2018年も半ばを過ぎたが、今年のオーディオ界隈は完全ワイヤレスイヤホン躍進の年と行ってもいいだろう。
2016年ごろから中国製の輸入品を中心に爆発的にラインナップが増えていた完全ワイヤレスイヤホンだが、2018年前半に国内国外の有名音響機器メーカーも相次いで完全ワイヤレス機種をリリース、群雄割拠の様相を呈してきた。
今年発売の機種はとくに通信性能と音質の進化が著しく、初期の完全ワイヤレスにありがちだった使い勝手がだいぶ改善されてきている。
筆者はまだまだ動向を追い切れていないというのが実情だが、手に入れた完全ワイヤレスモデルの中からおすすめのものをピックアップする。
【「完全ワイヤレス」モデル共通の特徴】
完全ワイヤレスモデルはいわゆる片耳イヤホンを両耳に付けたような音の傾向を示すものが多い。小型なので連続再生時間が短めで低域が薄味なものが多い。
同価格の有線イヤホンや無線イヤホンと比べると、外出時に音楽を雑音を気にせず大味で楽しむには問題ないレベルの音質だが、家でじっくり音楽を楽しむには不満を感じやすく、とくに3000円~5000円クラスの有線イヤホンを使っている人からすると、立体感の無さに違和感や不満を覚える人も多いかも知れない。低域も表面の爆発力はともかく、深さは出づらいので、ベースの深掘り感を重視する人には向かないだろう。
- コードノイズがない
- 軽くて小型。持ち運びに便利
- 稼働時間が短め(電池容量に限界があり、高級機種でも2~3時間が標準)
- 低域は薄味
- 音はどうしてもシャリつく傾向にあり、機械的に感じられるかもしれない
- 音の立体感が希薄で、平面的
【オススメモデル5機種】
SOUL ST-XS
【国内正規品】SOUL 完全ワイヤレスイヤホン Bluetooth/防汗対応 左右分離型 マイク付き ST-XS SL-2001
ネット上でも評判の良い機種。1万円を切る価格設定ながら、クリアでキラキラ感のある鮮明度の高い音質を楽しめる。防水性能はIPX4。水場での使用には向かないので、レジャー用ではなく、通勤通学用としてどうぞ。装着感が非常に良く、高い遮音性で没入感も高い。外出中も周りを気にせず音楽に没頭したいならこれ。個人的にオススメ度No.1。
JVC HA-ET900BT
JVC HA-ET900BT 完全ワイヤレスイヤホン Bluetooth/防水(IPX5対応)/最大9時間再生 ブラック HA-ET900BT-B
完全ワイヤレスにしては大きめのハウジング。イヤーフックでしっかり止まるので装着性は悪くないが、やや大きめの筐体が空気抵抗を受けたりして装着感は意外と重いので注意。人によっては長時間使用で耳が痛くなるかも。防水性能はIPX5でスポーツ向けの名に恥じないが、それでも水場での使用には注意を。以上のように使い勝手はやや劣るかも知れないが、音質は魅力的。全体的に迫力があってスパイシー。国内メーカーモデルとしてはコスパが良い。
Tamoo T900
比較的低価格ながら満足度の高い完全ワイヤレスモデル。金管音はかなりの色気を感じ、ボーカルも艶やか。男女問わず声優系の歌手が歌う甘味のあるアニソンにはもってこいな印象だ。曲のメリハリもよく再現されており、総合的な満足度を考えると、コスパはかなり高いと言える。
AairHut A2
音質的には上のTamoo T900に近いが、高域での突き抜け感では勝り、より明るめの印象。若干通信性能に劣り、ごく稀に片耳だけ途切れることがあったので、相性問題はあるかもしれない。それを除けば、小型で耳当たりの良いハウジングも含めて総合的な使い勝手は良く、おすすめ。
RUOBAI BS01
音質的にはこの中では好みの方。一回り高めのSOUL ST-XSと十分勝負できるんじゃなかろうか。キラキラ感のある音でクリアな印象を受けやすく、ロック・ポップスを気持ちよく楽しめる。IPX6の高い防水性能を持ち、連続再生時間が5-6時間と長めなのも○。大きめの丸形ハウジングが耳に当たりやすくて人によって長時間使用で耳が痛みそうなのと、タッチパネル式のインターフェースの操作感が若干悪いのが難点。コスパは文句なくよい。