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【ハイレゾ対応ワイヤレススピーカー SONY h.ear go 2 SRS-HG10 レビュー】地平線をしっかり意識させる重厚な低域の上に、音楽を構築する。SONYらしく付加価値で勝負している機種

SONY h.ear go 2 SRS-HG10

ソニー SONY ワイヤレスポータブルスピーカー SRS-HG10 : Bluetooth/Wi-Fi/LDAC/ハイレゾ/専用スマホアプリ対応 2018年モデル グレイッシュブラック SRS-HG10 B

 

おすすめ度*1

SONY h.ear go 2 SRS-HG10

ASIN

B07C7XDP1H

 小型で落ち着きのあるデザインが特徴のワイヤレススピーカー。

 aptXには対応しない。LDAC対応。通信性能は比較的安定しているが、まれに音飛びあり。

 

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はUSBケーブル、電源アダプタ、マニュアル。

SONY h.ear go 2 SRS-HG10SONY h.ear go 2 SRS-HG10

 

【2】音質

 Extra Bassボタンを押すと低域が強化される。レビューはExtra BassをONにして行った。一聴して気づくのは、Extra Bassによる、確かなブーム感を伴った重厚な低域。こういう太い低域にありがちな下に鈍い音ではなく、反発力もあって活きが良い。立体感に関してはこのクラスではかなりよい方。さすがに価格帯最高クラスの立体感を誇るDENON Envaya DSB250BTに比べると少し劣る印象だが、それでも価格帯上位の実力を感じる。とくにExtra Bassの強い厚みが地平線を意識させ、奥行き感を出す。

 

[高音]:高域の突き抜け感はそこそこ(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:弦楽はやや細身。ピアノは煌めき度良好。

[低音]:低域は厚みと弾みのバランスが良くブーム感もあって躍動的(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:地平線に広がるような奥行き感(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは弾みよく重量感もある。Extra Bassを入れるとシンバルはおとなしめに(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:甘味のある声色でつややかに出る。比較的女性ボーカル向きか。

 

【3】官能性

 UVERWorld「一滴の影響」ライブ版を聞いてみると、若干左右の広がりに欠けて狭く感じた。本来であれば踊り躍動するドラムが箱に閉じ込められて行き場に困る鳴り方をし、篭もっているように感じられた。ボーカルの表現は特に悪くない。

 岡崎律子「空の向こうに」は低域の重厚感に十分な引き締まりを感じる。ボーカルのなめらかな味わいも甘味を孕んでいてよい。ただ開放感に乏しく、もっさりしている印象も受けた。

 飯島真理「天使の絵の具」は甘味のあるボーカルの広がる感じがうまく、楽器音にも小型スピーカーとは思えないパワフルな躍動があって、全体として快活に聴けた。

  平井堅「ノンフィクション」は弦楽の厚みはそこそこ。ボーカルの精彩もよく、独特の裏声はきれいに自然な形で出て官能的。

 

【4】総評

 LDAC対応でハイレゾ相当の音質が楽しめるのがウリ。テスト機に用いたのはSONY製のLDAC対応プレーヤー NW-A27HN。SONY製品同士相性は悪くないはずだが、aptX対応のライヴァル機DENON Envaya DSB250BTに色味でやや負けている印象を受ける。同価格帯で競合関係にあり、しのぎを削る両者だが、あえて踏み込んで言えば、音質面とアウトドアでの汎用性ではDSB250BT優位。そのかわりこちらはspotifyなどの音楽配信サービスとの連携機能とExtra Bassによる音質変化があり、付加価値面で追随しているという印象だ。

 防水性能はおそらくないので使用シーンも限られる。ポータブルスピーカーとしてはほぼ屋内向き限定。

SONY h.ear go 2 SRS-HG10

 

【5】このスピーカー向きの曲

 地平線付近に集中する重厚感を味わうならこの曲。厚みのある金管の色気も良い。

 

 この曲同様に重厚感が良く出る。ボーカルに甘味と伸びやかさあり。(メアリー・マクレガー「SAYONARA」)

 

 これも上2曲と選んだコンセプトは変わりない。重厚な地平線のうえに煌めき感と甘味を伴うボーカルが綺麗に展開される。楽器の水平線とボーカルの垂直線の味わいを楽しめる。(许茹芸&孙楠「真情真美」)

 

  この曲も構造がほとんど一緒で、低域リズムの重厚な地平線とそこから伸び上がっていくボーカルの突き抜け感の妙味を味わえる。

 

ソニー SONY ワイヤレスポータブルスピーカー SRS-HG10 : Bluetooth/Wi-Fi/LDAC/ハイレゾ/専用スマホアプリ対応 2018年モデル グレイッシュブラック SRS-HG10 B

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【特集】日本ファルコム名曲とともに紹介するおすすめイヤホン3選

 家庭用ゲーム機やホビーパソコンが一般的となった1980年代初頭。日本のコンピュータゲーム黎明期であるこの時代から続く老舗のコンピュータゲーム会社が日本ファルコムだ。今ではメジャーなゲームメーカーの一つである。

 さてそんなファルコムだが、音楽にやたらと力を入れていることは夙に有名。レベルの高いサウンドがファルコムゲームの魅力と言ってよい。何よりファルコムのゲームミュージックにはなぜか不思議な魅力があって一部のファンを離さない。

ファルコムミュージックの特徴(自己流評価)
  1. 外連味があって妙に厨二病的
  2. デジタルな効果音好き
  3. オーケストラやったりJAZZにしたりとアレンジ好き
  4. 作品毎に傾向を変え、世界観を感じさせる音楽

 最近はファルコム音楽フリー宣言なるものを公示し、youtubeやamazon musicなどで無料でその秀逸な楽曲が楽しめる。そんなファルコムの楽曲の中からオススメの名曲をピックアップし、ついでに相性の良いイヤホンもセットで紹介しようという一石二鳥な記事を考えてみた。第一弾(第二弾があるかはわからない)。

 

 Sophisticated Fight(英雄伝説Ⅵ 空の軌跡)

 まず一曲目は厨二病サウンド全開のこの曲から。出だしからガリガリパワープレイでえぐってくる。スタイリッシュなメイン旋律の背景からゾワゾワ響いてくる背景音が妙に心を揺さぶってくる。これはファルコム版「ルパン三世のテーマ」と呼べるような代物だ。

  この曲には個人的にDENON AH-C820を推したい。スパイシーな表現と量感がこの曲の世界観をより尖った感じで表現し、厨二病性を引き立ててくれる。

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Quatera Woods(YsⅥ ナピシュテムの匣)

 煌めき感と疾走感のある曲。中盤から奥行き感が増していき、音の拡がりとともに視界は遠く、森にあふれる木漏れ日と動物たちの息吹に吸い込まれていく。そして感じられるのは森の静寂。疾走感のある盛り上がりとその先にある静寂の繰り返しが実に小気味よい。作業BGM向きな名曲。

 この曲の緻密な中高域表現と空間表現の拡がりを味わうにはSONY XBA-300を推したい。なかなかの清涼感を味わえる。

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White Witch Gueld(英雄伝説Ⅲ 白き魔女)

 白き魔女ゲルドの孤独な旅を思わせる独特の寂寥感と叙情的な盛り上がり、重厚感のある曲調が正統派ファンタジーを感じさせる。この曲はドラクエでいえばドラゴンクエストマーチに当たるような主題曲であるが、よりハイファンタジーな色合いを感じさせる。白き魔女の本編内容はドラクエ以上に遊び心があるコミカルファンタジーではあるが、重厚な世界観が展開されてこそなのである。

 デジタルとアナログの複合的な妙味のあるこの曲では、JVC HA-FW01が個人的におすすめ。デジタル音の馴染みがよくなり、全体的にファンタジーの薫りと重厚味が増した味わいになる。

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【ワイヤレスイヤホン SONY WI-C300 レビュー】音質・使い勝手は外出時使用の状況をよく追究してまとめあげられている良機種。ただ価格的な立ち位置的にコスパは中途半端なところあり

SONY WI-C300

ソニー SONY ワイヤレスイヤホン WI-C300 : Bluetooth対応 最大8時間連続再生 マイク付き 2018年モデル ブラック WI-C300 B

 

おすすめ度*1

SONY WI-C300

ASIN

B079TZG4MB

 ハウジングが小型で耳への収まりも良く、装着感は良好なワイヤレスイヤホン。遮音性は標準よりやや高めといった感じで、音漏れについてはややシャリっとした音が漏れやすいかも知れない。

 aptXには対応しない。通信性能的には遅延なく、動画鑑賞にも十分堪える。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、日本語含む多言語マニュアル。ケーブルのタッチノイズはかすかにあるが、まず目立たない。

 

SONY WI-C300SONY WI-C300

 

【2】音質

 音質的にはやや左右の張り出しが強く意識される、頭を囲み込む音楽空間で、目線やや下に低域の足場、パーカッションも比較的張り出してきてしっかり聞こえるため、曲のメリハリ感や重量感は味わいやすい傾向。一方で高域は上方向への伸びやかさよりは左右に広がって、こちらに向かってのびてくる聞こえ方がする。そのため奥行き感の感覚もあるものの、全体的に音楽の骨格は近めに形成される印象で、周囲の雑音が多い外出時にも音楽の輪郭構造を楽しみやすいイヤホンという印象。

 

[高音]:上方向への開放感よりは左右に広がる伸びやかさ(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:奥行き感はそこそこにある。全体としては音が近めに響いてくるところもあるので、密度感も感じられやすい。

[低音]:目線やや下にほどよい厚みのある、若干ウェットな音味の足場を作る(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:左右の張り出し感があり、頭が囲まれる球状空間を感じる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:パーカッションも全体的に張り出して近めに感じられる。シンバルはややシャリつく傾向がある。ドラムに重さはそこそこあるが、深みはそれほど感じられない(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:比較的自然で厚みもほどよくあり、バランス感覚よく感じられる。

 

【3】官能性

 May'n & 中島愛「What 'bout my star ? @formo」はパーカッションの粒が細かくシャープでキラキラ明るい雰囲気は満点。ボーカルの透明度もあり、楽器音もまとまりよく、全体として透徹した雰囲気がある。ただしシンバルはややシャリ味が強く、人によってうるさげに思う場合もあるかも知れない。

 水瀬いのり&久保ユリカ「動く、動く」は全体的にシャープで緻密かつ軽快。リズムは重み余地は爆発力と粒の細かさでキレの良い輪郭感を出す。ボーカルは透明度高めでスッキリと綺麗に背景音を透かしながら、気持ちよくまっすぐ響いてきて、胸に沁みる。

 雨宮天「奏」は煌めき感はほどよく、深さと重みのあるベースの情感もよい。ボーカルも透明で息遣いも綺麗に出て、情緒がある。

 彩恵津子「海よりも深く」は全体的に軽快でエッジ感がしっかりしており、スッキリした感じが出ている。ギターのキレも良く、金管も色気があってなかなかにうまい。

 

【4】総評

 全体的に外出時に音楽を楽しむというコンセプトをよく追求している印象がある。価格的には音質水準や仕様の面からやや割高に思うものの、SONYブランドの名に恥じないバランスの良い使い勝手で満足感は高く思う。

 とはいえこれといって飛び抜けてすごいと思うところもなく、これより下位価格帯にも個性的で音質的にも面白いワイヤレスイヤホンがたくさんあることを考えると、押しが弱いのも事実で、わざわざこれに手を出す必要はあまりなくも思える。これより上のクラスにはさらに実力も評判も兼ね備えた実力機があり、それらと比べるとエントリーモデル並みのレベルを抜け出ていないようにも思う。もう一声下の価格帯であれば、印象もだいぶ違って見えるところがあるのだが。

※2018年9月現在、価格は落ち着いて平均4000円台になりました。相対的な魅力は高まっています。レビュー掲載時の平均価格は6000円台でした。

SONY WI-C300

 

【5】このイヤホン向きの曲

 若干ウェットで粘りがありながら、キレの良さのあるドラムの重みが心地よい。パーカッションや効果音が張り出してきて、濃厚な音楽空間が包み込んでくる。ボーカルは中央から左右に広くのびていき、空間を色づけする。手を伸ばせば清涼感のある情景に手が届くような充実感がある。(辛島美登里「モノローグを染めて」)

 

 ほどよく重く瞬発力のあるドラムがしっかり曲を引き締める。深掘り感はそれほど強くないものの、ベースの存在感もしっかり。中高域は透明感や煌めき観もあって眩しくきれいに表現されている。(黒崎真音「STEP」)

 

  ほどよく重みのあるドラムの足場の上にキラキラ透明感のある空間が展開される。冬の朝のような透き通った音楽空間が左右の定位感も良く包み込んできて、世界観にぐっと引き込んでくる。(折笠富美子「リセエンヌ」)

 

  圧倒的な勢いと緻密さがぐっと心を飲み込んでくる。ややエッジが強くキンキンしたところもあるが、音の立ち上がりはよく、全体的に細かく作り込まれ展開も早い世界観が丁寧に表現される。

 

 シャープでキレよく軽快なリズム表現は曲調の明るさ、楽しさをよく表現する。アニメ声のボーカルはやや鮮明度高めで場合によってキンキンに感じられるかもしれないほど透明度高め。(ブレンド・A「ぼなぺてぃーと♡S」)

 

ソニー SONY ワイヤレスイヤホン WI-C300 : Bluetooth対応 最大8時間連続再生 マイク付き 2018年モデル ブラック WI-C300 B

 

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【カナル型イヤホン SONY MDR-XB70 レビュー】量感のある低域が一番の魅力だが、中高域も精彩が感じられるバランスの良さがある

SONY MDR-XB70

ソニー SONY イヤホン MDR-XB70 : カナル型 ブラック MDR-XB70 B

 

おすすめ度*1

SONY MDR-XB70

ASIN

B00HZD3SP4

 独特の形状のハウジングの装着感は悪くない。若干抜けやすい気もするのだけが気になる程度。低域が利くせいか遮音性は良好で、音漏れも意外と少なめ。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、携行ケース。ケーブルのタッチノイズは若干ある。

SONY MDR-XB70SONY MDR-XB70

 

【2】音質

 中高域からほどよい距離感を保つ、量感のしっかりした低域が特徴的。ブーミーで厚みと重みもしっかりしているが、中高域を阻害しない。中高域もそこそこに精彩があり、全体的に若干のドライさは出るものの、それなりに味わえる。

 

[高音]:透明感もそこそこ感じられ、突き抜け感も比較的感じられる(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:緻密さもそれなりにあり、キラキラ感もなかなかに出る。

[低音]:ブーミーで厚みと重みのある音だが、深掘り感もあって中高域を阻害しない距離感がある(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:厚く深い足場の上に、やや広めの中高域が展開される(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ハイハットにはシャープな粒感がある。ドラムには厚みがあって、熱気も感じられる(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルはほどよい伸びやかさと突き抜け感が感じられるが、声質は若干ドライに聞こえる。

 

【3】官能性

 池田綾子「海の唄が聞こえる」はボーカルに伸びやかさと突き抜け感は感じられる。声質は若干ドライ。ピアノは重厚だが色づきも悪くない。

 petit milady「茜色のダイアリー」は重厚さがありながらもドラムにはタイトさも感じられ、中高域には色彩感もそれなりにある。ボーカルの突き抜け感も比較的きれいに出ている。

 多田葵「灼け落ちない翼」はキラキラ感のある中高域と重厚感のある低域がかなり密度高い音場を作っている。

 supercell「君の知らない物語」は熱気のあるドラムと粒感のあるシャープなハイハット、そして透明感のあるボーカルの組み合わせがきれいだ。立ち上がりも悪くない印象。

 

【4】総評

 低域は重厚だが、深掘りされて中高域を阻害しない。中高域にもそれなりの精彩があり、バランスは悪くない印象。低域をしっかり味わいたいが、中高域も犠牲にしたくないというわがままをかなり高いレベルで実現している。低域はブーミーな振動感あるが、ドラムの表面にはタイトな張りも感じられるため、ぼやけた感じにはならない。コスパは悪くない印象だ。

 

 SONY MDR-XB70

 

【5】このイヤホン向きの曲

 ボーカルは滑らかでみずみずしい。低域弦楽は深掘り感がある。低域に重みがあり、中高域とかぶらないが、音場をしっかりとまとめあげている。ほどよく広い。全体的にはややドライ。(Steve Conte「Living Inside the Shell」)

 

  優しくふわっとした浮揚感のあるボーカルは比較的きれいに出ている印象だ。厚みのある低域の足場の上にほどよく開放感のある中高域を感じることが出来る。(大藤史「風の魔法」)

 

ソニー SONY イヤホン MDR-XB70 : カナル型 ブラック MDR-XB70 B

 

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【ハイレゾ対応ヘッドホン SONY MDR-1A レビュー】のびやかで突き抜け感のある高域、充実した中域、すべてを優しく深淵から支える低域の三位一体

SONY MDR-1A

ソニー SONY ヘッドホン MDR-1A : ハイレゾ対応 密閉型 折りたたみ式 ケーブル着脱式/バランス接続対応 リモコン・マイク付き ブラック MDR-1A B

 

おすすめ度*1

f:id:kanbun:20170526044520j:plain

ASIN

B00NW353KE

 ヘッドバンドの当たりは良く、軽めの装着感だ。イヤーマフは柔らかく密着度も高くて心地良いが、蒸れやすいところがある。ケーブルは着脱式。

 遮音性はそこそこ高く、音漏れは少なめ。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はキャリングポーチ、マイクリモコン付きの替えケーブル。ケーブルにタッチノイズはない。

SONY MDR-1A

 

【2】音質

 全体的に発色が良く、色気のある音質。高域はかなり突き抜け感もあり、清涼でのびやか、中域は広めの空間に楽器の色気をこれでもかと詰め込み、低域は熱気のある音場を作る。いかにもソニーらしい、個々の音に配慮しつつ、全体的にうまくまとめあげている印象だ。女性ボーカルの艶のある表現は巧みというほかない。

 

[高音]:突き抜け感もあり、クリアで伸びやか(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:色気のある音に魅力たっぷり。音場は広く感じられ、空間性にも秀でている

[低音]:熱気を閉じ込めながらしっかりと足場を作る音。振動にはかなりの厚みがあり、ヴォーッと言う幅のある音を鳴らす。減衰は素直(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:篭もった感じがなく、広く開放的な音場で、奥行きも左右もしっかりとある球状空間(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラム優位気味だが、ハイハットにも粒感があり、ドラムの弾みも良いので、疾走感もかなり出ている(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:息遣いと空気感、突き抜け、のびやかさはどれも秀逸。コケティッシュな艶やかさもあって女性ボーカルに妙味あり。

 

【3】官能性

 UVERWorld「CORE PRIDE」は地熱のあるドラムがバスンバスンと厚く重く響く。そうしてできたはっきりとした音場は広く、爆発力に満ちていて、クリアなボーカルがのびやかに飛び回る。弦楽にも精彩があるが、ピアノの色気も鮮やか。肉厚なボーカルはそうした熱気と色彩を推進力に変えて力強く、しなやかにまっすぐ穿ってくる。

 水瀬いのり「Lucky Clover」は立ち上がりと抜けの良い音楽表現。提起は量感と存在感があるが、中高域を邪魔せず、奥の方の音まで精彩を奪われずはっきりと聞こえる。ピアノの色彩感がしっかり出ているため、弦楽とともに細かな味付けを曲に加えて飽きさせず、ややもすると単調になりやすいこの曲を陳腐なものにさせない。

 nano.RIPE「影踏み」はボーカルが伸びやかでクリアに突き抜けていく、その貫通力に中毒性がある。低域も勢いがあり、ハイハットは粒感があって疾走感を演出する。全体的に楽器の立ち上がりが良く、アタック感も出ていて、エッジ感がありキレのある楽器とのびやかなボーカルが一体となってメリハリのある音楽を作っている。

 May'n & 中島愛「ライオン」は発色と立ち上がりのよい表現が、この曲の特徴である、入れ替わり立ち替わり現れて曲に煌めきと推進力を与える多様な楽器音を、密度と勢いのあるものにしている。丁寧に広さも維持されていて、楽器達が演出する十分な音場の中を、のびやかで力強いデュエットが絡み合いながらしっかりと展開していく。ボーカルはみずみずしさと煌めき感を失わず、精彩の強い楽器を身に纏うようにリードしていくが、それはまるで星々が輝く宇宙を流星群が身を焦がしながら穿っていくような熱気と力強さがある。

 (K)NoW_NAME「Knew day」は勢いと熱気のあるドラムに味わいがある。そのドラムのリズム感の上に、立ち上がりと抜けが明瞭でメリハリのある楽器音がまとまりよく展開される。ややもすると表現過剰になりやすく、ガチャガチャしがちな曲であるが、広い空間と適度なキレのよさがそうした豪華な楽器の演出を一貫性のある形にし、それを可能にするだけの十分な空間を丁寧に作り上げている。ボーカルも抜けが良く、のびやかで突き抜け感がある。

 

【4】総評

 付け心地はなかなかに快適で、音楽に集中しやすい。広い音場とそれを満たす精彩のある音楽表現が何よりも魅力で、低域も深さと密度がありながら反動は優しく、中高域を邪魔しない。中高域の音にはメリハリ感があって、高域ののびやかさと突き抜け感もレベルが高く、確かな表現力を感じる。その丁寧な表現力の作り出す音楽はどれも楽しく、ジャンルを選ばない万能さがある。

SONY MDR-1A

 

【5】このヘッドホン向きの曲

 立ち上がりが良く、発色のしっかりした表現力を味わうならこの曲。みずみずしくのびやかで突き抜けていくボーカルが色彩感の強い背景に埋もれず、明瞭にまっすぐ聞こえてくる。

 

 全体的に音の立ち上がりがよく、かつなめらか。金管に色気があって、遊び心を感じるとても楽しい空間。単調になりやすい曲だが、このヘッドホンで聴くと奥行き感が丁寧に出るので、味わいが断然違う。

 

 弦楽とピアノの色彩、低域の厚み。すべてが濃厚な音場を味わうならこの曲。(菅野よう子「NHKスペシャル China Main Theme」)

 

 全体的に音に色気があり、ボーカルもコケティッシュ。躍動感のあるしっかりとした低域が脈動をしっかりと表現している。

 

 密度が高く、ややボケやすいこの曲も、立ち上がりよくメリハリのある表現でまとめあげる。ボーカルの重なり、立ち替わりも楽しく、色気もたっぷり。背景の音も潰れず細かにしかも一定の広さと定位感を持って表現される。

 

ソニー SONY ヘッドホン MDR-1A : ハイレゾ対応 密閉型 折りたたみ式 ケーブル着脱式/バランス接続対応 リモコン・マイク付き/ハンズフリー通話可能 ブラック MDR-1A B

 

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【aptX対応ワイヤレスイヤホン SONY MDR-XB80BS レビュー】ドライでビターなテイストが魅力の低域重視型モデル

ソニー SONY ワイヤレスイヤホン MDR-XB80BS : 防水/スポーツ向け Bluetooth対応 リモコン・マイク付き ブラック MDR-XB80BS B

 

おすすめ度*1

f:id:kanbun:20170423123740j:plain

ASIN

B01M0PKNUJ

 かなり大きめのイヤーフック形状をしたワイヤレスイヤホン。耳当たりは意外に柔らかく、装着感は良い。遮音性はそこそこあるが、音漏れは少し目立つ。

 aptX、LDACに対応する。通信は安定しており、音飛びや遅延はなかった。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、キャリングポーチ。ケーブルにタッチノイズはほとんどない。

 

 

【2】音質

 音質的にはかなり厚みがあるが、躍動感もある低域が魅力。中域はほどよい広さ、高域はそこそこののびやかさがあるが、全体的にドライ。味付けとしてはやや暗めに感じられ、肉厚さも結構あるのでほろ苦い深煎りな曲調になる。

 

[高音]:ドライ気味(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:そこそこ広さとほどほどに情感も感じさせるが、やはりドライな傾向。

[低音]:ブーミーで厚みがあるが、弾け具合も良好で躍動感もあり、ほどよい深掘り感もあるので地熱も感じられる良質と思える低域。振動は太くしっかりしている。100hz~20hzまで素直に減衰する(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:奥行き感もあり、下も深めで広めの空間(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラム優位だが、ハイハットも粒感と精緻さがあって細やかに出るので若干の疾走感は出る。しかし全体的には安定感が高め(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:女性ボーカルはやや暗い。息遣いはよく出る。

 

【3】官能性

 戸松遥「ユメセカイ」はボーカルに生々しさがある。やや暗めだが、息遣いは感じられて温度感はそこそこ。楽器音はそこそこ広く、低域は空間にほどよいリズムと重みを与えていて、やや重厚で大人びた曲調。

 GARNiDELiA「BLAZING」は低域の密度と量感が強め。重厚な味わいで、ボーカルはドライ。やはり全体的に大人びた印象。

 いきものがかり「泣くもんか」は息遣いが良好。低音の利きが深く、全体として胸に深く落とし込んでくる説得力がある。音場は広め。色合いは落ち着いているが、弦楽に情感があり、ドライに寄っている表現ではあるが、決してグレースケールな味わいではない。

 井口裕香「Hey World」は密度高め。ボーカルの息遣いが感じられ、ハキハキしており、厚みもそこそこ。とはいえ高域ではやや乾き、やはりドライ。熱い低域が音場を深く沈んでから反発するような躍動的なものにしていて、トランポリンのようにボーカルに弾みをつけている。

 

【4】総評

 低域中心にビターなサウンドを味わえる。ドライな傾向があるが、決してみずみずしさが失われてすぎてはおらず、アニメ声でもそこそこつややかに聞こえる。高域ではやや乾燥が目立ちやすいが、中低域ではつややかさも増しており、躍動感もあってしっかりとしたのどごしが感じられる。

 

 

 

【5】このイヤホン向きの曲

 ボーカルは息遣いがリアルでドライな表現も大人びた雰囲気に合う。空間の密度も良好で、やや重たげではあるものの、色彩感のあるピアノが空気に満ちている。全体的に重厚で濃密であり、満腹感がある。

 

 ボーカルはややドライではあるが、息遣いがきれいに出て、のびやかさもそれほど失われていない。若干頭が重たげな場面もあるものの、高域での突き抜け感も結構出ているので乾燥した感じは薄い。低域付近の厚みがボーカルを躍動的に支えている。

ソニー SONY ワイヤレスイヤホン MDR-XB80BS : 防水/スポーツ向け Bluetooth/LDAC/NFC対応 リモコン・マイク付き/ハンズフリー通話可能 ブラック MDR-XB80BS B

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【ハイレゾ対応イヤホン SONY XBA-N3 レビュー】濃密な空間表現が味わい深い。音が空間的に響いてくるその姿を丁寧に再現しようとしている

ソニー SONY イヤホン ハイレゾ対応 カナル型 ケーブル着脱式 XBA-N3

 

おすすめ度*1

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ASIN

B01LWT2XXX

 特徴的なハウジングが独特の雰囲気を持っているSONYのカナル型イヤホン。装着感はそこそこよく、遮音性良好で音漏れ少なめ。ケーブル着脱可能だ。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、携行ケース。標準の付属ケーブルのタッチノイズはやや目立った。

 

【2】音質

 バランスドアーマチュアとダイナミックのドライバーを合わせたいわゆるハイブリッド型だが、音質的には思ったより高域はおとなしい。SONYのハイブリッドイヤホンは高域の鮮明なものが多かった印象だったので、これはやや意外だ。低域も自己主張が強い感じではなく、空間に響く音で重くさせず、空間的な色合いを大事にしているような音質だ。そのためXBA300のような鮮明な中高域を期待すると、ややとまどうことになる。空間性重視のモデルのようだ。

 

[高音]:高域は少しおとなしい。鮮明さやキラキラ感はそれほどなく、自然な感じで場合によって少し暗めに感じる(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:空間的な広さをよく感じさせ、ゆったりとしている。とくに空間に伝わる破裂音系の効果音に勢いがあり、そうした空間演出はうまい。

[低音]:ドラムは空気への伝わりがよい、直接的な重みはやわらげられている印象。空間にエネルギーを伝えるポンポンという感じの音。振動はブーッという若干厚めで少しぼんやりする感じ。減衰は素直で荒れはない(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:全体的に広さ重視だが、密度もそこそこある(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは空間に響く。中高域をそれほど邪魔しないが、やや支配的でリードする展開が多い(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:自然な味わい。場合によって若干暗め。息遣いはかなりきれいに出ている印象。

 

【3】官能性

 petit milady「azurite」はドラムが良質。軽快さもありながら、空間に直接的に出過ぎない感じにしっかりと重みを響かせていき、空間全体をタイトに引き締めている。ボーカルは軽めだがキラキラ感はそれほどなく、自然で若干おとなしめ。

 ZAQ「Sparkling Daydream」はピアノの表現が上品かつ鮮明。効果音は出すぎないが、空間への利きがよい。ボーカルは若干肉厚で全体的に少し重厚な色合いになっている印象を受ける。

 東山奈央「Hello Alone -Yui Ballade-」はボーカルの囁くようなしっとり味が情緒的。空間への溶込み具合が全体的に秀逸で、楽器音も濃密に空間に混ざり込む。はちみつのようなとろみの感じられるスイートテイストに仕上がっている印象だ。

 

【4】総評

 空間表現の広さと濃密さに特徴がある。思った以上に高域重視ではない印象で、ボーカルは場合によっておとなしく感じるほど自然な味わい。あらゆる音が空間に溶け込んでいく感じがあり、個々の音の鮮烈さには若干欠けるところがある気がするが、その表現力は本物。原音忠実主義を目指しているというのも、音のある空間丸ごとの表現を目指していると考えれば頷ける。低音の空間に響く鳴り方などはまさに現実生活での低音の聞き方に近いからだ。

 

 

【5】このイヤホン向きの曲

 濃密な空間表現を味わうならこの曲。こんこんとわき出すような音の鳴り方、空間に満ちていくその雰囲気がうまく出ており、そこにボーカルがゆったりとあふれ出して調和していく。(やなぎなぎ「音のない夢」)

 

  空間に濃密さがあり、弦楽の彩りが空間全体に広がっていく。ボーカルは大人びてしっとり。全体的にセピア色に色づいている印象を受ける。(ROUND TABLE featuring Nino「夏待ち」)

 

 リズム感がしっかりしていて、ドラムの利きが良く、タイトなリズム感が空間全体を引き締める。ボーカルはしっとりさと息遣いの聞こえが良く、みずみずしさと成熟した酸っぱさも感じさせ、そうした香りがドラムのリズムに乗ってくる清涼感がある。

 

 充実した空間表現を楽しむならこの曲。空間に次々定位感を持って加わる音がどんどん濃密で味わい深い情景を描いていく。

 

ソニー SONY イヤホン XBA-N3 : ハイレゾ対応 カナル型 ケーブル着脱式 XBA-N3

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【カナル型イヤホン SONY MDR-EX250 レビュー】空間表現の広さに妙あり。スカスカしたところはあるものの、繊細さのある音は低価格とは思えないほど上質

ソニー SONY イヤホン MDR-EX250 : カナル型 ブラック MDR-EX250 B

 

おすすめ度*1

f:id:kanbun:20170417050341j:plain

ASIN

B00ZE3V2BO

 小型のハウジングで耳になじむ。遮音性はそこそこ高く、音漏れもほとんどない。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、携行ケース。細身のケーブルのタッチノイズはほとんどない。

 

 

【2】音質

 広がりへのこだわりを感じる音質。全体的になめらかで、しかし緻密さを失っていない。そしてイヤホンという耳に近い機器でありながら、音の圧迫感を感じさせない、痛いとことも刺さるところもない鳴り方。全体的に優雅さを感じさせ、耳に優しい。そのせいかややおとなしく、量感は感じづらいが、耳が慣れてくると味わいが増してくる印象だ。どちらかというと低域寄りでドンシャリイヤホンという分け方になるかもしれないが、ドンドンした感じのない低域とシャリ感はあまりなく力なく消え入る感じが強い高域の特徴を考えると、ドンシャリという表現はややこのイヤホンの印象とは異なるだろう。

 

[高音]:高域はやや天井感がある。明白な頭打ちは感じないが、それでものびやかさには若干欠ける印象(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:ピアノは柔らかく、ポロンポロンという優しい鳴り方。全体的に中域は広く、奥まった感じでスカスカしているところはある。

[低音]:全体的にやわらかい弾みを感じ、地鳴りに近い空間下方向に広がる鳴り方100hz~20hzまで素直な減衰で40hz以下はほぼ聞こえない。荒れた振動域はなく、下へはかなり深掘りされて聞こえる(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:とにかく広い音場。全体的にのびやかで奥行きを感じさせ、圧迫感はない。最初の印象では音が遠く小さく感じられるが、耳を澄ませると音像ははっきりしており、澄み渡るといった感がある(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:精度は高く、意外と鮮明に聞こえるが、全体的に強調されないので、曲調はどれも比較的穏やかに感じられる(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:やや暗く感じられるが、中低域は活き活きしている。高域は若干弱い。

 

【3】官能性

 分島花音「killy killy JOKER」は弦楽がやや控えめでパーカッションが目立ち、疾走感強めに感じる。低域も重みを直接伝えてくるというよりは重みから発せられる衝撃波と地鳴りが伝わってくるような実感があり、空間性が感じられる。

 多田葵「灼け落ちない翼」は広くスカスカしてしまうところがあり、ボーカルが孤立している印象に聞こえる。全体として空虚で寂しく感じられる。ボーカルのサビでののびやかさも力強さや明るさがうまく出ていないような感があり、やや元気なく感じられる。

 ZAQ「Inside Identity」はイヤホンによっては圧迫感が強い曲だが、このイヤホンでは全く圧迫感を感じず、やや広めの部屋でスピーカーを並べて聞いている印象。すっきり気味で全体的にやや暗く感じられる。量感の強いイヤホンになれていると、味気ないようにも思えるが、聞き疲れするところはなく、よく聞くとアタック感などは結構しっかりしており、ミニチュア的ではあるものの、満足度は高い。

 Rasumus Faber「Eternal Wind JAZZ Ver.」の低域はかなり上品で、空間演出に注力しており、リズム感は控えめ。ピアノが鮮やかかつ優雅で品格がある。やや迫力と量感が不足して感じられるが、やや離れたところから聞いているような空間の広さは秀逸。

 

【4】総評

 低価格イヤホンでは随一といっていいくらいの広い表現が魅力。一般的なイヤホンと比べるとおとなしめに感じるので、最初は味気なく感じるが、聞き慣れてくると、聞き疲れせず、ほどよい繊細さもあり、気に入れば他のイヤホンとは明らかに違う魅力に気づく。好みは分けそうであるが、低価格とは思えない空間表現力を持っているのは事実で、それだけ考えればコスパは悪くない。が、広さに偏りすぎているところもあり、万人向けという感じではない。

 

 

 

【5】このイヤホン向きの曲

 全体的に圧迫感がなく、この曲の切迫感はあまり感じないかも知れないが、音の定位感は秀逸でじわじわとくるものがある。

 

 サビ後の空間的な中毒性はなかなかにうまく出る。低音の表現も空間性重視のこのイヤホンに合う。(NIRGILIS「kiseki」)

 

 低域が広さを表現し、各楽器の鳴り方も低価格とは思えない繊細さがあり、オーケストラサウンド向きといえる。(すぎやまこういち「遥かなる旅路~広野を行く~果てしなき世界」)

 

ソニー SONY イヤホン MDR-EX250 : カナル型 ブラック MDR-EX250 B

 

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【カナル型イヤホン SONY XBA-A3 レビュー】のびやかさとメリハリを両立させ、抜けもきれいで自然。3つのドライバーがまさに渾然一体となって最高レベルの表現を形作っている

SONY XBA-A3

SONY カナル型イヤホン ハイレゾ音源対応 リモコン・マイク付 バランス接続対応 ケーブル着脱式 XBA-A3

 

おすすめ度*1

 SONY XBA-A3

ASIN

B00NW35A98

 やや側面に出っ張るハウジングは好みを分ける装着感。少し重みを感じるかもしれない。ケーブルは着脱可能。遮音性はそれほど高くなく、音漏れも少し目立つ。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、キャリングケース。リケーブル可能。デフォルトのケーブルもタッチノイズは少ない。

SONY XBA-A3

 

【2】音質

 バランスドアーマチュア型とダイナミック型のハイブリッドだが、ドライバーの表現の切れ目を感じさせない統一感がある。低域から高域までシームレス。メリハリよくキレのあるサウンドで、スカッとした尖らない抜けも爽快。低域はタイトで若干奥ゆかしい。高域はシャープネスを感じさせながら、自然に伸びて抜ける独特の気品がある。

 

[高音]:自然な抜けとのびやかさのある音。ギラギラしない(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:ピアノの音が空気を振るわせる。ギター音は深みのある味わい。管楽器には艶やかさとほどよい厚みがあって、楽器の材質さえ感じさせる。

[低音]:100hz~30hzまでやや締まった音(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:中域が広く密度もあり、鮮やか。低域は穏やかに床を作る(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:キレがよく、メリハリのある音(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:自然な味わいがある。息の表現がすばらしく、やわらかく生命的できれいに穏やかに空気に溶け込むように抜ける。息づかいのあたたかみは良質。

 

【3】官能性

 Claris「ルミナス」は全体的に密度とメリハリ、勢いがある。ボーカルの透明だが冷たくならず尖らない生命感のある声色が魅力的だ。迫力と表現のメリハリの両方でバランスがとれていて、しかもレベルが高い。

 歌組雪月花「回レ!雪月花」は緻密さが中毒的。ボーカルに自然な厚みと伸びやかさがあり、リズムのメリハリもよく、展開性を感じる面白みのある味付け。クラブ系のきつめの音も刺さらずきれいに抜けていく。

 nano.RIPE「月花」はドラムはそれほど重くなく、軽快さを感じる。全体的に疾走感強めで、ボーカルも明るく元気、生命的で伸びやか。消失もきれいでサビ付近の急展開もうまくこなしてきれい。レベルの高い明るめの味付け。

 分島花音「world's end, girl's rondo」は緻密だが、音がガチャガチャせずなめらか。メリハリ、キレもよく、展開性が明確で中毒的。ボーカルは明るさを失わず、元気で力強く、なによりのびやか。弦楽音も情感と空間に彩りを添え、疾走感も感じられる。

 

【4】総評

 全体的にレベルが高く、明瞭感と生命感の両立した味わいで、これはバランスドアーマチュアとダイナミックのいいとこどりの理想型に近い。何よりシームレスで一体化された表現は、ドライバーどうしの音のつなぎ目、切れ目を感じさせず、空間的にも音階的にも不自然なところはなく、むしろ並のイヤホン以上に自然。キレとのびやかさも両立させており、非常に欲張りで意欲的な製品コンセプトを感じる。

 強豪揃いの同価格帯でも実力派で、価格帯最強クラスの表現力を持っていることは間違いない。

SONY XBA-A3

 

SONY カナル型イヤホン ハイレゾ音源対応 リモコン・マイク付 バランス接続対応 ケーブル着脱式 XBA-A3

 

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【ハイレゾ対応ヘッドホン SONY MDR-10R レビュー】大味なサウンドを奏でるハイレゾ対応MDR-10シリーズのベーシックモデル

SONY 密閉型ヘッドホン ハイレゾ音源対応 リモコン・マイク付 ブラック MDR-10R/B

 

おすすめ度*1

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 SONYのハイレゾ対応ヘッドセットMDR-10シリーズの基本モデル。比較的軽量なフレームと厚めのイヤーパッドで付け心地は良いが、長時間聴いていると少し蒸れやすい。没入感はそこそこある。音漏れは少なめで、首掛けすると音はほとんど聞こえなかった。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はキャリイングケース、替え用ケーブル。ケーブルのタッチノイズはない。

 

【2】音質

 ビートレスポンスコントロールという技術を搭載し、低音のリズムを正確に表現すると言うが、その通りに存在感のある低域と広めのやや丸っこい中域、密度感のあるボーカル表現に大味なサウンドを感じやすい。

 

[高音]:のびやかさがあり、ほどよく肉厚。密度の感じられる生命的な音(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:奥行きを感じさせる表現でややおとなしめに感じるかも知れない。楽器音は全体的に滑らかで尖った感じがない。
[低音]:100hz~20hzまできれいな振動で減衰する。重みの感じられる音(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:低域の重みと奥行き感を感じる球状の空間を感じる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:パーカッションの立ち上がりは良好でアタック感が良く出る(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:厚みと伸びやかさの同居した比較的自然な味付け。力強いが暗くは出ない。


【3】官能性

 Claris「CLICK」は素直に大味。目立つ低域と躍動的で力強いパーカッションが曲を色づけし、弾け音の出方は厚みが感じられ、力強い方向性。ややおとなしめなメロディーラインに比べてエネルギッシュでパワフルなパーカッション表現を感じやすい。ボーカルも力強い。

 池田綾子「白いギフト」はギターのつま弾き音に色鮮やかさを感じた。パーカッションには上品さと深みのある繊細さがある。驚くべきはボーカル表現。伸びと抜けが良く、声楽系ボーカルの丁寧にのびていく表現によく追随している。

 奥華子「プレゼント」はギラギラしたところのない艶やかなボーカル表現がやはりうまいと思わせる。ピアノ音もキンキンしない落ち着いた雰囲気でありながら厚みがあって弱々しくならず、しっかりした情緒を感じさせる。

 nano.RIPE「プラネタリウム」はまずパーカッションに重みが感じられる。ドラムの躍動的で地鳴りも感じられる音は素直に気持ちよい。ボーカルは少しおとなしめかもしれないが、荒れず聴きやすい。のびやかさも失われていない。方向性としては繊細と言うよりは大味で迫力を感じる。

 

【4】総評

 パワフルさの感じられる味付け。ビート音が躍動的なせいだろうか、曲調はかなり大味に感じられる。だからといって繊細な曲が不得手なわけではなく、緻密に表現するよりはうまく空気感にして表現する上品な方向性で上手に出す。人によって、とくに最近のバランスドアーマチュアイヤホンなどの鮮明精密な音になれていると、少し篭もるようにも感じられるかも知れないが、価格を考えると実力派。手が出しやすいハイレゾヘッドセットとして十分選択肢に入る。

 

SONY 密閉型ヘッドホン ハイレゾ音源対応 リモコン・マイク付 ブラック MDR-10R/B

 

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【カナル型イヤホン SONY MDR-EX150 レビュー】コスパ良好。低価格イヤホンではかなりの作り込み。自然な味わいのフラットに近いサウンド

ソニー SONY イヤホン MDR-EX150 : カナル型 ホワイト MDR-EX150 W

 

おすすめ度*1

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 2000円以下で購入できる廉価なモデル。だがSONYの底力を感じる音質でとても最底辺価格のものとは思えない。エントリーモデルとしてはかなりのコスパが感じられるモデルだ。遮音性が高く、没入感があって音漏れも多くない。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え。タッチノイズはハウジングに近い枝側でやや目立つがプラグに近い根元側はそれほどでもない。

 

【2】音質

 フラットで自然な味付け。ただ音像に乱れが少なく、解像度は高くないものの聴きやすい音が魅力。臭みがなく素直でわかりやすい表現で、どんな音楽もそれなりにすっきりと味わえる。

 

[高音]:自然なのびやかさがある。そこそこの透明感と突き抜け感があり、目立ちすぎないが垢抜けた表現力を感じる(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)
[中音]:ピアノは穏やかだが鮮やかさも感じられ、優雅。ストリングスも鮮やかさがあり、奥行き感も表現する。
[低音]:100hz~60hzまで自然でほどよくブーミーな上品な振動。50hzから沈み込む(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:価格の割に緻密で丁寧な定位感があり、空間性はそれなりに感じられる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:弾けは良好、重さもありエネルギッシュ。立ち上がりも良くアタック感もそこそこあるが、どちらかといえば安定的に響く(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:力強さと自然なのびやかさがある。


【3】官能性

 南壽あさ子「フランネル」はピアノの音が上品で優雅に聞こえる。ボーカルにはキンキンしたところはなく、自然なあたたかみがある。低域は安定感を加え、ストリングスが情感とゆったりとした空間性を与えるやさしく丁寧な表現になっている。

 藍井エイル「INNOCENCE」はパーカッションの立ち上がりが良く、弾けとアタック感がある。ボーカルは高く鋭い突き抜け感はそれほど感じられないものの、力強くのびる。立ち上がりと抜けがきれいで、消失感と鳴り出しのギャップが面白く、メリハリに満ちた楽しい表現は明るく元気だ。

 坂本真綾「Remedy」はストリングスが鮮やかで情感に満ちている。パーカッションには弾けと力強さがあって、ほどよくアクセントを加えて曲を単調にしない。ボーカルは力強さ重視の味付けで自然な伸びやかさがある。

 joy「アイオライト」はパーカッションが力強く躍動的で弾力性もあって刺激を与えてくれる音。シャリ感は若干出るものの、緻密さもあって楽しい表現。ややガチャガチャしたところもあるが、低価格モデルとしては情報量が多いように思う。

 

【4】総評

 コスパの高さは群を抜いている。エントリークラス最安レベルのイヤホンでここまでの音が聞けるというのは素晴らしく、買って失敗したと感じることはまずない。非常にバランス良く仕上がっていて、聞きづらさ、不快感を感じる場面が少なく、安定している。とりあえずイヤホンを探しているが、音質について希望があるわけでもなく、安くていいものを探しているといった場合、このイヤホンならば不満を感じることはまずないのではないだろうか。多くの人はこの価格でここまで聴かせてくれるとは思わなかったと感じると思う。

 

SONY カナル型イヤホン ホワイト MDR-EX150/W

 

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【カナル型イヤホン SONY MDR-XB50 レビュー】圧倒的低音。その質量の中で聞こえるきれいな中高域

ソニー SONY イヤホン MDR-XB50 : カナル型 ブラック MDR-XB50 B

 

おすすめ度*1

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 SONYの低音重視シリーズ「EXTRA BASS」の低価格モデル。この価格帯では圧倒的ともいえるほどの低音の量感が特徴。遮音性は良好で没入感が高いが、音漏れは多め。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 イヤーピースの替えとキャリングポーチが付属する。平形ケーブルのタッチノイズは少なめ。

 

【2】音質

 低音の量感、音圧が圧倒的。その奔流の中に案外きれいでほどよい精彩のある中高域が聞こえてくる。低域支配が強いが、中高域が必ずしも潰されている感じはなく、存在感はある。

 

[高音]:肉厚さと透明感のバランスのある音で自然な方向の味付け。突き抜け感もそこそこある(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:ピアノに鮮やかさがある。

[低音]:迫力は圧倒的でブーミー。100hz~50hzまでしっかりした厚みのある振動を鳴らす。40hzからは沈むというより重たい感じで量感が失われない。かなり深掘り感も出る(分島花音「killy killy JOKER」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:低域が近く広く支配する。

[パーカッション・リズム]:圧倒的量感のドラム優位。弾ける音は重く、粘っこく感じる(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:低域の上に気持ちよく乗って一体感がある。低域の展開に素直に誘導されていく感じがある。

 

【3】官能性

 joy「アイオライト」はドラムが地熱を帯びたマグマのようにエネルギッシュ。重たくブーミーだが熱量を音場全体に与えていて迫力がある。一方でそのブーミーさに潰れない緻密さが中高域にも感じられ、それなりに面白みを感じる表現で圧倒される表現力がある。

 Claris「ルミナス」は低域がしっかりと作り上げた足場の上にストリングスが広さと奥行きを表現する。高域ボーカルの突き抜け感も失われておらず、暗くならずに明るく飛翔していく感じが出ていて、クライマックスでは低域の圧倒的量感から解放されて高みを目指そうとする美しさを感じる。

 nano.RIPE「ツマビクヒトリ」ではドラムが生命的で力強く、音の抜けと立ち上がりがよくメリハリ感が明確で気持ちよくかっこいい表現になっている。ボーカルも力強く透明感があり、ブーミーで広く移動するドラムに負けずに対比感が出ていて楽しい。ギター音は弱めに思うが、ベースが強い個性を発揮する。全体として肉厚で迫力があり、量感のある演出が圧倒的。

 奥華子「変わらないもの」はピアノに精彩感があり、低域はしっかりと安定を音場に与える。その穏やかで地に足が付いた音楽空間をボーカルだけが高く伸びやかに突き抜けていく。ところどころ量感のある重い低音が心を揺さぶり、情感たっぷりで感動的な味付けになっている。

 

【4】総評

 低音の量感は圧倒的で低価格モデルは随一とも言える。一方で中高域にもなかなかの精彩があり、決して低音に流される展開だけではない。低域が支配的であるが、だから低域だけがよいというのではなく、中高域の表現力あっての低域の活躍といえる。そのため高域ボーカルの曲も低域に引っ張られて暗くなったり太くなったりすることが少なく、女性ボーカルも明るさを維持して聞こえてくる。

 これはなかなかにおすすめできる製品に思う。

 

SONY カナル型イヤホン ブラック MDR-XB50-B

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【カナル型イヤホン SONY XBA-C10 レビュー】のびやかで透明感に満ちた中高域がきれいで美しいコスパ良好モデル

ソニー SONY イヤホン XBA-C10 : カナル型 バランスド・アーマチュア型 ブラック XBA-C10 B

 

おすすめ度*1

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 バランスドアーマチュア型のカナル型イヤホン。廉価なモデルだが尖りや刺さりの少ない綺麗な音を鳴らすバランスドアーマチュアドライバを搭載しており、コスパの高さを感じる。遮音性はそこそこあり没入感はあるが、音漏れはやや目立つかも知れない。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 イヤーピースの替えが付属する。ケーブルのタッチノイズは普通。

 

【2】音質

 高域の精彩がとくにきれいでこの価格帯では優秀。のびやかで透明で突き抜け感もある全体として音に鮮やかさがあり、緻密さも感じられる。低域も比較的おとなしめではあるが、メリハリがある。全体として明るく煌びやか。

 

[高音]:のびやかで透明、クリアで明瞭、突き抜け感もあり高さも出やすい。そのうえ尖りすぎずほどよく聴きやすい。この価格帯では別格に近い音(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:ピアノ音は鮮やかで、ストリングスはのびやかでやわらかみもある。広さの表現に貢献している。バランスドアーマチュア型だと刺さった感じで出やすいイメージがあったが、ほどよい丸みがあって優しい。

[低音]:100hz~40hzまでしまりがあるきれいな振動で素直に減衰する。30hzから沈む。ややおとなしめ(分島花音「killy killy JOKER」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:緻密で定位感はなかなかにあり、奥行き感が感じられる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:控えめではあるが、力強さとそこそこメリハリの感じられる存在感のある音。立ち上がりはそれほどでもなく、疾走感もまあまあ出ている(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:のびやかで透明感があり、明瞭でクリア。

 

【3】官能性

 坂本真綾「プラチナ」ではボーカルが伸びやかでクリア、透明感があるのがきれい。ストリングスもよくのびるが尖った感じはなく自然で柔らかい。ややシャリっとする場面はあるが、全体として透き通る一貫性のある、煌めきとぬくもりの感じられる表現になっている。

 奥華子「さよならの記憶」はピアノ音に精彩さがある。ボーカルにも伸びやかさと透明感、突き抜け感があり、かすれる場面はない。最後の最後までのびやかで丁寧に消えていく音は端っこまでチョコが詰まったトッポのように味わい深い。

 鈴木このみ「DAYS of DASH」は全体的に精彩感がある。パーカッションは若干おとなしめに思うが、変わりにキーボードとギターの煌めきと鮮やかさがきれいで、そのメロディーに乗ってボーカルがどんどんのびて力強く突き抜けて主導していく。元気で明るく素直に楽しい。

 東京カランコロン「スパイス」はパーカッションが軽やか。キラキラ感が強く緻密で鮮やかな音は中毒性も高い。やや尖る場面もあるが、元気で明るい曲調は素直に楽しい。

 

【4】総評

 高域の表現力はこの価格帯ではかなり上質。中域以下も鮮やかがあり、ほどよくメリハリ感もある。高域寄りの女性ボーカルの曲は緻密さとキラキラ感、のびやかさを同居させた、かなり精彩のある音楽になって素直に嘆賞してしまう。バランス感覚にも優れており、バランスドアーマチュア独特のギラギラ感がほとんどなく自然に近づけている表現力はうまい。

 この価格帯の高域モデルではベストバイに近い完成度に思う。

 

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SONY カナル型イヤホン ブラック XBA-C10/B

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【カナル型イヤホン SONY XBA-300 レビュー】緻密でしかも精彩さのある中高域は神がかっているレベル

ソニー SONY イヤホン ハイレゾ対応 カナル型 トリプル・バランスド・アーマチュア型 ケーブル着脱式/バランス接続対応 XBA-300

 

おすすめ度*1

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  バランスドアーマチュアドライバーを3つ備えた高精細な音が特徴のカナル型イヤホン。ケーブルはリケーブル可能。遮音性はそこそこ高く十分音楽に没入でき、音漏れも少なめ。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はキャリイングケースとイヤーピースの替えが付属する。ケーブルのタッチノイズはそれほど目立たない。

 

【2】音質

 とにかく緻密で解像度の高い中高域は煌めき感と透明感、抜け、すべてにおいてレベルが高い。 素直に音楽の美しさ、精彩を極める方向性で味付けされており、高域の表現力は硬質な方向ではあるが素直に楽しく、感動的だ。

 

[高音]:透明感とのびやかさ、突き抜け感すべてにおいてレベルが高い。ややシャリっとしたところがあり、尖った方向で、硬質気味の風味ではある(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)
[中音]:中域は緻密だが音色は硬質。少し鉱物的というか金属的なキラキラ感があるが、鮮やかさも十分。
[低音]:100hz~30hzまできれいに減衰する。30hz以下は沈んで聞こえづらくなる(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、Round Table featuring Nino「Rainbow」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:低域が床面を作るうえに非常に高くまで緻密な音が階梯を築く三角形の色合い。開放感も感じられる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:シャリ感はあり、軽めではあるがアタック感に満ちていて、弾け具合もきれいに抜ける(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:明瞭さが強く歌詞はしっかり聴き取れる。

 

【3】官能性

 東京カランコロン「スパイス」はこのイヤホンを通すと非常に緻密。シャリ感はあるもののパーカッションの疾走感も爽快でどんどん前方展開していく。奥行きの表現も素晴らしく緻密さと相まってきれいではっきりとした定位感を得られる。非常に理知的で鮮やか。

 スキマスイッチ「アカツキの詩」はストリングスが丁寧に奥行きを表現し、情感も高める。パーカッションは疾走感とほどよい軽妙さを曲に加えて暗くしすぎない。ボーカルの、のびやかで自然に消える消失感もきれいで気持ちよい。

 秦基博「水彩の月」も味わい深い。ストリングスがのびやかで奥行きと広さ、そして情緒感を演出する。そして変にテンションのかかる感じがなく、自然な滑らかさがある。パーカッションは立ち上がりもよく、リズム感も良好。それでありながら、全体として繊細さとやさしい温度感も失われておらず、透明で突き抜ける高域が冷たくならない。叙情的で美しい。

 Claris「Nexus」も緻密。低域のブーミーな音さえ粒を感じる緻密さで軽妙。そして締まりもよい。ボーカルの突き抜け感もよく出て高く飛翔するサビも美しく、抜けは自然な消失で不快さとは無縁。これほど緻密で尖りもある感じなのに刺さりは強くなく、聴きやすい音を維持している。

 

【4】総評

 理知的で緻密で、とにかくうまいの一言。どんな音楽でも唸らされる場面が多い。音は硬質だが、ぎらつく感じはなく自然な鉱物的な尖りで不快さはない。細かな音の一つ一つを聞き分けられそうな情報量の多さが満足感と快感につながっていて、とくに中高域は絶妙と言える。比較的低域がタイト方向の味付けでおとなしめといえるかもしれないが、ほぼ万能。それもよい意味での万能選手でレベルの高さを見せつけられる感じだ。

 この価格帯ではベストバイに近いように思われる。

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SONY カナル型イヤホン ハイレゾ音源対応 ケーブル着脱式 XBA-300

 

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