おすすめ度*1 |
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JVCの廉価な低音重視モデルイヤホン。遮音性高めで音漏れはほとんどない。
【1】外観・インターフェース・付属品
イヤーピースの替えが付属する。コードのタッチノイズは目立たず、ほぼない。
【2】音質
重みとメリハリのある低域が魅力。中高域は比較的やわらかめで全体として暖色のあたたかなエネルギッシュサウンドを奏でる。
[高音]:肉厚でのびやかさや突き抜け感はそれほどでもない。尖りは少なく聞きやすい(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)
[中音]:なめらかさと奥行きがあり、優しい温度感がある。
[低音]:重みとメリハリがある。存在感強め。100hz~40hzまで徐々に重みを増していく。30hzからは沈み込む(分島花音「killy killy JOKER」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:左右はそれほどでもないが、奥行きはよく出ている。
[パーカッション・リズム]:シャリ感はあるが、立ち上がりはなかなかに良好(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:女性ボーカルはやや暗めに出るが、丸くて優しい聞きやすい音。
【3】官能性
Claris「カラフル」は鮮やかさと温度感に満ちた暖色の色合い。ボーカルにはぬくもりとのびやかさがある。サ行はやや刺さりやすく、透明感もいまいち足りない気もするものの、なかなかの表現。ギターとベースは左右に持ちよく味付けを加えて、存在感のある低域が力強く音場を安定させる。
nano.RIPE「月花」は重みのあるドラムには迫力と弾力性もあり、腹に沈んでくる。左右にも深く、機転の利く活きの良さがある。ボーカルは力強く、のびやかで透明感もそこそこ。ギターの鮮やかさは良好。迫力と鮮やかさが同居した、量的な情感が感じられる味わいで説得力がある。
秦基博「水彩の月」はピアノにそこそこの鮮やかさがあり、ストリングスはのびやかできれいで奥行き感がある。ギターは鮮やかさだが鳴りすぎない。低音はリズムをしっかり刻み曲に重みを与え、情感も加えている。ボーカルはやや暗めだがのびやか。
南壽あさ子「フランネル」のボーカル表現はかすれず透明感があって力強くのびやか。ピアノも鮮やかで低域ストリングスには深みがある。丁寧な曲表現で穏やかな曲に対する表現力もなかなかのもの。
【4】総評
クラブミュージックやロック、ポップスなどに味わいがある。女性ボーカルの声は少し太く力強めの味付けで暗く感じられるところもあるが、のびやかさは失われていない。突き抜け感はそれほど感じられないが、尖りのない自然な味に近い音で聞きやすく、曲をギスギスさせない。低域モデルとしては比較的万能な表現力を感じさせるイヤホンだ。
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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。