化し、制作手法も従来の方法にとらわれない選択肢が広がっています。

 

SONYはいち早く最新の立体音響に最適なスタジオモニターヘッドホンとスタジオ環境を正確にエミュレートできるシステムを統合することで、誰にでも高度なスタジオと同等の音響システムにアクセスできる新たな制作環境を構築しようとしています。

 

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その中核を担うべく登場したのがMDR-MV1であり、SONYはこの革新的なモニターヘッドホンで音楽制作の水準を新たなステージへと到達させます。

 

 

エコなパッケージ

MDR-MV1のパッケージは紙製で包装材も環境に配慮した素材が使われているようです。

 

プロ用機材のパッケージは大抵シンプルなので、MDR-MV1のパッケージが特別物足りない出来というわけではありませんが、コンシューマーモデルのパッケージと比べると値段のわりにシンプルすぎる感じる人がいるかもしれません。

 

SONYはサステナブルな社会を目指して環境配慮型のオーディオパッケージの普及推進に全社的に取り組んでいます。

 

SONY MDR-MV1

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サウンド

先行していくつかのサイトで周波数特性が公開されているのを確認しています。私の測定値ともほぼ同じなので、それら先行で公開されている周波数特性を見てみましょう。

 

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https://squig.link/headphones/?share=Super_OE_Target,Sony_MDR-MV1

 

SONYはMDR-MV1が優れた空間表現能力を持っていると主張しています。

 

少なくとも周波数特性を見る限り、SONYの主張は正しく、高域は適正音量時での非常に正確な定位感とディテールの再現を目指して調整されていることがわかります。

 

 

一方で中域はステージングが強調され、ボーカルが前に、楽器音はそれを取り囲むように、奥行き感が強調されており、面白みがありますが、正確な立体感と質感表現を多少犠牲にしています。

 

このような調整だとステレオ録音でも少しサラウンド感が出て、没入感が増す傾向があり、立体音響向けを謳うMDR-MV1のステレオ録音再生用の音としてはこういう味付けが良いと判断したのかもしれません。

 

伝統的なスタジオモニターは、中域でとくに正確な質感表現を実現することを目指すことが多く、楽器とボーカルを同等のバランスで重みづけすることが一般的だと思います。

 

一方で、SONYはMDR-M1STでもボーカル重視の調整をしていたので、こうした調整はSONYのサウンド哲学に基づいている可能性があります。

 

私の知り合いのオーディオマニアでもステレオ録音のボーカルを前に出したほうが自然だというような主張をしている人はいましたし、実際ボーカルが前に出てきたほうが作業がしやすいという人もいるんでしょう。こういう考え方自体は珍しくありません。

 

 

私個人の意見としては、元のステレオ録音音源が同等に重みづけしているものに不自然に差をつけることは、原曲の立体感の正確な把握に悪影響を与えると思います。私自身、MDR-MV1のサウンドに窮屈さを感じることは事実です。その曲がどんな再生環境で再生されるかわからないのだから、モニターヘッドホンは努めて中立的であったほうがツールとしては使い勝手が良いでしょう。けれども、これは考え方次第とも言えます。

 

また、SONYは開放型でありながら密閉型ヘッドホン並みの優れた低域特性を実現したと主張していますが、それは周波数特性の上ではほとんど全くその通りです。少なくともMDR-M1STより低域特性は優れています。

 

SONY MDR-MV1のサウンドのまとめ
  • 優れた定位感
  • サラウンド感のある中域
  • 密閉型並みに優れた低域特性

 

 

レビュー記事

 

まとめ

MDR-MV1」は、音を正確に再現するモニターヘッドホンの本質を押さえつつ、新たな価値を提案する意欲的な新モデルです。制作スタジオと同じ音響環境をヘッドホンで再現するという新技術「360 Virtual Mixing Environment」のパフォーマンスを最大限に引き出すことで、立体音響音源制作からステレオ音源制作まで、幅広く音楽作りの現場に貢献することを目指しています。また、パッケージにも環境に配慮した素材が使われて、SONYが目指すサステナブルなオーディオの理念が体現されています。

 

今のSONYのスタンダードがどこにあるのかを知りたい人は店頭で見かけたらぜひ手に取って聴いてみることをおすすめします。SONYのこれまでのモニターヘッドホンの集大成と未来がそこには詰まっています。

 

少なくとも私には開発者が目標を明確に設定し、その実現のために苦労して作り上げたサウンドだということがよくわかります。この音にはこのヘッドホンを開発した人々の情熱が込められていることは間違いありません。

 

おそらくこれは今年最も語られるべきヘッドホンのひとつであるという気がします。

 

【コラム】快適性重視の大注目モデルにANC搭載版登場!SONY LinkBuds Sの海外レビューまとめ

SONY LinkBuds S

SONY LinkBuds S

 

 独特のデザインによる高い外音との共存性で話題になった人気機種の上位版、SONYの最新完全ワイヤレスイヤホン「SONY Linkbuds S」の海外レビューをまとめて紹介します。

 

 

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SONY LinkBuds Sの特徴

  • コンパクトなデザインと高い装着性
  • 外音取り込みによる「ながら聴き」と高性能ノイキャンによる「没入」を両立
  • LDAC対応と「DSEE Extreme」で様々な音声コンテンツを高音質に
  • コンパクトながら高いバッテリー性能を実現
  • IPX4相当の防滴性能

 

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長時間装着しても快適な小型軽量設計

 ノイズキャンセリングとハイレゾ対応で世界最小・最軽量設計に加えて、耳から飛び出す量を抑えることでイヤホンの重心が頭に近く、安定した装着性を実現しています。また、イヤホン本体と耳の接触面を増やした「エルゴノミック・サーフェース・デザイン」を採用しました。耳の複雑な凹凸にも干渉しにくい形状になっており、長時間装着しても快適にご使用いただけます。

 

人間工学的なデザインで快適にフィット(引用元:https://www.sony.jp/headphone/products/LinkBuds_S/

 

外音取り込みによる「ながら聴き」と高性能ノイキャンによる「没入」を両立

 音声コンテンツを聴きながら、周囲の音も聞こえる「アンビエントサウンド(外音取り込み)モード」を搭載。従来モデルよりも信号処理における外音取り込み量を増やすことで、より自然な外音取り込みを実現。さらに、高性能ノイズキャンセリング機能も搭載し、コンテンツを楽しむ際には高い没入感も両立しています。また、ユーザーの使用環境に応じて、ノイズキャンセリングと外音取り込みを自動で切り替える「アダプティブサウンドコントロール」も搭載しています。

 

高い通話性能とセンシング技術による新しい音体験

 高度な音声信号処理を行う高精度ボイスピックアップテクノロジーにより、高い通話品質を実現。AIによる機械学習アルゴリズムで実現されたノイズリダクションシステムが周囲の環境ノイズを抑え、あなたの声をクリアに抽出します。さらに、センシング技術を活用したサービス連携により、新たな音体験を提供します。自動で音楽再生を行う「Auto Play」(ベータ版)やARゲームではソニーの立体音音響技術も掛け合わせた新しい体験をお楽しみ頂けます。

 

充実した基本性能と高い操作性

 ノイキャンON時は最長20時間と長時間使用可能なロングバッテリーライフと突然の外出時も安心なクイック充電にも対応。さらに、音切れしにくい高い接続性や雨や汗を気にせず楽しめる防滴性能等充実した基本性能を実現しています。

 

ハイレゾワイヤレスで高音質を楽しめる

 LDAC対応でワイヤレスでもハイレゾ音質。また、DSEE Extreme搭載により、AndroidでもiPhoneでもCD、MP3、ストリーミングなどのさまざまな圧縮音源も、ハイレゾ級の高音質で楽しめます。

 

海外レビューの紹介

※動画は字幕で翻訳されているものがあります。字幕をONにすることをオススメします。字幕の日本語訳が表示されない場合は動画の右下にある「Youtube」をクリックしてYoutubeの本サイトで再生すると翻訳字幕で見られるようになります。

 少し前に、Sonyはドーナツ型のLinkBudsをリリース しました。LinkBudsは魅力的なオープンデザインとユニークな外観で大きな注目を集めたイヤホンです。しばらくの間、SonyはそのモデルにLinkBudsブランドを代表させるだろうと思いました。しかし、なんと、ソニーはそれで完成させていたわけではありませんでした。今では、LinkBuds Sがいます。これは、プレミアムな$ 200(£180、AU $ 350)の値札が付いていますが、ソニーの主力製品であるWF-1000XM4(280ドル)といった、より伝統的なノイズ遮断およびノイズキャンセリングイヤホンのセットです。Beats Fit Proを含むこの価格帯の競合他社製品を打ち負かすことができるかどうかは不明ですが、多くの点で魅力的です。

 

長所:

  • 快適な装着感を実現する軽量・コンパクト設計
  • 非常に良い音と良好なノイズキャンセリング機能(アンビエントモード使用時)
  • ソニーのLDACオーディオコーデックに対応
  • スピーク・トゥ・チャット機能

 

短所:

  • マルチポイントBluetoothペアリング非対応
  • ワイヤレス充電機能なし
  • 騒がしい場所からの通話には不向き

 

https://www.cnet.com/tech/mobile/sony-linkbuds-s-review/

 

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 ソニーのLinksBuds Sは、一日中装着していても快適で、優れた透明度モードと直感的な操作性を備えた有能なワイヤレスイヤホンです。

 

 これまでLinkBuds WF-L900とプレミアムWF-1000XM4という二極化した機種の間に、アクティブノイズキャンセリングを搭載し、かつ一日中快適に装着できるイヤホンは存在しませんでした。LinkBuds Sは、飽和状態のワイヤレスイヤホン市場で数あるモデルと見た目や音はあまり変わらないかもしれませんが、同社の上位ヘッドホンから定評ある機能を借りることで、穴あきスタイルのLinkBudsで失った信頼をある程度取り戻したと思います。さらに、素晴らしいトランスペアレンシー(外音取込)モードと軽量なデザインは、本当に何時間も耳に入れたままにしておくことが可能です。

 

 とはいえ、一流のオーディオ品質が最優先なら、AirPods Proの方に舵を切るかもしれません。AirPods ProはLinkBuds Sと同程度の価格で販売されていることが多く、比較対象は非常に多いのですが、WF-1000XM4の割引を気長に待つのもいいでしょう。ソニーのWF-1000XM3も150ドル/AU$180以下で見つけることができ、今でも最高のノイズキャンセリングイヤホンのひとつです。しかし、バッテリー駆動時間、周囲への配慮、直感的な操作性を少なくとも同等に考えるなら、ソニーのLinkBuds Sは勧めやすいモデルです。

 

長所:

  • 一日中快適
  • 優れた低音処理能力
  • アンビエントアウェアの効果
  • 直感的な操作性

 

短所:

  • ANC性能は中程度
  • 中音域の音質がまちまち

 

https://www.tomsguide.com/reviews/sony-linkbuds-s

 

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 ソニーのLinkBuds(179.99ドル)は、しっかりとフィットしないオープンなデザインと、歪みを伴う弱い低音で、私たちを感動させることはありませんでした。しかし、LinkBuds S(199.99ドル)はまったく違います。この新しいノイズキャンセリングイヤホンは、何よりもまず、一貫性のないオープンデザインを捨て、より優れた音質を可能にするクローズドデザインを採用しました。また、オリジナルモデルにはなかった平均以上のANC(アクティブノイズキャンセリング)機能を備えています。このため、価格は高くなりますが、得られる機能と性能に見合ったものとなっています。しかし、LinkBuds Sが通常のLinkBudsより改善されていることは間違いありませんが、JabraのElite 7 Proは同等の音質とANC性能に加え、長いバッテリー駆動時間と完全防水設計を備えており、エディターズチョイスとしておすすめするのはこのイヤホンです。

 

長所:

  • 豊かな低音と鮮明でクリアな高音による高品質なオーディオパフォーマンス
  • 効果的なノイズキャンセリング機能
  • アプリ内EQ、カスタマイズ可能なコントロール、Spotify Tap対応
  • 防水設計

 

短所:

  • バッテリーの持ちが悪い

 

https://www.pcmag.com/reviews/sony-linkbuds-s

 

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 LinkBuds Sは良好な音質とソリッドなアクティブノイズキャンセルを持ち、シーンによって強度を選択することができ、他の機能を満載している優れたワイヤレスイヤホンです。LinkBuds Sの最大の問題は、その価格が超安価ではないことです。ソニーの優れたWF-1000XM4が頻繁にLinkBuds Sの価格に近い割引をされていることを見ると、そちらのほうがおそらく、ほとんどの人にとってより良い選択肢です。

 

 しかし、あなたが素晴らしいWF-1000XM4の約束の多くを実現するコンパクトなイヤホンのデザインを探しているなら、それはLinkBuds Sに目が向くことでしょう。さらに、ソニーのイヤホンは頻繁に価格が下がるので、今後数ヶ月の間に150ドル付近でLinkBuds Sを手に入れることができるかもしれず、その時はお買い得である可能性が高いです。

 

https://www.gearpatrol.com/tech/audio/a40011950/sony-linkbuds-s-review/

 

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 LinkBudsが常に周囲の音を聞いていたい人に最適だとすれば、LinkBuds Sは両方の世界でベストを与えてくれます。20ドル高くても、通常のものよりこちらを手に入れるのは理にかなっています。特に、少しデジタルな響きを持つ透明感のあるサウンドモードでも構わないという方にはおすすめです。LinkBudsとAirPods Proは、そこではまだクラス最高の体験を提供しています。

 

 しかし、それ以上に、LinkBuds Sはあなたがイヤホンに求めるものすべてを与えてくれます。一日中使えるバッテリー駆動時間、コンパクトなビルド、そして豊かなサウンドを手に入れることができます。最も重要なのは、Adaptive Soundモードが、あなたがしていることに基づいて、リスニングモードを自動的かつインテリジェントに切り替えてくれるということです。その体験はクールであり、あなたが新しい技術に興味があるなら、これらは試してみるためにピックアップする価値があります。

 

 また、もしあなたがお使いのシステムに深く統合できる相性の良い機種を探しているなら、ソニーのLinkBuds Sはほとんどプラットフォームに依存せず、高速ペアリングのおかげでAndroid向きになっています。iPhoneをお持ちの方で、すべてのAppleデバイスで同期するイヤホンをお求めの方は、AirPods Proに注目です。

 

https://www.thestreet.com/personal-finance/sony-linkbuds-s-review

 

 

まとめ

 SONY LinkBuds Sはレビュアーの間でわりと評判がよさそうです。やはり課題は初売り価格がご祝儀に近く、ほとんどWF-1000XM4と変わらないことです。そのコンパクトさがとても気に入ったという人以外は、値下がりを待って買うというほうが現実的に思えるでしょう。

 

 

 

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【コラム】いよいよ登場した今年最大の注目機種!SONY WH-1000XM5の海外レビューまとめ

SONY WH-1000XM5

SONY WH-1000XM5

 

 かねてより噂されていた通り本日SONYの新しいフラッグシップヘッドホン「SONY WH-1000XM5」が登場しました!5/27発売で現在絶賛予約受付中です!

 

 そこでこの記事では早速続々公開された「SONY WH-1000XM5」の海外レビューをまとめて紹介したいと思います。

 

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SONY WH-1000XM5の技術仕様

  • 連続再生時間:最大30時間(NC ON時)、最大40時間(NC OFF時)
  • 通信方式:Bluetooth標準規格 Ver.5.2
  • 対応コーデック:SBC, AAC, LDAC

 

1000Xシリーズ史上最大の進化を遂げた業界最高クラスのノイズキャンセリング性能

 高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1のポテンシャルを、統合プロセッサーV1を組み合わせることにより最大限に発揮。8個のマイク信号を巧みに制御することが可能になり、今までにないレベルのノイズキャンセリング性能を実現しています。さらにノイズキャンセリング機能をユーザーの装着状態や環境に合わせて自動で最適化する「オートNCオプティマイザー」により、常に理想的なノイズキャンセリング効果を自動的に提供します。

 

なんとあのXM4からさらに強化されたANC性能(画像引用:https://www.sony.jp/headphone/products/WH-1000XM5/

 

専用設計30mmドライバーユニットとWalkman(R)技術の活用が織りなす比類なき高音質

 専用設計30mmドライバーユニットを搭載し、低音域から高音域までの再現性を高め、より自然で伸びのある音質を実現しています。さらにはWalkman(R)で培った高音質化技術をヘッドホンに最適化、S/N感の向上による微細音の再現、広がりや定位感の向上を実現し更なる高音質に。

 

AIで進化した高精度ボイスピックアップテクノロジーによる業界最高クラスの通話品質

 左右4つのマイクを用いたビームフォーミング技術とAIにより、騒音下でも正確かつクリアな通話品質を実現します。

 

刷新された本体デザインと長時間身に着けても疲れにくい快適な装着性

 第5世代にて大きく本体デザインを刷新。さらにはイヤーパッドには通常の合皮に比べて、柔らかく装着時の安定性に優れたソフトフィットレザーを採用。頭部の形状に柔軟に追従することで締め付け感は少ないながらも、高い遮音性と快適な装着性を実現。

 

よりスリムなデザインに(画像引用:https://www.sony.jp/headphone/products/WH-1000XM5/



充実したスマート性能と、日常の使い勝手のいい豊富な基本性能

 「スピーク・トゥ・チャット」機能や「アダプディブサウンドコントロール」機能など、シーンに合わせた最適なリスニング環境を自動で実現するスマートな機能を多数搭載。加えてノイズキャンセリングON時で最長30時間、OFF時で最長40時間音楽再生可能なロングバッテリーライフ、さらには3分充電で約3時間再生可能なUSB PD充電にも対応しています。折りたたみ可能なキャリングケース付属で持ち運びも便利です。

 

海外レビューの紹介

※動画は字幕で翻訳されているものがあります。字幕をONにすることをオススメします。字幕の日本語訳が表示されない場合は動画の右下にある「Youtube」をクリックしてYoutubeの本サイトで再生すると翻訳字幕で見られるようになります。

 プレミアムノイズキャンセリングヘッドホンの再設計はリスクなしではあり得なかったはずですが、SONY WH-1000XM5はサウンド面で勝利を獲得しています。

 

 しかし、ソニーのワイヤレスヘッドホン「WH-1000XM5」は、世代を超えて一貫したサウンドパフォーマンスを提供することに成功しました。しかも、大幅なデザイン変更を行いながら。

 

 SONY XM5は、以前より少しプレミアム感が落ちるかもしれませんが、前世代からの音質のジャンプは大きなもので、ライバルは再び彼らの仕事を切り開くことができます。新しいワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホンを探している方は、まずXM5から試聴してみてはいかがでしょうか。

 

長所:

  • センセーショナルなほどの音の透明度
  • パンチの効いたサウンド
  • 正確で機敏な低音
  • 使い勝手が良い

 

短所:

  • 以前より少し高級感がなくなった気がする
  • 完全に折りたためない

 

https://www.whathifi.com/reviews/sony-wh-1000xm5

 

www.youtube.com

 

 クラス最高レベルのノイズキャンセリング機能とバランスの良いオーディオにより、依然として世界最高のヘッドホンであるソニーのWH-1000XM5は、価格が高くなり、以前のモデルと機能面では大差ないため、以前よりもやや厳しい販売状況となっています。

 

長所:

  • 優れたノイズキャンセリング機能
  • 優れたサウンド性能
  • スマートなアンビエント機能
  • 実際に使いたくなるようなアプリ

 

短所:

  • 新しいデザインは携帯性に劣る
  • 防水機能はまだない
  • 前モデルより高い
  • WH-1000XM4から大きく進化したわけではない

 

https://www.techradar.com/reviews/sony-wh-1000xm5-wireless-headphones

 

www.youtube.com

 

 SONYのフラッグシップワイヤレスヘッドホン「WH-1000XM5」は、待ちに待ったビッグバージョンアップです。新しいデザインとAIにより、ノイズキャンセリング機能が強化され、アンビエントリスニングモードでは見事に自然な音を再現します。複雑なクラシック音楽を聴きたいときでも、ロックなアクション映画を聴きたいときでも、このヘッドホンはすべてをこなすことができます。

 

https://www.ign.com/articles/sony-wh-1000xm5-review

 

www.youtube.com

 

 SONYの最新のノイズキャンセリングフラッグシップヘッドホンは、前モデルよりも50ドルのプレミアムがありますが、WH-1000XM5は、多くの追加のパフォーマンスと洗練された新しいデザインで、その追加コストを正当化します。それらが必要ですか?おそらく不可欠というものではないでしょう。それらを気に入るでしょうか? 絶対気に入りますよ!

 

長所:

  • 優れたサウンド
  • 非常に優れた快適性
  • 超クリアな通話品質
  • クラス最高のノイズキャンセリング機能
  • 優れたバッテリー持続時間
  • ハイレゾ対応(有線/無線)
  • ハンズフリー音声アシスタント機能
  • 上品でモダンなデザイン

 

短所:

  • フラットに折りたためるが、コンパクトになるまで折りたためない

 

https://www.digitaltrends.com/home-theater/sony-wh-1000xm5-review/

 

www.youtube.com

 

 価格が上がったのは気に入らないし、ケースも惜しい。そんなわけで、XM4と並べて比較するのはあなた自身で試すのが一番ですし、お金を節約できる可能性もあります。1000XM5は、1000XM4とAirPods Maxのような高級ヘッドホンの間の奇妙な半歩前進みたいな製品です。しかし、非常に優れたノイズキャンセリングヘッドホンであることに変わりはありません。

 

長所:

  • さらに進化したアクティブノイズキャンセリング
  • よりバランスのとれた、引き締まったサウンド
  • 音声通話の品質向上

 

短所:

  • 400ドルの割にはプラスチッキーなデザイン
  • 1000XM4と比較して大きな新機能はない
  • かさばるキャリングケース

 

https://www.theverge.com/23067645/sony-wh-1000xm5-noise-canceling-headphones-review

 

www.youtube.com

 

 WH-1000XM5は、あるカテゴリーで最高の製品であっても、まだ改善の余地があることを証明するものです。ソニーは1000Xシリーズで常に私たちを感動させてきましたが、M5で実現したアップグレードは、シリーズ史上最大級のものです。これまで以上にノイズを遮断しながら、その音をさらに良くすることに成功したのです。さらに、美観を向上させるだけでなく、より快適な新しい外観もあります。唯一の不満は、前モデルより50ドル高い400ドルという価格です。しかし、得られるものの全体を考えれば、このコストはまったく妥当なものです。ソニーはすでにトップに立っていましたが、WH-1000XM5でさらに後続との距離を広げたのです。

 

 音質に関する不満は1つだけで、それは本当のオーディオの問題ではなく、実はBluetoothの問題かもしれません。MacBook Proで音楽を聴いたりビデオを見たりしていると、時折、早いドロップアウトやスキップを経験することがありました。頻繁に起こることではなく、不思議なことに、iPhoneで再生しているときには一度も聴いたことがありません。音声が一瞬途切れるのは、インターネット接続が悪いときにビデオを見ているような感じに近く、その後は続きがあります。送られてきたWH-1000XM5を2台ともテストしたところ、両方でこの問題に気づきました。ソニーに問い合わせたところ、原因は不明とのことです。

 

長所:

  • 最高の快適性
  • 素晴らしいサウンド
  • パワフルなANC
  • 30時間のバッテリー駆動時間

 

短所:

  • XM4より高価
  • macOSでオーディオの問題が発生することがある

 

https://www.engadget.com/sony-wh-1000xm5-review-160045478.html

 

 

まとめ

 SONY WH-1000XM5が前世代よりアクティブノイズキャンセリングでは確実に、音質面もおそらく確かに進化していそうだということはこれらのレビューから推察できます。賛否両論あるのは外観の変更です。それを「モダンスタイル」と好意的に評するレビュアーもいますが、「高級感が減った」とか「プラスチッキー」と形容する人もいます。

 

 そして明らかに多くのレビュアーは、XM4より携行時にかさばるデザインに変更されたことと、価格が値上がりしたことに不平を述べています。価格がこなれているXM4と使い勝手とコスパ(そして人によってはデザイン)でどっちが優れているか……単純な上位互換とは言えなさそうです。

 

 

 

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【特集】DTM用におすすめのモニターヘッドホン選び方ガイド 2022|詳しい解説とおすすめ機種

DTM用 おすすめ モニター ヘッドホン

 

 近年、DTMが普及するにしたがって、モニターヘッドホンは欠かせないアイテムとなりつつあります。

 

 スピーカーは室内音響特性の影響を考慮しなければいけません。居住環境が限られる多くの人にとってニアフィールドタイプしか使えませんし、厳密にセッティングするのも面倒です。スピーカーセッティング用のソフトウェアは決して廉価ではなく、マイクによる測定が必要です。またスピーカーは周囲の環境によっては大音量で使えません。

 

 したがって、入門者がスピーカーでDTMというのはあまり現実的ではありません。高品質なスピーカーを買っても性能を活かすこともできないでしょう。たとえば一般的なDTMerが10万円以上するモニタースピーカーを買っても多くの場合、無駄になるだけです。

 

要点
  • スピーカーは室内音響特性の考慮が必要
  • スピーカーは環境によって大音量にできない(集合住宅など)
  • スピーカーはセッティングが必要

 

 

 ヘッドホンであれば室内音響特性は関係ないので、セッティングは不要。耳さえあれば高品質のものを問題なく使えます。したがって、DTMで音響機器にお金をかける優先順位としては全体的な作品の出来に関わるオーディオインターフェースDAWの次くらいに、ヘッドホンが優先事項として挙げられるでしょう。

 

要点
  • ヘッドホンは室内音響特性の影響を受けない
  • ヘッドホンはスピーカーより周囲を気にする必要がない
  • ヘッドホンはセッティング不要なので、買ってすぐ使える

 

 しかし、予算に見合ったモニターヘッドホンを買おうとお店に行くと、そこに膨大な数のモニターヘッドホンが並んでいることに気づきます。片っ端からチェックしていきますか?それが正解のように思われますが、おそらく5機種くらい聴いたあたりでどれが良いのかわからなくなってくると思います。人によっては全部買って家で聴き比べてみたくなるかもしれません。でも、それは時間とお金の無駄です。

 

 そこでこの記事では、失敗しないモニターヘッドホンの選び方と、確実に後悔させない機種を用途を明確にして紹介します。

 

 レコーディング用、ミキシング用、トラッキング用。この記事を読めば、必要としているヘッドホンを素早く見つけることができるでしょう。

 

リスニング用ヘッドホンとモニター用ヘッドホンの違い

音質

 リスニング用ヘッドホンとモニター用ヘッドホンの違いは明確です。リスニング用ヘッドホンは「聞き心地の良さ、音色の美しさ、快適性、芸術性」を目指しています。モニター用ヘッドホンは「正確性、分析性、録音に忠実な表現、技術性」を重視しています。

 

 リスニング用とモニター用ではチューニングの意図がそもそも違うのです。そのため、リスニング用ヘッドホンをDTMで使おうとすると、ミキシングでは音の変化がわかりづらく、定位が不明瞭、トラッキングでは音のバランスが拾いにくい、レコーディングでは質感がわかりづらいといった弊害があります。

 

 ただし、曲の最終的な完成段階でリスニング用ヘッドホンやイヤホンでどう聞こえるかのチェックは必要な工程になりつつあります。最近のリスナーはスピーカーでなく、イヤホンで音楽を聴くことが多いため、その聞こえ方に合わせることは、より多くのリスナーの獲得に繋がります。

 

要点
  • モニター用とリスニング用では音響設計意図が違う
  • リスニング用は基本的に曲制作に使うことを考慮していない観賞用
  • 曲の最終段階でリスニング用機器で聞くことは大事

 

 

城下工業 SoundWarrior SW-HP10S

城下工業 SoundWarrior SW-HP10S

 

保守性

 リスニング用とモニター用のヘッドホンのさらなる違いは保守性、耐久性です。プロ用のモニターヘッドホンは一つのスタジオで長く使うことを想定しており、もともと耐久性を考慮して設計されているほか、故障してもすぐに修理できるよう、保守性の高い設計になっています。

 

 リスニング用ヘッドホンは趣味用のものであるため、保守性はそれほど重視されていません。もちろんリスニング用だからといって売り切りでアフターサポートがないなんてことはありませんが、プロ用のモニターヘッドホンと比べて修理に時間がかかったり、在庫切れが多いという傾向があります。

 

 こうした保守性の違いもDTMのメインヘッドホンにモニター用を選んだほうが良い理由の一つになります。

 

要点
  • モニター用ヘッドホンは保守性を考慮して設計されている
  • 耐久性も高いことが多い

 

構造の違い:密閉型と開放型

 モニターヘッドホンのハウジングには「密閉型(クローズド)」「開放型(オープン)」の2種類があります。ほかに「半開放型(セミオープン)」というのもありますが、それは開放型の亜種と捉えることができ、実質的に2種類と考えて大丈夫です。

 

 それぞれメリットとデメリットがあります。

 

密閉型

 

 スピーカー部分が外側に対して完全に閉鎖されている密閉型は、遮音性が高く、音漏れの心配も少ないため、外出時や周辺の環境音がうるさい場所、人の多い場所などでの使用に向きます。

 

 密閉型は構造上、低域の再現度が高く、高域のディテールと拡張性には劣る傾向があります。結果として、音場表現が開放型よりやや狭く、音楽全体がスピーカーで聞くよりは少し重く聞こえる印象を受けるかもしれません。しかし、最近は密閉型でも構造を工夫することで高域の再現度を向上させている機種が多く、ほとんど欠点になっていません。

 

 多くの場合、DTM入門者には使う場所を選ばない密閉型から最初の1台を選ぶほうが利点が多いでしょう。外出先などでも気軽に使えるためです。

 

要点
  • 密閉型のメリット:遮音性、低域再現度
  • 密閉型のデメリット:高域再現度、音場の広がり、重心が低い音響構造

 

開放型

 

 開放型ヘッドホンは、ハウジングの背面がメッシュ形状になっているなど開放されており、閉鎖空間で発生する不要な共振・共鳴を減らすとともに、よりスムーズな振動板の動作を可能としています。結果として、音の抜けが良く、ディテール再現度も高く、高域の細やかな表現を描き出すことができます。

 

 欠点は密閉型に比べて低域が弱く、遮音性が低いことです。

 

 開放型はディテール再現度、定位の表現に優れているため、ミキシング用トラッキング用を問わず、一線級の著名プロオーディオエンジニアはメインヘッドホンに開放型を選ぶことが多いです。不要な共振も少なく、音が聞き取りやすく、風通しも良いので蒸れにくく、長時間の使用に向きます。

 

 スタジオに近い十分に静かな環境をプライベートに用意できる人なら開放型が優れているのは自明の理ですが、一般的な日本の居住環境では密閉型のほうが周囲の雑音などが気にならないので、より曲作りに集中しやすいでしょう。

 

要点
  • 開放型のメリット:高域再現度、音場の広さ、細やかなディテール、不要な共振が少なく快適
  • 開放型のデメリット:遮音性、低域再現度

 

半開放型

 厳密に言えば、開放型の亜種です。これは密閉度を調整することで低域再現度のバランスを取ったモデルで、そのバランスの取り具合により、開放型にかなり近いものや密閉型にかなり近いものがあり、ばらついているため、ひとくくりにするのは難しいです。

 

タイプ 特徴 おすすめ用途
密閉型
  • 遮音性が高い
  • 低域再現度が高い
  • 曲に集中しやすい
  • トラッキング
  • ミキシング
  • レコーディング
  • マスタリング
開放型
  • ディテールに優れる
  • 定位感に優れる
  • 聴き疲れしにくい
  • 遮音性が低い
  • トラッキング
  • ミキシング
  • マスタリング
半開放型
  • 開放型より低域が出ていることが多い
  • 高域と低域のバランスが良い機種が多い
  • 遮音性も開放型より良い

 

  • トラッキング
  • ミキシング
  • レコーディング
  • マスタリング

 

用途別:トラッキング用・レコーディング用・ミキシング用・マスタリング用

 モニターヘッドホンの用途は、大きく分けると「レコーディング」「トラッキング」「ミックス」「マスタリング」の4種類があります。モニター用ヘッドホンは、レコーディングにもミキシングにも使えますが、各ヘッドホンの特徴を知ることでより正確なモニタリングが可能です。

 

レコーディング、トラッキング、マスタリング

 レコーディングやマスタリングではモニターヘッドホンを使って録音品質や音源品質の確認を行います。この場合、重要なのは生楽器の質感と定位、そして臨場感が十分に録音に再現されているかです。さらにマイクのポップノイズやピアノペダルを踏み込む音などが拾えなければなりません。

 

 

 このため、一般的にレコーディングでは低域がより正確に聞こえる密閉型が適していると言えます。周囲の環境音に影響されず、録音の音だけを集中して聞きやすい、ヘッドホンの音が漏れないという意味でも、レコーディング用には密閉型が有利です。

 

 密閉型には高域で自然な倍音表現を実現しづらいというレコーディングに使うには固有の欠点がありますが、最近の機種ではこの欠点はだいぶ取り除かれています。クオリティにこだわるならば、最終的に細やかな録音品質の確認にはfinal A3000などの倍音表現に優れたイヤホンを併用するのが良いでしょう。

 

 スペック面ではオーディオ機器由来のノイズが少なくなる低感度、高インピーダンスのものが向きます。ただしこの系統のヘッドホンは鳴らしにくいので高出力のアンプを必要とする場合があります。

 

 なおレコーディング用モニターでクリッピングの確認をすべきという意見も一部にあるようですが、クリッピングの有無は普通、録音ソフトやオーディオインターフェースのモニター画面で視覚的に確認するはずなので、耳に頼ることはないでしょう。

 

要点
  • 遮音性が高く、低域が確認しやすい密閉型が良い
  • さまざまな現場で使える長いケーブルのものが良い
  • オーディオ機器由来のノイズを減らすため、低感度/高インピーダンスの機器を選ぶとよい

 

ミキシング

 いわゆる「音作り」の部分に当たるミキシングでは繊細で緻密な分析力のある音が求められます。こうした要素は高域に存在するので、基本的に開放型が向いています。

 

 

 しかし、開放型は遮音性が低いので日本の住宅事情などを考えると、曲作りには密閉型のほうが集中しやすい点もあります。環境と相談して使い分ける形になるでしょう。また低域の量感の確認は開放型では難しいので、低域の音作りでは密閉型やイヤホンに頼ることになります。

 

 スペック面ではディテール感やトランジェントを正確に把握するために感度の高いものが求められます。ノイズを抑制するため、インピーダンスは多少高いほうがいいでしょう。

 

要点
  • 音質的には定位の正確性が高い開放型が良い
  • 曲作りに集中しにくい環境では密閉型も必要
  • 低域の音作りには密閉型かイヤホン必須
  • 感度の高いものが良い

 

インピーダンスに注意

 モニターヘッドホンは多くの場合、インピーダンスが高く設定されています。32Ωくらいであれば最近のPCなら直挿しでも問題なく使えると思いますが、それ以上になると、オーディオインターフェースやアンプの使用を考慮する必要があります。そのため、最初に購入するモニターヘッドホンは感度次第のところがありますが、64Ωくらいまでがいいと思います。

 

 ただし、DTMをやっている、やりたい人はデジタルオーディオプレーヤーを持ち歩いているくらいの人が多いでしょうし、600Ωとかの駆動を考えない限り、インピーダンスはあまり気にしなくて大丈夫だと思いますね。

 

 たとえば定格63ΩのSONY MDR-7506は私のスマホではまだなんとか使えます。フルオーケストラのようなダイナミックレンジの高い曲はしんどいですが、ポップスは普通に問題なく聞けますね。

 

SONY MDR-7506

SONY MDR-7506

 

装着感

 DTMではヘッドホンを長時間使うことが多いので、装着感は非常に重要です。イヤーカップは大きめのものを選びましょう。また蒸れにくい開放型のほうが長時間使用に向きます。

 

 

 

おすすめ機種

 ここでは入門用に最適なおすすめ機種をピックアップします。価格は安めですが優秀なものをチョイスしました。

 

Classic Pro CPH7000

Superlux HD668B

Classic Pro CPH7000

¥3,980

 

長年に渡って日本の音楽シーンを支え続けてきたサウンドハウスは、日本製で最高のモニターヘッドホンの一つ「CLASSIC PRO CPH7000」を生み出しました。

 

CPH7000は5,000円未満という驚きの低コストで本格的なスタジオサウンドを届ける夢のようなヘッドホンです。CPH7000はDTM初心者の初期投資のマネージメントに大きく貢献する理想的なモデルで、これを買うことでモニターヘッドホン選びに迷うことなく安上がりに済ませ、ほかの機材にお金をかけることが出来ます。入門者がプロになるまで使い続けられる5,000円以下の機材というのは稀ですが、CPH7000はそうした機材の数少ない一つです。

 

レビュー記事:

モニターヘッドホン CLASSIC PRO CPH7000 レビュー - audio-sound@premium

 

  • レコーディング、ミキシング、トラッキング、マスタリング

 

 
 
 
オススメ
 

 

 

Superlux HD668B

Superlux HD668B

Superlux HD668B

¥4,662

 

Superlux HD 668Bは、予算に限りのあるユーザーにとって最高のモニターサウンドを提供する台湾製スタジオヘッドホンです。このヘッドホンは、セミオープン型のエンクロージャーを採用しており、より開放的で大きく、自然なパッシブサウンドステージを作り出すことができます。また、余分なオーディオケーブルが付属しているので、もう一方のケーブルを紛失した場合にも便利です。

 

この製品は、ニュートラルなサウンド・プロファイルに、少しだけパンチとブームを加えています。中音域のバランスも良く、ボーカルやリード楽器の存在感、細やかさ、正確さが再現されていますが、歯擦音はやや明るめで耳障りに感じるかもしれません。軽量なプラスチックデザインで装着感も快適です。

 

レビュー記事:

【モニターヘッドホン Superlux HD668B フラッシュレビュー】分析的なフラットモニター。少し音が固く、シャカシャカしやすいところもあるが、モニターサウンドが好きならおすすめ - audio-sound @ hatena

 

  • ミキシング、トラッキング、マスタリング

 

 
 
オススメ
 

 

 

SONY MDR-7506

SONY MDR-7506

SONY MDR-7506

¥11,800

 

ソニーのMDRシリーズは、世界中のレコーディングや放送の現場で何十年にもわたって日常的に使用されており、スタジオでの確固たる実績を持っています。現行のMDR-7506は、快適性、実用性、価値を見事に融合させています。

 

そのサウンドは中高域のディテール感を重視していながら、低域も強調されることなく、深いところまで見通せるようになっており、音楽の全体像を鏡のように明らかにします。このヘッドホンがなぜロングセラーを続けているのか、そのサウンドが物語っていると言えます。

 

レビュー記事:

モニターヘッドホン SONY MDR-7506 レビュー - audio-sound@premium

 

  • レコーディング、トラッキング、マスタリング、ミキシング

 

 
 
 
オススメ
 
 

 

 

YAMAHA HPH-MT8

YAMAHA HPH-MT8

 

YAMAHA HPH-MT8

¥23,800

 

YAMAHA HPH-MT8は正確な音を持ち、低音のレスポンスが良く、ステレオイメージがはっきりしています。価格を考えると、ミキシング用ヘッドホンとしては最高の製品だと思います。このヘッドホンのサウンドを一度聞いてみれば、そのディテール把握能力の高さに唸らされ、これを使って演奏や録音をトラッキングしたいと思うことでしょう。

 

非常に低歪で優れたディテールを持つサウンドは現状手に入るスタジオモニターヘッドホンの最高峰の一つと言って良いですが、提供されるサウンドに対して、値段が比較的割安に感じられることも人気の秘密でしょう。ビルドクオリティと機能性も優れており、高耐久性と使い勝手の良さも兼ね備えています。スタジオモニターに必要とされるほぼすべての需要を満たすことができます。

 

レビュー記事:

モニターヘッドホン YAMAHA HPH-MT8 レビュー - audio-sound@premium

 

  • レコーディング、トラッキング、マスタリング、ミキシング

 

 
 
 
オススメ
 

 

さらにモニターヘッドホンを探す

 サウンドハウスのモニターヘッドホン特集記事を御覧ください。

 

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【コラム】SONY LinkBuds(WF-L900)の海外レビューまとめ

SONY LinkBuds(WF-L900)

SONY LinkBuds(WF-L900)

 

 SONYの新作完全ワイヤレスイヤホン「SONY LinkBuds」の海外レビューをまとめて紹介します。

 

SONY LinkBudsの特徴

  • 耳をふさがない開放的で新しいリスニングスタイル
  • 長時間快適に装着するための、コンパクトで開放的な本体デザイン
  • 自分の声を通話相手にクリアに届けるマイク性能
  • 充実した基本性能と高い操作性
  • 便利なスマート機能とスマートフォン・PCとの高い親和性

 

SONY LinkBuds(WF-L900)

 

革新的なリング型ドライバーユニット

 振動版の中心部が開放されているリング型ドライバーユニットを採用。耳をふさがないため圧迫感がなく、イヤホンをしていても周囲の音が明瞭に聞こえる、リアルとオンラインが繋がったような新しいリスニングスタイルをお楽しみ頂けます。

 

www.youtube.com

 

海外レビューの紹介

※動画は字幕で翻訳されているものがあります。字幕をONにすることをオススメします。字幕の日本語訳が表示されない場合は動画の右下にある「Youtube」をクリックしてYoutubeの本サイトで再生すると翻訳字幕で見られるようになります。

 SONYのLinkBudsは、一日中装着できるように小型化されました。全く新しい設計のドライバーを搭載し、鮮明でクリーンなサウンド、そして見事な新しいUXコントロールシステムを導入しています。しかし、低音の不足とBluetooth接続が切断しやすい傾向があり、その魅力が損なわれています。

 

長所:

  • 驚くほどコンパクト
  • きめ細かいニュアンスのある演奏
  • 顔面を使うワイドエリアなタップコントロール

短所:

  • 低音が少ない
  • Bluetoothが落ちやすい
  • 通勤・通学には不向き

 

https://www.techadvisor.com/review/sony-linkbuds-wf-l900-3813452/

 

www.youtube.com

 

 骨伝導イヤホンよりも、より周囲への配慮が必要な場合は、こちらを選んだほうがいいと思います。ソニーはAppleのエコシステムの中でAirPodsから誰も奪おうとはしていませんが、LinkBudsによってAndroidユーザーはオープンスタイルのイヤホンのもうひとつの確かな選択肢を手に入れることができます。

 

長所:

  • オンラインとオフラインの両方の世界に足を踏み入れることができる
  • ユニークなスタイルと快適性
  • 優れた音声通話性能
  • 信頼性の高い操作性
  • 話すと自動的に音声を一時停止
  • 軽量で快適な使い心地
  • 良好なバッテリー駆動時間

短所:

  • 他社のイヤホンに比べて低音に欠ける
  • 大音量の環境では実用的でない
  • Bluetoothマルチポイント非対応
  • 人感センサーの誤作動がある
  • ワイヤレス充電ができない

 

https://www.techspot.com/products/wearables/sony-linkbuds-wf-l900.250788/

 

www.youtube.com

 

 サウンドとボイスパフォーマンス以外のLinkBudsのスペックは...合格点だと思います。1回の充電で5.5時間のバッテリー駆動が可能ですが、これはノイズキャンセリング機能を持たないイヤホンとしてはかなり低い値です。ケース充電でさらに12時間、合計17.5時間です。コンパクトで軽いLinkBudsのフォルムを考えると、このあたりは大目に見てあげたいところですが、一日中装着することを想定したイヤホンとしては、もう少し長い持続性があってもよかったかもしれません。LinkBudsはIPX4の防水性能を備えており、通常の運動には耐えられるはずです。キャリングケースは、少し背が高いですが、それでもコンパクトと言えるでしょう。残念なのは、ワイヤレス充電ができないことです。

 

 AndroidのFast PairとWindowsのSwift Pairを追加して、おまけはここまで。LinkBudsはソニーの360 Reality Audioをサポートしていますが、どのイヤホンも空間オーディオ音楽に対応しているので、今となってはこれはもうセールスポイントとは言えませんね。残念ながら、ソニーがまだイヤホンに搭載していないマルチポイント機能は搭載されていませんので、一度に接続できるBluetoothは1つに限られます。繰り返しになりますが、ソニーが常時装着を想定している製品ならば、マルチポイントはぜひとも欲しい機能です。

 

長所:

  • ユニークなスタイルで、快適な使い心地
  • 優れた音声通話性能
  • 周囲への気配りを忘れない

短所:

  • バッテリー駆動時間
  • 大音量の環境では実用的でない
  • Bluetoothマルチポイント非対応

 

https://www.theverge.com/22933521/sony-linkbuds-earbuds-review-features-specs

 

www.youtube.com

 

 $179のSony LinkBudsは、周囲の世界と完全に切り離されない初めてのイヤホンとして注目されています。この製品はユニークで、非常に優れた使用例を提供します。キャンパスに戻った学生、オフィスに戻る準備をしている社会人、家で家族と一緒にいる人など、LinkBudsはANC付きイヤホンよりも役に立つかもしれません。

 

 最終的には、このプレミアムな価格帯で何を最も重視するかを天秤にかける必要があります。ノイズキャンセリングが欲しい人は、LinkBudsより$20高いだけの$199のBeats Fit Proや$199のGalaxy Buds Proの方がおすすめできます。しかし、しっかりとしたサウンドと、周囲の音を聞き取る能力を求めるのであれば、LinkBudsは一見の価値があります。ただ、自分に合ったものを見つけるのは、少し辛抱が必要です。

 

https://us.cnn.com/2022/02/15/cnn-underscored/sony-linkbuds-wf-l900-review/index.html

 

www.youtube.com

 

 ソニーのLinkBudsは、その巧妙なデザインと、多くの人が魅力を感じるような異なるサウンドを提供することに拍手を送りたいと思います。

 

長所:

  • バランスのとれた自然な音
  • 開放的でゆとりのある表現
  • 軽量で快適な使い心地

短所:

  • 駆動力とダイナミクスに欠ける音
  • 通常のバッテリー駆動時間
  • ワイヤレス充電不可

 

https://www.whathifi.com/us/reviews/sony-linkbuds

 

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まとめ

 SONYは以前から外音を遮断しないイヤホンの開発にいそしんできましたが、2022年、彼らはついに独自のリング型振動板を備えた革新的なデザインのSONY LinkBuds(WF-L900)に到達したようです。決して万能な機種ではなさそうですし、構造上低域の量が少ないことは容易に予想できますが、面白そうなイヤホンであることは間違いありません。ただ、レビューを確認していくと改善点がないわけではないようで、まだまだ完成形とは言えない気がします。

 

SONY LinkBuds(WF-L900)

 

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SONY NW-WM1ZM2 & NW-WM1AM2

SONY NW-WM1ZM2 & SONY NW-WM1AM2

 

 SONYはデジタルオーディオプレーヤーWALKMANシリーズの最新フラッグシップモデル「SONY NW-WM1ZM2」(¥396,000)と「SONY NW-WM1AM2」(¥159,500)を発表しました。3/25に発売されます。

 

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ウォークマンが長年培ってきたフルデジタルアンプの技術を結集。パーツ細部までこだわり抜き、真の高音質を徹底的に追求したWM1シリーズ

 「音」に込められた想いまで届ける、すべては音楽の感動のために。WM1シリーズは、演奏が始まる瞬間や演奏終わりの静寂に至るまでの微小音がもたらす繊細な空気感、大音量時のスケール感や躍動感も体感できる洗練された音づくりを追求し、贅沢な音楽体験を届けることを目指しました。NW-WM1ZM2は、ソニーがこれまで培ってきたすべての高音質技術をベースに、従来の常識にとらわれない音作りが結実したSignature Seriesモデルです。

 

ハイレゾ再生対応の高性能フルデジタルアンプ「S-Master HX」搭載

 DSDネイティブ再生(最大11.2MHz)およびリニアPCM再生(最大384kHz/32bit)に対応。また、アンバランス接続時は60mW+60mW(16Ω)、バランス接続時には250mW+250mW(16Ω)の実用最大出力を実現。

 

さらなる高音質を追求するため、細部までこだわり抜いたパーツ

SONY NW-WM1ZM2

 金メッキを施した純度約99.99%の無酸素銅切削筐体を採用。純度があがったことで、抵抗値を低減。さらに伸びのある澄んだ高音やクリアで力強い低音が再現可能に。また、アンプからヘッドホンジャックへの線材には、DMP-Z1にも使用されているKIMBER KABLE(R)社との協力によって開発された大口径の4芯Braid(編み)構造のケーブル(MUC-B20SB1と同仕様)を採用。より力強くなめらかな音質を実現しました。さらに、手付はんだ部、リフローはんだ部に金を添加した高音質はんだを使用することで、微細音の再現力が増し、広がりや定位感の向上を実現しています。

 

SONY NW-WM1AM2

 アルミ切削筐体と内部には無酸素銅切削ブロックを採用し、透明感のある音質と力強い低域を実現。またアンプからヘッドホンジャックへの線材に、スムーズに信号を伝達する低抵抗の無酸素銅ケーブル(OFCケーブル)を採用しました。音の歪みを抑え、ステレオ感が増したサウンドを再現します。さらに、手付はんだ部、リフローはんだ部に金を添加した高音質はんだを使用することで、微細音の再現力が増し、広がりや定位感の向上を実現しました。

 

「DSDリマスタリングエンジン」や「DSEE Ultimate」搭載

 「DSDリマスタリングエンジン」搭載で、ソニー独自のアルゴリズムにより元のデータの情報量を損なわず、すべてのPCM音源を11.2MHz相当のDSD信号に変換。また、膨大な楽曲データを学習しているAI(人工知能)技術により、リアルタイムに楽曲の情景を分析し、最適にハイレゾ級高音質にアップスケーリングする「DSEE Ultimate」を搭載。ビットを拡張しサンプリング周波数を高め、最大192kHz/32bit相当まで拡張。AI技術を用いることで曲を自動で判別、微細な音の再現性を向上。またAIアルゴリズムの進化により、CD音質相当音源(44.1kHzおよび48kHz/16bit)のアップスケーリング性能も高めています。

 

液晶パネルの大画面化やストリーミングサービスに対応

 5.0型(12.7cm)、HD(1280x720ドット)のタッチパネル液晶を搭載。音楽再生に特化したUIと相まって、よりスムーズに操作が可能になりました。さらに本体側面のハードウェアボタンにより、バッグなどに入れたままでも、液晶を見ずに楽曲の再生や曲送り/曲戻しが可能です。また、Android(TM)11.0搭載で、Google Play (TM)ストアから様々なアプリがダウンロードできます。ハイレゾストリーミングにも対応し、ハイレゾ音質の楽曲を提供するストリーミングサービス利用時も、音楽専用機ならではの高音質で再生できます。アーティストの息遣いや楽器の生々しさをお楽しみ頂けます。

 

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まとめ

 「SONY NW-WM1ZM2」&「SONY NW-WM1AM2」で個人的に注目するのはAndoroid搭載です。これによりストリーミングやオーディオアプリへの対応力が高まりました。

 

 細かいところでは前バージョンであったBluetoothレシーバー機能がオミットされているようです。これはA100などでも省略されていたので、既定路線なのでしょう。スペック上はバッテリー性能が上がっているように思われますが、ZX500やA100ではバッテリー性能の効率の悪さが問題となっていたので、改善されているかが気になります。

 

SONY NW-WM1ZM2

 

SONY NW-WM1AM2

 

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【ニュース】SONYの新作完全ワイヤレスイヤホン「Sony WF-L900」?

Sony WF-L900

Sony WF-L900?(画像引用元:The Walkman Blog)

 

 韓国のFCCサイトに登録されたSONYの次期製品YY2953が「WF-L900」という型番であることが判明しました。WF-L900はWF-SP700Nに近いデザインをしており、2022年にリリースされると思われます。

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 WF-L900はおそらくスポーツ向けのモデルであり、高い防水性能を持っている可能性があります。より詳しい情報はソース元で確認してください。

 

ソース:

 

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【特集】DTM用におすすめのモニターヘッドホン選び方ガイド 2021|詳しい解説とおすすめ機種

DTM用 おすすめ モニター ヘッドホン

 

 近年、DTMが普及するにしたがって、モニターヘッドホンは欠かせないアイテムとなりつつあります。

 

 スピーカーは室内音響特性の影響を考慮しなければいけません。居住環境が限られる多くの人にとってニアフィールドタイプしか使えませんし、厳密にセッティングするのも面倒です。スピーカーセッティング用のソフトウェアは決して廉価ではなく、マイクによる測定が必要です。またスピーカーは周囲の環境によっては大音量で使えません。

 

 したがって、入門者がスピーカーでDTMというのはあまり現実的ではありません。高品質なスピーカーを買っても性能を活かすこともできないでしょう。たとえば一般的なDTMerが10万円以上するモニタースピーカーを買っても多くの場合、無駄になるだけです。

 

要点
  • スピーカーは室内音響特性の考慮が必要
  • スピーカーは環境によって大音量にできない(集合住宅など)
  • スピーカーはセッティングが必要

 

 

 ヘッドホンであれば室内音響特性は関係ないので、セッティングは不要。耳さえあれば高品質のものを問題なく使えます。したがって、DTMで音響機器にお金をかける優先順位としては全体的な作品の出来に関わるオーディオインターフェースDAWの次くらいに、ヘッドホンが優先事項として挙げられるでしょう。

 

要点
  • ヘッドホンは室内音響特性の影響を受けない
  • ヘッドホンはスピーカーより周囲を気にする必要がない
  • ヘッドホンはセッティング不要なので、買ってすぐ使える

 

 しかし、予算に見合ったモニターヘッドホンを買おうとお店に行くと、そこに膨大な数のモニターヘッドホンが並んでいることに気づきます。片っ端からチェックしていきますか?それが正解のように思われますが、おそらく5機種くらい聴いたあたりでどれが良いのかわからなくなってくると思います。人によっては全部買って家で聴き比べてみたくなるかもしれません。でも、それは時間とお金の無駄です。

 

 そこでこの記事では、失敗しないモニターヘッドホンの選び方と、確実に後悔させない機種を用途を明確にして紹介します。

 

 レコーディング用、ミキシング用、トラッキング用。この記事を読めば、必要としているヘッドホンを素早く見つけることができるでしょう。

 

リスニング用ヘッドホンとモニター用ヘッドホンの違い

音質

 リスニング用ヘッドホンとモニター用ヘッドホンの違いは明確です。リスニング用ヘッドホンは「聞き心地の良さ、音色の美しさ、快適性、芸術性」を目指しています。モニター用ヘッドホンは「正確性、分析性、録音に忠実な表現、技術性」を重視しています。

 

 リスニング用とモニター用ではチューニングの意図がそもそも違うのです。そのため、リスニング用ヘッドホンをDTMで使おうとすると、ミキシングでは音の変化がわかりづらく、定位が不明瞭、トラッキングでは音のバランスが拾いにくい、レコーディングでは質感がわかりづらいといった弊害があります。

 

 ただし、曲の最終的な完成段階でリスニング用ヘッドホンやイヤホンでどう聞こえるかのチェックは必要な工程になりつつあります。最近のリスナーはスピーカーでなく、イヤホンで音楽を聴くことが多いため、その聞こえ方に合わせることは、より多くのリスナーの獲得に繋がります。

 

要点
  • モニター用とリスニング用では音響設計意図が違う
  • リスニング用は基本的に曲制作に使うことを考慮していない観賞用
  • 曲の最終段階でリスニング用機器で聞くことは大事

 

 

城下工業 SoundWarrior SW-HP10S

城下工業 SoundWarrior SW-HP10S

 

保守性

 リスニング用とモニター用のヘッドホンのさらなる違いは保守性、耐久性です。プロ用のモニターヘッドホンは一つのスタジオで長く使うことを想定しており、もともと耐久性を考慮して設計されているほか、故障してもすぐに修理できるよう、保守性の高い設計になっています。

 

 リスニング用ヘッドホンは趣味用のものであるため、保守性はそれほど重視されていません。もちろんリスニング用だからといって売り切りでアフターサポートがないなんてことはありませんが、プロ用のモニターヘッドホンと比べて修理に時間がかかったり、在庫切れが多いという傾向があります。

 

 こうした保守性の違いもDTMのメインヘッドホンにモニター用を選んだほうが良い理由の一つになります。

 

要点
  • モニター用ヘッドホンは保守性を考慮して設計されている
  • 耐久性も高いことが多い

 

構造の違い:密閉型と開放型

 モニターヘッドホンのハウジングには「密閉型(クローズド)」「開放型(オープン)」の2種類があります。ほかに「半開放型(セミオープン)」というのもありますが、それは開放型の亜種と捉えることができ、実質的に2種類と考えて大丈夫です。

 

 それぞれメリットとデメリットがあります。

 

密閉型

 

 スピーカー部分が外側に対して完全に閉鎖されている密閉型は、遮音性が高く、音漏れの心配も少ないため、外出時や周辺の環境音がうるさい場所、人の多い場所などでの使用に向きます。

 

 密閉型は構造上、低域の再現度が高く、高域のディテールと拡張性には劣る傾向があります。結果として、音場表現が開放型よりやや狭く、音楽全体がスピーカーで聞くよりは少し重く聞こえる印象を受けるかもしれません。しかし、最近は密閉型でも構造を工夫することで高域の再現度を向上させている機種が多く、ほとんど欠点になっていません。

 

 多くの場合、DTM入門者には使う場所を選ばない密閉型から最初の1台を選ぶほうが利点が多いでしょう。外出先などでも気軽に使えるためです。

 

要点
  • 密閉型のメリット:遮音性、低域再現度
  • 密閉型のデメリット:高域再現度、音場の広がり、重心が低い音響構造

 

開放型

 

 開放型ヘッドホンは、ハウジングの背面がメッシュ形状になっているなど開放されており、閉鎖空間で発生する不要な共振・共鳴を減らすとともに、よりスムーズな振動板の動作を可能としています。結果として、音の抜けが良く、ディテール再現度も高く、高域の細やかな表現を描き出すことができます。

 

 欠点は密閉型に比べて低域が弱く、遮音性が低いことです。

 

 開放型はディテール再現度、定位の表現に優れているため、ミキシング用トラッキング用を問わず、一線級の著名プロオーディオエンジニアはメインヘッドホンに開放型を選ぶことが多いです。不要な共振も少なく、音が聞き取りやすく、風通しも良いので蒸れにくく、長時間の使用に向きます。

 

 スタジオに近い十分に静かな環境をプライベートに用意できる人なら開放型が優れているのは自明の理ですが、一般的な日本の居住環境では密閉型のほうが周囲の雑音などが気にならないので、より曲作りに集中しやすいでしょう。

 

要点
  • 開放型のメリット:高域再現度、音場の広さ、細やかなディテール、不要な共振が少なく快適
  • 開放型のデメリット:遮音性、低域再現度

 

半開放型

 厳密に言えば、開放型の亜種です。これは密閉度を調整することで低域再現度のバランスを取ったモデルで、そのバランスの取り具合により、開放型にかなり近いものや密閉型にかなり近いものがあり、ばらついているため、ひとくくりにするのは難しいです。

 

タイプ 特徴 おすすめ用途
密閉型
  • 遮音性が高い
  • 低域再現度が高い
  • 曲に集中しやすい
  • トラッキング
  • ミキシング
  • レコーディング
  • マスタリング
開放型
  • ディテールに優れる
  • 定位感に優れる
  • 聴き疲れしにくい
  • 遮音性が低い
  • トラッキング
  • ミキシング
  • マスタリング
半開放型
  • 開放型より低域が出ていることが多い
  • 高域と低域のバランスが良い機種が多い
  • 遮音性も開放型より良い

 

  • トラッキング
  • ミキシング
  • レコーディング
  • マスタリング

 

用途別:トラッキング用・レコーディング用・ミキシング用・マスタリング用

 モニターヘッドホンの用途は、大きく分けると「レコーディング」「トラッキング」「ミックス」「マスタリング」の4種類があります。モニター用ヘッドホンは、レコーディングにもミキシングにも使えますが、各ヘッドホンの特徴を知ることでより正確なモニタリングが可能です。

 

レコーディング、トラッキング、マスタリング

 レコーディングやマスタリングではモニターヘッドホンを使って録音品質や音源品質の確認を行います。この場合、重要なのは生楽器の質感と定位、そして臨場感が十分に録音に再現されているかです。さらにマイクのポップノイズやピアノペダルを踏み込む音などが拾えなければなりません。

 

 

 このため、一般的にレコーディングでは低域がより正確に聞こえる密閉型が適していると言えます。周囲の環境音に影響されず、録音の音だけを集中して聞きやすい、ヘッドホンの音が漏れないという意味でも、レコーディング用には密閉型が有利です。

 

 密閉型には高域で自然な倍音表現を実現しづらいというレコーディングに使うには固有の欠点がありますが、最近の機種ではこの欠点はだいぶ取り除かれています。クオリティにこだわるならば、最終的に細やかな録音品質の確認にはfinal A3000などの倍音表現に優れたイヤホンを併用するのが良いでしょう。

 

 スペック面ではオーディオ機器由来のノイズが少なくなる低感度、高インピーダンスのものが向きます。ただしこの系統のヘッドホンは鳴らしにくいので高出力のアンプを必要とする場合があります。

 

 なおレコーディング用モニターでクリッピングの確認をすべきという意見も一部にあるようですが、クリッピングの有無は普通、録音ソフトやオーディオインターフェースのモニター画面で視覚的に確認するはずなので、耳に頼ることはないでしょう。

 

要点
  • 遮音性が高く、低域が確認しやすい密閉型が良い
  • さまざまな現場で使える長いケーブルのものが良い
  • オーディオ機器由来のノイズを減らすため、低感度/高インピーダンスの機器を選ぶとよい

 

ミキシング

 いわゆる「音作り」の部分に当たるミキシングでは繊細で緻密な分析力のある音が求められます。こうした要素は高域に存在するので、基本的に開放型が向いています。

 

 

 しかし、開放型は遮音性が低いので日本の住宅事情などを考えると、曲作りには密閉型のほうが集中しやすい点もあります。環境と相談して使い分ける形になるでしょう。また低域の量感の確認は開放型では難しいので、低域の音作りでは密閉型やイヤホンに頼ることになります。

 

 スペック面ではディテール感やトランジェントを正確に把握するために感度の高いものが求められます。ノイズを抑制するため、インピーダンスは多少高いほうがいいでしょう。

 

要点
  • 音質的には定位の正確性が高い開放型が良い
  • 曲作りに集中しにくい環境では密閉型も必要
  • 低域の音作りには密閉型かイヤホン必須
  • 感度の高いものが良い

 

インピーダンスに注意

 モニターヘッドホンは多くの場合、インピーダンスが高く設定されています。32Ωくらいであれば最近のPCなら直挿しでも問題なく使えると思いますが、それ以上になると、オーディオインターフェースやアンプの使用を考慮する必要があります。そのため、最初に購入するモニターヘッドホンは感度次第のところがありますが、64Ωくらいまでがいいと思います。

 

 ただし、DTMをやっている、やりたい人はデジタルオーディオプレーヤーを持ち歩いているくらいの人が多いでしょうし、600Ωとかの駆動を考えない限り、インピーダンスはあまり気にしなくて大丈夫だと思いますね。

 

 たとえば定格63ΩのSONY MDR-7506は私のスマホではまだなんとか使えます。フルオーケストラのようなダイナミックレンジの高い曲はしんどいですが、ポップスは普通に問題なく聞けますね。

 

SONY MDR-7506

SONY MDR-7506

 

装着感

 DTMではヘッドホンを長時間使うことが多いので、装着感は非常に重要です。イヤーカップは大きめのものを選びましょう。また蒸れにくい開放型のほうが長時間使用に向きます。

 

 

おすすめ機種

 ここでは入門用に最適なおすすめ機種をピックアップします。価格は安めですが優秀なものをチョイスしました。

 

Superlux HD668B

Superlux HD668B

Superlux HD668B

¥4,662

 

Superlux HD 668Bは、予算に限りのあるユーザーにとって最高のモニターサウンドを提供する台湾製スタジオヘッドホンです。このヘッドホンは、セミオープン型のエンクロージャーを採用しており、より開放的で大きく、自然なパッシブサウンドステージを作り出すことができます。また、余分なオーディオケーブルが付属しているので、もう一方のケーブルを紛失した場合にも便利です。

 

この製品は、ニュートラルなサウンド・プロファイルに、少しだけパンチとブームを加えています。中音域のバランスも良く、ボーカルやリード楽器の存在感、細やかさ、正確さが再現されていますが、歯擦音はやや明るめで耳障りに感じるかもしれません。軽量なプラスチックデザインで装着感も快適です。

 

  • ミキシング、トラッキング、マスタリング

 

 
 
オススメ
 

 

 

SONY MDR-7506

SONY MDR-7506

SONY MDR-7506

¥11,800

 

ソニーのMDRシリーズは、世界中のレコーディングや放送の現場で何十年にもわたって日常的に使用されており、スタジオでの確固たる実績を持っています。現行のMDR-7506は、快適性、実用性、価値を見事に融合させています。

 

そのサウンドは中高域のディテール感を重視していながら、低域も強調されることなく、深いところまで見通せるようになっており、音楽の全体像を鏡のように明らかにします。このヘッドホンがなぜロングセラーを続けているのか、そのサウンドが物語っていると言えます。

 

  • レコーディング、トラッキング、マスタリング、ミキシング

 

 
 
 
オススメ
 
 

 

 

YAMAHA HPH-MT8

YAMAHA HPH-MT8

 

YAMAHA HPH-MT8

¥23,800

 

YAMAHA HPH-MT8は正確な音を持ち、低音のレスポンスが良く、ステレオイメージがはっきりしています。価格を考えると、ミキシング用ヘッドホンとしては最高の製品だと思います。このヘッドホンのサウンドを一度聞いてみれば、そのディテール把握能力の高さに唸らされ、これを使って演奏や録音をトラッキングしたいと思うことでしょう。

 

非常に低歪で優れたディテールを持つサウンドは現状手に入るスタジオモニターヘッドホンの最高峰の一つと言って良いですが、提供されるサウンドに対して、値段が比較的割安に感じられることも人気の秘密でしょう。ビルドクオリティと機能性も優れており、高耐久性と使い勝手の良さも兼ね備えています。スタジオモニターに必要とされるほぼすべての需要を満たすことができます。

 

  • レコーディング、トラッキング、マスタリング、ミキシング

 

 
 
 
オススメ
 

 

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【特集】注目の完全ワイヤレスイヤホン、最新機種でおすすめはこれだ![2021年10月号]

注目の完全ワイヤレスイヤホン、今買うならこれだ!

 

急成長する完全ワイヤレスイヤホン市場

 2021年現在、完全ワイヤレスイヤホンの市場は拡大を続け、主流のオーディオ製品にまで成長しました。以前はそれほど多くなかった機種も大幅に増え、最近になっても続々と有名ブランドの参入し、多彩な機種が登場し続けています。

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 また、完全ワイヤレスイヤホンが音質で劣っているというのは過去の時代になりつつあります。ワイヤレス・オーディオ技術の進化は非常に早く、年単位で接続品質と音質が改善されており、現在では有線イヤホンにほとんど遜色ない音質レベルが再現されています。

 

 この記事ではそんな完全ワイヤレスイヤホンの中から、とくに最新機種で注目すべきイヤホンを紹介します。

 

注目の完全ワイヤレスイヤホン、今買うならこれだ!

 

注目度No.1!国産ブランド最高峰の「Victor HA-FW1000T」

Victor HA-FW1000T

Victor HA-FW1000T



 現時点で音質とデザイン、とくに音質にこだわるなら最も期待できる製品が「Victor HA-FW1000T」です。

 

 JVC独自の木製振動板を完全ワイヤレスイヤホンに初めて搭載し、同じく独自技術のデジタルオーディオ高音質化技術「K2テクノロジー」も、このタイプに初めて導入しました。

 

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 数ある国産ブランド製品の中でもJVCの木製振動板モデル「WOOD」シリーズは生楽器のような自然な響きと広がりのあるサウンドで、「ライブ演奏が美しく聞こえる」と国内外で高い評価を得ていますが、その最新モデルが完全ワイヤレスイヤホンで楽しめます。さらにチューニングはVictorスタジオが監修しています。

 

Victor HA-FW1000T

 

 アクティブノイズキャンセリングも搭載し、ブランドが総力を込めて投入する、現状最高峰のサウンドは、発売前からすでに話題沸騰しており、販売店員の間の評価も非常に高い製品です。

 

Victor HA-FW1000Tの特徴
  • 木製振動板、K2テクノロジーなどJVCの現状のサウンド技術を総投入
  • アクティブノイズキャンセリング&ヒアスルー搭載
  • 100段階の音量調整&新開発のイヤーピース
  • 24bit/96kHzハイレゾ相当のサウンドが実現できるaptX Adaptive対応
  • 付属アプリなし

 

 

Victor HA-FW1000T

Victor HA-FW1000T

Victor HA-FW1000T

¥39,600程度

 

 
 
 
オススメ
 

 

 

世界中で売れ続ける大ヒット作!今がお買い得の「SONY WF-1000XM4」

SONY WF-1000XM4

SONY WF-1000XM4

 

 現在進行系で世界的に大ヒットしている完全ワイヤレスイヤホンの王者は間違いなく「SONY WF-1000XM4」です。

 

 強力で調整可能なアクティブノイズキャンセリング、音質調整機能を備えた機能的なアプリ、ハイレゾワイヤレスコーデックLDAC対応、高音質化技術「DSEE Extreme」など、SONYの最新技術が詰まっています。

 

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 SONY製品は発売後数ヶ月でかなり価格が下る(そして値を戻す)傾向がありますが、このSONY WF-1000XM4も現在急速に価格が下落しており、最安値は23,000円程度になっています。過去のデータからもSONY製品は値幅変動が大きいことが知られており、この値段がいつまで維持されるかはわかりませんが、現時点で非常に魅力的な価格になっていると言えるでしょう。

 

SONY WF-1000XM4の特徴
  • SONYの高音質化技術「DSEE Extreme」搭載
  • 高音質コーデックLDACに対応
  • 強力なアクティブノイズキャンセリング&ヒアスルー搭載
  • 高機能なアプリ

 

 

SONY WF-1000XM4

 

 

JBL史上最高の音質と機能性「JBL Tour Pro+ TWS」

JBL TOUR PRO+ TWS

JBL TOUR PRO+ TWS

 

 プロ用機材からコンシューマーまで手掛ける世界的なオーディオメーカーであるJBLは精力的な製品展開で知られています。高機能なアプリと定評あるJBLサウンドでこれまでも多くのヒット製品が生み出されてきており、価格帯も幅広く、完全ワイヤレスイヤホンの人気ブランドとして知られています。

 

 そのJBLの最新機種「JBL TOUR PRO+ TWS」はJBLブランドの新たなフラッグシップモデルとして、傾向性・装着感・機能性・音質すべてで高い次元の品質を提供しており、話題になっています。

 

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JBL Tour Pro+ TWSの特徴
  • フラットな定評あるJBLチューン
  • アクティブノイズキャンセリング&ヒアスルー搭載
  • 高機能なアプリ

 

 

JBL TOUR PRO+ TWS

JBL TOUR PRO+ TWS

JBL TOUR PRO+ TWS

¥23,000程度

 

 
 
 
オススメ

 

 

機能性と音質の両立「Technics EAH-AZ60」

Technics EAH-AZ60

Technics EAH-AZ60

 

 Panasonicの音響ブランド「テクニクス」は近年復活し、続々と新製品をリリースしていますが、今年さらにラインナップを拡充しています。

 

 最新機種「Technics EAH-AZ60」は昨年好評を博した「EAH-AZ70W」の基本設計を継承しつつ、新たにLDACやマルチポイントに対応し、機能面で強化されました。ラインナップの序列ではEAH-AZ70Wより下位に存在していますが、実際はほとんど上位機種です。

 

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 メタリックを基本としながら落ち着いたデザインで高級感のあるモデルで、通話品質にもこだわっており、発売後の評判も比較的良好です。

 

Technics EAH-AZ60の特徴
  • 高い通話品質
  • 高音質コーデックLDACに対応
  • 強力なアクティブノイズキャンセリング&ヒアスルー搭載
  • 高機能なアプリ

 

 

Technics EAH-AZ60

Technics EAH-AZ60

¥27,720程度

 

 
 
 
オススメ
 

 

おしゃれに着飾るイヤホン「V-MODA Hexamove Pro」

V-MODA Hexamove Pro

V-MODA Hexamove Pro

 

 イタリア発の音響ブランドで、現在は日本のプロ音響メーカーRolandの傘下にあるV-MODAがブランド初の完全ワイヤレスイヤホンを発表しました。

 

 このイヤホンは外観が衝撃的で、V-MODAの六角形デザインをうまく完全ワイヤレスイヤホンのコンパクトな形状に落とし込んでおり、フェイスプレート交換機能も搭載していて、他のイヤホンにない優美なデザインが魅力的です。

 

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 チューニングはプロ用オーディオメーカーのRolandが行っているということで、期待も高いですが、機能面はかなり絞られており、ガジェット的な面白さには欠けるかもしれません。

 

V-MODA Hexamove Proの特徴
  • 流行の最先端を行く、V-MODAのおしゃれなイタリアンデザイン
  • プロオーディオメーカー「Roland」による音質調整
  • aptX Adaptiveに対応
  • アクティブノイズキャンセリングやヒアスルーなし

 

 

V-MODA Hexamove Pro

V-MODA Hexamove Pro

V-MODA Hexamove Pro

¥24,000(税込)前後

 

 
 
 
オススメ
 

 

 

北欧発のミニマルデザイン「Sudio T2」

Sudio T2

Sudio T2

 

 機能性とファッショナブルなデザインを両立させた製品群で人気のあるスウェーデン発のオーディオブランドがSudioです。Sudioのブランド名は「スウェーデン」と「オーディオ」との組み合わせに由来しています。

 

 Sudio T2はSudioの大ヒットモデルTolvの後継機種です。好評を博したTolvのデザインを引き継ぎ、丸みを帯びたフォルムと暖かなパステルカラー調の色彩を持っています。

 

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 機能面では前世代よりさらにブラッシュアップされており、アクティブノイズキャンセリングが追加されました。

 

 サウンドは北欧で人気のロックのスピード感も表現できる機敏さを持ち合わせ、パワフルでスナッピーな爽快サウンドを実現しています。オーディオファンを十分に満足させることができるでしょう。

 

Sudio T2の特徴
  • アクティブノイズキャンセリング&ヒアスルー搭載
  • コンパクトで丸みがあり、携行性に優れる
  • 豊富なカラー
  • ミニマルでスタイリッシュなデザイン
  • ダイナミックでスピード感のあるサウンド

 

 

Sudio T2

Sudio T2

Sudio T2

¥14,900(税込)

クーポンコード:sudioathatena

 

オススメ

 

 

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【ニュース】SONYがANCワイヤレスヘッドホン「WH-XB910N」とエントリー完全ワイヤレスイヤホン「WF-C500」を正式発表

SONY WH-XB910N

SONY WH-XB910N

 

 事前のリーク情報でおおよそは明らかになっていたSONY WH-XB910NSONY WF-C500が正式に発表されました。それぞれのモデルにはSONYの最新技術が導入されており、一部の機能は上位機種並です。SONYは安価な価格で有力なラインナップを拡充することになりそうです。

www.ear-phone-review.com

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SONY WH-XB910N

 SONY WH-XB910Nは$240程度、日本円では¥26,400(税込)で10月8日に登場する予定です。オーディオ関係者はこのヘッドホンがSONY WH-1000XM4に匹敵する性能を廉価に提供するのではないかと予測しており、期待度の高い製品です。とくに低域ジャンキーの間では。

 実際スペックはANC ONで30時間も稼働することができ、1日をカバーできることがわかります。

 

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SONY WH-XB910Nの特徴
  • 40mmドライバー
  • LDAC、AAC、SBCに対応したBluetooth 5.2
  • DSEE
  • デュアルノイズセンサーテクノロジー
  • 30時間再生(NCオン)、50時間再生(NCオフ)、10分間の急速充電で4.5時間再生可能
  • ExtraBass
  • マルチポイント接続
  • Sony 360 Reality Audio対応
  • Headphones Connectアプリ対応
  • カラー:ブラック、ブルーの2色

 

SONY WH-XB910N
SONY WH-XB910N

 

SONY WH-XB910N

SONY WH-XB910N

SONY WH-XB910N

¥26.400(税込)

 

 
 
 
 

 

SONY WF-C500

 こちらはSONYの新しいエントリークラスの完全ワイヤレスイヤホンです。WF-C500はリーク情報とは異なり、$120程度、日本円では¥11,000円程度で販売されることになるとのことです。WH-XB910Nと同じく10月8日にリリースされる予定とのことです。

 ドライバー口径は5.8mmで、WF-1000XM4と同じドライバーでないことは口径の違いから予想できます。Sony 360 Reality Audio対応です。

 

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SONY WF-C500の特徴
  • IPX4防水規格
  • Sony 360 Reality Audio対応
  • Headphones Connectアプリ対応
  • 充電ケースに入れて10時間再生
  • DSEE
  • 軽量(5.4g)でコンパクトなサイズのイヤホン
  • 10分間の急速充電で最大1時間の追加再生が可能
  • カラーはブラック、ホワイト、アイスグリーン、コーラルオレンジの4色

 

SONY WF-C500
SONY WF-C500
SONY WF-C500
SONY WF-C500

 

SONY WF-C500

 

 

 

まとめ

 個人的にはSONY XB-910Nが気になりますね。日本での発売時期は10月8日です。WF-C500については、競合の一つ、SENNHEISERCX TrueWirelessを最近値下げしており、迎え撃つ準備は万全のようです。

 

Sennheiser CX TrueWireless

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¥14.200(税込)

 

 
 
 

 

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【ニュース】SONYの新作重低音ANCワイヤレスヘッドホン「SONY WH-XB910N」のリーク情報

SONY WH-XB910

SONY WH-XB910N(画像引用元:Snoopyteckh

 

 先日明らかになったSONY WF-C500に続き、もうひとつのSONY製品のリーク情報が明らかになりました。SONYはEXTRA BASSシリーズに属するANC搭載ワイヤレスヘッドホン「SONY WH-XB910N」のリーク情報が届きました。

www.ear-phone-review.com

 

 カラーはおそらく黒と青、灰色の3色の可能性が高そうです。価格と発売時期については、おそらくそれはだいたい€169で販売され、Axitechによると、発売日は10月の第3週頃の予定になっています。

 

 SONY WH-XB910NはWF-1000XM4と同じくMediatek MT2822S Bluetoothチップセットを使用しているため、NC用のデュアルノイズキャンセルマイクも備えている可能性が高そうです。したがってANC用の統合プロセッサも新型のV1を採用していることが推測されています。

 

 コーデックはLDAC、SBC、AACをサポートし、DSEE Extreme、ソニーの360 RealityAudioにも対応しているようです。

 

 

ソース:

  1. Sony YY2951 revealed as WH-XB910N - The Walkman Blog
  2. Sony WH-XB910N: Bilder des ANC-Kopfhörers

 

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【ニュース】SONYの新作エントリー完全ワイヤレスイヤホン「SONY WF-C500」のリーク情報

Sony WF-C500(画像引用元:The Walkman Blog)

Sony WF-C500(画像引用元:The Walkman Blog)

 

 SONYの新作完全ワイヤレスイヤホン「Sony WF-C500」のリーク情報がWhat Hi-Fi?で取り上げられました。

 それによると、ウォルマートが誤ってサイトに掲載してしまい、その後取り下げられたため、ほぼすべての情報が判明しているようです。The Walkman Blogにその詳細が掲載されました。

 

4色展開の低価格スポーツモデル

 SONY WF-C500はカラーリングは黒、緑、白、オレンジの4色が提供され、IPX4の防水性能を備えています。価格は$79.98($99の可能性もあり)で、SONY製完全ワイヤレスイヤホンとしてはエントリーモデルになります。

 

特徴的な機能

 SONY WF-C500はおそらく1万円以下で販売される廉価なモデルでありながら、以下の興味深い機能を備えており、一部は上位機種並みです。

  • 最大10時間のバッテリー寿命、充電ケースで合計20時間
  • DSEE機能
  • IPX4定格の防滴および防汗
  • イヤホンは片側のみで使用可能
  • 小さくて軽いのでフィット感が良く、一日中着用できます
  • 人間工学に基づいた表面デザインは、ほとんどの耳の形に準拠しています 
  • Sony 360 Reality Audio互換
  • ソニー| HeadphonesConnectアプリと互換性があります

 

デザイン

 イヤホンのデザインはWF-1000XM4と少し似ていますが、よりフラットでコンパクトになるようです。

 

通信チップ

 BluetoothチップはAirohaのB153xまたはAB156xに準拠したチップになるようです。

 

まとめ

 もしSONYが近日中に1万円以内でこの有力機種を出してくるとすると、なかなか面白いことになりそうです。Sony WF-C500はいまのところANCやヒアスルーといった外音制御系の機能は搭載していないように思われますが、定評あるHeadphonesアプリに接続でき、おそらくEQが利用できます。そしてDSEEと360 Reality Audioに対応する、最も安価な完全ワイヤレスイヤホンになるはずです。

 それはSENNHEISERなどの競合ブランドのエントリーモデルに対して、音質面で優位に立つかもしれません。

 

 

ソース:

  1. Sony WF-C500 sporty earbuds leak with waterproofing and budget price | What Hi-Fi?
  2. Sony WF-C500 Leaked by retailer - The Walkman Blog
  3. Sony YY2951 and YY2952 (WF-C500) Leaked - The Walkman Blog

 

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【コラム】今こそ見直そう!お得に買える「SONY WF-1000XM3」

SONY WF-1000XM3

SONY WF-1000XM3

 

 SENNHEISERが高機能なエントリーモデル完全ワイヤレスイヤホン「CX Plus TWS」を発表したことを昨日お知らせしました。それはアクティブノイズキャンセリングとヒアスルーを搭載し、定評あるSENNHEISERのアプリで高度なイコライザーにアクセスできます。

www.ear-phone-review.com

 

 しかし、もしかするとCX Plus TWSを予約する前に、検討すべきことがあるかもしれません。ほとんど同じ価格でSONY WF-1000XM3を新品で買うことができます

 

それは多くのレビュアーが2019年最高の製品と認めた完全ワイヤレスイヤホン

 SONYは今年WF-1000XM4を発売したため、前世代のWF-1000XM3のことを多くの人は忘れています。しかし、思い出してみましょう。

 

www.youtube.com

 

 SONY WF-1000XM3は2019年に発売されたとき、最高のワイヤレスイヤホンとして数多くのオーディオサイトで推奨リストのトップの座を占めていました。XM3は、心地よいブームのある低音、明るい高音、多様なジャンルに柔軟に対応する全体的に安定したパフォーマンスを備えた優れた音質を持ち、さらに高品質なイコライザー機能が提供されていました。2019年の時点では、誰もがその音質と機能を絶賛していたのです。

 

 アクティブノイズキャンセリングの品質は現在でも最高クラスで、ANCを動作させた状態で5時間以上バッテリー動作させることが可能です。

 

2021年の水準から見てどうか?

 たしかにそれは後継機種のWF-1000XM4と比べるとかすみますが、ほとんど同じ価格のSENNHEISER CX Plus TWSと比べるとどうでしょうか?

 

ANCとヒアスルー

 わかりやすいところでは、アクティブノイズキャンセリングとヒアスルーの精度はSONY WF-1000XM3のほうが優れています。CX Plus TWSのアクティブノイズキャンセリングが強力に設計されていないことは複数の情報源からすでに明らかになっています。

 

SONY WF-1000XM3

 

音質

 音質はどうでしょうか?24bitのaptX Adaptiveに対応するCX Plus TWSは一見音質面で有利に見えます。しかし、多くのオーディオサイトにおいて、SONY WF-1000XM3のライバルはSENNHEISER Momentum True Wireless 2(MTW2)でした。そしてCXのサウンドがMTW2より優れているという声はいまのところなさそうです。

 

使い勝手

 装着感と携行性ではCX Plus TWSに分がありそうです。WF-1000XM3はお世辞にもコンパクトとはいえず、装着感は一部の人にとってそれほど快適でない可能性があります。ただ、それでもWF-1000XM3は人気があり、圧倒的に売れていたことを考えると、この問題はそれほど重視する必要はないかもしれません。

 

アプリの機能

 アプリの機能は同等か、SONYのほうがやや高品質です。SENNHEISERのイコライザーはSONYのアプリほど細かく調整できません。

 

通信品質

 SONY WF-1000XM3の通信品質にそれほど不満はないと思いますが、CX Plus TWSの通信品質のほうが多くの環境でおそらくより安定しているでしょう。私のテストではWF-1000XM3の通信品質は2019年の水準で特別優れているというわけではありませんでした。しかし、十分に実用的です。

 

まとめ

 その存在感が希薄になっていて忘れがちですが、2019年最高の完全ワイヤレスイヤホンであったSONY WF-1000XM3は2021年現在においても完全ワイヤレスイヤホンとしての完成度は高い水準を維持しており、多くの機種に勝ります。そして、後継機種であるWF-1000XM4が出て、廉価になったことからコスパは非常に高くなっています(中古はさらに安いですね)。

 高性能な完全ワイヤレスイヤホンを手頃な値段で手に入れることを考えたとき、つい新製品に目が行きがちですが、WF-1000XM3を検討してみても良いかもしれません。

 

SONY WF-1000XM3

 

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【コラム】モニターヘッドホン選び方&おすすめ機種ガイド 2021

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 DTM初心者やよりよいオーディオ製品について知りたいと思っているオーディオビギナーにとって、とくに良い音を提供するヘッドホンはどんなものかというのを知るのは、意外と難しいかもしれません。そこで、そうした人たちが簡単に適切なモニタリング用ヘッドホンを購入できるよう、充分な情報を提供するために、この記事が作成されました。


 「ヘッドホンでミックスしてはいけない」という古い格言を、今でも多くのサウンドエンジニアやミュージシャンが守っている事実もあります。彼らは、録音の正確な感覚を得られるのはスピーカーだけだと信じています。しかし、主にイヤホンやヘッドホンで音楽を楽しむ人が増えるにつれ、ヘッドホンが重要な役割を果たし、場合によっては主要な役割を果たすミックスが増えています。

 

 スタジオでのライブ・レコーディングやオーバーダビングにおいて、トラッキング・ヘッドホンは常に重要な役割を果たしてきました。さらに最近ではライブ・パフォーマンスに適したインイヤーモニターも登場しています。スタジオでのモニタリングやミキシングだけでなく、コンサート用のカスタム・モールド・イン・イヤーもあります。

 

 最終的にどのようにヘッドホンを使うかはあなたの自由です。使わないという選択肢もあります。しかし、ヘッドホンであれば大規模なスピーカーシステムを組まずに自宅でパーソナルコンピュータを使用して簡単に作曲やミックス、レコーディングをできる選択肢が増えます。iPadで作曲するのにもヘッドホンやイヤホンのほうが適しているでしょう。

 

 充分な情報に基づいた決断は、常により良い結果をもたらします。そのため、ここにモニターヘッドホンを初めて購入する人を念頭に置いて、詳細な購入ガイドを用意しました。このガイドを読めば、ヘッドホンの仕組みやさまざまなパーツの背後にある科学を理解し、そのうえでベストな選択肢を選ぶことが出来るでしょう。

 

 

考慮すべきスペック情報

 ここではモニターヘッドホンを選ぶ際に考慮すべきスペック情報について、簡単に説明します。

 

インピーダンス

 最初に考慮すべきスペック情報はインピーダンスです。

 

 イヤホンやヘッドホンのスペックを見ると、オーム(Ω)単位の数値が表示されていることに気づくと思います。この値がそのイヤホンやヘッドホンのインピーダンスです。基本的に、ヘッドホンのインピーダンス値は、特定の電流でより多くの電圧を駆動する必要がある場合に大きくなり、一定の電圧でのヘッドホンの音量は小さくなります。

 

 インピーダンス値が高いほど、音量を出すためにヘッドホンが必要とする電力は大きくなります。最近のヘッドホンは、スマートフォンなどのより低電圧の機器との同期をとるために、32Ω以下のかなり低い値のインピーダンスに設定されています。これは、ヘッドホンが品質やパワーを損なうことなく、日常的に使用するデバイスとより効率的に連携できるということです。

 

 アンプの出力制限には、インピーダンスが大きく影響しています。アンプにも出力インピーダンスがあり、それによって出力量が制限されます。理想的な状況では、アンプの出力インピーダンスは、ヘッドホンと比較して8分の1以下になるのが良いとされています。出力インピーダンスが高い場合、より大きな音の歪みが生じる可能性があります。低インピーダンスのヘッドホンは、高インピーダンスのヘッドホンよりもかなり大きな負荷がかかります。一般にスタジオ用の業務用モニターヘッドホンは高インピーダンスであることが多く、一定の出力レベルに対する音量が小さくなります。

 

モニターヘッドホン選び方&おすすめ機種ガイド 2021

 

 誤った選択をすると、後々まで悪影響を及ぼす可能性があるので、新しいスタジオヘッドホンを購入する際には、インピーダンス値を考慮するようにしてください。

 

 アンプの出力インピーダンスとヘッドホンのインピーダンスの関係と、アンプの選び方についての詳しいガイドは以下の記事を参考にすると良いでしょう。

 

感度

 スタジオ用モニターヘッドホンは、細かい部分まで集中して編集できるように、感度の高いものが好まれます。感度とは、そのヘッドホンが電気信号をいかに効率よく音に変換するかを示す指標です。これは、ある電気的駆動レベルにおいて、ヘッドホンがどれだけ大きな音を出すかを示しています。

 

 感度の単位は、1ボルト(V)あたりのデシベル(dB)で表記されることが一般的です。一部の大音量を好む人は、感度の高いヘッドホンをパワーアンプにつないで使用する人がいますが、これはヘッドホンや耳にダメージを与えることになります。多くの企業や専門家は120dB以上の感度を推奨していません。たとえばアメリカの労働安全衛生局は、長時間のリスニングに85dBs以上の感度のヘッドホンを使用しないように勧告しています。

 

モニターヘッドホン選び方&おすすめ機種ガイド 2021

 

 欧州連合(EU)も、聴覚へのダメージを避けるため、騒音の中で100dB以上の感度のヘッドホンを使用しないよう警告しています。アンプについても同様で、聴覚障害を避けるために、最大設定で3.162、1.0、0.3162RMSボルトを超えてはならないと勧告しています

 

 一方で、ミュージシャンやサウンドエンジニアは、レコーディングやミキシングの際に細かい音を聞き取る必要があるため、スタジオ用ヘッドホンには感度が求められます。ヘッドホンの感度を見る際には、安全面を考慮することが重要です。感度を高くすると、音は良くても耳にダメージを与えることになります。

 

スペック以外の要件(形状など)

環境音の低減(密閉型か開放型か)

 プロのミュージシャンが仕事に集中しようとするときやオーディオファンが外出時に音楽を楽しむ場面では、外部の音はとても気になるものです。密閉型ヘッドホンは、このような音をカットする解決手段になります。

 

 一般的な密閉型ヘッドホンは、周囲の音を約8〜12dBカットすることができます。中には25dB程度の音をカットするように設計されたヘッドホンもあります。スタジオ用ヘッドホンを選ぶ際には、使用環境を考慮してヘッドホンの遮音性・密閉性を選択すると良いでしょう。

 

 密閉型に対する開放型の利点は通気性と高域再現度の高さによって、音場を開放的に思わせてくれるところです。音場は聞き疲れやすさにも影響し、静かな環境での長時間のリスニングでは開放型のほうが快適に感じることが多いでしょう。

 

大音量に潜む危険性(セーフリスニングの重要性について)

 イヤホンやヘッドホンを大音量で長時間使用すると、一時的に、あるいは永久に耳が聞こえなくなる可能性があります。多くの企業が安全回路を導入して出力音量を制限したり、大音量が危険になったときに警告を発したりしてきましたが、このアイデアは一般の人々にはほとんど受け入れられませんでした。

 

 フランスでは、政府が国内で販売される100dB以上の感度を持つすべての音楽プレーヤーの使用を禁止しました。聴覚障害を防ぐためにも、大音量での長時間のリスニングは避けましょう。

 

 以下の表は暴露許容音量の目安です。

 

http://www.jibika.or.jp/owned/hwel/news/004/より引用

 

用途別の音質傾向

スタジオ・トラッキング

 ミュージシャンがスタジオでレコーディングする際に装着するヘッドホンは、トラッキングヘッドホンと呼ばれます。

 

 トラッキング用のモニターヘッドホンは大量に購入することを前提とした価格設定になっています。一般消費者向けのヘッドホンとは異なり、トラッキングモデルでは明らかに低音域が強調されているということはあまりありません。

 

 また、イヤーカップにはたっぷりとしたパッドが付いたオーバーイヤータイプのデザインが採用されることがほとんどです。そしてミュージシャンが楽曲に集中できるよう、外音が聞こえにくく、音が外に出ないクローズドモデルであることが一般的です。

 

モニターヘッドホン選び方&おすすめ機種ガイド 2021

 

 以上の要件から、ほとんどのトラッキング用ヘッドホンは、ミキシングやマスタリング用に設計されたリファレンスモデルと比較して、拡張性に欠けると感じられるようなサウンドになっています。

 

 サウンドシグネチャーは一般的にフラットなレスポンスで、低音はクリアに、しかし控えめに出ます。明瞭さとディテールに重点が置かれているので、鮮明な高音と中音が期待できます。ボーカルや楽器音を聞き取りやすいように調整されており、太いベース音やマイクノイズなど演奏への集中を乱すような音はあまり目立たないように調整されています。

 

ミキシング&マスタリング

 このカテゴリーの製品の最大の関心事は正確さであり、重要なリスニングシナリオのために設計されたサウンドシグネチャーは、全周波数帯域を明確に描写します。ミキシングやマスタリングに特化したデザインでは、低音がブーストされたり、高音が強調されたりすることがありますが、それは付随的な影響に過ぎず、ニュートラルサウンドを逸脱しすぎることはありません。このジャンルのヘッドホンは拡張性に重点を置いており、どれだけレンジが広く音を拾えるかが最大の課題です。

 

 これらのモデルが一般的なトラッキングデザインと最も異なる点は、その構造です。いくつかのモデルはセミオープンデザインで、音が少し外側に出るようになっています。また、価格的にも大きな違いがあり、例えば、しっかりとしたリファレンスモデル1台分の価格で、トラッキングモデルが2台買えることもあります。

 

モニターヘッドホン選び方&おすすめ機種ガイド 2021

 

 多くのヘッドホンの中で、最もオーディオマニアレベルのホームステレオシステムにふさわしい機種は、理想論を言えば、正確さとディテールに重点を置き、ミックスにリアルな空間感覚を感じさせてくれるオープンデザイン(開放型)やセミオープンデザインのものであると言えます。

 

 もちろん密閉型ヘッドホンにもミックス用途に使える優れた機種は多くあるので、理想論は理想論に留まるところはありますが、開放型のほうが長所が多いことは事実です。

 

多くのオーディオマニアがおすすめする代表的モニターヘッドホン

 ここでは多くのオーディオブログを読んできた私がおすすめするモニターヘッドホンの人気機種を紹介します。

 

 なお当ブログで実際にレビューしたおすすめ機種については以下の記事を参考にして下さい。

 

SONY MDR-7506

SONY MDR-7506

SONY MDR-7506

 長年にわたって、おそらく一番多数のエンジニアとミュージシャンが支持してきた業務用モニターヘッドホンがSONY MDR-7506です。高いディテール感を持ち、低域から高域まで分離感良く明瞭で、スタジオチューニングとして理想形に近いサウンドを持っている不朽の名機です。しかも廉価な価格で入手できる高コストパフォーマンス機種でもあります。

 

Audio is extremely crisp without any of the manipulation that makes music sound better but less accurate. You’ll hear your instruments and vocals clearly, warts and all.

 

MDR-7506のサウンドは非常に鮮明で、音楽をより良く聞こえるようにしながらも正確性を失わせるような味付けは一切ありません。楽器やボーカルの音がはっきりと聞こえるのです。 

www.rollingstone.com

 

So all in all the fact that these workhorse cans are available for well under a hundred quid is not to be sniffed at.

 

全体的に見て、この主力製品が100ドル以下で入手できるという事実は見逃せません。 

www.musicradar.com

 

 

AKG K371

AKG K371

AKG K371

 開発者である高名なサウンドエンジニアのショーン・オリーブ氏自ら愛用していると公言している機種です。彼が提唱する理想的なスタジオチューニングであるハーマンカーブに最も忠実なサウンドと言われています。そのサウンドはディテールの正確性と質感の自然さを両立させることを狙っており、レコーディングモニターとして最も優れていると多くのオーディオ批評家が太鼓判を押しています。

 

The AKG K371 are the best studio headphones for recording that we've tested.

 

AKG K371は、私たちがテストした中で最も優れたレコーディング用のスタジオヘッドホンです。 

www.rtings.com

 

The natural-leaning frequency response is a necessity for creating an accurate product. The midrange frequency response nearly meets the platonic ideal, making this a pristine pair of headphones for vocal-heavy recordings.

 

自然に傾いた周波数特性は、正確な製品を作るために必要なものです。中域の周波数特性はプラトニックな理想に近いもので、ボーカルの多い録音には最適なヘッドホンです。

www.soundguys.com

 

 

Audio-Technica ATH-M50x

Audio-Technica ATH-M50x

Audio-Technica ATH-M50x

 全世界で100万台以上売れ続けているオーディオテクニカのベストセラースタジオモニターヘッドホンです。モニターヘッドホンにしては低域が少し強調されており、そのおかげで楽器やボーカルのニュアンスや表情がはっきり聞こえやすく、リスニング用途にも優れている機種です。繊細で解像度を重視したモニター感を持ちつつ、決して無機質でないサウンドを提供します。SoundGuysも言っていますが、アーティストが感情移入しやすいサウンドです。

 

Because of the bump in the low end of the ATH-M50x headphones, these might be better for the musician that might need to feel that extra bit of emotion from the instrumentation while in the recording booth and then still wants to listen to some music on the way home.

 

ATH-M50xは低域が強調されているので、レコーディングブースでは楽器の音に感情移入したいが、家に帰ってからも音楽を聴きたいというミュージシャンに向いているかもしれません。この製品は、どちらの役割も十分に果たすことができる汎用性の高いヘッドホンです。

www.soundguys.com

 

By balancing durability, flexibility, and audio performance Audio-Technica’s ATH-M50X are a great pair of studio monitor headphones.

 

オーディオテクニカのATH-M50Xは、耐久性、柔軟性、オーディオ性能のバランスがとれた、スタジオモニターヘッドホンとして最適な製品です。

www.rollingstone.com

 

 

もっといろんなモニターヘッドホンの情報を知りたい

 サウンドハウスの以下の記事が面白いです。

 

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