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オーディオ機器やゲーミングデバイスのレビュー、そして好きな音楽を徒然なるままに

【モニターヘッドホン audio-technica ATH-A500Z レビュー】すっきりさっぱりした独特の聞き疲れしにくい音。パンチは足りないが、クリアで素直

audio-technica ATH-A500Z

オーディオテクニカ ダイナミック密閉型ヘッドホンaudio-technica ART MONITOR アートモニター ATH-A500Z

 

おすすめ度*1

audio-technica ATH-A500Z

ASIN

B016DCDZRI

 付け心地はすごく柔らかく、それでいてかちっと嵌まる感覚がある。側面の締め付け具合という意味では硬めにしっかり押さえている感覚があるが、一方でイヤーマフはクッションが柔らかく痛くない。頭の形によってはきつく感じることもあるかも知れないが、個人的には長時間使用でも痛くなったりせず、やや蒸れが気になる程度。

 遮音性は普通で、音漏れはほとんど無い。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品は3.5mmと標準オーディオプラグを変換するアダプタ。ケーブルにタッチノイズはない。

audio-technica ATH-A500Z

 

【2】音質

 音質的には聞きやすい、聞き疲れしにくい音。まず高域は自然で抜けが良い印象だが、のびやかさという面では突き抜けてくる感じはない。中域は奥まる音はかなりおとなしく篭もった感じがする一方で、近めの音は色彩感があって鮮やかに感じ、密度もある。低域はかなり淡泊で弱く、足場は明確でない。なんとなく中空で音楽を聴いているような不思議な感じだが、たしかに個々の音は捉えやすく、定位感もしっかりしている。ただそういう性質ゆえか、情報量の多い曲はまとまりなく、個々の情報の個別量が素直に出てしまうところがあって、曲の統一感を阻害しているようなものも見られていて、聞き疲れはしにくいものの、表現として集中力を乱すようなところはあった。

 

[高音]:自然な味わいで抜けも良いが、きらびやかさには欠ける(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:中域は奥まる音が弱く、奥行き感は篭もった感じで出やすい。逆にのびやかに広がる管弦楽には色彩感があり、充実している。妙味を感じるところ。

[低音]:充実感のある中域に比べるとスカスカしたところがあり、床が抜けているような感じがある。振動はやわらかブーミーといった感じで歯ごたえに欠ける。減衰は素直(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:空間的には球状に包み込む印象。音にギラギラしたところがなく、すっきり聞き疲れしにくい音(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:味付けに終始しており、主導的になる場面は少ない。さっぱり味(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルはのびやかだが味付け少なくすっきりしたところがある。楽器と良く分離されている。

 

【3】官能性

 井口裕香「Hey World」は彩り豊かだが、圧迫感なくすっきりとした抜けの良い味わい。低域は淡泊で重厚さはないが、輪郭はしっかりしている。ボーカルには自然な伸びやかさがあって高さは出ている。空間的には弦楽ののびやかさと立ち上がりがよいので、ほどよく包み込む、そこそこ広い、密度のある音場が楽しめる。床面はスカスカしていて、すこし足元が心許ないところはある。

 Jess Glynne「Ain't Got Far to Go」は立ち上がりのよい楽器音に密度感もあって充実した空間はなかなか。ボーカルとバックコーラスの掛け合いもうまく重なっていて壮麗。メリハリは利いており、この曲の変化の中毒性がうまく出ており、弦楽の空間表現も味わいを加えていて楽しめる。

 petiit milady「azurite」は奥行き感はやや弱く、飛翔感はいまいち。爆発力も抑えめでエンジンの火力を感じられないが、反面ボーカルの色合いは素直でつややかさとのびやかさもあり、楽しめる。全体としてスッキリ味でボーカル中心に聞き疲れせずに、要点だけはしっかり楽しめるといった感じだ。

 やなぎなぎ「音のない夢」ではピアノの色彩は抑えめ。この曲本来の持ち味と思われる濃密な空気感は抑えられていて、個々の楽器音をクリアに楽しめる印象。ただ一体感という面ではやや個々の楽器が分離しすぎて、個別に好き勝手に鳴っているように感じられるところがあり、ボーカルに集中しきれないところはある。

 

【4】総評

 付け心地はよく音楽に集中できる。音質は独特ですっきりしていて淡泊。低域はスカスカした感じが強く、この点が大きく好みを分けそう。またパンチ力にも全体的に欠け、勢いというかガッツに乏しい曲調になりがちでアタック感が味わえない。楽器も管弦の精彩に寄っている感じで、全体としてすっきりした中に管弦の色彩が強く印象づけられるところもある。たしかに独特の味わいがあって、色彩感覚に新しさがあるという意味でもアーティスティックであり、管弦が加わった途端に曲が色づく様子がわかりやすく、敏感に感じられる点は素直に面白い。ハマると抜け出せなくなる人もいるかもしれないが、低域のスカスカした感じはあまり万人受けするようには思われない。

audio-technica ATH-A500Z

 

【5】このヘッドホン向きの曲

 スッキリした楽器音がボーカルを邪魔せず引き立たせる。聞き疲れしにくく、粘っこさがなくて、素直にボーカルの高低と伸びやかさを楽しめる。結構ボーカルが埋もれやすい曲だと思うが、このヘッドホンだとすっきり分離される。

 

 低域が柔らかく、弦楽もほどよく情感を加え、パーカッションもうるさくなく、ボーカルに集中させてくれる。ボーカルはつややかさとのびやかさが良好。

 

 うるさくなりがちの曲だが、個々の音、とくにピアノとパーカッションが不必要に被さってこず、すっきりしているので聞きやすく、聞き疲れしにくい。密度もしっかり出ている。

オーディオテクニカ ダイナミック密閉型ヘッドホンaudio-technica ART MONITOR アートモニター ATH-A500Z

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。