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【セール情報】もはや入手困難な伝説的名機「PIONEER SE-MASTER1」、セール中?

PIONEER SE-MASTER1

PIONEER SE-MASTER1

 

現在入手困難になっているPIONEERの伝説的名機「PIONEER SE-MASTER1」ですが、なんとセール価格で売られています。と言っても、元の値段が元の値段なので、お値段が張りますが。

 

あと、もう修理サポートが受けられない状態になっていると思いますが、詳しくは知りません。もし購入を検討しているようでしたら、私が確認した感じだと、本体側のケーブルプラグ接続部がこわれやすいようなので、その点に気を付けた方がいいかもしれません。

 

セール詳細

 

レビュー記事

www.audio-sound-premium.com

 

Pioneer SE-MASTER1

Pioneer SE-MASTER1

¥275,000(税込)

 
 
 
 

 

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Pioneer SE-MASTER1

Pioneer SE-MASTER1

 

免責事項
  • このレビューは「私的な購入品」または「対価を払ってレンタルした商品」に基づいて書かれています。
  • これを掲載することによる原稿料のような報酬または対価は一切受け取っておらず、個人的な試験での測定データや個人的見解に基づいて誠実に評価したものです。
  • 当サイトのプライバシーポリシーをご確認ください。

 

Pioneer SE-MASTER1

 

こんな人におすすめ

  • モニタースピーカーの音に忠実なヘッドホンが欲しい
  • スタジオのスピーカーのサウンドを再現して聞きたい
  • 音場重視

 

Pioneer SE-MASTER1の概要

 「アウトラインレビュー」は製品の概要を簡潔に紹介するレビューシリーズです。今回取り上げる製品は「Pioneer SE-MASTER1」です。

 Pioneer SE-MASTER1の完全なレビューはこちらにあります。 

 

基本スペック
  • 周波数特性:5Hz~85kHz
  • インピーダンス:45Ω
  • 感度:94dB
  • 価格帯:200000円~300000円

 

パッケージ

 さすがにハイエンドだけあって、Pioneer SE-MASTER1のパッケージは高級感を意識してますが、26万という価格を考えると、特別豪華とも言えないでしょう。

 

パッケージ内容

 付属品に不足はありません。

  • ヘッドホン本体
  • ケーブル

 

Pioneer SE-MASTER1
Pioneer SE-MASTER1

Pioneer SE-MASTER1

 

ビルドクオリティ

 26万円という価格を考えてもSE-MASTER1のヘッドホン部分の作りはかなりしっかりしており、価格以上の品質を感じさせます。

 

 ただしmmcxプラグの耐久性は良くないようで、私のレンタルした個体は右側の接触が少し悪いですね。このプラグ部分の耐久性が少し低そうなことはネット上の情報からも伺えます。

 

Pioneer SE-MASTER1
Pioneer SE-MASTER1
Pioneer SE-MASTER1
Pioneer SE-MASTER1
Pioneer SE-MASTER1
Pioneer SE-MASTER1

 

装着サンプル

 ヘッドバンドに無駄な高さがある気がしますが、装着感はわりと快適です。開放型なので通気性もよく、クッションはフカフカです。

 

Pioneer SE-MASTER1
Pioneer SE-MASTER1
Pioneer SE-MASTER1
Pioneer SE-MASTER1

 

音質

 Pioneer SE-MASTER1は拡散音場に基づいて非常に合理的かつ丁寧にチューニングされており、ほぼ完全にフラットなモニタースピーカーサウンドをリスナーの耳元から少し前方に形成します。Pioneer(ONKYO)はスタジオリファレンスとして使えるモニタースピーカーサウンドの完全再現を目指したと述べていますが、その野望はほぼ完全に達成されており、この老舗オーディオブランドの確かな見識をサウンドから容易に伺い知ることができます。

 

 26万円という価格を正当化できるかは難しいですが、スタジオリファレンスや音楽鑑賞のリファレンスとして使える、非常に優れた製品であることは間違いありません。

 

 以下のレビューはFiiO M15にaptXでつないでテストしています。

 

 

 音質についての詳しいレビュー内容はこちらを参照して下さい。

 

Pioneer SE-MASTER1

 

音質総評
  • 原音忠実度:A+
  • おすすめ度:A
  • 個人的な好み:S+

 

 Pioneerがスピーカーサウンドの完全な再現を目指して作ったSE-MASTER1はそれにふさわしい前方定位するフラットモニタースピーカーのサウンドをほぼ完璧に再現します。そのサウンドは文句なく優れており、スタジオレコーディングやミキシングに関わるエンジニアに強力なツールを提供しますが、あまりに値段が高すぎます。最高峰のサウンドを持つヘッドホンの一つであるとはいえ、残念ながら音質自体は総合的には価格の水準に届いているとは言えません。

 

 金に糸目をつけずに良い音がほしいという人は手を出してもいいですが、良質なモニターヘッドホンが欲しいだけであれば、あえてこれを選ぶ必要はないでしょう。万能な機種というわけでもありません。

 

音質的な特徴
美点
  • ほぼ完全なモニタースピーカーサウンド
  • 前方定位的
  • 広さと実在感に優れた音場
欠点
  • 低域の深みに欠ける
  • 質感と定位が正確ではない

 

総評

 Pioneer SE-MASTER1はヘッドホンで完全なスピーカーサウンドを実現したいと願った日英のサウンドマイスターが協力し、実現した驚異のプロジェクトです。それはたしかにかなり精確にモニタースピーカーの音を耳元で再現することに成功し、多くのレコーディングエンジニアやミキシングエンジニアにとって理想に近いヘッドホンと言うことができます。しかし、残念ながら実現されたサウンドに対して値段が高すぎるように思われます。

 

Pioneer SE-MASTER1

Pioneer SE-MASTER1

¥275,000(税込)

 
 
 
 

 

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【ニュース】パイオニア、デジタルミュージックプレーヤー『XDP-20』コラボ専用新色モデル及び、ハイレゾ対応インイヤーヘッドホン『SE-CH9T』と、『エヴァンゲリオン』シリーズとのコラボレーションモデルを期間限定で予約販売

Pioneer XDP-20 & SE-CH9T エヴァンゲリオンシリーズコラボモデル

Pioneer XDP-20 & SE-CH9T エヴァンゲリオンシリーズコラボモデル

 

 

パイオニアがエヴァコラボモデルを発売

 パイオニアブランドのデジタルミュージックプレーヤー“private”(プライベート)「XDP-20」コラボ専用新色モデルと、『エヴァンゲリオン』シリーズとのコラボレーションモデルを期間限定で予約販売いたします。このコラボレーションパッケージにはXDP-20のほかに限定デザインのハイレゾ対応イヤホン「SE-CH9T」が付属します。

 このコラボレーションパッケージの価格は55,000円(税・送料込)で完全受注生産され、2020年9月7日15:00から11月6日15:00の間に予約販売されます。詳細はこちらのページから確認できます。

 

Pioneer XDP-20とは?

 Pioneer XDP-20は、ハイレゾ音源や高効率の圧縮技術を使ったMQA音源の再生に対応し、DSDは5.6MHzまでのネイティブ再生、FLAC/WAVは192kHz/32bitまでの再生に対応するデジタルオーディオプレーヤーです。

 さらに、本体で再生可能なすべての楽曲を高音質化する“Hi-Bit32モード”、“アップサンプリング”により、CD音質の非圧縮音源、ストリーミング音源や圧縮音源も高音質で再生できます。

 “10バンドイコライザ”や“Bass Enhancer”により、サウンドをアレンジし自分好みにカスタマイズもでき、エントリーモデルでありながら音楽を楽しむ機能が詰まったPioneerらしい製品になっています。

 インターネットラジオ“radiko”や音楽ストリーミングを楽しめるWi-Fi機能とともに、Bluetooth®無線技術にも対応しており、Bluetooth®対応機器でのワイヤレス再生が可能です。2つのmicroSDカードスロットの搭載により、16GBの内蔵ストレージに加え、最大528GBまで拡張可能なため、ハイレゾ音源を豊富に持ち運べます。

 

 Pioneer XDP-20はスマートフォンを携行している前提で、持ち運びに便利で、使いやすく、高音質再生ができるコンパクトな音楽再生プレーヤーとして開発しました。デザインコンセプトである“Round fit”による、カバンやポケットに入れやすく、手になじみ操作しやすいラウンドフォルムを持っています。

www.ear-phone-review.com

 

エヴァンゲリオンコラボモデルの特徴

 今回のコラボレーションモデル「XDP-20 NERV」「XDP-20 WILLE」には、「EVANGELION」を正面右サイドに、それぞれの組織のロゴマークが背面に印刷されています。

 専用レザーケースにも、本体同様のマークが背面に型押しされており、「XDP-20 NERV」にはNERVタイプ、「XDP-20 WILLE」にはWILLEタイプが付属しています。更に専用クリアケースも付属し、本体背面のデザインと組み合わせて鑑賞できるデザインとなっております。気分に合わせて好きなほうを選んで楽しめます。また、国産人気バッグメーカー「バンナイズ」とコラボレーションしたオリジナルキャリングケース「NERVモデル」「WILLEモデル」もセットに含まれています。パッケージは本体と各専用ケース(キャリングケースは別梱包)を同梱したオリジナル仕様となっています。

 

 XDP-20の本体はオリジナルUIを搭載しており、より作品の世界観をお楽しめると共に、それぞれ7種類の壁紙が内蔵されていて好みや気分に合わせてデザインを変更できます。また特典として『エヴァンゲリオン』シリーズハイレゾ楽曲が5曲プリインストールされています。

 

XDP-20 NERV
XDP-20 WILLE

 

 パッケージにはオリジナルアルミプレート仕様のハイレゾ対応インイヤーヘッドホン「SE-CH9T NERV」及び、「SE-CH9T WILLE」、バランス接続対応ケーブル(φ2.5mm4極プラグ)“JAC-BM12C1(B)”、画面保護ガラス“DPA-DT021B1”も一緒になった内容となっており、1セットでハイレゾ音源を始めたとしたあらゆるエンターテインメントを楽しめる構成になっています。

 

コラボモデル「XDP-20 NERV」

XDP-20 NERV

XDP-20 NERV

XDP-20 NERV

 

コラボモデル「XDP-20 WILLE」

XDP-20 WILLE

XDP-20 WILLE

XDP-20 WILLE

 

「Pioneer XDP-20 エヴァンゲリオンコラボモデル」の技術仕様

Pioneer XDP-20の技術仕様
  • ディスプレイ:2.4型静電容量タッチスクリーン
  • 内蔵ストレージ:16 GB(システム領域含む)
  • 拡張スロット:microSD×2(SDHC、SDXC 対応)、1スロット最大256GB(exFAT フォーマット)
  • Wi-Fi 機能:802.11a / b / g / n(5GHz/2.4GHz)
  • Bluetooth®機能:Profile: A2DP / AVRCP
    Codec: SBC, Qualcomm® aptX™, Qualcomm® aptX™HD audio
  • オーディオクロック:44.1kHz / 48kHz 2 系統駆動
  • 音楽再生可能ファイル:DSF / DSDIFF / MQA / FLAC / ALAC / WAV / AIFF / MP3 / AAC
  • 再生対応サンプリング周波数および量子化ビット数:
    • 2.8 / 5.6MHz Native
    • 44.1 kHz / 48 kHz / 88.2 kHz / 96 kHz / 176.4 kHz / 192 kHz Native
    • 16 bit / 24 bit / 32 bit
  • 実用最大出力
    • 75 mW + 75 mW(Unbalance, JEITA)
    • 150 mW + 150 mW(Balanced, JEITA)
  • 全高調波歪率:0.006 %以下
  • S / N 比:115 dB 以上
  • 再生周波数帯域:20 Hz ~ 80,000 Hz
  • インピーダンス:16 Ω ~ 300 Ω(Unbalance) / 32 Ω ~ 600 Ω(Balanced)
  • 入出力端子:
    • 2.5 mm 4極バランスヘッドホン出力(ラインアウトモード対応 / 先端から R- / R+ / L+ / L-)
    • 3.5mm 4極アンバランスヘッドホン出力(ラインアウトモード対応 / リモコン対応)
    • Micro USB(充電・データ転送・USB/OTG デジタル出力兼用)
  • Gain:Low / Normal / High
  • バッテリー:1,630 mAh/3.8 V
  • 再生時間:15時間(FLAC 96 kHz / 24 bit、アンバランス, Wi-Fi / Bluetooth:OFF時)
  • サイズ(H × W × D):98.2 x 64.5 x 16.0 mm
  • 質量:125 g
  • 対応言語:日本語 / 英語 / ドイツ語 / フランス語 / スペイン語 / イタリア語 / スウェーデン語 / 中国語(簡体字 / 繁体字) / ロシア語
  • 付属品:
    • 画面保護シート1枚(※本体に装着してあるシートは、工場出荷からお客様のお手元に届くまでの画面の汚れ・傷を防止するもので、そのままご使用にはなれませんので、付属のシートに貼り替えてご使用ください)
    • Micro USB ケーブル(1.0 m / データ転送、充電時使用)

 

コラボモデル プリインストールハイレゾ楽曲
  1. 「残酷な天使のテーゼ」(Director's Edit. Version)(高橋洋子)
    NEON GENESIS EVANGELION 【2013 HR Remaster Ver.】
  2. 「FLY ME TO THE MOON」(YOKO TAKAHASHI Acid Bossa Version)(高橋洋子)
    NEON GENESIS EVANGELION 【2013 HR Remaster Ver.】
  3. 「Komm,susser Tod」 (Mー10 Director's Edit.Version)
    THE END OF EVANGELION
  4. 「EM20#070720」
    EVANGELION:1.0 YOU ARE (NOT) ALONE. original sound track 【2014HR Remaster Ver.】
  5. 「3EM01_EM20_Master」
    EVANGELION:3.0 YOU CAN (NOT) REDO. original sound track 【2014HR Remaster Ver.】

 

Pioneer SE-CH9Tの技術仕様
  • 型番:SE-CH9T
  • 型式:密閉型ダイナミック
  • 再生周波数帯域:5 Hz ~ 50 000 Hz
  • インピーダンス:26 Ω
  • 最大入力(JEITA) :100 mW
  • 出力音圧レベル:108 dB
  • ユニット口径:φ9.7 mm
  • 接続コード:1.2 m
  • プラグ:φ3.5 mm 4極ステレオミニプラグ (金メッキ)
  • 質量(コード含まず):9 g

 

まとめ

 XDP-20は完璧ではありませんが、低価格では使いやすく、拡張性も高いプレーヤーです。このコラボモデルはイヤホンも付属しており、それなりに魅力的に見えるかもしれません。XDP-20はしかし、最新モデルとは言いづらく、そのBluetooth機能には一部のワイヤレスオーディオ製品との相性があります。つまり欠点のない機種ではありません。それでも、個人的にはXDP-20のごちうさコラボモデルにかなり満足しているので、この製品もEVAファンには楽しい製品かもしれません。

 

Pioneer XDP-20 & SE-CH9T エヴァンゲリオンシリーズコラボモデル

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レビュー記事

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【特集】デジタルオーディオプレーヤー最新おすすめ機種紹介「エントリークラス編1」[SONY NW-A55/Pioneer XDP-20/Activio CT10/iBasso DX120/COWON PLENUE V/Hiby R3]

Hiby R3

Hiby R3

 

 

【1】小型化・薄型軽量化・ワイヤレス化するエントリークラスDAP

 今回の特集はデジタルオーディオプレーヤーを扱います。この記事では私が個人的観点で選んだおすすめ機種を紹介しますが、しかし、その前にどういう選好で私が今回の特集記事のDAPを選んだかを説明することは有益であるように思われますので、しばし説明させていただきたく思います。

 

次記事

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エントリークラスDAPってどのくらいの製品のこと?

 DAPのエントリークラスはどの製品を指すのかというのは難しいですが、価格帯としては5万円以内くらいを目安に選びました。また条件としてハイレゾファイル再生能力があるという点を最低ラインとしています(したがってApple iPod touchは選外となります)。

 

エントリークラスDAP製品の特徴

 最近のエントリークラスDAPの特徴は以下のようになっています。

  1. 携行性が重視され、小型・軽量モデルが増えた。
  2. ワイヤレスオーディオ機能が重視されている。
  3. バランス接続機能は省かれていることが多い。

 

【2】おすすめのエントリークラスDAP

 そういうわけで、今回はエントリークラスのDAPの中から、とくにおすすめする機種を選り抜きました。

 

SONY NW-A55

SONY NW-A55

SONY NW-A55
  • 高音 6/10
  • 中音 5/10
  • 低音 6/10
  • 音場 5/10
  • 情報量 5/10
  • 音の傾向 はっきり系
  • アプリ対応力 1/10
  • 通信対応力 7/10
  • 対応コーデック SBC / aptX / aptX HD / LDAC
  • 拡張性 16GB (+128GB)
  • DAC 独自
  • ハイレゾ 384khz/32bit DSD256
  • バランス接続 なし
  • 実売価格 2万円前後
おすすめポイント&解説

 エントリークラスDAPの定番機種。電池持ちが非常に良く、ワイヤレスオーディオコーデックも充実していて、Apple iPod touchとともにエントリークラスのデファクトスタンダードとなっている機種。iPod touchと違い、ハイレゾ品質の高音質ファイルに対応している。

 音質はドンシャリ系ではっきりコントラストをつけて音を聴かせるタイプ。輪郭も良く、低価格の割にはっきりと音楽をクリアに感じさせてくれるところがあり、スピード感もある。とくに下位モデルのNW-S313と聞き比べると表現力に圧倒的差を感じる。

 インターフェースは独自だが、反応は良く操作性も機敏。問題はスマホアプリに対応しておらず、自社のHeadphones Connectでさえ使えないところ。しかし完全ワイヤレスイヤホン相手に携帯して使うなら現状最強クラスのコスパを誇る。

 SONY独自デザインのOSとUIで、転送ケーブルまで独自規格でアプリ対応含め全てが前時代的なのが欠点。

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Pioneer XDP-20

Pioneer XDP-20

Pioneer XDP-20
  • 高音 6/10
  • 中音 5/10
  • 低音 6/10
  • 音場 6/10
  • 情報量 6/10
  • 音の傾向 はっきり系
  • アプリ対応力 1/10
  • 通信対応力 7/10
  • 対応コーデック SBC / aptX / aptX HD
  • 拡張性 16GB (+512GB)
  • DAC ES9018C2M×2
  • ハイレゾ 384khz/24bit DSD256
  • バランス接続 2.5mm
  • 実売価格 3万円前後
おすすめポイント&解説

 ONKYO/Pioneer系のエントリークラスDAP。価格設定はかなり安めながら、音質面でバランス接続に対応、ミドルレンジDAP並みのDACを搭載とスペック面で豪華なのが特徴。ただし電池持ちはあまり良い方ではなく、エントリークラスとしては筐体も大きめ。

 音質はNW-A55とほぼ同等でドンシャリ的な傾向も似ているが、バランス接続でよりパワフルなサウンドが期待できる。そういう意味で、NW-A55キラー的な立ち位置ではあるが、UIが古くさく、上位機種と違って豊富なイコライザー機能もなく、Androidカスタムの独自OSなため、アプリ対応能力もない。

 低価格であくまで有線の音質(とくにバランス接続)にこだわるなら有力候補。

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Activio CT10

Activio CT10

Activio CT10
  • 高音 6/10
  • 中音 6/10
  • 低音 6/10
  • 音場 6/10
  • 情報量 6/10
  • 音の傾向 すっきり系
  • アプリ対応力 7/10
  • 通信対応力 8/10
  • 対応コーデック SBC / aptX / aptX HD
  • 拡張性 16GB (+384GB)
  • DAC CS4398
  • ハイレゾ 192khz/24bit DSD256
  • バランス接続 なし
  • 実売価格 3万円前後
おすすめポイント&解説

 韓国アイリバー系のActivioから出たエントリークラスDAP。実質的にAstell&Kern系のエントリークラスと考えていい。TIDALなどのサブスク音源、自社の音源ダウンロードサイトgrooversとの連携を企図した新時代オーディオプレーヤーとして売り出したかった気配があるが、そのgrooversが発売後1年くらいでなくなってしまった。

 音質はAK70からSR15の系譜に属するAstell&Kern系のローエンドモデルの音質を継承しており、なめらかな質感と色づけの少ないすっきりした音。

 丸みを帯びて曲線を描く筐体の質感は良く、操作性も抜群で、個人的にエントリークラスDAPの中でお気に入りの機種だが、好みを抜きにして、冷静に全体を眺めると、ぶっちゃけあらゆる意味で中途半端。

 そもそも少しお金を積めばAK70 MKⅡに手が届く上、バランス接続に対応しない、電池持ちが良くないなど意外と微妙。性能的にはAK70相当でAK70 MKⅡのさらに一世代前と同等クラスとなるが、スペック的にはAK70に劣る。

 そういうわけでこの機種の良いところは、その独特のインターフェースの使いやすさで、それ以外あまりよいところがない。個人的には結構愛用してるけど、なんで愛用してるのか自分でも謎。気に入ってる割におすすめする気にもならないので、いまだにレビューしてすらいないという。

 ちなみにこの機種はAstell&Kernの技術を凝縮した一体型モジュール
「TERATON」を採用した第1弾モデルとのことだったが、第2弾以降出てない気がする。私が知らないだけでどっかで出ているのかも知れないけど。

 

iBasso DX120

 

iBasso DX120

iBasso DX120
  • 高音 6/10
  • 中音 7/10
  • 低音 7/10
  • 音場 7/10
  • 情報量 7/10
  • 音の傾向 すっきり系
  • アプリ対応力 1/10
  • 通信対応力 0/10
  • 対応コーデック なし
  • 拡張性 0GB (+512GB)
  • DAC AK4495
  • ハイレゾ 384khz/32bit DSD128
  • バランス接続 2.5mm
  • 実売価格 4万円前後
おすすめポイント&解説

 この機種はコンセプト的にエントリークラスというよりミドルレンジDAP的な発想で作られているので、ここで紹介している機種の中では異色。私個人の意見としても、入門機としてこれを紹介するのは違う気がするが、iBasso最低価格モデルとして紹介する。

 音質は低域をしっかり出しつつ、中高域を見通しよくすっきり聴かせるタイプで価格以上の底力が感じられるうえに、5種類のサウンドモード切り替えが可能であり、音質だけ見ればコスパは良好。

 しかし、この機種はエントリークラスとしては使い勝手がよくないので、その点ですでにおすすめしない。音質は良いが、ほとんどそれだけでアピールポイントが少ない。店頭試聴機を使った感じでは、かなり使い勝手に難を感じたので、個人的には完全スルーした。そもそもワイヤレスオーディオに対応していないし。

 

COWON PLENUE V

 

COWON PLENUE V

COWON PLENUE V
  • 高音 6/10
  • 中音 5/10
  • 低音 5/10
  • 音場 5/10
  • 情報量 5/10
  • 音の傾向 くっきり系
  • アプリ対応力 1/10
  • 通信対応力 0/10
  • 対応コーデック なし
  • 拡張性 64GB (+128GB)
  • DAC CS43131
  • ハイレゾ 192khz/24bit DSD128
  • バランス接続 なし
  • 実売価格 3万円前後
おすすめポイント&解説

 有線接続専用。ワイヤレスオーディオ機能一切なし。最大再生時間41時間という長さが魅力で、薄型コンパクトで持ち運びやすいのは良いが、ほぼあらゆる点でSONY NW-A55に劣る。COWONのJetEffectを使って多彩なイコライザーが楽しめるのだけが利点で、JetEffect目的で買うくらいしか理由が見つからない。あとはストレージ容量が64GBと多めなのが魅力かも。

 音質はディテール感重視で演出は少なく、くっきりと音をフラットで中庸に聴かせることに主眼が置かれているようだ。むしろJetEffectで自分好みの音に色づけして楽しむ感じで、デフォルトの音は極力脚色を抑え、素体として汎用性を考慮してして調整されているように思われる。イコライザーをちょっと変えると、途端に色づくといった感じの音だ。

 この機種は海外のレビューなどを見ると評価は悪くないようだが、あまり売れている気配がない。UIを含めた全体の設計がSONY製DAP以上に前時代的なため、NW-A55に完全に食われている印象がある。

 

Hiby R3

Hiby R3

Hiby R3
  • 高音 6/10
  • 中音 6/10
  • 低音 6/10
  • 音場 6/10
  • 情報量 6/10
  • 音の傾向 はっきり系
  • アプリ対応力 3/10
  • 通信対応力 9/10
  • 対応コーデック SBC / aptX / LDAC
  • 拡張性 0GB (+2TB)
  • DAC ES9028Q2M
  • ハイレゾ 384khz/32bit DSD256
  • バランス接続 2.5mm
  • 実売価格 2万円前後
おすすめポイント&解説

 エントリークラスDAPとしては恐るべきコスパを誇るとして話題となったHibyの入門機。OSは中華製DAPに多いHiby OSで完全Androidではないが、ワイヤレスオーディオへの対応状況は良い。

 何より小型で胸ポケットに入るサイズで、USB-DAC機能やワイヤレスレシーバー機能を持っており、DLNAやAirPlayにすら対応するなど、これでもかと機能がてんこ盛り。

 音質も2万円クラスでは最上位クラスで、解像度が高く、高域の見通しが良い上に、パワフルで厚みも感じられる音。真の意味でのSONY NW-A55キラーとして登場した機種。しかし知名度が低く、あまり認知されていないのが最大の欠点。あとは超小型DAPあるあるで、操作性やアルバルアートの見栄えに難を感じるのが欠点といえば欠点。

 

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【完全ワイヤレスイヤホン Pioneer SE-E8TW レビュー】1万円を切る完全ワイヤレスイヤホンとしては音質は悪くない。明るいドンシャリ。付属のヒアスルーイヤーピースは面白いが、通信品質はキツい。

Pioneer SE-E8TW

Pioneer SE-E8TW

パイオニア Pioneer 完全ワイヤレスイヤホン Bluetooth対応 左右分離型 マイク付き イエロー SE-E8TW(Y) 【国内正規品】

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は悪くない。独特のヒアスルーイヤーピースは周辺音の聞こえが良い代わりに低域スカスカになる」

おすすめ度*1

Pioneer SE-E8TW

ASIN

B07L3PV4CQ

 ハウジングは軽量で耳への収まりも良い。遮音性そこそこ。音漏れ少し。この機種には切り込みが入れられたヒアスルーイアーピースが付属していて、それに替えると低域が減る代わりに外環境音の聞こえが良くなるが、音漏れもシャリシャリ目立つようになるので注意。

 

 SBC/AAC対応。通信品質は1万円以下くらいの価格帯でも良い方ではない。テストした感じ、同価格帯のライバルの中でも通信品質はそれほど堅牢とは言えないSOUL ST-XS2に劣る印象。街中では結構途切れる場面が多い。

 そうすると同じドンシャリ音質だし、ヒアスルーも完備しているし、IPX7で防水性能も高くて装着感も良く、スポーツ向きというSE-E8TWの利点の全てをより高い次元で実現していて、しかも安く買えるST-XS2のほうがハズレが少ないとは言える。ちょっと厳しいね。

www.ear-phone-review.com

 

【2】外観・インターフェース・付属品「連続再生時間などスペックは物足りない」

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、専用充電ケース、説明書。イヤーピースはヒアスルータイプが付属する。

 

 連続再生時間がイヤホン単体で最大3時間。ケース込みで最大9時間。防水性能はIPX5。連続再生時間の3時間はまあ許せるとしても、最大再生時間のスペックで10時間ないってのはさすがにどうかなぁとは思う。実際上そんなに長く音楽聴くことは、私の経験からすると、日常生活ではまずないんだけど、旅行とかに持っていくことも考えると、10時間はさすがに短すぎないかな。

 

Pioneer SE-E8TWPioneer SE-E8TW

【3】音質「刻みの良い明るい高域と元気な低域の組み合わせ」

 音質はドンシャリ系の音なので、安っぽいと評価されやすいところがあるが、少なくとも完全ワイヤレスイヤホンの中ではしっかりした音の組み立てがされているドンシャリである。高域方向もシャリシャリさせつつもシンバルの空気感はきれいに感じられるので、それほど安っぽい音ではない。むしろ後述するように個人的な印象では、ドラムとシンバルの組み立ては悪くないどころか良質なくらいなので、音質で同価格帯の機種に引けを取っているわけではない。

 

[高音]:パリパリシャリシャリ系。シンバルは明るく、空気感のある音で弦楽もパリッと明るく朗らかに伸びる。派手めではあるが、高域は丁寧に組み立てられている(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中高域に明るみがあり、女性ボーカルは明るめに浮かび上がる。ギターや管楽は少し明るさが強く、浮かれた印象を受けるかも知れない。

[低音]:100hz~30hzまで太い振動。20hzでほぼ無音。低域が少し引っ込んでいるので、やや存在感が強め(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:中高域から高域にかけてのあたりのディテールが強調される。低域も深みがあり、濃い重量感を感じられる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムはボディがしっかりしており、地熱感も充分に感じられる。バズンバズンという重い火力のある音。シンバルはしっかり白味のある浮き上がりの良い音で刻みはかなり細かく、シャリシャリシャンシャンと空気感も多めに出す。パーカッション周りのコントラストはしっかりしている印象(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:明るめで女声ボーカルの浮き上がりがよい。男声ボーカルはやや中性的。

 

【4】官能性「はっきりした明るさのあるキャラクターでわかりやすい音」

Rasmus Faber「Are You Ready」

 この曲の味付けの中で結構大事な役割を担っているシンバルの色彩がかなり丁寧で、粒感と空気感がこの価格帯にしては詳細に感じられるので、さわやかな酸味となって心地よい。かなり深く重低音を見せるベースラインが量感の割に深掘り感を演出しているので、上下の高低感にしっかりとした高さが感じられ、ダイナミクスを味わわせてくれるとともに、空間にすっきりした感じを生み出している。中高域付近にちょっと厚みがあって豊かになるので、そこでシンセにつややかさと芳醇さをフレーバーとして付け加えており、充実感も少し増しているので、「ドンシャリ」という言葉が想像させるような、高音と低音だけが単純に聞こえる音質ではなく、その間をつなぐ中高域がそれぞれを孤立させずにつなげている。女声ボーカルの聞こえも良い。

 


ホエア・ウィ・ビロング

 

Poppin' Party「CiRCLING」

 ギターは明るく、浮かれ気味。ピアノも明るく、キンキンとした上向きの音。ドラムとベースは重く黒みがあるが、スピード感も充分で疾走感をきれいに出す。低音はがんばってはいるが、この曲を聴く感じ、音場全体は明るめで、とくにシンバルの空気感なんかが結構きれいに聞こえて意識が上向く。ボーカルも上方向に伸びていくコケティッシュな声色で純粋にアイドル系。こういう曲は、パイオニアが本当に得意だよねっていう音質の王道を行く。

 


CiRCLING

 

下地紫野&悠木碧「Harvest Moon Night」

 低域の重みは量よりは深さで表現されるので、この曲でも重厚で豊かとはいかないにしても、高域が映えるだけのコントラストはしっかり出ている。本来中低域あたりで出すべき濃厚感は、このイヤホンの場合、中高域の煌めき感が肩代わりしていると言えるが、豊かな味を感じることは事実。艶やかで少し明るい色彩感があって、楽しげに聴かせてくれる。また高域方向の空気感が清々しく、すっきりとした味わいもある。

 


TVアニメ『ハクメイとミコチ』ED主題歌「Harvest Moon Night」

 

南壽あさ子「flora」

 中高域にマイルドな味わいがあり、ピアノもツヤツヤして聞こえるし、ボーカルにも甘味と煌めき、透明感がある。息感にも自然な温もりがあり、明るいながらも詳細なディテールと温度感がある。ピアノや弦楽も明るいながらに厚みもしっかりあり、浮いた感じでなく、豊かに中域につながって聞こえる。低域の重みもわかりやすく感じられる。

 


forget me not 【初回生産限定盤】

 

【5】総評「音質は聴き応えがあるドンシャリだが、通信品質は辛い」

 音質はドンシャリと言っても、パイオニアらしいエッセンスが中高域あたりに感じられて、ボーカル周りに豊かさがあり、きれいに聞こえる。個人的には好みな音で安っぽくはなく、ドンシャリというだけで安い音だと判断するのは早計。低域の量感はたしかに不足感があり、深みを出してワイドレンジ感を意識している印象を受けるので、中低域に「豊かさ」を求める人には平たい感じに聞こえやすいだろう。中高域の煌めきと高域の空気感はかなり美しい。したがって音質はそれほど悪くないが、スペックや通信品質といったハードウェア面での物足りなさが目立つので、総合的にガジェットとしての魅力には些か乏しいと判断せざるを得ない。

 

Pioneer SE-E8TW

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パイオニア Pioneer 完全ワイヤレスイヤホン Bluetooth対応 左右分離型 マイク付き イエロー SE-E8TW(Y) 【国内正規品】

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【特集】名曲「街路、ライトの灯りだけ」を聞き比べて、味わう!ミドルエントリー~ミドルクラスのDAP 6機種の表現力の違い。

ガールズブルー・ハッピーサッド

ガールズブルー・ハッピーサッド

 

 

 ウェーイ!皆さんお元気ですかー!?私は元気でーす!ついに発売されたんですよ、私の大好きな三月のパンタシアのニューアルバム「ガールズブルー・ハッピーサッド」がね!

 限定版CD予約するか迷ったんですけど、最終的にSONYの音源サイトmoraからハイレゾ音源版を入手することにしました。以前はMV目当てで限定版CD買ってたりもしたんですけど、どうも最近のDAPはビデオ再生できなくなってきてるんで、MVの需要は私の中では下がってきてることもあってスルーしました。以前はノートPCにMV入れて外出先で楽しんでたりしたんですけど、今はPC持ち運ぶこと自体稀になってきてますし、よく考えると最近MV見てないなぁって思います。

 

 まあ脇筋に離れる話はここまでにして、とにかくこのアルバムはやべぇ!発売からずっと聞き続けてますけど、飽きが来ません。目下このアルバム曲を中心にプレイリスト再構築中。

 いろいろ聴いてみた感じ、手持ちのイヤホンの中ではやっぱり私はJVC HA-FX1100のライブ感満載の音がお気に入り。あとは店頭でこの曲をいろいろな機種で聞き比べていて、今のところ私の大好きなSOLID BASSシリーズ、audio-technicaのATH-WS1100の音がお気に入りで、価格調査なんかを進めているところです。手持ちのWS550も価格の割にこの曲を重量感のある感じで聴かせてくれますけど、やっぱりWS1100は高い評判の裏付けを感じさせるメリハリ感のある表現力で別格。WS770と比べても価格差以上の音質差を感じます。

 WS770はシリーズでは異端児的で、妙にウォームな感じのある音を鳴らすんで、SOLID BASSの正統派のメリハリ感がある音が好きな人には微妙に思われるところもあって、どうもいまいち人気が出てない気がしますね。開放型っぽい音でマイルドだからいいってのもあるんですけど、それならSOLID BASSでなくても~ってなりそう。

 WS1100は店舗の在庫数なんかを確認する限り、人気は落ち着いてきている機種なんで、そろそろ安くなってくることを期待してるんですけど、今のところ値段は高度に安定してて、目立った安売りはなさそう。

 関係ないけど、最近安売りされているヘッドホンと言えば、私の愛するJVC HA-SW01がおすすめ。今月いきなり2万円近く下がって底値圏に入ってます。

 

 で、イヤホンについては今のところJVC HA-FX1100が私のイチ押しって感じで、ヘッドホンならATH-WS1100が有力候補かなぁって思うんですけど、じゃあデジタルオーディオプレーヤー(DAP)はどうだろって興味を持ったので、今回聞き比べを敢行してみました。まあGRANBEATのレビューのために音質比較しておきたいってのもありました。

 

【聞き比べるDAP】

 あまりに型落ちすぎるSONY NW-A27は抜かして、以下の6機種を聞き比べします。テスト機としてはJVC HA-FX1100だと外連味がついちゃって、どのDAPでも印象変わらんって感じになりそうなんで、手持ちの中では一番味付け感が少ない印象の上に音像のはっきりしているMUISCMAKER TONEKING BL1を用います。

 どうでもいいけど、このBL1ってイヤホンは中華メーカーの作った低価格の平面駆動型イヤホンなんですけど、音は色味が少なくてとにかくナチュラル。最初は地味に聞こえるんですが、音像の明確さ、音量変化での音像の乱れのなさなどで恐るべき品質を感じさせ、DAPの色味の違いなどはわかりやすいくらい、素直で正統派の解像度感のある音を奏でる機種です。中華イヤホンって言うと、妙な演出感のある多ドラばかりもて囃されてますけど(そしてその大半が妙に遊んでいて気持ち悪い音を奏でたりするんだけど)、全く方向性の違う、このイヤホンの素直で自然な音質にむしろ私は中華メーカーの精髄を感じます。おそらく中華製多ドラの臭みの強い音好きの人には好かれないでしょうし、このイヤホンの音を好きになりそうな人には中華製ってだけで避けられそうなかわいそうなイヤホンですが、ひそかにおすすめ。

  1. SONY NW-A55
  2. SONY NW-ZX300
  3. Pioneer XDP-20
  4. ONKYO GRANBEAT DP-CMX1
  5. ACTIVO CT10
  6. Astell & Kern a&norma SR15

 

【課題曲】「街路、ライトの灯りだけ」

 独特のスピード感のある表現が心地よいスムースポップス曲です。ちょっと硬い反発力で疾走感を出しつつ、柔らかい膨張感を出すドラムが秀逸で、音場がコチコチしすぎない優しい耳当たりで心に馴染んでくるリズム感を作ります。ギターや金物の表現がまた尖りすぎない調和的な楽しいバランスでスピード感を強調しすぎずに胸にしっかり歌詞を沁み渡らせる、間がちゃんと取られていて、充実感のある曲です。これはやべぇ。

 


ガールズブルー・ハッピーサッド (特典なし)

 

【聞き比べ】

SONY NW-A55「ザラザラ感の出るドライな風味」

SONY NW-A55

SONY NW-A55

  今回この曲を聞き比べてみた感じでは、SONY製DAPにはシンバルの粒感に輪郭が強調された、ザラザラしたドライな風味をだすところがあるようで、空気感みたいなものが出るところがあり、ギターの印象も少し熱気が強く聞こえます。その影響なのかボーカルも少しシャギーな印象を受け、ややザラついて感じられます。まあロックっぽい声色ではあります。

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SONY NW-ZX300「黒みが強いビターな本格派ロックサウンド」

SONY NW-ZX300

SONY NW-ZX300

  同じSONY製ですが、下位機種のNW-A55と比べるとより低域方向の締まりが良く、背景に黒い下地を感じさせる音を出します。NW-A55に比べ、ギターやドラムの色味が黒めで深煎り感があり、ビターに聞こえます。シンバルにドライな風味があるのは変わりませんが、音場が若干広く感じるせいなのか、黒みのある低域のおかげでコントラスト感が出たせいなのかはわかりませんが、ボーカルの発色はよりきれいでNW-A55で感じたシャギーな感じは少し減って、より明るくメリハリ良く聞こえる印象があります。全体的にNW-A55から空気感と全体の音の引き締まりがアップグレードされている印象ですが、表現としては濃いめになっており、重たげになっているところがあります。

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Pioneer XDP-20「ドンシャリで楽しく聴かせる」

Pioneer XDP-20

Pioneer XDP-20

  SONY NW-A55に比べると、低域方向がやや強く感じ、この曲だとドラムのドンがボリューミーに聞こえます。ハイハットの粒はやや粗めで、細挽きな感じに聞こえたNW-A55に比べるともう少し粒のまとまりがよく、こちらは空気感になって他の音に被さる感じはあまりありません。正直この差はどっちがいいとは言いづらく、たとえばJAZZではNW-A55のような空気感重視の鳴らし方がよいと思いますが、この曲ではXDP-20くらいのほうがギターやボーカルまわりの発色がよく聞こえる印象がします。私個人の満足度でいれば、この曲に関する限り、NW-A55よりはXDP-20を推します。

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ONKYO GRANBEAT DP-CMX1「メリハリ感と広い音場を共存させる正統派サウンド」

ONKYO GRANBEAT DP-CMX1

ONKYO GRANBEAT DP-CMX1

 これまでのDAPに比べて、GRANBEATは音場がもう少し見通しよく、すっきりとしていて、解像度と音の輪郭の良さ、定位感では一段上に聞こえます。これまでのDAPはどれも多かれ少なかれドンシャリの系統に属しますが、このDAPもドンシャリっぽい印象を受けるとは言え、音場はすっきりとしていてドンシャリ系の音で感じやすい圧迫感がなく、ボーカルの分離感は一番良い印象です。シンバルはだいぶ粒感が粗く、カチカチした固着感の強い硬めの音ですが、ロック系の曲には合う表現なのでこの曲向きと言えます。ライバルとなりうるNW-ZX300に比べると、ボーカルの発色や低域の締まりでは劣り、メリハリ感では負けますが、見通し感は高く、音場全体を見据えた解像度感ではDP-CMX1のほうに軍配を上げる人が多いのではないでしょうか。

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Activio CT10「つややかで甘味の強い鳴らし方」

Activio CT10

Activio CT10

 これまでのDAPに比べると全体的に音の輪郭感はおさえめで、やわらかい感触に聞こえます。個々の音がふっくら優しく、耳当たり良いウォームな印象でつややかに聞こえます。ドラムの鳴り方は膨張感がより強く感じられて丸みを帯びて優しく、ギターもまろみのある音で調和的です。

 

Astell&Kern a&norma SR15「優れた音場表現で優美」

 

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 CT10と同系統の調和的な音をさらに音場を広く感じさせるような鳴らし方です。シンバルの音やギターの音が広く、ドラムの音が深くから聞こえてくるので、とくに低域方向で深掘り感を感じることが出来、JVC HA-FX1100ぐらい低域が濃厚な音を鳴らすイヤホンでは、躍動感がだいぶ増して聞こえます。逆にBL1のような演出感の少ないイヤホンでは音場の割に音が柔らかく聞こえてくるところがあって、物足りなく思うところがあります。GRANBEATやNW-ZX300に比べてガツンとくるところが少ないのは事実で、聞き込みやすい耳当たりの良い音で優美ですが、この曲ではギター以外に外連味を感じづらいところがあります。

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【総評】「一般的なイヤホンとの組み合わせでは、個人的なオススメはSONY NW-ZX300かONKYO GRANBEAT DP-CMX1。XDP-20もいい。ただしJVC HA-FX1100と組み合わせる場合はAstell & Kern a&norma SR15がオススメ」

 一般的なイヤホン・ヘッドホンで聴く場合、たぶんコントラスト感をしっかり出して演出感があるSONY NW-ZX300やONKYO GRANBEAT DP-CMX1が楽しい音だと感じるはず。私もJVC HA-FD01SPやWestone W40など手持ちイヤホンで軽く試してみた感じ、NW-ZX300やGRABEATの聴き応えが全体的に楽しく、とくにWestone W40とZX300の組み合わせはかなりスムーズでメリハリのあるポップスになっていて、楽しい印象を受けました。

 ところがJVC HA-FX1100と組み合わせるDAPとなると話は別で、個人的には圧倒的にa&norma SR15。音の好みもあるんですが、たとえばZX300とHA-FX1100を組み合わせるとドラムのパワフルさはピカイチで、重厚感は最高クラスなんですが、低域がモコモコしちゃってギターもギャンギャンしてしまうところが出ちゃうので、熱気が強くライブ感はありますが、かなりボーカルが押され気味に聞こえます。SR15だと低域がもう少し締まって聞こえてきて、深掘り感も出ており、ボーカルがギターやドラムの熱気を受けながらも押されずにしっかり伸びてきます。

 まあ個人的にHA-FX1100はAstell&Kern系と相性が良さそうな雰囲気はあって、CT10との組み合わせも音が全体的に近いので圧迫感はあるんですが、なめらかに聞こえるのでそれほど聞き疲れしない感じで、ボーカルのつややかさを味わえるところがあります。

 

 

 

 

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【特集】Bang & Olufsen E8 2.0と音質/通信品質で相性の良いDAPを探る!手持ちでは「ONKYO GRANBEAT DP-CMX1」が最も相性が良いかなっ![Bang & Olufsen E8 2.0 特集]

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Bang & Olufsen 完全ワイヤレスイヤホン Beoplay E8 2.0 NFMI/AAC/Qi充電対応 防塵防滴仕様 リモコン・マイク付き 通話可能 インディゴブルー(Indigo Blue) 高級オーディオブランド 【国内正規品/保証期間2年】

 

 

 この記事では、Bang & Olufsen E8 2.0を手持ちのDAPで聞き比べて、音質と通信品質の相性を比較する記事です。というのも、E8 2.0は専用アプリを使用しない場合、通信品質にかなりムラがあるようで、androidを搭載しないDAPの場合、機種によって通信の相性が大きく出ます。

 そこで皆さんの参考になるよう、あくまで手持ちの範囲で、しかも個体差があるかもしれませんので確実とはいえないのですが、DAPの音質面と、とくに通信品質面での相性をまとめてみたいと思います。

 

いきなり結論。音質・通信品質ともに相性最強はONKYO GRANBEAT。

 とはいえ、Bang & olufsen E8 2.0を手に入れ、音質と通信面での挙動をだいたい理解したときから、「こいつと相性抜群なのはあいつしかいない!」と私が目星を付けていたDAPがあります。いや、正確にはDAPじゃないかもしれませんけど。

 それが「ONKYO GRANBEAT DP-CMX1」!デデデデーン!

 

ONKYO GRANBEAT DP-CMX1

ONKYO GRANBEAT DP-CMX1

ONKYO DP-CMX1 デジタルオーディオプレイヤー GRANBEAT/ハイレゾ対応 ブラック DP-CMX1(B) 【国内正規品】

 この機種についてはずっと興味津々だったので、レビューを読み尽くし、店頭試聴を何度もして、その音像を強く押し出すカリカリクールで、低域にもはっきりとした味の出やすい、しかも音場の広さも優秀という音質に一定程度の魅力を感じていたのですが、実は純DAPではなくスマホということもあって、余計なものが付きすぎている気がしていたので、手を出しかねていました。

 しかし、androidアプリなしでは心許ないBang & Olufsen E8 2.0の通信品質を根本的に改善するには、アプリを入れるしかありません。Android OS搭載のFiiO M9も候補に挙がりましたが、M9は使用できるアプリを制限しており、調べたところ「Bang & Olufsen」のアプリはホワイトリストに入っていないようで、たぶん使えません(あいまい)。それと個人的にFiioのDAPではX3 MarkIIIを動作が不安定すぎて手放したという事情があって、そのトラウマがあり、店頭でよく試していない状態で買うには抵抗があります。私の個人的な感想だと、FiioのDAPは急速に改善されてはいますが、リリース時の製品完成度は十分でないことも多く、まだまだ動作が不安定でファームウェア更新で使い勝手自体が変わるなどといったピーキーなところがあり、気軽に買える安心感には欠けます。聞いたことがないんで確実ではないんですが、音質的にも批評家レビューを中心に読み込むと、どうもM9はa&norma SR15と同じような優美な系統の音らしいんで、E8 2.0との組み合わせるには少し音質的に柔らかすぎる印象もあります。

 そういうわけでいろいろ事情を考慮すれば、スマホアプリを完璧に使えるGRANBEATに軍配が上がります。何より発売から時間が経ってるから、アップデートで使い勝手は成熟してますし、値段も落ち着いてますからね。

 音質も相性が良いです。前述したように、はっきりとした性格の音質を持ち、低域にも存在感が感じられる味付けになっているGRANBEATの音質表現は、E8のやや重みの足りない低域を改善してくれるのではないかという期待がありました。というわけで、一も二も無く、GRANBEATをポチりました。

 結果はやはり見込み通りで、アプリを通して安定した通信品質を得られるだけでなく、音質的にもE8 2.0の澄み渡るような清潔感を生かしつつ、輪郭をより強調して個々の音の性格をはっきりさせるのでコントラスト感が増し、低域も色味が増して聞こえてきます。現状E8 2.0との相性面でいえば、これ以上のDAPは同じ価格帯では見当たらない気がします。全部試してないので本当かはわかりませんけど。

 E8 2.0がなければGRANBEATを手に入れていたかはわかりませんから、ある意味E8 2.0が背中を後押ししてくれました。こういうオーディオの買い方がいいことなのかどうかはわかりません。

 

 手持ちじゃないDAPも比較しました。SONY NW-S313

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SONY NW-S313

ソニー SONY ウォークマン Sシリーズ 4GB NW-S313 : Bluetooth対応 最大52時間連続再生 イヤホン付属 2017年モデル ライトピンク NW-S313 PI

 ソニーストアで継続的にスヌーピーとのコラボモデルを売っている機種です。スヌーピー好きの家族のためにプレゼント用として購入しました。私の手持ちではないのですが、今回だけお願いして拝借しました。この機種はレビューしていませんが、ハイレゾファイルが再生できないなど欠点が多く、個人的にはこれに手を出すよりは奮発してNW-A55を買った方が価格差以上のパフォーマンスを得られる気がします。とはいえ、せっかく近くにあるのを使わない手はないので、これも比較対象に含めます。

 そして、NW-A55と比べるとダメダメみたいなこと言ってますけど、試してみると意外とコイツ、すごいやつでした。

 

実際に試して比較するE8 2.0向きのDAPランキング

課題曲について

 別記事で紹介する予定ですが、このイヤホンの音質で聴くとかなり楽しめると私が個人的に考える曲の中から3曲選びました。

  1. 勇者パーティー「えんどろ~る!」
  2. 佐々木恵利「ふゆびより」
  3. 水瀬いのり&久保ユリカ「More One Night」

 それぞれ選曲理由を説明しますと、1.はオーケストラレーションの強い曲でオーケストラとキラキラ甘い声優ボーカルの共存した曲なので、クラシック音楽系の音の鳴り方とカルテットボーカルの重なり具合などがわかります。

 


TVアニメ「 えんどろ~! 」オープニングテーマ「 えんどろ~る! 」

 

 2.は清潔感の強い曲でとくにボーカルに透けるような感じが出やすく、曲の演出も清潔感が強いので、透明感がわかりやすいです。さらにアコースティックギターの色彩感の色味がしっかりわかるほか、パーカッション周りが意外と多彩なのでとくにシンバルの粒感と光沢感を見ることができます。

 


ふゆびより(TVアニメ「ゆるキャン△」EDテーマ)

 

 3.はエレクトロダンスミュージック系の曲で、音の緻密感とデジタルな音の音味を比較するために選びました。

 


TVアニメ「 少女終末旅行 」エンディングテーマ「 More One Night 」

 

 以下にテスト結果をレビューしていきますが、通信品質は使用環境や個体差に、音質は最終的に個人の好みに左右されますので、あくまで私がテストした印象ということはご了承ください。

 実際試してみると、予想の斜め上を行く結果で驚きました。

 

【1位】ONKYO GRANBEAT DP-CMX1(通信10 音質10 総合20)

ONKYO GRANBEAT DP-CMX1

ONKYO GRANBEAT DP-CMX1

 最初に解説しましたが、個人的にGRANBEATはE8 2.0の相方として最高レベルの相性を持っています。

[通信]:Androidアプリを使えるので通信品質面での安定性では申し分なく、自宅なら、10m距離でもかなり頑張って繋いでくれます。同じく自宅環境で5m程度なら問題なし。ついでに言えば、アプリのおかげで基本的にイヤホンの電源を入れれば自動接続します。他のDAPはいちいち接続画面で選択しなければいけませんが、GRANBEATはそこらへんも一枚上手。

[音質]:音質も相性良く思えます。

まず1.の曲ですが、全体的に発色が良いです。基本的に透ける感じのあるE8 2.0の音は淡泊な傾向に聞こえやすいですが、GRANBEATなら輪郭感が強調されて、発色も若干濃くなっているので、コントラストが増しており、明瞭感は高いです。その一方で、E8 2.0の特徴である音場の広さ、圧迫感の無さ、音のすっと抜ける後味、ボーカルの分離感の良さが生かされて、キラキラしながらもしつこさを感じない清涼感のある仕上がりになっています。シンバルがサラサラ、ドラムがやや硬めのポワポワ、ボーカルは澄み渡ります。低域は輪郭感が強くなるのでメリハリが出ますが、やはり重厚感だけは出にくい感じです。

2.ギターに穏やかな厚みが出ます。煌めき感も少し尖りが出て、ギラつく感じが出て、ただ単に穏やか一辺倒というわけではなく、表情があります。ボーカルの分離感は良く、ややウォームで最初は暗い印象も受けますが、サビに向かうほどに透明感を増していき、どんどん明るく澄み渡っていきます。明るすぎない感じでさわやかです。

3.デジタル音は輪郭感がしっかりしてパリパリと刻みが良いですが、尖りは強くなく、なめらかに抜けます。音場も広めで個々の音が充分に踊れる空間があるので、音同士が混じり合って混雑する感じはありません。ボーカルの分離感も良いです。欠点としてはシャープ感は少し足りない印象で、キレには今ひとつ感があります。

[評価]:通信品質に関しては文句なし。アプリのイコライザーも楽しめるので最もE8 2.0の機能性を引き出せる機種であることは間違いありません。音質的にはE8 2.0の最大の弱点とも言える低域の存在感がかなり改善され、全体的なメリハリ感が増すので、いわゆるリスニング向きな派手さが出る点が大きいです。

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【2位】SONY NW-A55(通信8 音質9 総合17)

 

SONY NW-A55

SONY NW-A55

  DAP界最高のコスパ、国民的大ヒットDAPで、まさにウォークマン不敗神話を体現しているかのような機種です。徹底的に必要な機能を絞り込み、不要なプレミアム機能は削ぎ落とし、選択と集中でコスパを追求しています。実売2万円を切る価格でDAP史上最高クラスの使い勝手が手に入ります。音質も上位機種にない見通しの良さがあって、実は単純にNW-ZX300のほうが良いとも言い切れないところも。

[通信]:自宅環境では近距離では途切れにくく、5m程度でも比較的安定しています。時々プチプチしますが、平均以上の安定感があります。少なくともE8 2.0との相性に関する限り、上位機種のNW-ZX300よりは断然優秀です。

[音質]:1.の曲は全体的にGRANBEATと同じく輪郭感を強調し、とくに中低域付近が少し存在感が増して、曲全体に躍動感が増している印象を受けます。音場はGRANBEATに比べると少し狭い気がしますが、逆に密度感が出やすくなっているので、少しボリューミーな印象を受けます。コントラストの面でも中高域ではGRANBEATに遜色ないか、場合によって若干勝る印象を受ける気がします。その反面、ボーカルの透明感はGRANBEATのほうが透けた感じがあり、艶やかさで勝る印象を受けます。

2.最初からボーカルが明るめの印象があり、明暗の差がより強い感じを受けるGRANBEATに比べると一貫性があります。悪く言えば、一本調子な感じではあります。ギターもキラ味があり、ギラつきがほどよく出る傾向はGRANBEATと同様です。ドラムはサラサラした感じで、存在感が少し薄いです。

3.の曲については同じように輪郭感を強調するGRANBEATに比べると低域はやや薄味に思いますが、音場がやや狭い感じで左右が近く、中域付近にボリューム感があります。高域も少し発色が良い感じがあって、ドンシャリ感はむしろGRANBEATより強い感じで、楽しいです。一般的に高級オーディオ好きほど音場を気にする傾向がある気がするので、音場感の差でGRANBEATのほうがE8 2.0を買うような購買層には好まれると思いますが、はっきり言って価格差を考えると、NW-A55の優秀さが光ります。

[評価]:DAPに関してはSONYすげぇの一言です。コスパ良すぎ、コスパ良すぎとしか言えないです。もしこのランキングにコスパという項目があったら、GRANBEATをたぶん逆転できます。

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【2位】SONY NW-S313(通信10 音質7 総合17)

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SONY NW-S313

 今回のダークホース。正直ついでにレビューしてやるかくらいの気持ちで今回使ってみていて、「あーやっぱり天下のNW-A55様に比べると、いろいろ不満なところがあるよねープププッ」って感じでお茶を濁して、レビューのボリュームを増すことを目的にしてテストした観があるんですが、結果は驚くべき大健闘でした。通信品質が良い意味でやばいです。アプリなしでド安定。びっくりです。むしろNW-ZX300とは何なのかと言いたいくらいSONYの低価格機種の実力恐るべし。

 [通信]:自宅環境なら10m範囲を動き回っても結構途切れません。自分の部屋にこの機種を置き、E8 2.0をつけたまま階段を降りてトイレに入っても切れません。トイレのドアを閉めたら途切れました。アプリなしでこのレベルは他にありません。アプリありの格安スマホ、Fujhitsu arrows M03よりむしろ途切れません。それくらい優秀。

[音質]:音質に関しては解像度感は率直に言って悪く、個々の音を聴くとモサモサしてるんですけど、全体の雰囲気はかなりいいです。あとおそらく音場が狭いせいだと思うのですが、中低域にボリューム感があって、かなりE8 2.0の弱点を補ってくれます。E8 2.0の音はすっきりしすぎてR&Bの空気感とかいまいち感じられないところがあったんですが、私の印象ではNW-313と組めばかなり音に厚みが出るので、むしろ解像度高すぎない感じが空気感に感じられてムードが出ます。ただしE8 2.0の本来の魅力を出しているというよりはむしろ出しぎないから万能に近い音に感じるという、ある意味矛盾した表現ではあり、素直に喜べない感じもします。

1.の曲では輪郭感が抑えめになるので、音に膨張感を感じます。E8 2.0のすっきりした音の鳴らし方、ボーカルの分離感のよさは維持されているので、むしろ解像度感が維持されたままウォーム方向に振られた音質で、お互いの個性がうまく混じり合っている感じがします。ボーカルの透明感はかなり失われる印象ですが、かわりにミルクのような甘味が出てきてほっこりしており、弦楽や木管にも全体的にまろみが出て、充実感が出ています。音場は狭い印象です。音のパリパリ感が抜けていて、むしろイコライザーの「WARM」よりしっかりしたウォーム感があります。こんなの「E8 2.0の音じゃない!」って言われれば、半分は音味の印象が変わっているので、その通りですけど。

2.については、用意した音源がハイレゾ音源だったんで、ハイレゾ曲を再生出来ないこの機種では再生不可でした。なのでこの曲についてはレビューをスルーします。自分のDAPじゃないうえに、この機種はおまけ扱いで完全に伏兵だったんで、ここらへんのファイル対応状況についてすっかりド忘れしてました。mp3に音質を落としたファイルを別に用意して聞き比べることも考えたんですけど、公平性を考えたのと、何より時間がなかったので。ごめんなさい。

3.の曲でも音場はやや狭い感じがあるのですが、それがよい方向に作用しているのか音が近めに感じるのでボリューム感があるのと、包まれている感覚が出ています。それでいて、E8 2.0の輪郭感のよいところはデジタル音にはしっかり出ており、とっかかりがかなり感じられるのに、音が柔らかくなめらかですっと抜けるという、なかなか絶妙のバランスになっています。解像度感はイマイチなところがあって、すこしぼやーっとした感じではありますが、もともとのさわやかな聴き心地にウォームさが加わって、ますます耳当たり良く感じます。

[評価]:私の感覚では、NW-A55より下位の機種は「アウトオブ眼中」って感じだったんですけど、見直しました。今回テストしてみて、上位機種とは異なる、以前のNW-A27に近い、わかりやすいインターフェース、きびきびした軽い動作、軽量で持ちやすいコンパクトボディなどを体感しました。低価格機種と多少侮っていた自分が恥ずかしく、SONYやべぇなって恐怖感すら感じました。ウォークマン不敗神話のもう一人の立役者を見つけた気持ちです。……とはいえ、ハイレゾ再生出来ないんで、結局アウトオブ眼中なんですけど。この機種がもしハイレゾ再生対応したら、場合によってNW-A55食いに行けますね。

 

【4位】Activio CT10(通信8 音質8 総合16)

Activio CT10

Activio CT10

  不満はいろいろあったりするんですけど、なんだかんだいって触り心地が良くて手に馴染むデザインと優美で華やかな音質が好きで、ずーっと愛用している機種です。

[通信]:自宅環境だと2m以内くらいの近距離ではかなり安定度が高いです。2m越えて距離を取ったくらいで途端に、逆鱗に触れたかのようにブチブチブチって切れてくるんですけど、近距離ならかなり快適に使えるので通信評価は高めにしました。

[音質]:中高域で光沢感を増した感じで聞かせてくれます。ある意味、素直にE8 2.0の味わいを出す感じで、艶やか方向に振れるだけ音の発色がよくなり、音場の広さもかなり維持されていてスッキリ感が維持されています。

1.ではツヤが出たおかげでハープサウンドや弦楽がかなりキラキラ目立ってきて、華やかさが出て楽しいです。ボーカルもちょっとキラキラしてアイドルっぽい雰囲気が増します。

2.やや艶っぽい感じが出るせいか、ボーカルの色味は少し濃く感じ、弦楽もまろやかな光沢で聞こえてきます。全体的にまろみが増していて、とろみが出た感じで聴けます。ややぼやっとした感じはあり、E8 2.0の特徴である澄み切った感じが減った気がするのは事実ですが、ぶっちゃけ私好みの表現です。

3.電子音もかなりまろやかな感じで、とろとろとろっとした出だしに、後味はすーっと抜けるバランスで聴けます。衝撃音などはエッジが丸く、全体的にウォーム方向に寄せた印象を受けます。同じような印象を受けるNW-S313とは解像度と音場に差があり、より空間に清潔な感じがあって音像もしっかりしています。

[評価]:やや丸くとろかした感じの耳当たり良さをどう評価するかで意見は分かれそうですが、総じてE8 2.0らしさを出しつつ、より満腹感をえられやすい方向に味付けされる印象で、私はかなり高評価です。近距離に限れば通信品質もかなり安定するので、使い方によっては相性はかなり良いです。

 

【5位】SONY NW-A27(通信9 音質5 総合14)

 

SONY NW-A27

SONY NW-A27

 なんだかんだいっていろいろ便利なので手放せない旧機種です。音質的には最新のNW-A55と比べるといろいろつらいところを感じます。ただし妙に金物のシャープネスを強調するところがあって、シャリ味がはっきりわかりやすく、E8 2.0と組み合わせると若干発色が悪いRHA TrueConecctくらいのソリッド感は出ます。←わかりづらい

[通信]:アプリなしにも拘わらず、かなりド安定です。NW-S313が現れるまではアプリなし最強の通信安定性を持っていて、自宅環境では5m程度でもかなり安定、10mでも少し途切れやすいくらいの優秀さ。そもそもBluetoothのバージョンは3.0でここに掲載されている他機種に大きく劣るはずですが、安定感のある理由は謎です。現状の私では、とにかく相性がいいとしか言いようがないです。

[音質]:発色はちょっと悪いところがあり、低音量では特に若干曇った印象を受けますが、金物のソリッド感が良く、なかなか塩味が効いて聞こえてきます。一方で高域ののびやかさはあまり出ない感じで、E8 2.0と組み合わせるとなんとなく中域充実のバランスで聞こえます。

1.金管の渋みと金物の砂粒感が強いので、雰囲気的にどちらかといえばJAZZ味が強いです。曲調自体は華やかなキラキラポップス系アニソンなんですけど、ところどころシンバルがむちゃくちゃ自己主張してくるところがあって、しかも全体的に音が若干発色を抑えている印象があるので、シンバルだけ余計に目立ちます。全曲通してスチャスチャスチャした音を出すシンバルが「俺が主役だ」ってくらい目立っていて、ある意味これはこれで楽しいです。音場は狭いほうなので相対的に音が近い感じもありますが、華やかな系統のCT10の音とかと比べると、暗い印象を受けます。

2.に関しては色味を抑えた感じがなかなかよく、ボーカルはかなり下の方の息感を強調した感じでハスキー感が出ます。反対にアコースティックギターの色味が若干明るく浮かび上がるバランスになっており、コントラスト感はいいです。全体的に輪郭感や解像度感を出しすぎない感じも良く、ウォームな印象はあまりないですが、クールな傾向も抑えられてニュートラルな音の雰囲気を感じます。弦楽はやや奥まって、のびる感じはあまり強くなく、存在感がなかなか出てこないので、どちらかといえばフレーバーに徹している、おとなしめのバランスに感じるので、奥行き感はあまり感じず、手前のアコースティックギターとボーカル中心で聞こえます。全体的に大人びた印象を受けます。

3.ボサボサした感じはありますが、ある意味黒みを感じるので、意外とコントラストは締まった印象を受けます。音の輪郭感は少しボケっとしていますが、電子ドラムの音が奏でる細かい疾走感を出す音がソリッド感良く出るので、リズム感は明瞭です。ていうか発色抑えめな感じが意外と大人びて、しかもE8 2.0のスラッとした音の傾向が生きているので、妙にスタイリッシュです。都会的な雰囲気になっていてちょっと好きかも知れません。

[評価]:古い機種にも拘わらず、通信品質が高く、音質的には色味を抑えて灰色な感じがあるのですが、それが逆に締まった雰囲気を感じさせるところがあります。シンバルやデジタルドラムの粒感が強調された感じは結構楽しく、RHA系の音に聞こえます。いや、もしかすると長年使っているDAPなので、私のRHA観を作っているのがむしろこのDAPじゃないかという見方も成り立つわけで、どっちがどっちだか。ほかのDAPと違って小音量では音像がうまく出なくて篭もる感じがあり、大音量にすると圧迫感が出るのでややピーキーなところはあります。発色が悪すぎると思う場合は音量を上げれば改善される傾向にありますが、音量を出しすぎるとうるさくなるので、結局毎回発色は微妙なラインで楽しむことになると思います。

 

【5位】Pioneer XDP-20(通信7 音質7 総合14)

Pioneer XDP-20

Pioneer XDP-20

  あんまりネット上の評判を聞かない機種ですよね。評論家は案外褒めたレビューを書いている人が多いんですけど、いかんせんNW-A55がガチライバルになる価格帯。現状コスパ最強DAPの名をほしいままにし、ミドルエントリー史上最強との呼び声も高い完成度のDAPが相手だとだいぶ分が悪いところがあって、音質が似た傾向というのもあって完全に勢いを削がれている印象があります。「こ、こっちは、ば、バランス接続できますよぅ……」という、か細い声しか聞こえてこないイメージ。しかし私にはNW-A55より低域の存在感がある印象で音にそれなりの厚みもあって、価格帯では充実感の高い音質です。デザイン、連続再生時間、ブランドとしての安定感ほか、いろいろ考えると、NW-A55を結局選んじゃいますけどね!ていうかONKYOって今じゃいまいちな印象ありますけど、少し前のCDとかMDコンポの時代は圧倒的存在感があった気がするのですが。SOTECを買収した時には、ああ、それ拾っちゃうんだ……って思いました。私の親友がSOTECのPC買ってさんざんな思いしてたのを知っていたので……。ていうかONKYOのPC部門は結局どうなったんだ?……話がそれました。

 実際、このDAPは捨てたもんじゃなくて、インターフェースやアクセサリーとしてのデザインがいまいち練られていないところと、連続再生時間などのバッテリー関連にもっと手を入れて洗練させれば、見違えたように好評で迎えられそうなポテンシャルを秘めています。実際音はNW-A55に対して中低域の方にはボリューム感があり、コントラストの関係で高域の光沢感も出やすいところがあって良い印象です。この機種に意外と愛着を感じてきた今日この頃。ただ、動作のもたつきだけはなんとかせい!……思えばGRANBEAT買ってもいいかなって思ったのも、この機種が案外悪くなかったところにあるのかも。

[通信]:通信品質は意外と安定しています。じつは距離による途切れはあまりなくて、5m程度もそれなりに安定しています。むしろ普段からときどき結構派手にプチプチ切れるのが気になります。距離を問わず時々派手にプチプチ切れるこの機種と、一定距離内はド安定傾向で、距離をとると派手にブチブチするCT10とどちらがよいかは難しいところですが、一般的な使用状況を考えると近距離でより安定した使い勝手があるCT10のほうがよいんじゃないかと思って差を付けました。あとこれはXDP-20のほうが悪いのかはわかりませんが、時々再生中の曲を別の曲に変更すると、接続は維持されているのに突然音が出なくなります。こうなるとたぶん、復旧方法は接続し直すしかないと思います。

[音質]:あくまでE8 2.0の清涼感を生かしているかってあたりを重視しちゃったんで、こっちは少し下が重たい気がしたので、同じ系統のNW-A55と少し差を付けちゃった感じですけど、むしろコントラスト感はNW-A55より優秀な印象もあり、上ではCT10ばりの華やかな雰囲気を出す感じもあります。

たとえば1.の曲ですが、音味は同じONKYO系のGRANBEATのほうが音場が広く、すっきりした清潔感が活きていて、低域も深さを感じやすいという利点がありますが、XDP-20は音場はやや狭いかわりに全体の音がボリューミーかつ発色が少し華やかになっていて、シンバルの八色が少し増して粒感がかなり目立ちます。また中低域が少し太いので温かみが感じられるようになっており、その分さわやかさは劣りますが、充実感があります。

2.の曲については率直に言って、好みの問題とは思いつつ、XDP-20をNW-A55より低くしたのはこの曲での清潔感の差です。この曲に関してはむしろ低域のボリューム感を抑えめなNW-A55のほうが高域の輪郭感と静謐な透明感の印象が良く、よりクールで冷えた、張り詰める空気感を感じます。XDP-20のほうがウォーム傾向です。ぶっちゃけこれくらいの差だと気分によっても「やっぱこっちがいいかな」って揺れ戻しはあったりするんで、最終的には今日の私の気分がNW-A55の少し張り詰めた緊張感のある音により妙味を感じたといったくらいなんですけどね。そうすると、じゃあNW-A55が音質9なんだから音質8でいいじゃないって話も当然出てきて良いはずなんですが、CT10の音がまた良い感じで華やかで優美なので、それに比べるとXDP-20を上には考えられないところもあって、結局もろもろの事情でこんな感じの評価になっていますが、もしかすると順位はもう少し上でもいいかもしれないという感じです。

3.ライバルのNW-A55よりは低域に膨張感が感じられるところがあり、ボリューム感では勝るかも知れませんが、その分輪郭感は少しやわらかく聞こえる印象がありますから、高域の発色と緻密感で劣る印象を受けるかも知れないです。全体的な印象自体は結構似ている気がします。

[評価]:なにかとNW-A55に一歩及ばない感じがあります。仮に音質は好みの差として互角と評するにしても、通信品質と動作の軽快さなんかではかなり後れを取ります。そこらへんを含めますと、むしろここでの評価以上に使い勝手の差は広がってしまうかも知れません。

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【7位】SONY NW-ZX300(通信5 音質8 総合13)

SONY NW-ZX300

SONY NW-ZX300

 SONYが誇る名機です。もはや語ることはあまりありません。

[通信]:こいつがBang & Olufsen E8 2.0は通信が切れやすいという私のイメージを形成した張本人っぽいです。距離による途絶は2m程度は意外と安定していて、5m程度で少しプチプチしますが、すぐ復帰します。かなり安定している印象に思うかも知れませんが、曲によるのか別の要因によるのかわかりませんが、肌身離さずというレベルで近くにあっても、時々かなりひどい感じでブチブチブチって切れます。何が悪いのかよくわからないのですが、とにかく途切れ方が酷いので異様に目立ちます。

[音質]:このDAPはやや重厚よりの大人びた色合いの音を丁寧に出すところが好きです。輪郭感をあまり強調しているようには思えないにも拘わらず、実際にはソリッド感もかなり感じられる音で、輪郭を悪目立ちさせずに、でも実はしっかり聴かせるバランスの良い解像度感を持っているところも品が良いです。ある意味派手さのない音で、アニソンのような煌めき感がほしい曲では少し落ち着きすぎているところもあるのですが、ビターな風味の欲しいJAZZでは鬼神のごとき表現力を感じさせて、さすがのSONYサウンドです。爽快な清涼感より濃厚な空気感に強みのある機種で、そうするとE8 2.0とは得意分野が逆方向を向いていて、あまり被らない感じはあります。

1.の曲については豊穣という表現が合うほどに、今回のDAPの中では一番に近いくらい、中域にまろやかで濃厚な感じが感じられ、シンバルの粒感もかなり上位です。ただしシンバルの色味は比較的淡いので目立ちません。同じSONYのNW-A55よりは高域あたりの輪郭感や発色は少し抑えた感じで大人びて感じられますが、この曲に関しては私はもうちょっと明るくていい気がするので評価は若干低くしました。あとこれも好みでしょうが、GRANBEATに比べると空間がもう少し充満しており、フロアノイズのような空気感が出やすい印象があり、清潔感は若干劣ります。そのため分離感はGRANBEATに劣る印象を受けやすいです。

2.の曲に関しては中域に匂い立つような艶味があり、ボーカルもふっくらした感じがあり、上の方では清潔感を感じさせながら、下の方で温かみのある生気感があります。背景の弦楽は太く、茶色っぽい木材的な材質感のある焦げた風味のある音で、薫るフレーバー感が秀逸で、正直素晴らしいです。この曲に関しては高級コーヒーを味わうような濃厚な味わいに満点をあげたいくらいです。NW-ZX300はアコースティックな曲には本当に素晴らしい表現力を持っているなぁって思います。

3,の曲では全体的に音は太く、かなり重みもあり、とくにピアノの重厚感がこれまでのDAPとは別格で、比較的ドンが出づらいE8 2.0でもたしかな重みを感じさせてくれます。ただある意味、ほぼ完全にすっきり感が減っている印象を受けるので、これはすごくいい表現なんですけど、かなり大味な感じがします。色のコントラスト感も良く、キレのある楽しい音で個人的にはすごく好きですし楽しいんですけど、GRANBEATの見通しの良さがある音の方が、ここは正解としたいです。難しいですが。結構重くべたーっとした油絵の具のような濃い音に聞こえやすいので、若干聞き疲れしやすいバランスになると思います。

[評価]:すごく迷ってGRANBEATやNW-A55と差を付けた感じですけど、この機種の濃厚感のある音が音質No.1という人も多いはずで、差をつけたのはやはり最終的には私の考えるE8 2.0をよりよく表現してるのはどちらかという思想の問題で差を付けました。曲によっても評価は変わるはずで、今回はアニソン中心に選んだので損をしているとも言えます。

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【8位】a&norma SR15(通信4 音質5 総合9) 

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 私の手持ちの中で最も品の良い、たおやかな音を奏でてくれてお気に入りのSR15ですが、同じように音場重視でさわやかで風雅な音を持つE8 2.0と組み合わせたら、薄味過ぎる音ができてしまいました。音量をどこまで上げてもスッキリさらさらなサウンドを奏でてくれますが、かなり無色透明な感じがあって逆に捉えどころがなさ過ぎます。いや、こういう音が好きな人はどこかにいるはずなのですが、多くの人が凹凸感が少なすぎておとなしすぎる印象を受ける気がしますので、私にはちょっと万人向きには思えません。

[通信]:音質は置いておくにしても、通信品質の相性にも問題を抱えています。同じAstell&Kern系のCT10と同じように2mくらい離れると派手にブチブチ途切れるほか、5mくらい離れると場合によって接続自体が切れます。本当に相性良くないかもしれないって思います。

[音質]:一言で言うと、さわやかさ100%過ぎて薄味です。優美で妙に淡く華やかな色合いを感じるんですけど、広い音場の中に少し優しめに聞こえてくる感じがあって、解像度感が異常に良いんですけど、すごく掴みにくいところのある音です。全体的に音に優美で透ける感じが強く、音量を上げないと音の色味をつかみ取りにくく、音量を上げてもうるさい感じがないのは良いんですが、バッテリー消費が激しくなります。うーん。最高に澄み渡った高級シルクのような音ではあるので、心地よいことは確かですが、うーん。たとえばSR15は高域は素晴らしく伸びるんだけど、ちょっと音場の広さや分離感に欠けるかなぁって感じのNUARL NT01AXさんと組み合わせると、「何、このすっきりと天井まで届くのびやかさがありながら、ツヤツヤキラキラっとした艶やかさもある音、神がかってる!しかも膨張感のある柔らかい弾力の中低域がそれを品良く包み込んでいて、優美な中にもたしかな脈動する生命を感じられるんだけど!ちょっとやばいですわー!」くらいの感動があるんですけど、E8 2.0との組み合わせは全体的にさらさらしすぎてもはや「ふわふわとした何かが風に乗ってほのかに聞こえてくる」としか言えないレベルです。いや、これはさすがに言い過ぎかも知れないですが。

というわけで、1.を聴いてもサラッサラ。つやっとした光沢感が淡く感じられるので、どことなく優美なんですけど、どの楽器音にもとっかかりが感じられず、かなりの音量にしないと音の色味や輪郭感が見えてきません。全体的に解像度は素晴らしく、音場も広くて薄味なのに表面的な印象ほどスカスカしてないんですけど、小音量じゃ個々の音の存在感が減るので、スカスカして感じられます。

2.の曲も全体的に淡く、澄んだ透明感を持ったボーカルがむしろ一番聞こえが良く、このボーカルを透明感重視で聴くならおそらく全DAP見渡しても最強クラスなんですけど、全体的に落ち着きすぎで、弦楽とかそれなりの音量にしてもあんまり存在感を出さずに背景に溶け込んでいます。ある意味最高に上品に聞こえる音で沁み込んでくる音なんですけど、いかんせん、薄味で沁み込んでくるので、味がしません。これは薄すぎるという人が大部分だと思います。

3.もさっぱり淡い感じでスムースです。ボーカルもかなり透けた感じで、楽器音も全体的に輪郭以外は透けている感じで、無菌室のような、かなり清潔で透明な空間を感じます。この曲、こんなすっきりしてたっけ?ってくらいさわやか。

[評価]:ある意味清潔感のある音の極北で、これほどの表現は他の組み合わせではちょっと味わえないくらいの音なんですけど、魅力的かというと微妙です。そして通信品質は素直に厳しいので、個人的な意見としては、相性は最も良くない印象です。でも音質的にはすっごく清潔で品が良い表現の組み合わせなので、是非聴いてみてほしい組み合わせでもあります。

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【総評】E8 2.0の澄んだ音はDAPの個性を引き出すところがある

 今回テストして思ったのは、E8 2.0は自身の音はそれほど自己主張が強くなく、むしろDAPの音の癖が純粋に出やすいところがあるということです。ほかの完全ワイヤレスイヤホンに比べると、DAPごとの色味の変化を味わいやすいところがあって、全体の見通しのよさ、個々の音の分離感の良さ、透けるように色味の少ない音の感じがDAPの音場の広さの違いや、音の傾向、色味をより感じさせてくれるようです。

 ていうか、第一印象的にはさわやかさが一番の美点だなぁって感じの完全ワイヤレスイヤホンに思えてたんですけど、かなり表情変化のあるイコライザーを搭載していることなんかを考えると、むしろ音にこだわるオーディオファンほど総合的にかなり楽しめる製品かも知れません。

 私の大好きなKOKIAさんの「本当の音」って曲があるんですが、私の中でのE8 2.0のサウンドイメージはいまのところこの曲です。

 


本当の音

 

 あとはこの曲かな。たぶん大抵のイヤホンやスピーカーでボーカルが澄んで息感だけシャープに撥ねる感じと清涼な空間表現を感じると思うんですけど、こういう音の方向で聞かせるのがE8 2.0って感じです。このイヤホンの音をイメージするときに、サウンドイメージ的にはこういう方向性でいいと思います。少なくとも私の中ではこういうイヤホンです。人によってサウンドイメージって結構違ったりするので難しいんですけど。

 

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【ハイレゾ対応デジタルオーディオプレーヤー Pioneer XDP-20 ごちうさコラボモデル レビュー】MicroSD2スロットは便利。音質的には輪郭のある、どちらかといえば、衝撃力強めでメリハリ強調。外観的には価格の割に安っぽい印象。

XDP-20 ごちうさコラボモデル

XDP-20 ごちうさコラボモデル

パイオニア Pioneer private デジタルオーディオプレーヤー ハイレゾ対応 ネイビーブルー XDP20L 【国内正規品】

 

 

 以前予約していたと話した、ごちうさコラボモデルのXDP-20が届きました。SE-MHR5のほうはすでに持っているってのもありますが、そもそもイヤホン・ヘッドホンのコラボモデルとかあんまり興味が無いんでスルーしました。

onkyodirect.jp

 

 折しも私が日常的に嗜んでいる「きららファンタジア」ではごちうさのリゼイベントが現在進行形で開催中!ごちうさコラボモデルで音楽聴きながら、イベント周回できるぜ!それにしてもエトワリウムやら新芽やらが結晶やらが絶対的に足りない……。リゼが実装されるってことを知った日から、ひたすら進化報酬で星彩石溜め込んだせいか、進化素材もだいぶ少なくなりました。いまのところごちうさキャラは何とかコンプリート中。

 そうそう。クリスマスと正月に買った有償石で毎日有償限定召喚ぽちぽち回してますけど、意外と☆5キャラ出ますね。結晶もそれなりに溜まります。最近のキャラだとランプ・アルシーヴ様・各務原なでしこ・正月キャラ2種(やすな・夏帆)・バレンタインの2種(小梅・澪)あたりが無償石で初回10連を回した後に、毎日ぽちぽち有償召喚してるだけだったんですけど、揃いました。有償限定の確定召喚も多かったので、たぶんクリスマスあたりから今日までの2ヶ月に☆5が20人以上出てて、被ってないキャラは10人くらい増えてます、パッと数えた感じ。これまでイベントごとのお得セットくらいしか買ってなくて有償召喚を継続したりはしなかったんですけど、この2ヶ月有償召喚回し続けて見方が変わりました。

 そろそろ有償石切れるなぁ……課金しようか悩み中。実際統計的に考えると2%という確率以上に出過ぎてる気もして、たまたま嵌まっただけという可能性が高く、運営の罠に思えなくもない(深読み)。

kirarafantasia.com

 

【1】UNBOXING(開封)「なんだかんだいってコラボモデルとして一番丁寧に作られている」

 画質はいつも通り粗くて勘弁して欲しいんですが、そもそもカメラとか興味ないし買う気もないし、スマホも凝らないタイプなんで、ごめんなさい。格安スマホのカメラで本当に申し訳ありません。それ以上に撮影スキルがありませんが。カメラ買うならその分オーディオ製品買うなりゲーム買うなりします。ということで、いつも通り横広と縦長混在しますが、ご容赦ください。

 

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 これまでいくつかコラボモデルをレビューしてきましたけど、Pioneer(ONKYO)は完全受注生産だけあって一番力が入ってるかも。無駄にボックスがデカいと文句を言うこともできますけど、むしろキャラクター商品として化粧箱もディスプレイできるという利点があると考えればこれくらいの大きく豪華な化粧箱はファン心理的にはうれしい限り。

 あとスクリーンプロテクター同梱されてました。

 

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 箱を開けるとこんな感じ。二段構造になっていて、二段目に本体と専用ケースが付属しています。

 

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 取り除くと、その下の1段目のカバーが出てきます。

 

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 そのカバーを開けたらこんな感じ。付属品が入ってます。


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 コラボモデルとしてはしっかりしていて、ソフトウェアのデザインも本格的にごちうさを意識したものになっています。これまで手に入れてきたSONYやAstell&Kernのコラボモデルは外観はコラボモデルらしくしてましたけど、中身のソフトウェアに専用デザインはありませんでした。いまのところコラボモデルの作り込みでは、Pioneer(ONKYO)は一段上を行っています。

 

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 壁紙もかなりの種類が用意されていて、季節やお気に入りキャラに合わせて入れ替えできるようになってます。本当にファン心理をよくわかってるなって思います、Pioneer(ONKYO)さん。こういうところはごちうさファンにはたまらないところで、このコラボモデルは素晴らしすぎですね。

 

特典楽曲

 コラボ特典にキャラソンが収録されています。基本的に「『ご注文はうさぎですか?』キャラクターソング・セレクションアルバム『order the songs』」から選ばれています。ハイレゾ未配信曲らしいですけど、サンプリングレートは48khz/24bitなんでCDとあんまり変わらんと思います。まあ、mp3で音楽を聴くと幸福感が少なくなるらしいので、「こころぴょんぴょん」したい人にはこの差は大きいのかも知れない。私としてはSR15のウマ娘プリティダービーコラボモデルの特典音源が96khz/24bitだったんで、これくらいにしてくれてもいいんじゃないかと思います。

  1. ココア(佐倉綾音)「スマイルメーカー」
  2. チノ(水瀬いのり)「a cup of happiness」
  3. リゼ(種田梨沙)「Love&Gun」
  4. 千夜(佐藤聡美)「色葉おしながき」
  5. シャロ(内田真礼)「麗しのShooting Star」
  6. Petit Rabbit's「一匙のお姫様物語」
  7. チマメ隊「きらきらエブリディ」

 主題歌の「Daydream café」は楽しいアイドルソングなので、アレンジ版を用意するか、高音質なオリジナル版をつけてもよかったんじゃないかと思いますけどね。

 あと特典曲のファイルはそのままぶっこんだだけって感じで、アルバムや曲名設定もされていないのでファイル名で再生されますし、アルバムでまとめるには編集をする必要があります。SR15のウマ娘プリティダービーコラボではここらへん丁寧にファイル情報編集済みだったので、これはちょっと残念です。手間を掛ければいいだけですけどね。それと壁紙を楽しめるようにとの配慮か、アルバムアートも設定されていません。これも欲しければ編集すれば編集すれば良いだけなので、問題はないとは思いますけど、気になる人はいるかもしれませんね。ここらへんはコラボモデルをどう捉えるかって思想の問題になってくるかもしれないので、わからんけど。

 どちらにせよコラボモデルに大事な作品愛や作り込みという面では、Pioneer(ONKYO)は他社に抜きんでているところはありますが、それでも細かく見ていくと完全ではないということです。それでもSONYのガワだけコラボモデルに比べればよほど素晴らしいです。

 


「ご注文はうさぎですか?」キャラクターソング・セレクションアルバム/order the songs

 


Daydream cafe(通常盤)TVアニメ(ご注文はうさぎですか?)オープニングテーマ

 


ひと目で、尋常でないもふもふだと見抜いたよ

 gigazine.net

 

付属の専用革ケースは電源ボタンだけよく合わせる必要がある

 付属で専用革ケースが付いてきます。後述するXDP-20のチープな外観問題がこれで解決するのでうれしいところです。使ってみた感じ、電源ボタン部分だけちゃんと調節しないと電源の反応が悪くなるので、カバーを付けて電源の反応が悪くなったと感じたら、蓋をよく調整してみましょう。

 

【2】外観/操作性「外観は同価格帯では一番安っぽい部類。インターフェースも洗練度はいまいち」

 私はあまりONKYOのモデルを買おうと思わないんですけど、その理由の一つがインターフェースデザインがどうもしっくりこないところがあるのと、再生中にアルバムアートをきれいに見せてくれないんですよね。

 対応コーデックはSBC/aptX/aptX HD。

 

外観の高級感・インターフェースの操作性はライバルに少し劣る

 手持ちのDAPの中でこの機種のライバルというと、SONY NW-A55とActivio CT10になるんですけど、まあとくに価格面でガチで競合するNW-A55に比べると、外観は非常にチープです。SONYがおしゃれすぎるところがあるんですけど、見た目の高級感では敵わず、なんかおもちゃみたいに見えます。似たようにプラスチッキーなCT10と比べても、光沢感や丸みのある愛らしさを感じさせるCT10と比べて、プラスチックの材質をデザインに生かしている感じが皆無で、ただ単にコストカットで選んだだけではと思わせます。ここは残念なところ。

 インターフェースの操作感でも劣ります。似たようなデザインでほぼ同じ大きさのSR15なんかと操作感似てるだろうなと思いきや、SR15の斜めになってる画面の具合とほんの少しだけスリムな横幅がいい味出していて、手に持った時の安定感が想像以上に違います。XDP-20は明らかにゴツゴツして収まりが悪いです。

 より持ちやすく操作感に優れたNW-A55やCT-10に敵わないのはもはや当然という感じです。この大きさのくせに液晶があまり大きくないので、ほぼ同じ大きさの液晶のNW-A55のほうが本体がコンパクトな分、印象的に大きく見えるくらいです。

 手が小さい人には少し操作しづらいんじゃないかな?

 

アルバムアートは壁紙で表示される

 これは好みによると思うんですけど、せっかくきれいな液晶を使っているのに、再生時はアルバムアートは基本的に壁紙扱いで背景に暗く表示されます。画面の空白部分をクリックすればアルバムアートが表示されるんですけど、アルバムアートを見るのが好きな私としては、できれば再生中にアルバムアートをきれいに表示して欲しかったです。設定で変えられるのかなと思ったんですけど、設定項目にありませんでした。

 

 低価格でバランス接続を試したい人には有力な選択肢

 ライバルに対してインターフェース面での優位性としては、バランス接続に対応しているところだと思います。中華製DAPを除けば、現状、型落ちして値下がりしているONKYOのrubato DP-S1と並んで最安でバランス接続可能な機種なので、ゼロからバランス接続を楽しむ人にはおすすめできます。ただスマホやワイヤレス対応のDAPが他にあるなら、これを買うよりはRADSONE EarStudio ES100を検討してみても良いかもしれません。

 

MicroSDスロットが2つ

 最近は音源も高音質・大容量化しているのでヘビーユーザーはストレージ容量を必要としています。このDAPはストレージを2スロット搭載できるところが素晴らしいです。

 私も時々困ることがあるのですが、ストレージが一つだと容量が一杯になったときに入れ替えで迷うことがあります。PCの画面とにらめっこしながら、「どの曲外すかな」みたいなことを一生懸命考えて入れ替えるわけです。それはそれで楽しいですけど、お手軽感はないですね。

 2スロットあると半分入れ替えができるので、基本の音楽ファイルを入れたメインストレージと気分で変えるサブストレージといった使い分けができます。いや、普通はそんなストレージ使わないだろって話もあるかも知れませんけど。

 

 要は、このDAPは初心者向けのエントリークラスではあるのですが、バランス接続に対応していたり、ストレージスロットの多さはヘヴィな使い方にも耐えられるようになっており、初心者が入門に使い始めて、嵌まってステップアップしたくなった時にも上位機種にすぐ買い換えしなくてもよいくらいの懐の大きさのある機種だということです。こういうところはよく考えられています。

 

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/71%2Bd7QOhbyL._SL1500_.jpg

 

【3】連続再生時間「やや物足りない」

 連続再生時間ですが、ちょっと物足りないです。スペック的には有線接続で15時間くらいですけど、これはBluetoothとWifiをOFFにして画面を消灯し、アンバランス接続でと書いてあるので、おそらく音量も絞って聴いた設定での測定だと思います。たぶん実感的には10時間もてばいいほうじゃないでしょうか。

 あまり使わないだろうWifiはともかく、Bletoothに関しては普通はいちいちOFFにしないような気がします。一応この機種のいいところはメイン画面でBTやWifiのON/OFFがしやすいところですが、音楽再生中にいちいちメイン画面に戻ることはあまりないんじゃないかとも思います。

 ここらへんは個人によるところもあるのでわからんですけど、ワイヤレス接続で使ってみた感じ、Astell&Kern系DAPと同じくらいで実働6~7時間くらいかなぁといった感じです。最近急速にワイヤレスイヤホン/ヘッドホンの実働時間が延びて、10時間くらいも普通になってきてるんで、これはちょっと少なめに思うかも知れません。

 連続再生時間に関しては現状SONY一択という状況で、細かな使い勝手では必ずしも最高とはいえないSONY製DAPが、それでも他を圧倒する人気を誇る秘密の一つがここにあります。すぐ電源の切れるスマホやタブレットの不便さを知っているならば、DAPにおいて連続再生時間は正義であるということはなんとなくわかるのではないでしょうか。

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/71LF3pbwimL._SL1500_.jpg

 

【4】音質「ややドンシャリ。クール傾向。NW-A55以上にメリハリ感に優れる楽しい音。アニソン・ロック・ダンス向き」

 音質的にはやや低域と高域が目立つ印象に聞こえます。傾向としてはNW-A55に似ていますが、輪郭感はNW-A55より強めでかっちりした感じのメリハリ感を感じます。デジタルなキラキラした音や衝撃を出すような音がかなりはっきり明瞭に、ちょっとカリカリするくらいエッジ良く聞こえてきます。

 ギターの弦をつまびく音やチャイム系の音は金属的光沢が強く聞こえ、シンセの音もかなり透明感や光沢が目立つ印象があります。かなりカツカツしやすいので、なめらかさは少し足りなく思い、優美さに欠ける印象を受けるかも知れませんが、曲の躍動感は強く感じられやすいです。かなりクールで硬い感じはあります。

 音質的にはNW-A55やNW-ZX300のようなSONY製DAPに近い印象を受けました。NW-A55よりはメリハリ感が強調されて楽しさ重視になってますが、少しギスギスして感じられ、聞き疲れしやすいところはあるかも知れません。

 個人的にパイオニアブランドはアニソン御用達なんですけど、このDAPもいかにもパイオニアらしい、アニソンやポップス、ロック、エレクトロダンスミュージック向きな緻密さとメリハリ感を強調する傾向の音で楽しいです。そういう意味ではSR15よりよほどアニメコラボ向きな機種です。個人的に、SR15は優雅な感じでメリハリ感はおさえめな感じなので、アニソンにはあまり向かない気がします。

 

 こういう曲をキラキラドンシャリで楽しく表現してくれます。かなり硬質にはっきり音が出ます。低域のパンチ力も結構輪郭が強いので、めり込んでくる感じがあり、ドスドスッっていう重みを感じます。

 


TVアニメ「 やがて君になる 」エンディングテーマ「 hectopascal 」

 

 こっちの曲は好みにもよるでしょうが、アコースティックギターがギンギンギラギラでかなり目立って聞こえます。やや硬質で攻撃性が強調されて感じられ、ボーカルのつややかなのびやかさよりはギターのギラギラ感に意識が向きがちになります。正統派ロックっぽく、クールでカッコイイ感じ。

 


TVアニメ『クジラの子らは砂上に歌う』OP主題歌「その未来へ」

 

【5】総評「使い勝手など不満はあるが、拡張性は評価でき、エントリークラスとしてはそれなりに魅力を感じる」

 入門用DAPとしては総合的にNW-A55のバランス感覚がよく丁寧に洗練されてまとめられている感じには劣るのですが、NW-A55にない拡張性の高さはエントリーユーザーが長く使うのには悪くない機種です。NW-A55はエントリークラスユーザーに最適な選択肢であることは間違いないですが、その分エントリークラスを卒業し始めたユーザーには不満を感じるところが多いのも事実です。しかも連続再生時間の長さなど圧倒的な使い勝手の良さが仇となって、むしろNW-A55ユーザーは次のステップアップ先に迷うことになるくらいです。SONYの使い勝手になれてしまうと、結局NW-ZX300を中心に選ぶことになるくらい。

 それに比べると、あんまり完成度が高いとはいえないながらも、そこそこの安定した使い勝手で拡張性に優れているこの機種は、最初から連続再生時間があまり長くないなどの不満を感じますが、逆にSONY以外の他の機種も連続再生時間はよくないので、ステップアップのときにSONYを意識し過ぎちゃうことがなくなります。バランス接続ができるうえに2ストレージでそれなりの拡張性もあるので、バランス接続を試しながら、じっくりステップアップ先を探せます。むしろその後の展開の自由度を上げるところがあるかもしれないと考えれば、案外悪くない選択しかも知れません。

 個人的にはSONY NW-A55をおすすめしますけど。

 

 

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【特集】NUARL NT01AXとZERO AUDIO TWZ-1000、Pioneer SE-E8TWを聞き比べる!充実した1万円台主力機種の立ち位置を探る[完全ワイヤレス深掘り]

NUARL NT01AX

NUARL NT01AX

 以前の記事でQCC3026機種の本命はZERO AUDIO TWZ-1000だと思っているということをお話ししました。個人的にZERO AUDIOファンってこともあっての期待度なんですが、今回ZERO AUDIO TWZ-1000を手に入れたので、とりあえずファーストインプレッション的に音質を比較しようと思います。併せてPioneer SE-E8TWが思いのほか音が良かったのでこれも並べてプレレビューいたします。

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今回の比較対象

ZERO AUDIO TWZ-1000

ZERO AUDIO TWZ-1000

ZERO AUDIO TWZ-1000

【新製品】 ZERO AUDIO ゼロオーディオ TWZ-1000 完全ワイヤレス Bluetooth イヤホン イヤフォン 【1年保証】【送料無料】【初回入荷分完売につき2月上旬入荷分ご予約受付中】

 ZERO AUDIOは有線イヤホンでコスパのよい機種をたくさん作っているメーカーです。個人的にとても好きなメーカーで応援しています。このTWZ-1000もいよいよZERO AUDIOから完全ワイヤレスイヤホンが出るってことでだいぶ期待してました。

 実際使ってみている印象は今のところ、あんまりZERO AUDIOらしくない印象の音で、これからいろいろ具体的な比較レビューで述べますけど、今回の比較対象である2機種やAVIOT TE-D01bとかの音と比べると高域の鮮明感や躍動感に欠け、音場重視なSENNHEISER MOMENTUM True Wireles(MTW)に似たところのある感じになっていて、ZERO AUDIOに若々しい音を期待してた私には若干期待外れなところがありました。ZERO AUDIOの有線イヤホンにあった、なめらかでのびやかな高域表現があまり感じられません。まあMTWのように評論家受けする音作りをしたと考えれば良いのかな。YCとBCで聞き取りした感じだと、出荷台数かなり絞ってるらしいので初日で初期ロットは完売ペース、次回入荷は遅れそうとのことです。

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 ZERO AUDIOのコスパの高い秀逸な音作りについては別記事で代表的な機種を聞き比べていますので、興味がある方は参考にしてください。

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Pioneer SE-E8TW 

Pioneer SE-E8TW

Pioneer SE-E8TW

パイオニア Pioneer 完全ワイヤレスイヤホン Bluetooth対応 左右分離型 マイク付き イエロー SE-E8TW(Y) 【国内正規品】

 Pioneerブランドの新型スポーツ完全ワイヤレスイヤホンです。SE-C8TWも結構良い音で密かに期待してたんですけど、このSE-E8TWも明るい発色とボーカルの分離感と高域表現力を重視した作りで、パイオニアらしいアニソン向きの音です。パイオニアは個人的にはアニソンを聴くのによく使っていて、たとえばPioneer SE-MHR5なんか発色良く明るく快活、元気な色合いで女性ボーカル曲を楽しめます。このイヤホンもだいぶ元気で明るいガールズロックやポップス、アニソンといった若い世代に好まれる曲を意識した音質になっていて、とにかく快活な音質で可愛い声を出すのが得意といった雰囲気です。あまり注目されていない機種ですが、個人的にファーストインプレッションはかなりよいです。まあ単純に音が好みって感じですけどね。個人的にアニソン聴くなら御用達のパイオニアなんで、このサウンドはさすが期待を裏切らないといったところです。スペック的に見劣りするし、自動ペアリングとかしないんで、注目もされず敬遠されがちですけど、その分値下がりも早いと踏んでいるんで、最終的なコスパはかなりよくなるんじゃないかと思っています。←と言いつつ、以前同じようなことを言ったRHA TrueConnectは値下がりしませんでしたが。ちなみに在庫状況を聴いたところ、比較的潤沢とのことです(そもそも注目されていない様子)。

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 【音質比較】NUARL NT01AX vs ZERO AUDIO TWZ-1000, Pioneer SE-E8TW

Vincent Ingala「Can't Stop Now」

 最初は腕試しってことでJAZZにしてみた。高域の発色と低域の濃厚感、音場の具合を見ようっていう腹。

[TWZ-1000]:まずZERO AUDIOって結構高域伸びてくる感じで聴かせると思ってたが、このイヤホンは音場が結構引っ込んでいて、意外とおとなしい。音の輪郭感は粒立ちを強調する感じで、ドラムの印象はRHA TrueConnectあたりに似てジャリっとした感じがある。高域方向の発色は結構静かで抑えられていて、この曲だとメインの金管は低域方向の渋みのほうが感じやすく、高域の透明感は控えめといったバランス。地平線付近少し遠めに音の焦点が集まる感じがあり、奥行きは少し強調されている。なんか印象的にMTWっぽいところがある。

[SE-E8TW]:高域の透明感が強調されるので、全体的に曲は明るく、金管は陽気。渋みはほとんどなく、快活な若い音色で、低域付近のムード感などはこれっぽっちもないといった感じ。ドラムのリズムの爆発力が強調されて明るく奏でるので、ポップスのような躍動的なサウンドに聴かせる。

[NT01AX]:低域の重厚感は一番出る。そのため、ムードが濃厚に感じられる。あまり伸びてこなかったTWZ-1000の高域に比べて、だいぶ躍動的で透明感のある高域が感じられるので、ダイナミックさで勝る。また暗い低域と明るい高域のコントラスト感も強く、引き締まった感じがある。そのため金管の艶味がよく感じられる。この曲に関しては最もよく聴かせてくれる印象。

 


Can't Stop Now

 

TVアニメ「えんどろ~!」OP「えんどろ~る!」

 アニソンらしい声優声のボーカルと、オーケストレーションを重ねたサビの味わいを見たくて選んだ。低域に一定の厚みや重さ、高域に透明感と残響感がないとこの曲のダイナミックさは味わいづらいだろう。

[TWZ-1000]:中低域付近で広さを強調する感じとなり、高域はあまり伸びないので少しもっさりした印象を受ける。サビでも突き抜けをセーブしているような感じがあり、透明感は控えめ、発色はあまりよくない。どうもアニソンはあまり得意ではないようだ。音場の広さは評価できるが、その分厚みは感じづらいし、ダイナミックさに欠ける。

[SE-E8TW]:逆にSE-E8TWにしてみれば声優ボーカルを明るくのびのびと出すのは得意。高域で透明感を強調し、アタック感も強めなので、スピード感も充分あり、高域方向にダイナミック。音は全般的に近めで空間を埋め尽くすバランスだが、結構奥行き感もあるので狭い印象は受けづらい。ただ欠点としては低域方向の厚みが少なく、オーケストラの壮大さに欠ける。

[NT01AX]:表現的にはSE-E8TWに近い方向性なので、それとの差をまず説明する。発色はSE-E8TWのほうがよく透明感を強調し、場合によって少し白む印象を受ける。一方で音の輪郭感はNT01AXがわずかに勝る。TWZ-1000との差は、まず低域の厚み。全体的に音の厚みで勝っているが、とくに低域の重厚感には差があるので壮大さや迫力の面ではNT01AXのほうが秀でている。またサビでのボーカルの突き抜け感も、おそらく透明感の差でNT01AXのほうがぐんと伸びる聴かせ方で立体感でも勝る。

 


TVアニメ「 えんどろ~! 」オープニングテーマ「 えんどろ~る! 」

 

afterglow「ツナグ、ソラモヨウ」

 ロック色の強い曲。単純にロックの風味、スピード感はどんなものか知りたくて選んだ。サビでは声優声でつややかに伸びるので、もちろんその味わいも吟味対象。

[TWZ-1000]:ドラムに厚みが少し足りない印象を受ける。音場はやや広く、結構攻撃的なこの曲でも圧迫感は感じない。アタック感はあまりなく、ギターのエッジも尖る感じではなく耳当たりの良い、存外なめらかな音だが、これを聴きやすいとみるか表現力不足とみるかは微妙なところ。

[SE-E8TW]:ドラムは表面反発力が高い音で、軽快な方向で鳴らす。スタンスタンパンパンという爆発力重視の音。シンバルの発色も明るく、陽気に疾走感を出すところがあって、快活。ボーカルもかなり上方向に明るく、透明感がかなり乗るので、元気よく伸び、上では澄みわたるように抜ける。

[NT01AX]:ドラムに厚みがあり、低域火力は最も優れる。SE-E8TWのドラム:シンバルの力関係を1:1だとすると、3:1くらいにはドラム優位に聞こえる。ドラムの黒みも強く感じられ、ギターのエッジもドライでビターにしっかり聞こえるため、ボーカルの透明感との対比で考えると、コントラスト感が一番強く出る。この曲に関しては、正統派ロックサウンドを最もよく奏でているのはNT01AXだ。

 


ツナグ、ソラモヨウ(通常盤)

 

ずっと真夜中でいいのに。「秒針を噛む」

 この曲は以前も話したけど、ロック成分とJAZZっぽい成分があって、ロック要素メインでJAZZ要素が乗ってくるようなバランスで聴けると気持ちよく聴ける。JAZZ成分はどちらかというと高域音にあるので、高域を強調しすぎ、アタック感も抑え気味だとオシャレなJAZZに聞こえてしまう。中低域をスピード感も忘れずにしっかり出しつつ、高域も忘れずに聴かせられるかってあたりが味わいポイント。

[TWZ-1000]:空間表現は広めで余裕があり、中域付近に音が自然と密集してくる感じがあってスカスカした感じがないのも良い。そうした音場の表現は悪くないが、ドラムの衝撃音は少し弱く、攻撃的な感じは抑えられて、おとなしめに聞こえるので、躍動感に乏しい。

[SE-E8TW]:アタック感は強く、音のダイナミックさと奥行き感の感じられる表現で聴かせる。ボーカルがかなり明るめに透明感が強調されており、背景も明るめ。ドラムのスマッシュは気持ちよく抜ける感じで爽快さが出ており、アタック感のよさと相まってロック成分強めに聴かせるが、ピアノも発色が良いので埋没しない。

[NT01AX]:SE-E8TWやTWZ-1000と比べて、まず低域のドンが目立つ重みがある。ベースの厚みと締まりが良く、音場全体を引き締めていて、コントラスト感やメリハリ感が違う。量感からしても差があり、冒頭からして惹き込んでくる魅力は抜群に良く思える。欠点としては低域を重すぎると感じるかどうかと、音に厚みと膨張感があるのでそれに圧迫感を感じるかどうかだろう。しかし、ボーカルの突き抜け感も抜群で、上から下までダイナミックに躍動する音場表現は、率直に言って楽しすぎるしライブ感もある。

 


正しい偽りからの起床

 

菅野よう子「Power Of The Light」

  この曲に関しては高域弦楽ののびやかさやピアノの透明感、発色の良さがまず問われるが、低域も調和的に包み込むくらいには出ないと、オーケストレーションが感じられず、薄っぺらくなるだろう。

[TWZ-1000]:弦楽やピアノの高域での透明感や発色が抑えられている印象で、少し暗い。大抵のイヤホンだとこの曲では結構高域音が充実しているので上方向が埋め尽くされるくらいのバランスになるが、このイヤホンは空間的には少し埋まらないところがあって、それを広さとみるかスカスカとみるかは難しいところ。低域もそんなに主張してこないので、ダイナミックさに満ちたこの曲でも、やや静的な印象を受ける。

[SE-E8TW]:アタック感があり、高域の発色も良いので、立ち上がりからとにかく元気に弦楽が伸びる。透明感も強調されてしかも空間に広がるので、天井は明るい光で埋め尽くされるくらいの印象を受ける。空間的な印象は、広さよりは奥行き感重視の音場になる。

[NT01AX]:高域の発色と低域のドンという重量感が共存しており、最もメリハリ感とコントラスト感がある。ピアノはSE-E8TWほどではないが透明感が強調されて出る。高域は空間いっぱいまで埋め尽くすが、一方で低域方向の存在感もしっかり感じられるため、立ち上がりの始点と終点の長さがよりダイナミックに感じられ、立体感も秀逸。この曲でも満足度は高い。

 


ブレンパワード ― オリジナル・サウンドトラック 1

 

【総評】NT01AXのダイナミックな音は価格帯随一で揺るがない

 HDSSの効果かどうかはわからないですが、ともかくダイナミックな立体感に関してはNT01AXは抜群でTWZ-1000を含めてこの価格帯に比肩する機種はまだいません。今のところこの価格帯での私のイチ押しはNT01AX。

 TWZ-1000は意外と見通しの良い音で音場を広めに聞かせる機種で、広い音場表現が気に入ったならおすすめできます。やや高域の発色が良くないところがあって、ダイナミックさやコントラスト感に欠ける音なので、明るい傾向の曲、たとえばアニソンやポップス、ロックはあまり向かない印象です。JAZZはおすすめ。

 SE-E8TWは明るい透明感のある表現と、アタック感の強いバランスがアニソンに向き、パイオニアサウンドの王道を感じられる味付け。元気にロックを聴くのにも向きますが、JAZZやR&Bのムード感を出すのは苦手そうです。

 

 

 

 

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【特集】池田綾子の名曲とともに味わう完全ワイヤレスイヤホン―第2回「三日月」

 今ここで正直に告白しますが、筆者は池田綾子さんの大ファンです。最初に池田綾子さんの曲を聴いたのは、「電脳コイル」というアニメのOP主題歌「プリズム」です。EDも池田綾子さんで「空の欠片」ED曲でした。電脳コイルのアニメ自体もなかなかに名作なのですが、その話は置いておきましょう。ここでは池田綾子さんです。

 大ファンといってもCDを買い集めているだけでコンサートに行ったりはしていないのですが、その自称大ファンから見ると、池田綾子さんの魅力はやはり声楽的なつややかで力強い歌声です。高域への伸びも良く、「三日月」などの曲では非常に透明感のある高域を味わえます。筆者は声質的に辛島美登里さんに似ていると思っています。辛島美登里さんについては、筆者はCDを買うだけでなくコンサートも数回行ってるので、大ファンをたぶん臆面無く名乗ることが出来るでしょう。その辛島美登里さんのデビュー曲「雨の日」も非常にのびやかで透明な高域を味わえるのですが、まさにあの味に似ています。

 辛島美登里さんは歌声だけでなく、洗練された佇まいと歌詞でも一部では非常に評価が高いのですが、池田綾子さんも歌詞は非常に魅力です。どこか幻想的で儚げ、幽玄な世界観を持っている池田綾子さんの楽曲は、筆者には見事に辛島美登里さんの世界観とのシンクロニシティを感じます。おそらく筆者の知る限り、この2人に音楽的な接点はないはずですけれども、筆者にとって池田綾子さんは辛島美登里さんの歌声を思い起こさせるインパクトを持っていました。

 ということで、今日はそんな池田綾子さんの魅力的な楽曲の中から私の好きなレパートリーを厳選し、Youtubeで拾える限りで紹介したいと思います。ここで池田綾子さんの曲を聴いて良いと思った人は、もっとたくさん楽曲がありますから、是非CDを買いましょう。CDはどれも佳作ばかりで絶対に後悔はしません。ついでに申し訳程度に完全ワイヤレスイヤホンも紹介しています。第2回。

 

「三日月」

 この曲は2ndアルバム「Lunar Soup」に収録されている曲です。このアルバムはタイトル通り、月をテーマにした曲が多めですね。

 この曲のポイントはなんといってもサビラストの高く伸び上がる箇所です。曲調としては穏やかで、しっとりとした雰囲気を味わいながら、だんだんと曲は色づいてボーカルは疾走感を増し、徐々に高く伸びていきます。そして伸びた後の空間への広がりと消失感が非常に官能的。ゾクゾクするレベルです。

 ムードミュージックとしては素晴らしい曲で、夜寝る前なんかに聴くと気持ちがふわっと楽になります。虚空に幻想的に浮かぶ月の情景が、一日の疲れをすべて飲み込んでくれるような、そんな曲です。

 

収録アルバム

 

この名曲を一緒に味わう完全ワイヤレスイヤホンたち

Qitian Touch Two V5.0

AKPE Touch Two 2

  低価格帯では比較的ボーカルを味わうのによいイヤホンです。高低の表現が良く、突き抜け感はなかなかに味わえます。中高域の表現が透明感やや強めなところも、この曲の表現には合っています。

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Jabra Elite 65t

Jabra Elite 65t

 中高域の表現力というと、やはりこのイヤホンも外せません。傾向としてはややシャープな方向で聴かせてくれます。透明感というよりは清涼感に近い感じで爽やかさが出ている表現になります。ボーカルは細く伸びていきます。

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Zagzog TWS-C1

Zagzog TWS-C1

 インナーイヤータイプで少し開放的なのが特徴の完全ワイヤレスイヤホンです。音質的には圧迫感がなく、音が空気にほどよく混ざり込んで穏やかな丸みを帯びた形で聞こえてきます。音の端が空気に溶け込んで消失するので、サビラストの突き抜けは空間に溶けていく感じのまろやかな味わいになります。優雅に聴かせてくれます。

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Pioneer SE-C8TW

Pioneer SE-C8TW

 中高域にダイナミックさのある表現が特徴的です。音にほどよい厚みもあって、温もり感も感じられます。ピアノの色づきも良いので、この曲の情感を見事に表現してくれます。空間の広さも明瞭に感じられ、ゆったりとした奥行き感もよく表現されます。

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【完全ワイヤレスイヤホン Pioneer SE-C8TW レビュー】完全ワイヤレスの中では低域がしっかり出て中高域もダイナミック。パイオニアらしい音質でなかなかに良質。ただし不良品率の高さを窺わせる評判が気になる

Pioneer SE-C8TW

パイオニア Pioneer 完全ワイヤレスイヤホン SE-C8TW Bluetooth対応 左右分離型 マイク付き ブラック SE-C8TW(B) 【国内正規品】

 

おすすめ度*1

Pioneer SE-C8TW

ASIN

B07BG2D46K

 小型のハウジングは耳への収まりは良好。充電ケースは筒型タイプで持ち運びやすい。遮音性はそこそこ高め。音漏れは少しあるかなといった感じ。

 AAC対応。aptX対応ではないが、通信性能面では、まれに音飛びが見られる程度で遅延・途絶はほとんどなく、安定している。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、専用充電ケース、説明書。

 気になるのはamazonのレビューに顕著に見られる、「充電がうまくいかない」とか「頻繁にパワーオフする」という書き込み。一様にバッテリー関係のトラブルに集中している。手に入れた個体ではこうした現象は確認できないので、製品の構造的欠陥というよりは不良品率の高さを思わせる。注意が必要かも知れない。

Pioneer SE-C8TWPioneer SE-C8TW

 

【2】音質

 完全ワイヤレスモデルはドライバーの小ささゆえなのかどうしてもシャリシャリする音質のものが多かったが、このイヤホンを常識を変えてくれる。とにかく力強く勢いがあって高低の感覚の良い楽器音。低域も完全ワイヤレスとしては量感があり、やや無機的なグレーな色合いの鳴り方だが、ブーム感があって迫力に貢献している。全体的にダイナミック。

 

[高音]:刺さらない自然なふっくら感とのびやかさのある音(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:ピアノ・弦楽とも色づきよく存在感良好。弦楽は高域ではやや細く思うが、よく伸びて突き抜け感に貢献しており、ダイナミックな表現に貢献している。

[低音]:量感がしっかりしている。グレーな色合いを感じさせる音でブーミーな振動感もある。太い音。40hzまでしっかりした振動感のある音(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:低域の足場と弦楽の奥行き感が鮮明で、空間は広く感じられる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは衝撃力と重量感のバランスが良く、勢いがあって楽しい(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルはつややかな甘味と自然とふっくらした豊満さがある。伸びやかさも良好。

 

【3】官能性

 fhána「Appl(E)ication」は低域にしっかりした量感あり。ボーカルは力強く、どちらかというと暗めに聞こえるが、のびやかさはなかなか。全体的にやや肉厚傾向で、果肉の歯ごたえを味わう満腹感がある。

 Uru「フリージア」は弦楽にやや細い感じがあるが、のびやかさと精彩は充実していて、導入の引き込みは魅力的。爪弾きの色合いはよく、曲に七色の色彩感を加えるかのよう。だが何よりも評価すべきはドラムの存在感。サビ前の盛り上がりに大いに貢献していて、曲にメリハリを出している。

 Rie fu「One-Bite」は低域の利きが良く、重厚感が加わる中盤以降の説得力が充実している。ボーカルも自然な甘味のあるふっくらとしたのびやかさで芳醇。

 光田康典「ブランデンブルグ協奏曲第5番 第一楽章 アレンジバージョン」はバイオリンの音色が艶やかで色気あり。やや下太りだが突き抜け感に勢いのある高域木管の音も良い。低域の重厚感が曲をしっかり支えて軽薄さはない。

 

【4】総評

 音質面では低域の充実感とダイナミックな表現が味わい深い。価格は発売当初は1万円台後半であったが、現在は1万円台前半、場合によって1万円ちょうどくらいまで下がってきてコスパも高まった。音質の完成度の高さを考えると、かなり好印象だ。好みの音質だったこともあり、ちょっと評価は甘めかも知れないが、完全ワイヤレスでここまでの音質は他ではなかなか味わえない。

 一方でバッテリー関連の不具合を指摘する声が多く、不良品率が高いかもしれない点が懸念材料だ。手に入れた個体にそのような目立った不具合はなかったので、個人的には好印象だが気になるポイントではある。

Pioneer SE-C8TW

 

【5】このイヤホン向きの曲

 精彩のある弦楽とピアノの表現で色づきはしっかり。しかしそれ以上に粒が細かく疾走感を出すシンバルと、ボリューム感満点のドラム音が活き活きと楽しい。

 

 導入のピアノと弦楽が見事に引き込んでくる。弦楽の奥行き感と情緒たっぷりな表現に低域の存在感が加わって、曲の骨格が丁寧に再現される。高低のダイナミックな表現がエモーショナルな響きを生み出し、情感に切々と訴えかけてくる。(菅野よう子「Felicity」)

 

 低域の拡がりと存在感が音場を際立たせる。サビ前の消失巻も綺麗で曲にメリハリがある。ボーカルの伸びも良く、中毒性高め。((K)NoW_NAME「Harvest」)

 

 衝撃と重量感のバランスの良いデジタルドラムの音が曲をリードする。全体的に丸みがあって生気感のある音、捻る音の表現の輪郭感も明確。アニメ調の甘味のある声色もふっくらと表現される。(水瀬いのり&久保ユリカ「動く、動く」)

 

 甘味のあるボーカルを勢いのある楽器音で包んでくるその一体感が良い。ダイナミックな勢いのある感じに仕上がっている。

 

パイオニア Pioneer 完全ワイヤレスイヤホン SE-C8TW Bluetooth対応 左右分離型 マイク付き ブラック SE-C8TW(B) 【国内正規品】

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【ダイナミックヘッドホン Pioneer SE-MHR5 レビュー】躍動的で緻密さのある音。アイドル声やアニメ声などのボーカルの表現もうまい

Pioneer SE-MHR5

パイオニア SE-MHR5 ヘッドホン 密閉型/オーバーイヤー/ハイレゾ対応/折りたたみ式 ブラック SE-MHR5 【国内正規品】

 

おすすめ度*1

 

Pioneer SE-MHR5

ASIN

B01ANWPY6Y

 軽量プラスチックで装着感は軽めのヘッドバンド。厚みのあるイヤーマフが柔らかく、圧迫感はない。

 遮音性はそこそこ高く、音漏れは少しある。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はキャリングケース、替えケーブル。標準付属のコードにタッチノイズはない。

Pioneer SE-MHR5

 

【2】音質

 きれいに伸びる高域と抜けがよく広さを感じやすい中域が魅力。音の立ち上がりもよく、アタック感はうまく出る。ボーカルの表現に妙味があり、いわゆるアイドル声、アニメ声な声色をきれいに出す印象。

 

[高音]:高域の抜けは良い(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:広さのある抜けの良い音。金管系の音もリアル。

[低音]:100hz~30hzまできれいに減衰する(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:個々の楽器音が刺さらず混ざらず、きれいに描き分けられている。クラブ向けに偽りなし。(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:パーカッションは粒感とアタック感に満ちていて、疾走感と爆発力も感じる(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:のびやかさと突き抜け感があり、声優声やアイドル声の表現がうまい。

 

【3】官能性

 Claris「DROP」は緻密で中毒性の高い音場。立ち上がりよくサビに向けて素直に盛り上がっていく楽器音。ボーカルの声色も生々しさがあり、のびやか。コシもあって実に良く伸びる。かすれない。

 ZAQ「Monochrome Monster」はアニメ系のキンキンしやすい声だが、尖らず刺さらずきれいに聞こえる。それでいてシャープさは失われていない。緻密で立ち上がりよく、躍動感のある楽しい音場。奥行きも感じる。

 いきものがかり「Happy Smile Again」はボーカルの力強さ明るさがよく出ていて、きれいにのびる。元気で楽しい。ギター音も緻密でつま弾き音がきれい。重くなりすぎず元気に弾けるドラムの加える熱量も心地よい。

 やなぎなぎ「Sweet Track」は抜けが良く元気で圧迫感のない音色。ギターの音がきれいに出ていて色彩を感じる。ボーカルの伸びやかさと息遣いもきれいに出ていて、情報量の多さを感じる。

 

【4】総評

 クラブミュージック向けのシリーズらしく、緻密さと躍動感、ボーカルの表現力などに最近のクラブ向けっぽい調整を感じる。とくにアニメ系の楽曲に強そうだ。ガチャガチャしたり割れたりしそうな情報量が多くてエッジのある曲を丁寧にこなす性能はたしかに魅力的。

 軽量で折りたたみできるうえ、遮音性や音漏れにも配慮されているので、気軽に持ち運んで使えそうだ。

Pioneer SE-MHR5

 

Pioneer 密閉型ダイナミックヘッドフォン ハイレゾ対応 SE-MHR5

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

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