CollectionAudio 高音質 インナーイヤー型 イヤホン ヘッドホン 中高音重視 音楽 通話 両対応 ホワイト DZAT-DR05
おすすめ度*1 |
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最近は珍しいインナーイヤー型のイヤホン。イヤーピースがやや大きめで耳に入りきらず、やや浮き上がった感じの軽い付け心地。耳穴が小さい人は取れやすいかも知れない。遮音性はほとんどなく、音漏れも比較的大きい。
中高域重視を謳っている。
【1】外観・インターフェース・付属品
付属品はマニュアルと携行用のケース。コードは細身の丸形ケーブルでタッチノイズはほとんどない。
【2】音質
パーカッションの立ち上がりが良く、アタック感強め。音は全体的に鮮やかさが目立つ感じで、とくに中高域は煌びやかさが強く、のびやか。キラキラした輝く音だが、曲によっては耳に痛いほどキンキンするところもあるかもしれない。
[高音]:透明感と鮮やかさの強い音。アクリル的な軽めのキラキラ感のある音で、きめ細かに光る感じではなく、ややぼけたところはある(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)
[中音]:ギターが鮮やか。とくにアコースティックな音はキラキラしている。エレキ音もつまびく細かな襞感が感じられる。弦楽などは広さを感じさせるが、奥から肉薄してくるところがあるのでガチャガチャしがちに感じるかも知れない。曲によってはボーカルを押し込めるほど鳴ってくる。
[低音]:100hz~30hzまで徐々に下に深まりながら素直に減衰していく。ハリのある音で存在感はあるが、中域が前面に張り出すのでやや奥まって聞こえる場面も多い(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:中域が前面に出てきて、低域が奥まる場面が多いので三点透視図法のような前のめりな音場になりやすい(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:立ち上がりが良く、アタック感強め。ただパーカッションは奥まったところから聞こえてくるので、曲を主導している感じはそれほど感じられないかも知れない。シンバルの音はサラサラ空気を振動させる振れ幅のようなものが出ていて、きれい。破裂音は弾け具合が弱めで紙鉄砲のような表現になりがちで硬いところあり(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:楽器がだいぶボーカルに近く、肘鉄を食らわせるようなところがあり、場合によって潰しにかかるときがある。ボーカルの声色は鮮やかで明るい。曲によっては少し甲高く思うこともいるかも知れない。
【3】官能性
Claris「STEP」は全体的にキラキラした感じが良く出る。一方で弾ける音がやや硬く締まった音なので、軽快さは少し減じていて、地に足が付いた表現。この弾け音のステップは下方向に抜けていく感じがあって、どちらかというと床面を意識させる。
supercell「銀色飛行船」も定位感が安定方向に向いている。弦楽音が下方向に奥行きが向かっているように思え、心の底に落ち着きどころを探すような深みのある鳴り方をする。そのせいかボーカルも下方向に落ち着いていくおとなしい感じに聞こえ、広い空に気持ちが向かうよりは心の奥底に思い出を大切にしまっていくような曲調になっている。
立ち上がりが良く煌めき感もある音はJAZZにも向く。Rasmus Faber「コスモスに君と JAZZ Ver.」はピアノの音にメリハリと鮮やかさがあり、かなり自由に動き回る。振れ幅のあるリズムパーカッションが空気に濃淡を作ってムードを演出し、弦楽のつま弾き音にも渋味と鮮やかさがある。
南壽あさ子「フランネル」はピアノの情感と透明感のあるボーカルがキラキラと輝く音楽を作り上げている。のびやかで自由に踊るボーカルに、気持ちを落ち着かせるように優しく、しかし心を打つ鮮やかさを持って鳴るピアノ。全体として鮮明さのあるやや温かい音色で明瞭さと優しさが同居している。
【4】総評
カナル型全盛の観がある昨今、珍しいインナーイヤー型。付け心地と遮音性、音漏れに注意が必要だが、音には鮮やかさがあり表現力はなかなかのもの。味付け的には落ち着いた方向に聞こえ、ゆったりした曲に強みがありそうだ。どちらかというと硬質な音ではあるが、ピアノがきれいに出る。
実売価格から考えると、コスパは悪くないように思う。
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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。