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【ポータブルヘッドホン COOAU CU001 レビュー】重厚低域支配が強く、曲によってはだいぶもっさり。一部曲での高域のざわつく感じが気になるが、一本調子でない器用なところもある表現に地力を感じる。個人的にオススメ

ヘッドライン

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COOAU C001

COOAU オンイヤーヘッドホン 折り畳み 高音質 マイク付き 折りたたみ式

 

おすすめ度*1

 

COOAU C001

ASIN

B073TXZZWP

 コンパクトで折り畳み可能なヘッドホン。装着感はやや締め付けが強めで、イヤーマフも硬め。音の傾向からか、遮音性はそこそこ高いが、音漏れは大きめ。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品は着脱式のオーディオプラグケーブル、日本語含む多言語マニュアル。

 

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【2】音質

 重厚で表面の爆発力はそれほどなく、深みのある支配的な低域が支配的。そのため比較的低域を中心にまとめられた曲は低域の足場がしっかりと感じられやすいので満足度が高い。一方で曲によっては中高域に干渉しやすいところもあり、とくに女性ボーカル曲の、比較的高音で透明度の高い艶やかな歌声を味にしているものは、低域の影響を受けてギザギザざわついてしまうところがある(豊崎愛生のボーカル曲で気になった)。ただしこうしたギザギザ感は経験上、いわゆるエイジングで落ち着きやすいのでそのうち消える可能性があり、そうなるとだいぶ魅力は増すだろう。高域自体の表現力は必ずしも悪くなく、尖らず自然なのびやかさがあり、息切れ感がなく突き抜ける。全体的に最近の流行を捉えた低域中心のスケール感のある味付けで、大味でわかりやすく、正統派ポップスやクラブサウンド、JAZZに強みがある印象だ。

 

[高音]:自然な味わいで息切れ感のないのびやかさは魅力。透明感やシャープネスは強くなく、音の傾向としては丸みを感じる。一方で一部音源で低域に引っ張られて歪むのかギザギザする場面もあった(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:中域はやや奥まる。精彩感はそこそこで、音の傾向では丸めで優しい。弦楽は背景に回りやすいが、そうした曲でも耳に存在感が残っており、価格の割に芸が細かい印象だ。

[低音]:深掘り感と重みがある音。表面の弾みは強くなく、爆発力よりは下からの地熱を感じさせる。中域方向に干渉しづらい良質な傾向に思う(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:奥行き感はよく出る。低域の沈みが良いので、低価格モデルの中では比較的稀な、丁寧な高低を感じさせる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ハイハットの粒は結構細かく、こうしたところにも芸を凝らしたところを感じるが、基本的にドラムの存在感が強い(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:全体的に自然な傾向で表現は安定している。

 

【3】官能性

 山崎あおい「モシモボクガ」は肝となる低域ドラムが柔らかいながらもしっかり深みを感じさせるポンポンとした音で、ギターのつま弾きも細かくきれいに出るので出足から表現はかなり上質。サビでうるさくなりがちな曲だが、丸い音の傾向のせいか音が一斉に響いてもきつくならないので、ボーカルを邪魔せず最後まで安定して楽しませてくれる。

 Rie Fu「One-Bite」も表現は安定している。おとなしめで演出の中心がコーラスとベース、そして奥行き感も出す弦楽の情感にあり、その個々の表現力とバランスが曲の味わいをかなりを左右するが、低価格モデルとは思えない濃密さでちょっと驚かされる。

 水瀬いのり&久保ユリカ「Endless Journey」も素直に楽しい。パーカッションのカタカタと踊り出す音は細かいし、後半は入れ替わりながら鳴らしてくる低域音が遺憾なく味わえる。そして中高域を邪魔しない上に優しい低域は、高くのびてはねる艶やかで元気なボーカルを邪魔しない。これはいい。

 Trysail「オリジナル。」は低域の深掘り感が感動的で弾力感がしっかりしており、キーボードのノリも弾みもよく、曲を前方にぐいぐい引っ張っていく。その上に乗るのびやかなトリオボーカルの重なりがまた開放的で味わい深い。

 

【4】総評

 弾みはそれほど強くない深掘り傾向の低域が目立つため、人によってはもっさり感じられ、また聞き疲れしやすいところがあり、ぼけて感じられる場合もあることは好みを分けるが、低価格の低域モデルとしては細かな芸の良さがあり、バランスの良い、魅力的な音を鳴らしボーカルも暗くならない。その意味でアニソン用として文句なく、クラブサウンド、正統派ポップス、JAZZで実力を発揮してくれるだろう。チープな外観は少し残念に思うが、個人的にはかなりどストライクな良機種だ。

COOAU C001

 

【5】このヘッドホン向きの曲 

 重厚で深掘りされるので、曲の重層性がよく出るため、比較的起伏の少ないこの曲の深煎りな芳醇さを楽しむのには最適。音源としては「茜さす」の初回限定盤に採録されている「カタオモイ(5th Anniversary Live ver.)」がこのヘッドホンと特によく合い、中毒性が高いが、ネット上の動画でそのバージョンの音源は残念ながら見つけられなかった。

 

 オリジナルのSILK版「ドリームシフト」の表現も十分うまいが、むしろ特性的にこちらの松本梨香のクラブサウンドアレンジバージョンのほうが個人的には楽しみが増すように思われる。(松本梨香「Dream Shift」)

 

 低域好きが低域重視の音響機器を味わうなら、この曲はまず外せない。まさに圧倒的な低域表現の上に、ソウルフルな歌声が楽しめる名曲。

 

  弾けが強くなく、しっかり深く掘り込む低域がこの曲を素直にボリュームアップした感じで聞かせてくれる。(トゥー・チー・チェン「シークレット カクレンジャー」)

 

 大ヒット武侠ドラマ李亜鵬版「射雕英雄伝」のED曲。低域で広さを感じさせる音楽空間にデュエットボーカルが自由に飛び回る比較的わかりやすい構造の正統派ポップスの曲。低域の利きは曲の印象に大きく影響するため、このヘッドホンとの相性は良い。(许茹芸&孙楠「真情真美」)

 

COOAU オンイヤーヘッドホン 折り畳み 高音質 マイク付き 折りたたみ式

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

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