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【特集】fhána「ムーンリバー」を有線イヤホン23機種で聞き比べ![第3回(3/3)]

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 絶賛放映中のアニメ『有頂天家族2』のエンディングテーマ、fhána「ムーンリバー」。その魅力に取り憑かれてしまい、毎日隙あらば聞き続けている筆者。変化に富んだこの曲はイヤホンによって音味が異なり、多彩な味わいがあるので飽きが来ない。そこで手持ちの代表的な有線イヤホン22機種で一気に聞き比べて、その違いをまとめてみた!

 

【1】fhána「ムーンリバー」とは?

 fhána 11枚目のシングルで『有頂天家族2』のEDテーマ。アニメ盤とアーティスト盤が発売されており、アニメ盤のカップリングは前シーズン『有頂天家族』のEDテーマ「ケセラセラ」のアレンジバージョン。アーティスト盤のカップリングは「Rebuilt world」となっている。

 さて、「ムーンリバー」であるが、かなり変化に富んだ曲だ。重厚な出足から徐々にのびやかで叙情的になっていき、サビ付近では一度一気に色づいて華やかな展開になった後、余韻を残すようにさっぱりと抜けていき、2度目のサビ後は曲調を変えて情感を加えながら、間奏に入り、最後はやや暖色の色合いを残しつつ、きれいに終わっていく。

 一貫性のあるボーカルを道標に、場面に合わせて音の傾向もかなり変化するため、それぞれの場面ごとに味が変わって飽きない。またイヤホンによって表現がだいぶ異なって曲全体の印象もがらりと変わる。とにかく面白い曲なのだ。

 詳しい味わいポイントなどについては以下の第1回の記事を参照して欲しい。

 

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※なお普段のレビューテストはヘッドホンアンプ(最近はOPPO HA-2SE)を利用しているが、今回は一般的な環境を考慮してSONYのポータブルオーディオプレイヤーNW-A25直挿しでテストしている(「ムーンリバー」ハイレゾ音源はmoraからダウンロード)。

 

【2】聞き比べレビュー

[16]audio-technica ATH-CKS1100

audio-technica ATH-CKS1100

低域 高域 ボーカル 解像度 全体の印象
A A A A 重厚

ボーカル:クリア。

低域:ブーミーで地熱感強め。重みもしっかり。爆発力は抑えめ。

立体感:やや前屈み。低音は前面に張り出す。

中高域:ナチュラル。

聞きやすさ:低域が強いが、圧迫感はそれほど高くなく、中高域のつややかさを邪魔しない。

総評

 前面に出てくる存在感のある低域は、爆発力の強いものではなく、どちらかというと中高域を支える上方向にあまり干渉しない性質のもの。そのためボーカルのつややかさは低域の振動によって寸断されることなく、比較的きれいに聞こえる。

 

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[17]SONY XBA-N3

 

低域 高域 ボーカル 解像度 全体の印象
A S S A 重厚

ボーカル:ナチュラルでのびやか。みずみずしさもほどよく感じられる。

低域:弾力があり、表面張力をしっかり感じる。厚みもしっかりしていて重厚感もある。

立体感:かなり緻密に広さを感じられる。

中高域:ナチュラル。

聞きやすさ:みずみずしく、なめらかでつややかで色気があって耳当たりが良い。

総評

 低域の存在感ははっきりしているので、その安定した足場は音楽をしっかりまとめあげていて、全体的には重厚な路線と言える。しかし、中高域ののびやかさとみずみずしさ、色気はそうした重厚な足場を支えに高くきれいに出て、決して重苦しい感じにしない。全体として緻密な音が空間を染め上げる濃密な一体感がある。

 

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[18]SATOLEX DH299-A1

低域 高域 ボーカル 解像度 全体の印象
A B B A 重厚

ボーカル:なめらかだが輪郭はシャープ。

低域:厚みがあり、ややブーミー。

立体感:ボーカルやや奥。

楽器音:ややシャープ傾向。

聞きやすさ:低域は強めだが、音の表面は柔らかめで耳当たりが良い。

総評

 ドンシャリ。低域が支配的になり、ボーカルはややその後ろから聞こえてくる傾向になる。声質になめらかさはあるが、輪郭がシャープで楽器音も全体的にシャリシャリした感じ。

 

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[19]final FI-PF2DBL3

 

低域 高域 ボーカル 解像度 全体の印象
B B A A マイルド

ボーカル:なめらかでみずみずしい。

低域:タイト。

立体感:やや前屈み。

楽器音:ナチュラル。

聞きやすさ:音が艶やかで圧迫感がない。

総評

 音に圧迫感が感じられず、耳当たりの優しい、みずみずしく艶やかな音を楽しめる。

 

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 [20]AKG Y23

低域 高域 ボーカル 解像度 全体の印象
B A A A シャープ

ボーカル:輪郭はシャープ。のびはなめらか。

低域:タイト。

立体感:広い。

中高域:シャープ。

聞きやすさ:全体的にシャープだが、尖った感じが出過ぎずなめらかさがあるので耳に刺さる不快感はない。

総評

 中高域の音像がはっきりしていて、透明感があるので非常に鮮明な印象を受ける。明るくキラキラした雰囲気がある。

 

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[21]maxell MXH-GD200

低域 高域 ボーカル 解像度 全体の印象
B A A A シャープ

ボーカル:シャープ。

低域:タイトで硬質。

立体感:広い。

中高域:シャープ。

聞きやすさ:緻密さな感じで音の輪郭くっきり。

総評

 輪郭がしっかりしていて、抜けも良くきびきびシャキシャキとした歯ごたえのある味わいを楽しめる。

 

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[22]BOSE IE IP

低域 高域 ボーカル 解像度 全体の印象
B B A A ナチュラル

ボーカル:ナチュラルでなめらかさとみずみずしさも感じる。

低域:タイトで比較的軽快な味わい。

立体感:広め。

中高域:ナチュラル。

聞きやすさ:なめらかで耳当たりは良い。

総評

 低域がタイトでもどちらかというと軽快な雰囲気で、全体的に明るめのナチュラルテイストといったところだろうか。

 

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[23]SONY XBA-300

低域 高域 ボーカル 解像度 全体の印象
A A A S シャープ

ボーカル:シャープでクリア。やや暗め。

低域:厚みがあって存在感はしっかりしている。輪郭はシャープで弾力のある鳴り方。

立体感:かなり広く、緻密。

中高域:シャープ。

聞きやすさ:細かく精緻な音の色彩で空間を描き上げる、細密画のような味わい。

総評

 とにかく細かな音の輪郭を丁寧に積み上げて、緻密に音を作り上げていく職人技のような表現が美しいイヤホン。ボーカルはやや明るさが足りない気もする。

 

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【3】23機種の概観

 まず価格比での音質を考えて、コスパで選ぶなら断然ZB-03だ。その表現力は価格を考えると全ての面でレベルが高く、群を抜いている。ほかには低価格モデルではY23はボーカルの清涼感がしっかり出るので、ボーカル中心に味わうならこれも秀逸。面白いのはATH-CKR100で、変化に富んだ味わいがある。爽快感で選ぶなら、AH-C820。シャープでキレッキレに楽しめる。純粋に感動させられるものを選ぶと、まずHeavenⅤ FI-HE5BSB3。やや濃ゆいところはあるが、材質感まではっきりわかるその表現力は本物。全体的なバランスなども考慮するとX11i Rev.1.2が個人的には推したい。ただX11iについては筆者はとくに愛用しており、完全にどストライク、好みの音質なので評価が甘い可能性があることには十分留意してもらいたい。

 

 

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