JVC HA-FX27BT ワイヤレスイヤホン Bluetooth対応/リモコン付き/防滴仕様/高音質/小型・軽量設計 ブラック HA-FX27BT-B
おすすめ度*1 |
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ASIN |
装着感は悪くない。遮音性もそこそこ高く周囲の音はだいぶ低減される。音漏れも少なめな印象。
aptXには対応しない。通信性能は安定しており、音飛び・遅延はない。
【1】外観・インターフェース・付属品
付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、日本語マニュアル。ケーブルのタッチノイズはやや目立つ。首を曲げるだけで雑音が入るので、スポーツ用途には使いづらいかも知れない。
【2】音質
ブーミーで厚ぼったい低域が主役に思える。低域は沈み込む感じで下方向にエネルギーを溜めるような音。中域は骨太で地鳴りのような低域の上にかっちりと音楽を並べる。音は濃厚味を感じやすく、ややもすると大味に思える。高域の突き抜け感は出づらいので、中低域付近の密度感が官能性に影響しそうだ。
[高音]:突き抜け感は出づらく、中域に近く思える(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)
[中音]:全体的に骨太。ピアノは特に濃厚味が感じられる。
[低音]:30hz以降はおとなしい。ベースやドラムは地熱を加える下方向に熱いボツボツとした感じの音。(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:中域の充実度に意識が行き、地平線付近に密度を感じる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:ドラムに熱量感がある(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:ボーカルは骨太。高域ボーカルはのびやかさに欠ける。
【3】官能性
UVERWorld「CORE PRIDE」はドラムの音の傾向が出やすい曲。このイヤホンでは粘りが少なく、下に向けての地熱の表現はあるが上方向へはスッキリしている。ドラムとボーカルの引き合いになりやすい曲なので、ドラムが粘らないとボーカルの味わいが中心になる。粘りと弾けのないドラムは場合によって迫力不足に思うかところもあるが、聞き疲れしにくい調整とも言え、外出時の音漏れなども考慮した使用用途に即した音響なのかもしれない。ボーカルを味わいやすいという意味では嫌いではない。
秦基博「Rain」は厚ぼったいドラム表現が全体的にビターで大人びた雰囲気に聞かせる。落ち着いて感じられる低域表現に抑制を感じ、濃い目に響く中域の味を引き立てる仕事をしている。JAZZ味のある曲調に聞こえる。
TrySail「オリジナル。」も全体的に濃厚。骨太な鳴り方でボリューム感がある。ボーカルはやや暗く感じられやすく、煌めき感も抑えめに思うが、一方でふっくらとしたコクがあり、クリーミーといった感じか。
高田梢枝「メダカが見た虹」は弦楽のつま弾きさえも濃厚な色づきで渋みがある。中低域中心に安定感のある鳴らし方で、これはこれでこの曲のほろ苦さというものがうまく表現されるように思う。
【4】総評
骨太で中低域付近に熱量を感じるので、比較的どんな曲も多少なりともJAZZっぽく聞かせてくれるイヤホンという感じ。もっさり感は出てしまうので、好みを分けそうだが、価格的には手を出しやすく、落ち着いた雰囲気で音楽を楽しみたい人には悪くない選択肢。使い勝手は標準的。音の傾向に好き嫌いが出やすいので、人によってコスパ感は大きく変わりそう。
【5】このイヤホン向きの曲
煌めき感が抑えめで大人びた品格がある。骨太な弦楽がノスタルジックな世界観をしっかりと表現してくれる。(新居昭乃「空の青さ」)
中低域の密度感がこの曲をなかなかによく表現してくれる。
重厚味と濃厚感が出ており、とくに弦楽のえぐってくる骨太の音は曲に説得力を加えている。
ボーカルの透明感やキラキラ感はやや乏しく、暗く感じられるかも知れない。その一方でパーカッションを中心に足場の音は骨太で肉厚。やや大人びた落ち着いた曲調で楽しめる。(RYTHEM「ほうき雲」)
JVC HA-FX27BT ワイヤレスイヤホン Bluetooth対応/リモコン付き/防滴仕様/高音質/小型・軽量設計 ブラック HA-FX27BT-B
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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。