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【完全ワイヤレスイヤホン SONY WF-1000XM3 レビュー】ノイキャン性能は個人的にはかなり微妙。しかし音質とヒアスルーは優秀。文句なくおすすめ

SONY WF-1000XM3

SONY WF-1000XM3

ソニー SONY ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン WF-1000XM3 : 完全ワイヤレス/Bluetooth/ハイレゾ相当 最大6時間連続再生 2019年モデル ブラック WF-1000XM3 B

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「少し耳から出るけど装着感は悪くない」

おすすめ度*1

SONY WF-1000XM3

ASIN

B07TKGGZ47

 ちょっと大きめではあるが、装着感にそれほど不自然さはない。重心が若干外側に向いているので、スポーツなどに使用する場合はイヤピをよく選ぶと良い。遮音性はそこそこ。アクティブノイズキャンセリングとヒアスルー機能搭載。この2機能については次節で詳しく解説する。

 

 対応コーデックはSBC/AACのみ。「音質優先モード」でも接続安定性は高く、外出時移動中ほとんど途切れを感じない。唯一、駅のホームでだけ頻繁な途切れがあったが、目立つのはそれくらい。復帰も早め。

 

【2】外観・インターフェース・付属品「ノイキャンは個人的に微妙というか移動中使用は確実に危ない。ヒアスルーはかなり優秀」

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル(Type-C)、専用充電ケース、説明書。

 

 連続再生時間がノイキャンOFFで最大8時間。ノイキャンONで最大6時間。ケースで3回充電できるので、ケース込みで最大32時間くらい。防水性能はない。

 

 なおこの機種は接続した機種を切断しなくても、次の機種に接続すると通信が切り替わる、マルチポイントもどきみたいな機能が付いている。接続切り替えは非常に早くよいが、マルチポイントではないので、DAP聴きながら携帯電話側の通話待ち受けをするというところまではできない。

 

SONY自慢のノイキャン性能は微妙

 これは私の環境がもしかすると相性がよくない可能性もある*2が、実は店頭試聴段階でノイキャンの利きははあまりよくない印象だったんだけど、ネット上では妙に評判が良いので、ロケテストを詳細に行った。

 個人的にはやっぱり微妙。一応テスト環境を説明するけど、ONKYO GRANBEATに本機を繋いで、音量50%で音楽を掛けながらノイキャンONにして路上テストを行うというもの。

 で、まずわかりやすいように、私の環境でノイズ低減できたものと低減があまり期待できないものを列挙する。

ノイキャンが期待できるもの
  1. 自動車の低速移動時の音
  2. 自転車の音
  3. 革靴系の足音
  4. 対向電車の通過音。ヒュー
  5. 最近の静かなエアコンや扇風機の動作音。サーッ
ノイキャンがあまり期待できないもの
  1. 電車の線路を走る音。キュルキュル
  2. 電車のモーター駆動音。キューンみたいな発進音
  3. 電車の揺れる音。ガタンゴトン
  4. 電車内のナレーション
  5. 自動車の高速走行音。シャーッという路面を擦る音
  6. 自動車の積み荷の音。ゴトゴト
  7. ヒール音。カツカツ
  8. 石段などの硬い階段を歩く音。タンタン
  9. 人の話し声
  10. サーキュレーターの音。ブオーッ

 で、私のロケテストだと、遠くの自動車が大通りを走る音や電車が高架を通る音、店のアナウンス、近くの人の気配なんかは充分に聞こえるんだけど、路地などで後ろから近寄ってくる低速の自動車や自転車の音は全く聞こえなかった。つまり遠くの音は比較的明瞭だけど、自分の近くにぽっかり音がないスペースができるので、これが非常に危険に感じた。遠くの音が聞こえて近くの音が聞こえないと、近くに何もないと錯覚しやすいので、とくに後ろから来る自転車には無警戒になりやすい。

 一方で、ノイキャンが効いて欲しい電車内ではあまり低減効果が得られないので、これは何のためにあるのか疑問。おそらくこのノイキャンの感じだと、騒音が比較的少ない家の中用にちょうどいい感じな印象。少なくとも通勤通学中に使う感じじゃなく、むしろ通勤通学に使ったら危険。

※ただし人間には聞きやすい音・聞きにくい音の個人差があるらしいんで、あくまで私の環境で私が試したらこうでしたという参考としてお考え下さい。

 

アンビエントという名のヒアスルーは1,2を争うほど優秀

 わずかにホワイトノイズ感があるけど、ヒアスルーはかなり優秀。私のレビューを長く読んでいる方はご存知だと思うけど、ヒアスルーの使い方は基本的に音楽聴きながら動画を鑑賞するために使ってるんで、その使い方での評価になる。

 で、その範囲だとかなり自然に動画と音楽を同時に楽しめ、取り込み音に引きつる感じとかがなく、非常に共存性が高い。これまで私が個人的にヒアスルーは最高評価としてきたJabra Elite Active 65tに匹敵するか人によってはこちらが勝るという評価になると思う。ただし明確な差はあって、それは自分の声の聞き取りやすさ。Jabraはマイクが多いので、自分の声もクリアに拾ってヒアスルーするので、その点の印象が大きな差になる。

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SONY WF-1000XM3SONY WF-1000XM3

 

【3】音質「音質優先モードと接続優先モードで音質は若干変わる」

 じつはこの機種、試したところ、音質優先モードでつなぐ場合と接続優先モードでつなぐ場合で若干音質が異なるよう。具体的には接続優先モードでは中低域が少しカットされ、高域と床面のビシバシが目立つ印象になる。そのため、接続優先モードだとよりワイドレンジ感があり、エレクトロダンスミュージックなんかは意外とこちらのほうが聴き応えを感じる可能性もある。ただし接続優先モードでイコライジングすると高域はとくに濁りやすい。ちなみに音質優先モード中にイコライザーで中低域を少しカットし、高域を強調すると接続優先モードに近くなる。

 音味的には全体的な印象はニュートラル。接続優先モードだともうちょっと高域のクールな感じが目立つバランスで若干印象変わる。音質優先モードでは音場に適度な清潔感がありつつ、中高域のギター音なんかの刻みを丁寧に聴かせ、タムも少し明るめに弾け、ボーカルもちょっと明るめに聞こえてくるような、少しハイファイ感のあるサウンドを味わえる。低域の量感もほどよく、床面のビシバシ感を感じさせてくれつつ、中低域で少し厚みを出してなめらかに聴かせる。

 

付属アプリのイコライザーでさらに音質を変化させて楽しめます

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[高音]:天井感はなく、高域拡張性はかなり高い印象。実際接続優先モードだと高域がよく感じられるが、非常に抜けが良い印象を受けるはず。とくにハイハットの音の広がりがよく、空気感がシャーンと上に広がる感覚を味わえる。これは個人的にいいなって思ってるところ。高域の音色はどちらかというとクール(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域はクリーンで少しすっきりしてきて、中高域のギターや女声ボーカルが若干浮き上がって目立つ感じになる。ボーカルの距離感については接続優先モードと音質優先モードでは中低域の聞こえ方の差のせいか印象が異なり、接続優先モードのほうが少しボーカルが前に出てくる印象がある。中域では音は滑らか。

[低音]:思ったより重低音は浅くて、100hz~40hzくらいまでが聞き取れる。やや細身のビーッとした振動。30hz以下はほぼ無音。低音はニュートラルでクリアな感じで、中低域でドラムの厚みと重み、ベースも輪郭がよい感じ。温かみはそれほど感じられないが、充分にスピード感がある(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:中域に清潔感があるので、音場の奥行き感と広さはかなり明瞭に感じられる。おそらくこの音場感が好きって人は出てきそう。高域もすーっと伸びているので開放的で広い(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:タムやスネアはスパイシーにパシッと明るく弾ける。バスドラキックは若干浅い印象を受けるけど、輪郭ははっきり。ドラム音の輪郭にバチバチした粘りも感じられ、やや重心は軽い感じではあるが、充分に精彩のある音を奏で、濃さも適度にあるので存在感あり。ハイハットは明るく、やや白味が強調されているが、粒感はしっかりでもやもやした感じは強くなく、しっかりとシャンシャン空気感が感じられる(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカル周りはかなりすっきりしている。私の環境では、音質優先モードでは中低域がわずかに手前に出てきて目立つので、ボーカルはそれより引っ込む印象があるが、接続優先モードではこの中低域の出張る感じはなくなり、素直にボーカルが前面に出る。ボーカルは少し明るめで男声ボーカルは中性的に聞こえる感じはあるが、それほど不自然ではない。輪郭はしっかりしており、息感も細かく感じられるが、サ行の刺さる感じはあまりない。

 

【4】官能性「中域がクリアで音場の広さが存分に味わえつつ、高域はよく伸び、低域も重心はやや上だが量感しっかり。組み立てはよい」

Pharrell Williams「Happy」

 この曲はシンバルとドラムの鼓面、ハンドクラップの音がかなり明るめにパチパチ弾ける感じで聞こえる。ボーカルも周りがすっきりした感じで浮き上がって聞こえてくるので、メロディーラインとリズムはかなり明瞭でスピード感も遅れなく、非常に快活。この曲では、バランス的には中高域にディテールが集中するから、少しそこだけ浮き上がる感じがあり、人によっては低域スカスカって感じる人もいるかも知れない。

 


Happy (From "Despicable Me 2")

 

Rina Sawayama「Cherry」

  高域方向で精緻な感じがあり、低域のスピード感も充分なので、こういうダンスサウンドは聴き応えがある。音場も広く開放的で、シンセやリズム音が音場から弾け出すように明るく抜けていく。ボーカルは明るく、少し輪郭が強調されて空間の中でくっきり分離されながら上に伸びていく。昔からSONYってこういう感じの曲に強い印象だけど、このイヤホンもご多分に漏れない。

 


Cherry

 

大隅寿男「キャラバン」

 JAZZはちょっと明る過ぎるし清潔すぎるかなって思ったんだけど、普通に良い。この曲のシンバルがかなりクリアで手がかりが多くて楽しいってのもあるけど、何より金管の粒立ちが凄く良くて、透明感のある感じでよく上に伸び、下では渋みもちゃんと出ている。ピアノはやや明るめだけど、ツヤツヤ感はきれい。低域がややクリアすぎる感じはあり、重心も高い印象を受けるので、ドラムがわずかに軽っぽいかもしれない。あと濃厚感はない。

 なおほかのJAZZ曲を聴いた感じでは、コントラバスのえぐりは浅いのでそこも気になる人はいるかも知れない。

 


キャラバン

 

LiSA「一番の宝物 ~Yui final ver.~」

  たぶんこの曲は賛否両論ありそう。音場はクリアで広い。ベースの音色がどちらかというと中立的なので、温かみにはやや欠け、そこらへんにムード感を感じている人には少しすっきりしすぎに思えるかも知れない。またこの曲ではボーカルがかなりパワフルに伸びるが、それもかなり突き抜け感が強く感じられる。サ行も刺さらないが、少し息感は強調され、アコースティックギターは鮮やかできれいだが、ギターのカッティングやタムの鼓面にはややパリパリした感じがあって、若干薄皮っぽい印象もある。さわやかに見通しよく仕上がっているが、少し濃厚感には欠けるので、この名曲を普段どう楽しんでるかで若干評価が分かれそう。上では非常に伸びやかなので、弦楽の伸びる感じや金属的な光沢感がきれいに出るのが好きなら、気に入るはず。

 


一番の宝物~Yui final ver.~(DVD付)【完全生産限定盤】

 

 

 

【5】総評「非常に完成度が高く、3万円以内という価格は個人的には驚き」

 音質はワイドレンジ感と見通し感に優れ、とくに中高域・高域で解像度感が素直に味わえるので、最近のポップスやエレクトロダンスミュージックは相性良さそう。おそらく音場の開放感・解像度感ではBang&Olufsen E8 2.0に匹敵するかそれ以上と感じるはず。ロックはウォーム感がそれほどないあたりが好みを分けるかも。ヒアスルーもレベルが高く、接続安定性も高く、機能性で文句はない。タッチパネルの感度だけ妙に敏感だけど、誤操作して困る感じもなさそうなので、これは問題ないだろう。

 個人的にはアクティブノイズキャンセリングだけちょっと微妙で、これならせっかくの高解像度な音質を生かしてLDACに対応して欲しかったんだけど、今のままでも充分クリアなので大した不満ではない。文句なくおすすめ。

 

SONY WF-1000XM3

SONY WF-1000XM3

ソニー SONY ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン WF-1000XM3 : 完全ワイヤレス/Bluetooth/ハイレゾ相当 最大6時間連続再生 2019年モデル ブラック WF-1000XM3 B

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

*2:SONY NW-A55でもテストしたので、相性が良くないわけはないと思うけどね。

【コラム】SONY WF-1000XM3。いよいよ来る

SONY WF-1000XM3

SONY WF-1000XM3

ソニー SONY ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン WF-1000XM3 : 完全ワイヤレス/Bluetooth/ハイレゾ相当 最大6時間連続再生 2019年モデル プラチナシルバー WF-1000XM3 S

 

 

レビュー掲載しました

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巨人ついに動く!いよいよ出ます!SONY WF-1000XM3

 鳴り物入りで登場し、機能性が高く、音質も評価されながら、通信品質に問題を抱え、盛大に爆死した必ずしも成功できなかったSONY初の完全ワイヤレスイヤホンWF-1000X。その2代目は手直しに手直しが加えられ、この7月堂々の登場となります!

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各種レビューの反応は好意的

 海外メディアを始め、レビューは徐々に出回ってきてます。日本語だと今のところマイナビニュースだけかな?個人的にはLDAC対応を切実に希望してましたが、LDACは現状ですでに完全ワイヤレスに搭載可能なものの、今回はバッテリー持続時間の関係で見送られたとのこと。通勤通学であれば連続再生時間は3時間あればいいはずなので、多少短くなってもLDACは搭載して欲しかったですねぇ。

news.mynavi.jp

 

 海外メディアも含めてレビューをさらった感じ、音質は好意的に受け止められています。まあ元のWF-1000Xが今でも音質だけは最強クラスですからね。とくにクラシックの風味に関してはフランス人批評家が最強と太鼓判押してました。

 

急速充電、ヒアスルー、ノイキャン。何でもござれ

 ハイエンドとしては3万円以内と、かなり廉価な値段設定に抑えてきた割に、機能的には現状最強クラスになります。スペック的にはやや平凡で、オーテクの新作ATH-CKS5TWあたりに見劣りしますが、SONYらしい付加機能満載で、オーディオガジェットとしての魅力は数段上です。お値段も一回り上ですが。ぶっちゃけ音質はWF-1000XM3のほうがはるかにクセがないはずなので、圧勝しそうな雰囲気があります。だが、俺はオーテクを応援する!

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あちらこちらで予約開始してます

 発売日は7/13とオーテクに被せてきました。ソニーストアを始め予約注文受付開始してます。私も速攻で予約しました。ソニーストアで注文する場合はこちら

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【カナル型イヤホン SONY MDR-XB55 レビュー】SONYらしいライブ感のある潜る重低域音が魅力。

SONY MDR-XB55

SONY MDR-XB55

ソニー SONY イヤホン 重低音モデル MDR-XB55 : カナル型 ブラック MDR-XB55 B

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「遮音性は高い」

おすすめ度*1

SONY MDR-XB55

ASIN

B072K1YSJP

 装着感は悪くなく、遮音性良好。音漏れも少し。

 

【2】外観・インターフェース・付属品「タッチノイズ少しあり」

 付属品はイヤーピースの替え、携行ポーチ、説明書。ケーブルにはタッチノイズが少しある。

 

SONY MDR-XB55

【3】音質「厚く音場全体に潜るある低域が音楽に熱気を与える」

 重低音モデルらしく、とにかく分厚く潜るような深掘り感のある重低感が魅力。かなり重たげに黒い音を鳴らすので、音楽全体に熱気が感じられるのが魅力。低域が支配的ではあるが、中域や高域も太く存在感があり、低域に完全には埋もれない精彩がある。弦楽や管楽に根元のしっかりしたリアルな味わいがある。

 

[高音]:弦楽は芯を強調する。高域はかなり細い(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域は下にふっくらして聞こえる根元がしっかり感じられる音で力強く音が立ち上がる感覚がある。

[低音]:ドラムとベースが一体となって厚みと深みを味わわせてくるような潜りのよい低域。100hz~30hzまで下に重い振動。20hzでほとんど無音。(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:低域の厚みの上に濃い中域が乗る。高域はかなりスリムで細い(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは重量感があり、地熱を強調するバズンバズンサウンド。下に広い。シンバルは塩振り系でやや薄味(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:女声ボーカルはやや細く、楽器に呑まれて聞こえやすい。男声ボーカルは太めで肉厚に聞こえる。

 

【4】官能性「力強い根の張った音楽を楽しめる」

菅野よう子「Power of The Light」

 低域の重厚感と中域の根元をしっかり感じることができ、曲に濃厚感がある。その濃い中低域の中から、のびてくる音は高域に向かうほどスリムに細くなる。音場全体にパワフルな熱気があり、曲に説得力を与えている。

 


ブレンパワード ― オリジナル・サウンドトラック 1

 

ヨルシカ「カトレア」

 ドラムとベースの重みがズドンズドンとしっかり響く。重心はかなり低く、音場は少し暗め。ギターもしっかり黒く、図太く男らしいマッチョサウンドを奏でる。マッチョな楽器に囲まれた中で、ボーカルだけが少し白めに浮かび上がる。

 


夏草が邪魔をする

 

大橋彩香「遠い音楽~ハートビート~」

 重厚。この曲でしっかりロックしてる。ボーカルはやや低域の厚みに溺れる印象で聞こえるが、黒いギターのエッジやズドンズドン重いドラムのおかげで妙にライブ感があって熱気が感じられる。

 


TVアニメ「BanG Dream! 」キャラクターソング 第四弾 山吹沙綾「遠い音楽 ~ハートビート~」

 

安全地帯「太陽」

 ベースギターが黒く、重厚。ダークで濃厚な曲調で重々しい神話を感じさせる。ボーカルも太く力強い。全体的にメタリックブラックな色合いがあり、マッチョで男らしい。

 


安全地帯VIII~太陽

 

【5】総評「ライブ感のある重低音を廉価に味わうなら良い。」

 どんな曲も少し重たげにしてしまうところはあるが、圧倒的な重低音でライブ感のある厚い音楽を奏でてくる。とくにロックは聴き応えあり。JVCのXXシリーズと並んで国産メーカーの低音重視モデルでは重い音を奏でるシリーズになるが、一般的にSONYのEXTRA BASSシリーズのほうがよりボフッとした熱気のある重みがある。

 

SONY MDR-XB55

SONY MDR-XB55

ソニー SONY イヤホン 重低音モデル MDR-XB55 : カナル型 ブラック MDR-XB55 B

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【ワイヤレスイヤホン SONY WI-C400 レビュー】SONYの本気、20時間連続再生!安定感のあるサウンドでロック、JAZZ、R&Bを中心に比較的万能に聴ける。地味で人気がない機種だが、個人的には何気におすすめ

SONY WI-C400

SONY WI-C400

ソニー SONY ワイヤレスイヤホン WI-C400 : Bluetooth対応 最大20時間連続再生 カナル型 マイク付き 2017年モデル ブラック WI-C400 B

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感良し。通信品質も安定」

おすすめ度*1

SONY WI-C400

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 スタンダードなワイヤレスコードタイプのWI-C300に比べると、こちらは最近多いネックバンド型で肩付近に安定して装着できるモデル。ネックバンド型は余計なテンションがかかりづらくて、衣擦れも起こりづらいから、スポーツなんかの激しい運動に向くし、もちろん通勤通学用途でも活躍してくれるけど、単純なコードタイプよりはかさばるし、目立つっていうデメリットはある。

 まあ装着感に関してはさすがSONYって感じで、WI-C300の時にも感心したけど、ハウジングは丸く耳への収まりが良いのでフィッティングは良好。

 WI-C300にはコードが細くて使い方によっては切れやすいっていう欠点があったんだけど、ネックバンド型になったからコードにテンションかかりづらくなったし、耐久性を気にする人には手を出しやすくなったんじゃないかな。

 コーデックはSBC/AAC対応。通信は基本安定していて、私が使用している感じ、街中でも途切れほとんどない感じ。

 

【2】外観・インターフェース・付属品「タフなバッテリー性能が魅力。口コミの評価があまり芳しくないが?」

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、説明書。

 

 イヤホンの連続再生時間はスペック上20時間。SONYはさすが連続再生時間が大事ってことがわかってるので、こういうスペック周りは丁寧に作り込んでいる。

 

 インターフェースで若干うざったいところがあって、ネックバンド型なので操作インターフェースが首元にくるんだけど、服装によっては操作しづらいところがある。別にスマホやデジタルオーディオプレーヤー(DAP)で操作できれば問題ないんだけど、どうも一部のDAP(SONY製)と組み合わせると、音量調節を完全にイヤホン側に持って行かれてDAPで操作できなくなる。この点だけ若干煩わしい。 慣れるまではどのボタンがどれかもわかりづらいところがあって、直感的に操作できない。

 

 ぶっちゃけこの機種はあんまり人気が無くて、同じシリーズではWI-C300とWI-C600Nが人気が高く、同価格帯でもドンシャリでもっと個性の強いMDR-XB70BTとか、開放型のWI-SP500っていう尖った奴らに人気が行っていて、WI-C300とWI-C600Nほどの好評を博している様子がない。ていうかむしろ評価は低い。

 いろいろレビューを読むと音がキンキンシャリシャリだとか、上でも指摘したインターフェースの使い勝手の問題とかよく言及されていて、あとは故障報告が多い感じ。価格.comだと異様な低評価レビューで総合的なポイントが下がっている模様。

 まあ口コミの評価があまり良くないせいか、私もこの機種には全然興味なかったけど、20時間再生ってよく考えたらすごいよねーってことで、実際の使い勝手は悪くないんじゃない?っていうのがあった。

 そこで事前に店頭で音質を確認して、その点はあまり悪くないってことを確認した上で、買ってみたってわけです。ぶっちゃけ使用感は操作インターフェースの問題を除けば、案外悪くないというか良いんじゃない?ってのが私の評価。

 そもそもこの機種は発売当初は7000円くらいだったんだけど、最近はamazonで4000円切った価格で買えたりするんで、コスパが明らかによくなってんですけどね。私も底値来てるなーって印象で買ったんで。

 

SONY WI-C400SONY WI-C400

 

【3】音質「安定感がある下に厚めの音質」

 キンキンシャリシャリってレビューもあったんで、だいぶ荒ぶる感じの音質かね?って思ってたんで低音量で最初は聴いたんですけど、案に相違して、低域方向に少し厚めで高域案外おとなしい聴き心地で、むしろもっさりだなってのが第一印象。音量を上げていくと高域の発色が良くなっていって、しっかり聞こえるようになってくるけど、その高域はWI-C300に比べるとむしろ尖りが少ない感じで若干色が濃く感じられるかな?

 ていうか、尖らずになめらかに馴染むところのある音で、なんか地味だけど悪くない音かも知れない。太めで躍動感は抑え気味の壁のような低域が音場を外音から遮断するところがあり、Wi-C300よりは音場全体が少し重たい印象を受けるけど、高域のキラキラしすぎない感じとかロック・JAZZでも浮き上がる感じがないし、中域付近にも厚みがあって中低域に安定感を出しつつ、高域を少し太く聴かせるバランスで、意外といいかもしれない。WI-C300の音に比べて一段派手さが抜けていて、最近の曲にはおとなしいかなって印象も受けるけど、R&Bみたいなのを重くしすぎずに濃厚に聴かせるには良いバランスじゃない?って思う。

 

[高音]:発色は抑えめで暗めに聞こえやすい。一定以上の音量でないと発色が悪いところがあり、音量を上げるとだいぶ色味が増して明るくなるが、それでも少し太めの印象を受ける濃いめの音(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:ギターがやや膨らむ感じになる。色味はドライでロック向きに聞こえる。連携は低域方向と親和性が高く、音の向きは低域方向に安定している印象を受ける。

[低音]:低域は重さより膨張感重視に思える調整。100hz~30hzまで厚く重い振動。20hz以下は聞こえない(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:低域付近に重く厚い層を作る、どちらかといえば安定感のある重厚なサウンド(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは地熱感と膨張感が強めで、厚ぼったいので床面は明確に出さないが、重心は低く、太めの印象を受けるバズンバズンという音。シンバルは色味がドライで少し発色抑えめ(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:音量を絞ると少し発色は良くない感じに思うが、音量一定以上なら発色は結構良い。どうも低域の厚い感じのおかげでコントラスト感がよいらしく、あまり明るさを強調する感じはないのに、発色が良く思える。キンキンキラキラしたりしないので、みずみずしさのある自然な感じでまっすぐ伸びてくる。個人的にちょっと聴き応えを感じた。

 

【4】官能性「SONYっぽい音。思ったより万能に聴ける」

水瀬いのり「三月と群青」

 この曲は低域方向に重心のある安定感のある感じで聴かせてくれる。最初は音量小さめで聴いてみたらボーカルが暗めに感じられたが、音量を上げていくと明るく発色してくる。低域寄りの音場であるが、膨張感はあっても重量感は出し過ぎない低域なので、コントラスト感だけ改善される感じがあり、締まった感じのメリハリ感が出る。しかもそのコントラストも黒みを強く出す感じでもないから、こってり濃ゆくなる感じでもなく、この曲の開放的な中高域のさわやかさを維持していて、派手さはないが、意外と良いバランスに思う。

 


BLUE COMPASS

 

田中あいみ「かくしん的☆めたまるふぉ〜ぜっ!」

 この曲の電子音やボーカルがかなり鮮やかに浮き上がるくらいの、コントラスト感を出す黒みが音場にあり、全体的に楽しいバランス。音もほどよい解像度感で、ギザギザした感じがなく、心地よい厚みくらいで色味につやっとした感じが充分に出ている。キラキラを強調する感じじゃないので、音に撥ねる感じがなく、キュラキュラくらいの丸みのある、なめらかさ。つるっとした質感の明るさは自然な感じで楽しい。

 


「かくしん的☆めたまるふぉ〜ぜっ!」TVアニメ『干物妹!うまるちゃん』オープニングテーマ

 

rionos「ハシタイロ」

 適度に厚みがであるので、この曲の弦楽は厚みがあってリアルな音の重みを感じることができる。この曲だと少し発色劣る感じで暗くなるかなと思ったけど、これも案に相違して、コントラスト感が良いのか発色は悪くない。むしろ重みを強調せずに深淵を感じさせるSONYらしい低音表現が、曲全体に深みを出していて、音に説得力を感じさせる。低域方向の深さと地に足の付いた安定感を意識させる味付けで、この曲の濃厚味を結構味わわせてくれる。

 


TVアニメ『クジラの子らは砂上に歌う』ED主題歌「ハシタイロ」

 

Jess Glynne「Ain't Got Far To Go」

 R&Bは比較的相性が良さそうな感じ。低域の黒みの具合もきつすぎない、締めすぎない感じの黒で一定の温かみがあるし、この曲ならドラムの沈み込みがしっかり感じられるくらいには重みもある。ボーカルと弦楽は少し厚みが強調されて、濃厚な味。そのためこの曲だと中域の密度感が少し高めになって、R&Bに浸れるだけの「嵩」がちゃんと出ている。

 


Ain't Got Far to Go

 

Lia「一番の宝物」、Girls Dead Monster「一番の宝物 ~Yui final ver.~」

 おすすめ。LiaバージョンとYui final ver.ではピアノ主体かアコギ主体かの違いはあるけど、中域にたっぷりとした余韻を出すだけの厚みが出るので、どちらの曲でもしっとりした情緒感を味わえる。Yui finel verの低域弦楽の深掘り感も厚く豊かで、濃いめの音。Liaバージョンでは黒すぎない温度感のあるベースがその代わりを務める。安定感のある組み立てられた音場に、情緒感をしっかりのせた厚みのある音が聞こえるバランスは、こうした落ち着いたバラードにも充分だ。

 たとえば加藤登紀子「時には昔の話を」みたいなシャンソンなんかもいける感じ。

 


一番の宝物~Yui final ver.~(DVD付)【完全生産限定盤】

 

Matt Bianco「Ordinary Day」

 JAZZもいける。中域にたっぷりと充実感があるので、ボーカルは少し下に濃さのあるバターのような味わいで、管楽器も浮つかない落ち着いた太い音。まあなんといってもピアノとギターの表現具合が楽しく、時々はっとするような明るい光沢をわずかに見せつつ、しっかりと厚いベースラインまで音が沈んで中低域の濃厚な空気感を乱さない。

 


Matt's Mood

 

【5】総評「あれ?これ意外とコスパ良くない?」

 あんまり評判良くない機種なんで、若干食わず嫌いしてた感があるけど、値段も落ち着いて4000円台で買えるようになった今この機種を評価してみると、案外にコスパよいんじゃないかと思えてくる。もちろん操作インターフェースはなんだか使いづらい感じもあるし、Wi-C300ほどの軽快な使い心地ではないんだけど、厚みのある低域で外音を遮断してくれるから結構音楽に没入できるし、厚い低域のせいで中高域の発色が悪いなんてこともない。

 それで20時間もバッテリー持つって言うんだから、結構悪くないんじゃないかというか、むしろ個人的にはかなり強気でおすすめできるんじゃないかと思うくらいの機種。

SONY WI-C400

SONY WI-C400

ソニー SONY ワイヤレスイヤホン WI-C400 : Bluetooth対応 最大20時間連続再生 カナル型 マイク付き 2017年モデル ブラック WI-C400 B

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【ハイレゾ対応デジタルオーディオプレーヤー SONY NW-A55/LLS 『ラブライブ!サンシャイン!!』Edition レビュー】なんだかんだ言って使い勝手と音質のバランスが良く、最高にコスパが良いのはNW-A50シリーズだ。だから2台目も買っちゃったぞ

ウォークマンAシリーズ『ラブライブ!サンシャイン!!』Edition NW-A55/LLS

ウォークマンAシリーズ『ラブライブ!サンシャイン!!』Edition NW-A55/LLS

ウォークマンAシリーズ『ラブライブ!サンシャイン!!』Edition
NW-A55/LLS

 

 

 私は普段、店頭試聴はマイイヤホンと聞き比べる感じでやっています。ただDAPの音味の違いが出てしまうところだけが最近気になってきてて、同じDAPが2台あると試聴はかどるだろなーって思ってたんですよね。手持ちの完全ワイヤレス聞き比べだって、いちいち接続し直さずに2台同時にできれば楽。

 そしたらちょうどいいくらいにNW-A55がラブライブとのコラボモデル出すって言うんで、「NW-A55ならまあ試聴標準機としていいだろうし、2台持つのに申し分ないなーコスパ的にも」ってなってこれを注文しました。

 ちなみに以前注文したのはディズニーファンタジアコラボモデル。こちらは下にレビューしました。

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【1】UNBOXING(開封)「化粧箱はファンタジアモデルよりシンプルな紙製。インターフェースが独自」

 もうお約束みたいに繰り返しますけど、画質は悪いです。なので、正直あまり撮影はしたくないんですが、コラボモデルとか一部の高級機種は外観とか非常に大事なんで、参考として写真が重要ってところがあります。なので参考用に写真を上げます。縦長になったり横広になったりしますが、ご容赦下さい。

 

 ポストカード付いてます。以前レビューした「ディズニーファンタジアコラボモデル」に比べて箱の材質は加工が少なく、シンプルな印象です。

 

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 箱が二重構造になっているのはファンタジアコラボモデルと共通で、一番外側の蓋だけ外すと、窓からコラボモデルの背面デザインが覗くようになっています。贈答用にはいいですよね。

 ただ日常使用ではいちいち箱にしまって飾ったりしないので、こういう梱包に意味があるのかはかなり謎。

 

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 ファンタジアコラボにはイヤホン「IER-NW500N」が付属していましたが、こちらは付属しません。まあ2本もいらないので問題ないですね。

 

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 以前「SONYはガワだけコラボでつまらん」的な発言をしちゃったことがありましたけど、この『ラブライブ!サンシャイン!!』Edition はソフトウェアインターフェースが独自になっていて、ファン心理に訴えかけてきます。上の写真右側が標準インターフェース、左側がラブライブモデル専用インターフェースです。

 ただ特典楽曲とかないので、SONYはそういうところケチいって思いますけどね。
 あと独自OSデザインのせいか、NW-A50シリーズの標準モデルにあるチュートリアルがありませんでした。

 

 なおここから下は基本的に以前のNW-A55のコラボモデルのレビューのコピペになります。

 

【2】外観/操作性「今発売されているあらゆるDAPの中で、個人的に最も洗練されていると思うインターフェース」

 NW-A50シリーズの最も素晴らしい点は、わかりやすいインターフェース構造です。物理ボタンは右側に集中して配置されているのは上位機種のNW-ZX300と共通なのですが、操作のしやすさには雲泥の差があります。

 NW-ZX300の物理ボタンは大きさの違いなどはありますが、どれも丸い形状をしていて、指先だけでは直感的にわかりづらく、誤操作しやすいです。それに比べて、NW-A50シリーズは操作ボタンのうち、音量調節ボタンのデザインがバー形状に変更されており、これだけでも断然操作のしやすさが変わります。

 外観インターフェースのデザインが考えられているだけでなく、デジタルな内部インターフェースのデザインも、ブックマークリストなどの一部例外を除いてどこに何があるかがわかりやすく、初心者でも気軽に使えます。中華製DAPなどと比べて直感的に操作しやすく、迷うことがありません。中華製DAPは音質はよいものがありますが、基本的に操作が特殊なものが多く、思い通りに曲を流すのに苦労するでしょう。SONY製DAPが備えるブックマークリストは概念的には素晴らしい機能で、気軽に自分の好きな音楽を好きな順番で聴くのに最適です。使い勝手の良さはライトユーザー向けには完璧と言って良いです。

 

 さて、現行のSONY製DAPとしてはNW-A50シリーズはミドルエントリークラスとなります。上位機種は価格的には5万円クラスのNW-ZX300になりますが、はっきり言って、よほどオーディオ好きでもない限り、この上の機種に手を出す必要はありません。

 上位機種のNW-ZX300をNW-A50シリーズのスペックと比べると、実は機能面では結構NW-A50シリーズに見劣りするところもあります。たとえばNW-A50シリーズは流行のヒアスルー(外音取り込み)機能やFMラジオチューナーが付いています。これらの機能は日常的にも便利ですし、アウトドアなんかのお供にも役立ちそうです。

 NW-ZX300が機能面でNW-A50シリーズに勝っているのはバランス接続可能ってところですが、ポータブルプレーヤーとしての場面ではワイヤレスイヤホンを使うことが多いでしょうから、カジュアルな使用シーンではあまり利点になりません。どちらかというとNW-ZX300はポータブルで持ち運ぶというよりは、自宅で音楽を楽しむのに向いているような印象です。バランス接続で高音質の高級イヤホンを楽しむ用途でパフォーマンスを発揮しやすい感じです。

 さらに上位のNW-WM1Aになると、筐体がデカくなって完全に持ち運び用って感じじゃなくなります。音質によほどこだわりがあるなら、バランス接続を楽しんでもよいと思いますが、相応に費用がかかるようになります。

 それならばとNW-ZX300より値段が安くて音質が良いという理由で中華製DAPを薦めてくる人が世の中にはいますが、その多くは操作性が最悪でバッテリー持ちも悪く、すぐハングアップします。大好きな曲の名前が文字化けすることも多いでしょう。音質はいいとは思いますが、私個人の見解としてはDAPは使い勝手>音質で選ぶ方が失敗しません。

 

 NW-ZX300も選択肢として考慮している人のために、一応機能差を下にまとめます。

NW-A50シリーズの機能面での利点
  1. より軽くコンパクトで持ち運びしやすい
  2. ヒアスルー(外音取り込み)機能付き
  3. FMラジオ機能付き
  4. デジタルノイズキャンセリング搭載
  5. 語学学習支援機能付き
  6. ダイレクト録音機能付き
NW-ZX300の機能面での利点
  1. バランス接続可能

 

  こうやって機能面だけ並べると、NW-A50シリーズのほうが使い勝手が良さそうに見えます。実際外出時に使うならNW-A50シリーズのほうが使い勝手が良いと思います。あとNW-A50シリーズの「ダイレクト録音」というのが気になると思いますが、これはMDコンポやラジカセに専用の録音ケーブルでつないで、古い音源やラジオ音声を録音して音楽ファイルにできる機能です。MDやカセットテープ、レコードなどの音楽の再利用が出来るというわけです。

 実際はDACの音質差があるとはいえ、スペック上の音楽再生能力はNW-ZX300とNW-A50シリーズとで差が無いので、ハイレゾ音源を楽しみたい程度の人にはNW-A50シリーズで充分です。NW-ZX300はバランス接続を楽しめますが、普通はイヤホンやヘッドホンにバランスケーブルなんてついてないので、専用ケーブルを別に買う必要が出てきますし、SONYは一般的な2.5mmバランスコネクタじゃなくて4.4mmバランスコネクタだというのも少し面倒です。4.4mmバランス接続はJEITA(一般社団法人 電子情報技術産業協会)が一生懸命標準規格化しようとしていますが、まだ普及率が高くありません。これからは4.4mmが主流になりそうな気配はありますが、よりコンパクトであるというポータブル上の利点がある2.5mmバランス接続が絶滅するのは当分先でしょう。

 

ヒアスルーはとくに便利だが、使用条件がある

 この機種の機能の中で私が最も便利だと思うのはヒアスルー(外音取り込み)機能です。この機能は外部から人の声だけを拾って、音楽を邪魔せずに聴かせてくれるというものです。個人的にはこれが非常に素晴らしいです。しかも前述したように上位機種のNW-ZX300には搭載されておりません。

 これを用いると何が便利かというと、たとえば私の場合、家でテレビ番組やネット動画を見ながら音楽を楽しめます。私は前にも言ったように、頻繁にプレイリストを作成しているので、こうしたプレイリストを作成する作業の片手間にテレビやネット動画を楽しめるというのは大変ありがたいです。人間、時間が限られていますから、好きなアニメやドラマ、バラエティを見つつ、プレイリストを作ることが出来るのはお得な感じがしますし、家族の声なども聞こえるのでリビングでも孤立することがありません。

 実はヒアスルー機能は良い心理的効果を促すという意味でもおすすめできます。ヘッドホンやイヤホンをして外音を遮断している人間のパーソナルスペースは広くなることがわかっています。外音遮断によってパーソナルスペースは狭くなる*1と思いがちですが、実際はそれによってパーソナルスペースが広くなってしまいます*2*3。人は不快音から身を遠ざけるためにイヤホンをしてパーソナルスペースを広げるわけですが、パーソナルスペースが広がることはコミュニケーション能力の低下を招きます。ついでに言えば,パーソナルスペースが広がるということは、ストレスを受けやすいエリアが広がるという意味でもあります。ヒアスルー機能は不快な環境音を遮断しつつも、コミュニケーションに必要な声情報を拾ってくれる機能ですから、これによりパーソナルスペースが広がりすぎることもなくなります。

www.athome-academy.jp

 

 このヒアスルー機能を利用するにはしかし、条件があります。ヒアスルー機能に対応したSONY製のイヤホン・ヘッドホンで利用しないと、この機能が使えないばかりかハウリング音が発生して不快になるだけです。

 ヒアスルーの精度については最大の「+15」に設定しても、IER-NW500NとNW-A55で実現するヒアスルーはJabra Elite Active 65tのヒアスルーに劣ります。テレビの音を聴く場合、テレビ側をかなり音量大きめにしないと音楽に埋没します。

 

ブックマークリストについては改善の余地あり

 SONYのDAPで便利なのがブックマークリスト機能です。プレイリストほど本格的じゃないけど、気軽な使い勝手でプレイリストに近いものを作れるので便利です。

 ただ不満はあって、コアなオーディオユーザーほど複数機種でSDCardを抜き差しして使い回したりするかも知れませんが、SDCardを抜き差しすればSDCardの曲を登録したブックマークリストは消えます。実際には抜き差ししなくても読み込み失敗でも消えます。そうした特徴を踏まえると、ブックマークリストはライトユーザー向けの仕様ということができます。

 コアユーザーの方は、m3u形式のプレイリストをSDCard内にしっかり作って管理することをおすすめします。はっきり言って私が音楽を聴きながらやってる作業の大部分がこのプレイリスト作りです。ブックマークリストがもうちょっと保存が強固なら、かなりすごくなるのにと思います。

 

SONY NW-A55

 

【3】連続再生時間「素晴らしく優秀」

 SONY製の方が使い勝手がよいと感じるのは連続再生時間の長さが優秀なせいです。使い方にもよるでしょうが、私の場合、満充電すれば2日くらい平気で使えます。SONY製なら外出中にDAPの電源がなくなって音楽が聴けなくなるなんてことはまず起こりえません。DAPのためにモバイルバッテリーを持ち運ぶ必要も無いです。快適です。

 イヤホンやヘッドホンの連続再生時間以上に、DAPの連続再生時間は重要です。とにかくバッテリーが長持ちするってだけで総合的な使い勝手は格段に違います。そもそも操作性が多少悪くたって、外出時音楽聴いている時にそんな頻繁に操作しないでしょ?音質の違いだって、あまりにひどくなければ気になりません。多少の操作性の悪さや音質は結構気にならないものですけど、連続再生時間だけはなかなか看過できません。個人的にはイヤホン2つ分くらいの連続再生時間はほしいところです。ワイヤレス再生でこの条件を満たしているDAPは少ないです。SONY製DAPはこの点異様にタフなので、まず不満に思うことがありません。

 

 

製品名

操作性

対応コーデック 連続再生時間
SR15 SBC/aptX/aptX HD 10時間(実際はもっと短い)
CT10 SBC/aptX/aptX HD 10時間(実際はもっと短い)
NW-A27 SBC/aptX/LDAC 23時間(SBC時、充分一日使える)
NW-ZX300 SBC/aptX/aptX HD/LDAC 14時間(LDAC時、ほぼ一日使える)
NW-A55 SBC/aptX/aptX HD/LDAC 13時間(LDAC時、ほぼ一日使える)

 

【4】音質「やや硬いドンシャリな音だが、すっきりしている」

 音質的には3.5mmプラグからアンバランスで聴く限り、ほとんどNW-ZX300と変わりません。NW-ZX300のほうがやや音に厚みを感じ、とくに低域が厚ぼったく思いますが、それに比べると見通しが良くすっきりしているようにも聞こえます。

 アイリバー系(SR15/CT10)のまろやかな音に比べると肉質がやや硬く、力強さが感じられる音なのはNW-ZX300と同じ傾向です。同じ価格帯の祖先に当たるNW-A27に比べると、音の輪郭感がより明瞭で、音場感も広くなっており、旧世代のNW-A27よりは同世代のNW-ZX300とのほうに音質的な親近感があります。バランス接続を考慮しなければ、NW-ZX300との差は実質的にほとんどないので、そのコスパの高さは音質面でも感じられます。

 

製品名

音質傾向

音場 解像度
SR15 フラット 広大 高い
CT10 フラット やや広 高め
NW-A27 ドンシャリ(シャリ感強め) 狭い 普通
NW-ZX300 ドンシャリ(低域やや強) やや広 高い
NW-A55 ドンシャリ やや広 高め

 

【5】旧世代機「NW-A20」シリーズとの埋められない差

 ほぼ完璧に近いコスパを誇るNW-A55ですが、旧世代機NW-A27と比べると埋められない決定的な差があります。それは動画ファイルの再生時は音声だけになり、動画を再生出来ないという仕様です。

SONY NW-A25

旧世代機になるNW-A20シリーズだが、A30シリーズ以降の仕様変更のせいで人気は高く、今でも高値で取り引きされている。

 NW-A20シリーズまでは動画を再生する機能があり、ミュージックビデオをそのまま楽しむことが出来ました。NW-A30シリーズからは動画再生は音声のみとなっています。これが何かと不便です。ライブビデオやミュージックビデオを完全に楽しめないだけでなく、音質チェック動画などの細かいレビューテストに使う動画も再生出来ません。そのため、私は今でもNW-A27を手放すことが出来ません。

 

【6】総評「入門用としてはどう考えてもSONY製がいい」

 もはやこのブログでデジタルオーディオプレーヤー(DAP)を取り上げるたびに言っていることの繰り返しになるのですが、個人的な意見としては、デジタルオーディオプレーヤー(DAP)でいいのを初めて買うんだったら、圧倒的にSONY製を選ぶべきです。市場で最も売れているのがSONY製ですが、売れているのには訳があり、それ以外のDAPの使い勝手は基本的に中華製DAPに毛が生えた程度です。

 その優れたSONY製DAPの中で現状最もコスパが良く、万人向きで満足できるのがNW-A55です。バランス接続に興味があるし、オーディオにお金をかけても構わないという人はNW-ZX300に進むべきですが、音質以外はNW-A55に劣ります。

 デジタルオーディオプレーヤーに興味があるなら、現状では必ずこのNW-A55を最初に検討すべきです。この機種を買わないとしても、これを基準に自分の趣向にあったプレーヤーを選べば失敗することはないでしょう。コスパも含めて過不足がないという意味で最高にバランス感覚のある製品がNW-A55であり、だからこそベストセラーになっているのです。

 

ウォークマンAシリーズ『ラブライブ!サンシャイン!!』Edition NW-A55/LLS

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NW-A55/LLS

 

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*1:そのように説明している心理カウンセラーのサイトがあります。個人的には明らかに理屈がおかしい説明なので無視しますが、逆のことを述べている専門家もいることに留意するため、ここにリンクを示します。

*2:齋藤寛『心を動かす音の心理学 ― 行動を支配する音楽の力』ヤマハミュージックメディア, 2011年, 「現代人は過剰な音にさらされている」

*3:小松正史「聴覚特性を生かした音育メニューの開発 ―「環境音のきき方」ワークショップを実践して」『京都精華大学紀要』(48), pp.63-84, 2016年, p. 82.

【特集】名曲「街路、ライトの灯りだけ」を聞き比べて、味わう!ミドルエントリー~ミドルクラスのDAP 6機種の表現力の違い。

ガールズブルー・ハッピーサッド

ガールズブルー・ハッピーサッド

 

 

 ウェーイ!皆さんお元気ですかー!?私は元気でーす!ついに発売されたんですよ、私の大好きな三月のパンタシアのニューアルバム「ガールズブルー・ハッピーサッド」がね!

 限定版CD予約するか迷ったんですけど、最終的にSONYの音源サイトmoraからハイレゾ音源版を入手することにしました。以前はMV目当てで限定版CD買ってたりもしたんですけど、どうも最近のDAPはビデオ再生できなくなってきてるんで、MVの需要は私の中では下がってきてることもあってスルーしました。以前はノートPCにMV入れて外出先で楽しんでたりしたんですけど、今はPC持ち運ぶこと自体稀になってきてますし、よく考えると最近MV見てないなぁって思います。

 

 まあ脇筋に離れる話はここまでにして、とにかくこのアルバムはやべぇ!発売からずっと聞き続けてますけど、飽きが来ません。目下このアルバム曲を中心にプレイリスト再構築中。

 いろいろ聴いてみた感じ、手持ちのイヤホンの中ではやっぱり私はJVC HA-FX1100のライブ感満載の音がお気に入り。あとは店頭でこの曲をいろいろな機種で聞き比べていて、今のところ私の大好きなSOLID BASSシリーズ、audio-technicaのATH-WS1100の音がお気に入りで、価格調査なんかを進めているところです。手持ちのWS550も価格の割にこの曲を重量感のある感じで聴かせてくれますけど、やっぱりWS1100は高い評判の裏付けを感じさせるメリハリ感のある表現力で別格。WS770と比べても価格差以上の音質差を感じます。

 WS770はシリーズでは異端児的で、妙にウォームな感じのある音を鳴らすんで、SOLID BASSの正統派のメリハリ感がある音が好きな人には微妙に思われるところもあって、どうもいまいち人気が出てない気がしますね。開放型っぽい音でマイルドだからいいってのもあるんですけど、それならSOLID BASSでなくても~ってなりそう。

 WS1100は店舗の在庫数なんかを確認する限り、人気は落ち着いてきている機種なんで、そろそろ安くなってくることを期待してるんですけど、今のところ値段は高度に安定してて、目立った安売りはなさそう。

 関係ないけど、最近安売りされているヘッドホンと言えば、私の愛するJVC HA-SW01がおすすめ。今月いきなり2万円近く下がって底値圏に入ってます。

 

 で、イヤホンについては今のところJVC HA-FX1100が私のイチ押しって感じで、ヘッドホンならATH-WS1100が有力候補かなぁって思うんですけど、じゃあデジタルオーディオプレーヤー(DAP)はどうだろって興味を持ったので、今回聞き比べを敢行してみました。まあGRANBEATのレビューのために音質比較しておきたいってのもありました。

 

【聞き比べるDAP】

 あまりに型落ちすぎるSONY NW-A27は抜かして、以下の6機種を聞き比べします。テスト機としてはJVC HA-FX1100だと外連味がついちゃって、どのDAPでも印象変わらんって感じになりそうなんで、手持ちの中では一番味付け感が少ない印象の上に音像のはっきりしているMUISCMAKER TONEKING BL1を用います。

 どうでもいいけど、このBL1ってイヤホンは中華メーカーの作った低価格の平面駆動型イヤホンなんですけど、音は色味が少なくてとにかくナチュラル。最初は地味に聞こえるんですが、音像の明確さ、音量変化での音像の乱れのなさなどで恐るべき品質を感じさせ、DAPの色味の違いなどはわかりやすいくらい、素直で正統派の解像度感のある音を奏でる機種です。中華イヤホンって言うと、妙な演出感のある多ドラばかりもて囃されてますけど(そしてその大半が妙に遊んでいて気持ち悪い音を奏でたりするんだけど)、全く方向性の違う、このイヤホンの素直で自然な音質にむしろ私は中華メーカーの精髄を感じます。おそらく中華製多ドラの臭みの強い音好きの人には好かれないでしょうし、このイヤホンの音を好きになりそうな人には中華製ってだけで避けられそうなかわいそうなイヤホンですが、ひそかにおすすめ。

  1. SONY NW-A55
  2. SONY NW-ZX300
  3. Pioneer XDP-20
  4. ONKYO GRANBEAT DP-CMX1
  5. ACTIVO CT10
  6. Astell & Kern a&norma SR15

 

【課題曲】「街路、ライトの灯りだけ」

 独特のスピード感のある表現が心地よいスムースポップス曲です。ちょっと硬い反発力で疾走感を出しつつ、柔らかい膨張感を出すドラムが秀逸で、音場がコチコチしすぎない優しい耳当たりで心に馴染んでくるリズム感を作ります。ギターや金物の表現がまた尖りすぎない調和的な楽しいバランスでスピード感を強調しすぎずに胸にしっかり歌詞を沁み渡らせる、間がちゃんと取られていて、充実感のある曲です。これはやべぇ。

 


ガールズブルー・ハッピーサッド (特典なし)

 

【聞き比べ】

SONY NW-A55「ザラザラ感の出るドライな風味」

SONY NW-A55

SONY NW-A55

  今回この曲を聞き比べてみた感じでは、SONY製DAPにはシンバルの粒感に輪郭が強調された、ザラザラしたドライな風味をだすところがあるようで、空気感みたいなものが出るところがあり、ギターの印象も少し熱気が強く聞こえます。その影響なのかボーカルも少しシャギーな印象を受け、ややザラついて感じられます。まあロックっぽい声色ではあります。

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SONY NW-ZX300「黒みが強いビターな本格派ロックサウンド」

SONY NW-ZX300

SONY NW-ZX300

  同じSONY製ですが、下位機種のNW-A55と比べるとより低域方向の締まりが良く、背景に黒い下地を感じさせる音を出します。NW-A55に比べ、ギターやドラムの色味が黒めで深煎り感があり、ビターに聞こえます。シンバルにドライな風味があるのは変わりませんが、音場が若干広く感じるせいなのか、黒みのある低域のおかげでコントラスト感が出たせいなのかはわかりませんが、ボーカルの発色はよりきれいでNW-A55で感じたシャギーな感じは少し減って、より明るくメリハリ良く聞こえる印象があります。全体的にNW-A55から空気感と全体の音の引き締まりがアップグレードされている印象ですが、表現としては濃いめになっており、重たげになっているところがあります。

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Pioneer XDP-20「ドンシャリで楽しく聴かせる」

Pioneer XDP-20

Pioneer XDP-20

  SONY NW-A55に比べると、低域方向がやや強く感じ、この曲だとドラムのドンがボリューミーに聞こえます。ハイハットの粒はやや粗めで、細挽きな感じに聞こえたNW-A55に比べるともう少し粒のまとまりがよく、こちらは空気感になって他の音に被さる感じはあまりありません。正直この差はどっちがいいとは言いづらく、たとえばJAZZではNW-A55のような空気感重視の鳴らし方がよいと思いますが、この曲ではXDP-20くらいのほうがギターやボーカルまわりの発色がよく聞こえる印象がします。私個人の満足度でいれば、この曲に関する限り、NW-A55よりはXDP-20を推します。

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ONKYO GRANBEAT DP-CMX1「メリハリ感と広い音場を共存させる正統派サウンド」

ONKYO GRANBEAT DP-CMX1

ONKYO GRANBEAT DP-CMX1

 これまでのDAPに比べて、GRANBEATは音場がもう少し見通しよく、すっきりとしていて、解像度と音の輪郭の良さ、定位感では一段上に聞こえます。これまでのDAPはどれも多かれ少なかれドンシャリの系統に属しますが、このDAPもドンシャリっぽい印象を受けるとは言え、音場はすっきりとしていてドンシャリ系の音で感じやすい圧迫感がなく、ボーカルの分離感は一番良い印象です。シンバルはだいぶ粒感が粗く、カチカチした固着感の強い硬めの音ですが、ロック系の曲には合う表現なのでこの曲向きと言えます。ライバルとなりうるNW-ZX300に比べると、ボーカルの発色や低域の締まりでは劣り、メリハリ感では負けますが、見通し感は高く、音場全体を見据えた解像度感ではDP-CMX1のほうに軍配を上げる人が多いのではないでしょうか。

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Activio CT10「つややかで甘味の強い鳴らし方」

Activio CT10

Activio CT10

 これまでのDAPに比べると全体的に音の輪郭感はおさえめで、やわらかい感触に聞こえます。個々の音がふっくら優しく、耳当たり良いウォームな印象でつややかに聞こえます。ドラムの鳴り方は膨張感がより強く感じられて丸みを帯びて優しく、ギターもまろみのある音で調和的です。

 

Astell&Kern a&norma SR15「優れた音場表現で優美」

 

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 CT10と同系統の調和的な音をさらに音場を広く感じさせるような鳴らし方です。シンバルの音やギターの音が広く、ドラムの音が深くから聞こえてくるので、とくに低域方向で深掘り感を感じることが出来、JVC HA-FX1100ぐらい低域が濃厚な音を鳴らすイヤホンでは、躍動感がだいぶ増して聞こえます。逆にBL1のような演出感の少ないイヤホンでは音場の割に音が柔らかく聞こえてくるところがあって、物足りなく思うところがあります。GRANBEATやNW-ZX300に比べてガツンとくるところが少ないのは事実で、聞き込みやすい耳当たりの良い音で優美ですが、この曲ではギター以外に外連味を感じづらいところがあります。

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【総評】「一般的なイヤホンとの組み合わせでは、個人的なオススメはSONY NW-ZX300かONKYO GRANBEAT DP-CMX1。XDP-20もいい。ただしJVC HA-FX1100と組み合わせる場合はAstell & Kern a&norma SR15がオススメ」

 一般的なイヤホン・ヘッドホンで聴く場合、たぶんコントラスト感をしっかり出して演出感があるSONY NW-ZX300やONKYO GRANBEAT DP-CMX1が楽しい音だと感じるはず。私もJVC HA-FD01SPやWestone W40など手持ちイヤホンで軽く試してみた感じ、NW-ZX300やGRABEATの聴き応えが全体的に楽しく、とくにWestone W40とZX300の組み合わせはかなりスムーズでメリハリのあるポップスになっていて、楽しい印象を受けました。

 ところがJVC HA-FX1100と組み合わせるDAPとなると話は別で、個人的には圧倒的にa&norma SR15。音の好みもあるんですが、たとえばZX300とHA-FX1100を組み合わせるとドラムのパワフルさはピカイチで、重厚感は最高クラスなんですが、低域がモコモコしちゃってギターもギャンギャンしてしまうところが出ちゃうので、熱気が強くライブ感はありますが、かなりボーカルが押され気味に聞こえます。SR15だと低域がもう少し締まって聞こえてきて、深掘り感も出ており、ボーカルがギターやドラムの熱気を受けながらも押されずにしっかり伸びてきます。

 まあ個人的にHA-FX1100はAstell&Kern系と相性が良さそうな雰囲気はあって、CT10との組み合わせも音が全体的に近いので圧迫感はあるんですが、なめらかに聞こえるのでそれほど聞き疲れしない感じで、ボーカルのつややかさを味わえるところがあります。

 

 

 

 

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【特集】Bang & Olufsen E8 2.0と音質/通信品質で相性の良いDAPを探る!手持ちでは「ONKYO GRANBEAT DP-CMX1」が最も相性が良いかなっ![Bang & Olufsen E8 2.0 特集]

Bang & olufsen E8 2.0

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Bang & Olufsen 完全ワイヤレスイヤホン Beoplay E8 2.0 NFMI/AAC/Qi充電対応 防塵防滴仕様 リモコン・マイク付き 通話可能 インディゴブルー(Indigo Blue) 高級オーディオブランド 【国内正規品/保証期間2年】

 

 

 この記事では、Bang & Olufsen E8 2.0を手持ちのDAPで聞き比べて、音質と通信品質の相性を比較する記事です。というのも、E8 2.0は専用アプリを使用しない場合、通信品質にかなりムラがあるようで、androidを搭載しないDAPの場合、機種によって通信の相性が大きく出ます。

 そこで皆さんの参考になるよう、あくまで手持ちの範囲で、しかも個体差があるかもしれませんので確実とはいえないのですが、DAPの音質面と、とくに通信品質面での相性をまとめてみたいと思います。

 

いきなり結論。音質・通信品質ともに相性最強はONKYO GRANBEAT。

 とはいえ、Bang & olufsen E8 2.0を手に入れ、音質と通信面での挙動をだいたい理解したときから、「こいつと相性抜群なのはあいつしかいない!」と私が目星を付けていたDAPがあります。いや、正確にはDAPじゃないかもしれませんけど。

 それが「ONKYO GRANBEAT DP-CMX1」!デデデデーン!

 

ONKYO GRANBEAT DP-CMX1

ONKYO GRANBEAT DP-CMX1

ONKYO DP-CMX1 デジタルオーディオプレイヤー GRANBEAT/ハイレゾ対応 ブラック DP-CMX1(B) 【国内正規品】

 この機種についてはずっと興味津々だったので、レビューを読み尽くし、店頭試聴を何度もして、その音像を強く押し出すカリカリクールで、低域にもはっきりとした味の出やすい、しかも音場の広さも優秀という音質に一定程度の魅力を感じていたのですが、実は純DAPではなくスマホということもあって、余計なものが付きすぎている気がしていたので、手を出しかねていました。

 しかし、androidアプリなしでは心許ないBang & Olufsen E8 2.0の通信品質を根本的に改善するには、アプリを入れるしかありません。Android OS搭載のFiiO M9も候補に挙がりましたが、M9は使用できるアプリを制限しており、調べたところ「Bang & Olufsen」のアプリはホワイトリストに入っていないようで、たぶん使えません(あいまい)。それと個人的にFiioのDAPではX3 MarkIIIを動作が不安定すぎて手放したという事情があって、そのトラウマがあり、店頭でよく試していない状態で買うには抵抗があります。私の個人的な感想だと、FiioのDAPは急速に改善されてはいますが、リリース時の製品完成度は十分でないことも多く、まだまだ動作が不安定でファームウェア更新で使い勝手自体が変わるなどといったピーキーなところがあり、気軽に買える安心感には欠けます。聞いたことがないんで確実ではないんですが、音質的にも批評家レビューを中心に読み込むと、どうもM9はa&norma SR15と同じような優美な系統の音らしいんで、E8 2.0との組み合わせるには少し音質的に柔らかすぎる印象もあります。

 そういうわけでいろいろ事情を考慮すれば、スマホアプリを完璧に使えるGRANBEATに軍配が上がります。何より発売から時間が経ってるから、アップデートで使い勝手は成熟してますし、値段も落ち着いてますからね。

 音質も相性が良いです。前述したように、はっきりとした性格の音質を持ち、低域にも存在感が感じられる味付けになっているGRANBEATの音質表現は、E8のやや重みの足りない低域を改善してくれるのではないかという期待がありました。というわけで、一も二も無く、GRANBEATをポチりました。

 結果はやはり見込み通りで、アプリを通して安定した通信品質を得られるだけでなく、音質的にもE8 2.0の澄み渡るような清潔感を生かしつつ、輪郭をより強調して個々の音の性格をはっきりさせるのでコントラスト感が増し、低域も色味が増して聞こえてきます。現状E8 2.0との相性面でいえば、これ以上のDAPは同じ価格帯では見当たらない気がします。全部試してないので本当かはわかりませんけど。

 E8 2.0がなければGRANBEATを手に入れていたかはわかりませんから、ある意味E8 2.0が背中を後押ししてくれました。こういうオーディオの買い方がいいことなのかどうかはわかりません。

 

 手持ちじゃないDAPも比較しました。SONY NW-S313

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SONY NW-S313

ソニー SONY ウォークマン Sシリーズ 4GB NW-S313 : Bluetooth対応 最大52時間連続再生 イヤホン付属 2017年モデル ライトピンク NW-S313 PI

 ソニーストアで継続的にスヌーピーとのコラボモデルを売っている機種です。スヌーピー好きの家族のためにプレゼント用として購入しました。私の手持ちではないのですが、今回だけお願いして拝借しました。この機種はレビューしていませんが、ハイレゾファイルが再生できないなど欠点が多く、個人的にはこれに手を出すよりは奮発してNW-A55を買った方が価格差以上のパフォーマンスを得られる気がします。とはいえ、せっかく近くにあるのを使わない手はないので、これも比較対象に含めます。

 そして、NW-A55と比べるとダメダメみたいなこと言ってますけど、試してみると意外とコイツ、すごいやつでした。

 

実際に試して比較するE8 2.0向きのDAPランキング

課題曲について

 別記事で紹介する予定ですが、このイヤホンの音質で聴くとかなり楽しめると私が個人的に考える曲の中から3曲選びました。

  1. 勇者パーティー「えんどろ~る!」
  2. 佐々木恵利「ふゆびより」
  3. 水瀬いのり&久保ユリカ「More One Night」

 それぞれ選曲理由を説明しますと、1.はオーケストラレーションの強い曲でオーケストラとキラキラ甘い声優ボーカルの共存した曲なので、クラシック音楽系の音の鳴り方とカルテットボーカルの重なり具合などがわかります。

 


TVアニメ「 えんどろ~! 」オープニングテーマ「 えんどろ~る! 」

 

 2.は清潔感の強い曲でとくにボーカルに透けるような感じが出やすく、曲の演出も清潔感が強いので、透明感がわかりやすいです。さらにアコースティックギターの色彩感の色味がしっかりわかるほか、パーカッション周りが意外と多彩なのでとくにシンバルの粒感と光沢感を見ることができます。

 


ふゆびより(TVアニメ「ゆるキャン△」EDテーマ)

 

 3.はエレクトロダンスミュージック系の曲で、音の緻密感とデジタルな音の音味を比較するために選びました。

 


TVアニメ「 少女終末旅行 」エンディングテーマ「 More One Night 」

 

 以下にテスト結果をレビューしていきますが、通信品質は使用環境や個体差に、音質は最終的に個人の好みに左右されますので、あくまで私がテストした印象ということはご了承ください。

 実際試してみると、予想の斜め上を行く結果で驚きました。

 

【1位】ONKYO GRANBEAT DP-CMX1(通信10 音質10 総合20)

ONKYO GRANBEAT DP-CMX1

ONKYO GRANBEAT DP-CMX1

 最初に解説しましたが、個人的にGRANBEATはE8 2.0の相方として最高レベルの相性を持っています。

[通信]:Androidアプリを使えるので通信品質面での安定性では申し分なく、自宅なら、10m距離でもかなり頑張って繋いでくれます。同じく自宅環境で5m程度なら問題なし。ついでに言えば、アプリのおかげで基本的にイヤホンの電源を入れれば自動接続します。他のDAPはいちいち接続画面で選択しなければいけませんが、GRANBEATはそこらへんも一枚上手。

[音質]:音質も相性良く思えます。

まず1.の曲ですが、全体的に発色が良いです。基本的に透ける感じのあるE8 2.0の音は淡泊な傾向に聞こえやすいですが、GRANBEATなら輪郭感が強調されて、発色も若干濃くなっているので、コントラストが増しており、明瞭感は高いです。その一方で、E8 2.0の特徴である音場の広さ、圧迫感の無さ、音のすっと抜ける後味、ボーカルの分離感の良さが生かされて、キラキラしながらもしつこさを感じない清涼感のある仕上がりになっています。シンバルがサラサラ、ドラムがやや硬めのポワポワ、ボーカルは澄み渡ります。低域は輪郭感が強くなるのでメリハリが出ますが、やはり重厚感だけは出にくい感じです。

2.ギターに穏やかな厚みが出ます。煌めき感も少し尖りが出て、ギラつく感じが出て、ただ単に穏やか一辺倒というわけではなく、表情があります。ボーカルの分離感は良く、ややウォームで最初は暗い印象も受けますが、サビに向かうほどに透明感を増していき、どんどん明るく澄み渡っていきます。明るすぎない感じでさわやかです。

3.デジタル音は輪郭感がしっかりしてパリパリと刻みが良いですが、尖りは強くなく、なめらかに抜けます。音場も広めで個々の音が充分に踊れる空間があるので、音同士が混じり合って混雑する感じはありません。ボーカルの分離感も良いです。欠点としてはシャープ感は少し足りない印象で、キレには今ひとつ感があります。

[評価]:通信品質に関しては文句なし。アプリのイコライザーも楽しめるので最もE8 2.0の機能性を引き出せる機種であることは間違いありません。音質的にはE8 2.0の最大の弱点とも言える低域の存在感がかなり改善され、全体的なメリハリ感が増すので、いわゆるリスニング向きな派手さが出る点が大きいです。

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【2位】SONY NW-A55(通信8 音質9 総合17)

 

SONY NW-A55

SONY NW-A55

  DAP界最高のコスパ、国民的大ヒットDAPで、まさにウォークマン不敗神話を体現しているかのような機種です。徹底的に必要な機能を絞り込み、不要なプレミアム機能は削ぎ落とし、選択と集中でコスパを追求しています。実売2万円を切る価格でDAP史上最高クラスの使い勝手が手に入ります。音質も上位機種にない見通しの良さがあって、実は単純にNW-ZX300のほうが良いとも言い切れないところも。

[通信]:自宅環境では近距離では途切れにくく、5m程度でも比較的安定しています。時々プチプチしますが、平均以上の安定感があります。少なくともE8 2.0との相性に関する限り、上位機種のNW-ZX300よりは断然優秀です。

[音質]:1.の曲は全体的にGRANBEATと同じく輪郭感を強調し、とくに中低域付近が少し存在感が増して、曲全体に躍動感が増している印象を受けます。音場はGRANBEATに比べると少し狭い気がしますが、逆に密度感が出やすくなっているので、少しボリューミーな印象を受けます。コントラストの面でも中高域ではGRANBEATに遜色ないか、場合によって若干勝る印象を受ける気がします。その反面、ボーカルの透明感はGRANBEATのほうが透けた感じがあり、艶やかさで勝る印象を受けます。

2.最初からボーカルが明るめの印象があり、明暗の差がより強い感じを受けるGRANBEATに比べると一貫性があります。悪く言えば、一本調子な感じではあります。ギターもキラ味があり、ギラつきがほどよく出る傾向はGRANBEATと同様です。ドラムはサラサラした感じで、存在感が少し薄いです。

3.の曲については同じように輪郭感を強調するGRANBEATに比べると低域はやや薄味に思いますが、音場がやや狭い感じで左右が近く、中域付近にボリューム感があります。高域も少し発色が良い感じがあって、ドンシャリ感はむしろGRANBEATより強い感じで、楽しいです。一般的に高級オーディオ好きほど音場を気にする傾向がある気がするので、音場感の差でGRANBEATのほうがE8 2.0を買うような購買層には好まれると思いますが、はっきり言って価格差を考えると、NW-A55の優秀さが光ります。

[評価]:DAPに関してはSONYすげぇの一言です。コスパ良すぎ、コスパ良すぎとしか言えないです。もしこのランキングにコスパという項目があったら、GRANBEATをたぶん逆転できます。

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【2位】SONY NW-S313(通信10 音質7 総合17)

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SONY NW-S313

 今回のダークホース。正直ついでにレビューしてやるかくらいの気持ちで今回使ってみていて、「あーやっぱり天下のNW-A55様に比べると、いろいろ不満なところがあるよねープププッ」って感じでお茶を濁して、レビューのボリュームを増すことを目的にしてテストした観があるんですが、結果は驚くべき大健闘でした。通信品質が良い意味でやばいです。アプリなしでド安定。びっくりです。むしろNW-ZX300とは何なのかと言いたいくらいSONYの低価格機種の実力恐るべし。

 [通信]:自宅環境なら10m範囲を動き回っても結構途切れません。自分の部屋にこの機種を置き、E8 2.0をつけたまま階段を降りてトイレに入っても切れません。トイレのドアを閉めたら途切れました。アプリなしでこのレベルは他にありません。アプリありの格安スマホ、Fujhitsu arrows M03よりむしろ途切れません。それくらい優秀。

[音質]:音質に関しては解像度感は率直に言って悪く、個々の音を聴くとモサモサしてるんですけど、全体の雰囲気はかなりいいです。あとおそらく音場が狭いせいだと思うのですが、中低域にボリューム感があって、かなりE8 2.0の弱点を補ってくれます。E8 2.0の音はすっきりしすぎてR&Bの空気感とかいまいち感じられないところがあったんですが、私の印象ではNW-313と組めばかなり音に厚みが出るので、むしろ解像度高すぎない感じが空気感に感じられてムードが出ます。ただしE8 2.0の本来の魅力を出しているというよりはむしろ出しぎないから万能に近い音に感じるという、ある意味矛盾した表現ではあり、素直に喜べない感じもします。

1.の曲では輪郭感が抑えめになるので、音に膨張感を感じます。E8 2.0のすっきりした音の鳴らし方、ボーカルの分離感のよさは維持されているので、むしろ解像度感が維持されたままウォーム方向に振られた音質で、お互いの個性がうまく混じり合っている感じがします。ボーカルの透明感はかなり失われる印象ですが、かわりにミルクのような甘味が出てきてほっこりしており、弦楽や木管にも全体的にまろみが出て、充実感が出ています。音場は狭い印象です。音のパリパリ感が抜けていて、むしろイコライザーの「WARM」よりしっかりしたウォーム感があります。こんなの「E8 2.0の音じゃない!」って言われれば、半分は音味の印象が変わっているので、その通りですけど。

2.については、用意した音源がハイレゾ音源だったんで、ハイレゾ曲を再生出来ないこの機種では再生不可でした。なのでこの曲についてはレビューをスルーします。自分のDAPじゃないうえに、この機種はおまけ扱いで完全に伏兵だったんで、ここらへんのファイル対応状況についてすっかりド忘れしてました。mp3に音質を落としたファイルを別に用意して聞き比べることも考えたんですけど、公平性を考えたのと、何より時間がなかったので。ごめんなさい。

3.の曲でも音場はやや狭い感じがあるのですが、それがよい方向に作用しているのか音が近めに感じるのでボリューム感があるのと、包まれている感覚が出ています。それでいて、E8 2.0の輪郭感のよいところはデジタル音にはしっかり出ており、とっかかりがかなり感じられるのに、音が柔らかくなめらかですっと抜けるという、なかなか絶妙のバランスになっています。解像度感はイマイチなところがあって、すこしぼやーっとした感じではありますが、もともとのさわやかな聴き心地にウォームさが加わって、ますます耳当たり良く感じます。

[評価]:私の感覚では、NW-A55より下位の機種は「アウトオブ眼中」って感じだったんですけど、見直しました。今回テストしてみて、上位機種とは異なる、以前のNW-A27に近い、わかりやすいインターフェース、きびきびした軽い動作、軽量で持ちやすいコンパクトボディなどを体感しました。低価格機種と多少侮っていた自分が恥ずかしく、SONYやべぇなって恐怖感すら感じました。ウォークマン不敗神話のもう一人の立役者を見つけた気持ちです。……とはいえ、ハイレゾ再生出来ないんで、結局アウトオブ眼中なんですけど。この機種がもしハイレゾ再生対応したら、場合によってNW-A55食いに行けますね。

 

【4位】Activio CT10(通信8 音質8 総合16)

Activio CT10

Activio CT10

  不満はいろいろあったりするんですけど、なんだかんだいって触り心地が良くて手に馴染むデザインと優美で華やかな音質が好きで、ずーっと愛用している機種です。

[通信]:自宅環境だと2m以内くらいの近距離ではかなり安定度が高いです。2m越えて距離を取ったくらいで途端に、逆鱗に触れたかのようにブチブチブチって切れてくるんですけど、近距離ならかなり快適に使えるので通信評価は高めにしました。

[音質]:中高域で光沢感を増した感じで聞かせてくれます。ある意味、素直にE8 2.0の味わいを出す感じで、艶やか方向に振れるだけ音の発色がよくなり、音場の広さもかなり維持されていてスッキリ感が維持されています。

1.ではツヤが出たおかげでハープサウンドや弦楽がかなりキラキラ目立ってきて、華やかさが出て楽しいです。ボーカルもちょっとキラキラしてアイドルっぽい雰囲気が増します。

2.やや艶っぽい感じが出るせいか、ボーカルの色味は少し濃く感じ、弦楽もまろやかな光沢で聞こえてきます。全体的にまろみが増していて、とろみが出た感じで聴けます。ややぼやっとした感じはあり、E8 2.0の特徴である澄み切った感じが減った気がするのは事実ですが、ぶっちゃけ私好みの表現です。

3.電子音もかなりまろやかな感じで、とろとろとろっとした出だしに、後味はすーっと抜けるバランスで聴けます。衝撃音などはエッジが丸く、全体的にウォーム方向に寄せた印象を受けます。同じような印象を受けるNW-S313とは解像度と音場に差があり、より空間に清潔な感じがあって音像もしっかりしています。

[評価]:やや丸くとろかした感じの耳当たり良さをどう評価するかで意見は分かれそうですが、総じてE8 2.0らしさを出しつつ、より満腹感をえられやすい方向に味付けされる印象で、私はかなり高評価です。近距離に限れば通信品質もかなり安定するので、使い方によっては相性はかなり良いです。

 

【5位】SONY NW-A27(通信9 音質5 総合14)

 

SONY NW-A27

SONY NW-A27

 なんだかんだいっていろいろ便利なので手放せない旧機種です。音質的には最新のNW-A55と比べるといろいろつらいところを感じます。ただし妙に金物のシャープネスを強調するところがあって、シャリ味がはっきりわかりやすく、E8 2.0と組み合わせると若干発色が悪いRHA TrueConecctくらいのソリッド感は出ます。←わかりづらい

[通信]:アプリなしにも拘わらず、かなりド安定です。NW-S313が現れるまではアプリなし最強の通信安定性を持っていて、自宅環境では5m程度でもかなり安定、10mでも少し途切れやすいくらいの優秀さ。そもそもBluetoothのバージョンは3.0でここに掲載されている他機種に大きく劣るはずですが、安定感のある理由は謎です。現状の私では、とにかく相性がいいとしか言いようがないです。

[音質]:発色はちょっと悪いところがあり、低音量では特に若干曇った印象を受けますが、金物のソリッド感が良く、なかなか塩味が効いて聞こえてきます。一方で高域ののびやかさはあまり出ない感じで、E8 2.0と組み合わせるとなんとなく中域充実のバランスで聞こえます。

1.金管の渋みと金物の砂粒感が強いので、雰囲気的にどちらかといえばJAZZ味が強いです。曲調自体は華やかなキラキラポップス系アニソンなんですけど、ところどころシンバルがむちゃくちゃ自己主張してくるところがあって、しかも全体的に音が若干発色を抑えている印象があるので、シンバルだけ余計に目立ちます。全曲通してスチャスチャスチャした音を出すシンバルが「俺が主役だ」ってくらい目立っていて、ある意味これはこれで楽しいです。音場は狭いほうなので相対的に音が近い感じもありますが、華やかな系統のCT10の音とかと比べると、暗い印象を受けます。

2.に関しては色味を抑えた感じがなかなかよく、ボーカルはかなり下の方の息感を強調した感じでハスキー感が出ます。反対にアコースティックギターの色味が若干明るく浮かび上がるバランスになっており、コントラスト感はいいです。全体的に輪郭感や解像度感を出しすぎない感じも良く、ウォームな印象はあまりないですが、クールな傾向も抑えられてニュートラルな音の雰囲気を感じます。弦楽はやや奥まって、のびる感じはあまり強くなく、存在感がなかなか出てこないので、どちらかといえばフレーバーに徹している、おとなしめのバランスに感じるので、奥行き感はあまり感じず、手前のアコースティックギターとボーカル中心で聞こえます。全体的に大人びた印象を受けます。

3.ボサボサした感じはありますが、ある意味黒みを感じるので、意外とコントラストは締まった印象を受けます。音の輪郭感は少しボケっとしていますが、電子ドラムの音が奏でる細かい疾走感を出す音がソリッド感良く出るので、リズム感は明瞭です。ていうか発色抑えめな感じが意外と大人びて、しかもE8 2.0のスラッとした音の傾向が生きているので、妙にスタイリッシュです。都会的な雰囲気になっていてちょっと好きかも知れません。

[評価]:古い機種にも拘わらず、通信品質が高く、音質的には色味を抑えて灰色な感じがあるのですが、それが逆に締まった雰囲気を感じさせるところがあります。シンバルやデジタルドラムの粒感が強調された感じは結構楽しく、RHA系の音に聞こえます。いや、もしかすると長年使っているDAPなので、私のRHA観を作っているのがむしろこのDAPじゃないかという見方も成り立つわけで、どっちがどっちだか。ほかのDAPと違って小音量では音像がうまく出なくて篭もる感じがあり、大音量にすると圧迫感が出るのでややピーキーなところはあります。発色が悪すぎると思う場合は音量を上げれば改善される傾向にありますが、音量を出しすぎるとうるさくなるので、結局毎回発色は微妙なラインで楽しむことになると思います。

 

【5位】Pioneer XDP-20(通信7 音質7 総合14)

Pioneer XDP-20

Pioneer XDP-20

  あんまりネット上の評判を聞かない機種ですよね。評論家は案外褒めたレビューを書いている人が多いんですけど、いかんせんNW-A55がガチライバルになる価格帯。現状コスパ最強DAPの名をほしいままにし、ミドルエントリー史上最強との呼び声も高い完成度のDAPが相手だとだいぶ分が悪いところがあって、音質が似た傾向というのもあって完全に勢いを削がれている印象があります。「こ、こっちは、ば、バランス接続できますよぅ……」という、か細い声しか聞こえてこないイメージ。しかし私にはNW-A55より低域の存在感がある印象で音にそれなりの厚みもあって、価格帯では充実感の高い音質です。デザイン、連続再生時間、ブランドとしての安定感ほか、いろいろ考えると、NW-A55を結局選んじゃいますけどね!ていうかONKYOって今じゃいまいちな印象ありますけど、少し前のCDとかMDコンポの時代は圧倒的存在感があった気がするのですが。SOTECを買収した時には、ああ、それ拾っちゃうんだ……って思いました。私の親友がSOTECのPC買ってさんざんな思いしてたのを知っていたので……。ていうかONKYOのPC部門は結局どうなったんだ?……話がそれました。

 実際、このDAPは捨てたもんじゃなくて、インターフェースやアクセサリーとしてのデザインがいまいち練られていないところと、連続再生時間などのバッテリー関連にもっと手を入れて洗練させれば、見違えたように好評で迎えられそうなポテンシャルを秘めています。実際音はNW-A55に対して中低域の方にはボリューム感があり、コントラストの関係で高域の光沢感も出やすいところがあって良い印象です。この機種に意外と愛着を感じてきた今日この頃。ただ、動作のもたつきだけはなんとかせい!……思えばGRANBEAT買ってもいいかなって思ったのも、この機種が案外悪くなかったところにあるのかも。

[通信]:通信品質は意外と安定しています。じつは距離による途切れはあまりなくて、5m程度もそれなりに安定しています。むしろ普段からときどき結構派手にプチプチ切れるのが気になります。距離を問わず時々派手にプチプチ切れるこの機種と、一定距離内はド安定傾向で、距離をとると派手にブチブチするCT10とどちらがよいかは難しいところですが、一般的な使用状況を考えると近距離でより安定した使い勝手があるCT10のほうがよいんじゃないかと思って差を付けました。あとこれはXDP-20のほうが悪いのかはわかりませんが、時々再生中の曲を別の曲に変更すると、接続は維持されているのに突然音が出なくなります。こうなるとたぶん、復旧方法は接続し直すしかないと思います。

[音質]:あくまでE8 2.0の清涼感を生かしているかってあたりを重視しちゃったんで、こっちは少し下が重たい気がしたので、同じ系統のNW-A55と少し差を付けちゃった感じですけど、むしろコントラスト感はNW-A55より優秀な印象もあり、上ではCT10ばりの華やかな雰囲気を出す感じもあります。

たとえば1.の曲ですが、音味は同じONKYO系のGRANBEATのほうが音場が広く、すっきりした清潔感が活きていて、低域も深さを感じやすいという利点がありますが、XDP-20は音場はやや狭いかわりに全体の音がボリューミーかつ発色が少し華やかになっていて、シンバルの八色が少し増して粒感がかなり目立ちます。また中低域が少し太いので温かみが感じられるようになっており、その分さわやかさは劣りますが、充実感があります。

2.の曲については率直に言って、好みの問題とは思いつつ、XDP-20をNW-A55より低くしたのはこの曲での清潔感の差です。この曲に関してはむしろ低域のボリューム感を抑えめなNW-A55のほうが高域の輪郭感と静謐な透明感の印象が良く、よりクールで冷えた、張り詰める空気感を感じます。XDP-20のほうがウォーム傾向です。ぶっちゃけこれくらいの差だと気分によっても「やっぱこっちがいいかな」って揺れ戻しはあったりするんで、最終的には今日の私の気分がNW-A55の少し張り詰めた緊張感のある音により妙味を感じたといったくらいなんですけどね。そうすると、じゃあNW-A55が音質9なんだから音質8でいいじゃないって話も当然出てきて良いはずなんですが、CT10の音がまた良い感じで華やかで優美なので、それに比べるとXDP-20を上には考えられないところもあって、結局もろもろの事情でこんな感じの評価になっていますが、もしかすると順位はもう少し上でもいいかもしれないという感じです。

3.ライバルのNW-A55よりは低域に膨張感が感じられるところがあり、ボリューム感では勝るかも知れませんが、その分輪郭感は少しやわらかく聞こえる印象がありますから、高域の発色と緻密感で劣る印象を受けるかも知れないです。全体的な印象自体は結構似ている気がします。

[評価]:なにかとNW-A55に一歩及ばない感じがあります。仮に音質は好みの差として互角と評するにしても、通信品質と動作の軽快さなんかではかなり後れを取ります。そこらへんを含めますと、むしろここでの評価以上に使い勝手の差は広がってしまうかも知れません。

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【7位】SONY NW-ZX300(通信5 音質8 総合13)

SONY NW-ZX300

SONY NW-ZX300

 SONYが誇る名機です。もはや語ることはあまりありません。

[通信]:こいつがBang & Olufsen E8 2.0は通信が切れやすいという私のイメージを形成した張本人っぽいです。距離による途絶は2m程度は意外と安定していて、5m程度で少しプチプチしますが、すぐ復帰します。かなり安定している印象に思うかも知れませんが、曲によるのか別の要因によるのかわかりませんが、肌身離さずというレベルで近くにあっても、時々かなりひどい感じでブチブチブチって切れます。何が悪いのかよくわからないのですが、とにかく途切れ方が酷いので異様に目立ちます。

[音質]:このDAPはやや重厚よりの大人びた色合いの音を丁寧に出すところが好きです。輪郭感をあまり強調しているようには思えないにも拘わらず、実際にはソリッド感もかなり感じられる音で、輪郭を悪目立ちさせずに、でも実はしっかり聴かせるバランスの良い解像度感を持っているところも品が良いです。ある意味派手さのない音で、アニソンのような煌めき感がほしい曲では少し落ち着きすぎているところもあるのですが、ビターな風味の欲しいJAZZでは鬼神のごとき表現力を感じさせて、さすがのSONYサウンドです。爽快な清涼感より濃厚な空気感に強みのある機種で、そうするとE8 2.0とは得意分野が逆方向を向いていて、あまり被らない感じはあります。

1.の曲については豊穣という表現が合うほどに、今回のDAPの中では一番に近いくらい、中域にまろやかで濃厚な感じが感じられ、シンバルの粒感もかなり上位です。ただしシンバルの色味は比較的淡いので目立ちません。同じSONYのNW-A55よりは高域あたりの輪郭感や発色は少し抑えた感じで大人びて感じられますが、この曲に関しては私はもうちょっと明るくていい気がするので評価は若干低くしました。あとこれも好みでしょうが、GRANBEATに比べると空間がもう少し充満しており、フロアノイズのような空気感が出やすい印象があり、清潔感は若干劣ります。そのため分離感はGRANBEATに劣る印象を受けやすいです。

2.の曲に関しては中域に匂い立つような艶味があり、ボーカルもふっくらした感じがあり、上の方では清潔感を感じさせながら、下の方で温かみのある生気感があります。背景の弦楽は太く、茶色っぽい木材的な材質感のある焦げた風味のある音で、薫るフレーバー感が秀逸で、正直素晴らしいです。この曲に関しては高級コーヒーを味わうような濃厚な味わいに満点をあげたいくらいです。NW-ZX300はアコースティックな曲には本当に素晴らしい表現力を持っているなぁって思います。

3,の曲では全体的に音は太く、かなり重みもあり、とくにピアノの重厚感がこれまでのDAPとは別格で、比較的ドンが出づらいE8 2.0でもたしかな重みを感じさせてくれます。ただある意味、ほぼ完全にすっきり感が減っている印象を受けるので、これはすごくいい表現なんですけど、かなり大味な感じがします。色のコントラスト感も良く、キレのある楽しい音で個人的にはすごく好きですし楽しいんですけど、GRANBEATの見通しの良さがある音の方が、ここは正解としたいです。難しいですが。結構重くべたーっとした油絵の具のような濃い音に聞こえやすいので、若干聞き疲れしやすいバランスになると思います。

[評価]:すごく迷ってGRANBEATやNW-A55と差を付けた感じですけど、この機種の濃厚感のある音が音質No.1という人も多いはずで、差をつけたのはやはり最終的には私の考えるE8 2.0をよりよく表現してるのはどちらかという思想の問題で差を付けました。曲によっても評価は変わるはずで、今回はアニソン中心に選んだので損をしているとも言えます。

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【8位】a&norma SR15(通信4 音質5 総合9) 

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 私の手持ちの中で最も品の良い、たおやかな音を奏でてくれてお気に入りのSR15ですが、同じように音場重視でさわやかで風雅な音を持つE8 2.0と組み合わせたら、薄味過ぎる音ができてしまいました。音量をどこまで上げてもスッキリさらさらなサウンドを奏でてくれますが、かなり無色透明な感じがあって逆に捉えどころがなさ過ぎます。いや、こういう音が好きな人はどこかにいるはずなのですが、多くの人が凹凸感が少なすぎておとなしすぎる印象を受ける気がしますので、私にはちょっと万人向きには思えません。

[通信]:音質は置いておくにしても、通信品質の相性にも問題を抱えています。同じAstell&Kern系のCT10と同じように2mくらい離れると派手にブチブチ途切れるほか、5mくらい離れると場合によって接続自体が切れます。本当に相性良くないかもしれないって思います。

[音質]:一言で言うと、さわやかさ100%過ぎて薄味です。優美で妙に淡く華やかな色合いを感じるんですけど、広い音場の中に少し優しめに聞こえてくる感じがあって、解像度感が異常に良いんですけど、すごく掴みにくいところのある音です。全体的に音に優美で透ける感じが強く、音量を上げないと音の色味をつかみ取りにくく、音量を上げてもうるさい感じがないのは良いんですが、バッテリー消費が激しくなります。うーん。最高に澄み渡った高級シルクのような音ではあるので、心地よいことは確かですが、うーん。たとえばSR15は高域は素晴らしく伸びるんだけど、ちょっと音場の広さや分離感に欠けるかなぁって感じのNUARL NT01AXさんと組み合わせると、「何、このすっきりと天井まで届くのびやかさがありながら、ツヤツヤキラキラっとした艶やかさもある音、神がかってる!しかも膨張感のある柔らかい弾力の中低域がそれを品良く包み込んでいて、優美な中にもたしかな脈動する生命を感じられるんだけど!ちょっとやばいですわー!」くらいの感動があるんですけど、E8 2.0との組み合わせは全体的にさらさらしすぎてもはや「ふわふわとした何かが風に乗ってほのかに聞こえてくる」としか言えないレベルです。いや、これはさすがに言い過ぎかも知れないですが。

というわけで、1.を聴いてもサラッサラ。つやっとした光沢感が淡く感じられるので、どことなく優美なんですけど、どの楽器音にもとっかかりが感じられず、かなりの音量にしないと音の色味や輪郭感が見えてきません。全体的に解像度は素晴らしく、音場も広くて薄味なのに表面的な印象ほどスカスカしてないんですけど、小音量じゃ個々の音の存在感が減るので、スカスカして感じられます。

2.の曲も全体的に淡く、澄んだ透明感を持ったボーカルがむしろ一番聞こえが良く、このボーカルを透明感重視で聴くならおそらく全DAP見渡しても最強クラスなんですけど、全体的に落ち着きすぎで、弦楽とかそれなりの音量にしてもあんまり存在感を出さずに背景に溶け込んでいます。ある意味最高に上品に聞こえる音で沁み込んでくる音なんですけど、いかんせん、薄味で沁み込んでくるので、味がしません。これは薄すぎるという人が大部分だと思います。

3.もさっぱり淡い感じでスムースです。ボーカルもかなり透けた感じで、楽器音も全体的に輪郭以外は透けている感じで、無菌室のような、かなり清潔で透明な空間を感じます。この曲、こんなすっきりしてたっけ?ってくらいさわやか。

[評価]:ある意味清潔感のある音の極北で、これほどの表現は他の組み合わせではちょっと味わえないくらいの音なんですけど、魅力的かというと微妙です。そして通信品質は素直に厳しいので、個人的な意見としては、相性は最も良くない印象です。でも音質的にはすっごく清潔で品が良い表現の組み合わせなので、是非聴いてみてほしい組み合わせでもあります。

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【総評】E8 2.0の澄んだ音はDAPの個性を引き出すところがある

 今回テストして思ったのは、E8 2.0は自身の音はそれほど自己主張が強くなく、むしろDAPの音の癖が純粋に出やすいところがあるということです。ほかの完全ワイヤレスイヤホンに比べると、DAPごとの色味の変化を味わいやすいところがあって、全体の見通しのよさ、個々の音の分離感の良さ、透けるように色味の少ない音の感じがDAPの音場の広さの違いや、音の傾向、色味をより感じさせてくれるようです。

 ていうか、第一印象的にはさわやかさが一番の美点だなぁって感じの完全ワイヤレスイヤホンに思えてたんですけど、かなり表情変化のあるイコライザーを搭載していることなんかを考えると、むしろ音にこだわるオーディオファンほど総合的にかなり楽しめる製品かも知れません。

 私の大好きなKOKIAさんの「本当の音」って曲があるんですが、私の中でのE8 2.0のサウンドイメージはいまのところこの曲です。

 


本当の音

 

 あとはこの曲かな。たぶん大抵のイヤホンやスピーカーでボーカルが澄んで息感だけシャープに撥ねる感じと清涼な空間表現を感じると思うんですけど、こういう音の方向で聞かせるのがE8 2.0って感じです。このイヤホンの音をイメージするときに、サウンドイメージ的にはこういう方向性でいいと思います。少なくとも私の中ではこういうイヤホンです。人によってサウンドイメージって結構違ったりするので難しいんですけど。

 

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【ハイレゾ対応ヒアスルー搭載イヤホン SONY IER-NW500N レビュー】NW-A50シリーズとの相性は抜群!ヒアスルーが便利すぎる。音質的にはやや低域に寄ったゆったりめのサウンド

SONY IER-NW500N

SONY IER-NW500N

ソニー SONY ウォークマン専用 ノイズキャンセリングイヤホン IER-NW500N : ブラック IER-NW500N B

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「NW-Aシリーズと併用すればANC機能が使える」

おすすめ度*1

SONY IER-NW500N

ASIN

B07572S95S

 イヤホンの装着感は良く、違和感は感じない。遮音性はそこそこ。音漏れは少し目立つ。ただしNW-A50シリーズと組み合わせればノイズキャンセリングが利用できるので遮音性は高まる。

 

【2】外観・インターフェース・付属品「ヒアスルーが優秀。NW-Aシリーズと組み合わせた運用が前提の機種」

 付属品はイヤーピースの替え、説明書。ケーブルのタッチノイズは少しあり、ヒアスルー用のマイクを搭載しているせいもあるのか、ケーブルのひずみはギシギシという音で出やすい。

 

 このイヤホンはSONY製DAP NW-Aシリーズとの運用が前提で、それ以外のXperia含むスマホやタブレットで使っても機能は活かせず、ただの割高なイヤホンでしかない。

 NW-Aシリーズと合わせて運用すると真価を発揮し、とくにヒアスルー(外音取り込み)機能は、個人的には便利すぎて愛用しており、今では家の中ではほぼこれをメインに使っているくらいだ。

 ヒアスルーは人の音声を中心にマイクで拾って音楽と一緒に聴かせてくれるものだが、私は家でこれを使って音楽を聴きながらテレビを見たり、ゲームをしたり、radikoを聴いたり、ネット動画を鑑賞したりしている。これを入手する以前はJabraのElite 65tとかElite Active 65tとかをヒアスルーのメイン機として使っていたが、若干バランスは異なるものの、精度的にはこれらのイヤホンと同等に近いヒアスルーを実現しているので、家ではこちらを使うようになってきた。

 手持ちのヒアスルー搭載機はほかにもSENNHEISER MOMENTUM True WirelessGLIDiC TW-7000などあるが、精度的にはあまり芳しくなく、Jabraクラスの性能を持っているのはこれとJBL UA Sport Wireless FLASHくらい。探せばもっといいのもあるかもしれないが、NW-A50シリーズとの組み合わせ前提なら、コスパ的には最も廉価に構築できるヒアスルー環境になる。

 ヒアスルー前提なら音楽にそんなに没入する必要もないので、音質的にやや物足りないところも気にならないし、この機種の高域にあまり精彩のないバランスは逆に外部音声との共存がしやすいバランスとも言える。

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【3】音質「中低域に寄せたややゆったりしたサウンドだが、音場は広く感じやすい」

 ハイレゾ対応している機種だが、高域の発色は良くなく、どちらかというと中低域の厚みを中心に味わうようなバランスになる。その低域も深掘りを強調する感じではなく、穏やかに膨張するような鳴らし方で、締まりはそれほど良いとは言えないだろう。個々の音を見ると精彩は悪くないような気もするのだが、全体の印象的には地平線に平たくベターッと左右に広がった感じで聞こえやすい。高さを感じさせる躍動感には乏しく聞こえるだろう。オーケストラやJAZZではゆったり、ロックやダンスミュージックではもっさりに聞こえるバランス。どちらかというと、中低域の密度感の中に高域が少し浮かび上がってくるくらいのバランスでスピーカーで聴く音に近い感じ。

 

[高音]:高域は暗めに聞こえやすい。突き抜け感を感じさせるのはあまり得意なほうではなく、低音量ではあまり出ない(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:左右の結構な広さの割に奥行きもあり、地平線付近に全体の音が集まってくる傾向はあり、どちらかというと上下にスカスカ感がある。

[低音]:厚みのある振動で100hz~40hzまで素直な減衰。30hzでだいぶ沈み、20hzはほぼ無音(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:パノラマサウンドといった感じに特に左右が広く、奥行き感もそこそこある立体感を感じさせる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:膨張感がややあり、輪郭感はあまり強くなく、地熱感もほどほどあって、肉もあるので重量感を感じさせる音だが、やや弾力感が強めでズボボンズボボンといった感じの柔らかい音。シンバルは粒感そこそこあるが、発色はおとなしめ(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカル付近は丁寧にマージンが取られている感じで、分離感がしっかり感じられる。色味は高域少し暗めの自然な発色で強調感は感じられない。

 

【4】官能性「ミニコンポのような音」

久石譲「Friend」

  左右に広く、広大な音場を感じさせるので、この曲のゆったりした雰囲気は良く出る。また、音に高域の透明感やキラ味を強調する感じがなく、自然な味わいがあり、オーケストレーションサウンドとは相性が良い。低域も強調されすぎないので、自己主張が重たくなりすぎるところはなく、自然に地平線付近に音が集まる。個性的な音ではなく解像度感に優れるわけでもないが、意外と空間表現はしっかりしていて、SONYらしい安定感がある。

 


紅の豚

  

秦基博「言ノ葉」

 この曲なんかコンポを聴いているような感じで楽しめる。この曲は低域が強調されすぎてしまって出やすいところもあるが、このイヤホンも低域の量感をしっかり感じさせながら、しかし、ほどよい膨張感で重くさせすぎず、広い音場を生かして圧迫感のない印象で聴かせてくれる。しかもボーカル周りは少し分離感を感じさせるだけの余裕があって、歌声は一体的に低域と一緒に聞こえてくる感じではあるが、埋没しない。楽器音は全体的に自然な感じで、最近流行の解像度感のある音ではないが、全体的なバランスはうまいと思わせる。

 


言ノ葉

 

YURiKA「CRAZY GONNA CRAZY」

 TVアニメ「アニマエール!」の作中で使われたTRFの名曲のカヴァー。DVD第1巻付属の特典ミュージックCDに収録されている。原曲に比べてさらにダンス色が強調されていて、音が太めになっており、密度感もかなり高くなっている。アイドルソング的な味付けも強まっており、そのおかげでかなり満腹感の高い曲になっているが、反面圧迫感は出やすい。

 このイヤホンはかなり中低域付近に音を集めて厚い床面を作らせ、ボリューム感をしっかり出しながら、左右にうまく音をばらけさせて圧迫感を減らして広い音場を意識させて一定の開放感も出していて、バランス感覚はかなりよく思える。ていうか、こういう曲を聴くとこのイヤホン、音質はあまり評価されてないけど、実は意外とすごいなって思える。もちろん欠点はあって、全体的に音が膨張傾向でギャンギャン膨らむところがあって、最近流行のハイファイ志向とは真逆な感じで締まりは悪く聞こえやすい。

 


アニマエール! Vol.1 [Blu-ray]

 

Bivattchee「太陽の真ん中へ」

 低域の音圧はしっかりしている。音に解像度感はあまりなく、この曲だとシャンシャンしたシンバルがやや他の音にかぶさってうるさく聞こえるところはあるかも知れない。しかし全体的にドライな音が強い中でも、弦楽やキーボードの透明感やのびやかさがそれなりに聞こえ、見た目の印象ほど解像度が悪いわけでもないこともわかる。音場的には結構広さを感じさせ、上方向にもマージンがあって結構な開放感がある。躍動感は強くないので、少しもっさり感はあるが、音に厚みがあって重厚感と音場の広さ重視で結構しっかり聴ける。

 


太陽の真ん中へ

 

RUANN「There's No Ending」

 この曲は密度感もありながら、各楽器音の出し方が緻密で、情報量が多いのに意外と圧迫感は出にくく、緩急もかなりあって面白い曲。結構短い曲で聞き込んでいるうちに気づけば終わってしまうところがある。そういう意味では展開が急に感じられることは事実で、曲の余韻を曲の中で一定程度消化できるくらいに、もうちょっと長めにしてもいいとは思うけど、ここではこの曲のレビューをするわけではないので、これ以上は突っ込まない。

 で、このイヤホン意外といいなって思えるのは、たとえばこういう曲も重厚感とスピード感のバランスをうまく取って緩急を存分に味わわせてくれるのが1点。解像度が高すぎないので音に一体感があるっていうのが1点。空間的にマージンを丁寧にとっているところがあって、密度感一辺倒ではないから、この曲みたいな音の広がりを緻密に演出に取り込んでいる曲では音そのものの迫力より、広い空間性を生かした雄大な迫力が出るというのが1点。

 解像度感は高くないし、音のアタック感や透明感を強調することもないから一見面白味のないイヤホンなんだけど、なんだかんだいってSONYは音作りがうまいって思える。

 


There's No Ending

 

いきものがかり「心の花を咲かせよう」

 いきものがかりの曲の中では元々低域重ためのバランスのバラードポップス。こういう感じの高低感バランスはこのイヤホンの特性と合っている気がする。広大な音場を強調する感じの弦楽を多用した表現も適している。ボーカルは突き抜ける感じではなく、どちらかというとまっすぐこちらに向かってくる感じで、SONY製イヤホンは結構こういう聴かせ方多い気がする。そういう意味では音の躍動感は上に蓋がされて、地平近くの少し下の方でいろんな音がゴチャゴチャやっている感じがあるんだけど、音に厚みがあるのとボーカルの分離感が良くて聞こえが良いのでほとんど気にならない。

 


いきものばかり~メンバーズBESTセレクション~

 

【5】総評「NW-Aシリーズとのセット運用が前提だが、なかなかの使い勝手の機種」

 ヒアスルーが便利で、NW-Aシリーズを持っている人にはそれだけでおすすめできるが、音質も一見優れている印象がしないが、実は広い音場感覚を持ち、意外と悪くない。地味に使い勝手の良いイヤホンである。用途も限定されているせいか、あまり安売りされないところがあって少し割高に感じるところがあるのだけはマイナスポイント。

 

【6】このイヤホン向きの曲

FLOW「Days」

 広大な音場表現がこの曲を表現するに充分だし、低域の存在感のあるバランスもこの曲向き。やや重みに寄った表現だが、ミニコンポで聴くような感じであまり圧迫感を感じずに楽しめる。

 


交響詩篇エウレカセブン COMPLETE BEST(DVD付)

 

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【ハイレゾ対応デジタルオーディオプレーヤー SONY NW-A55HN Disney FANTASIA コラボモデル レビュー】なんだかんだ言って使い勝手と音質のバランスが良く、最高にコスパが良いのはNW-A50シリーズだ。

ウォークマン®Aシリーズ Special Collection 〔Disney FANTASIA〕

ウォークマン®Aシリーズ Special Collection 〔Disney FANTASIA〕

ソニー SONY ウォークマン Aシリーズ 16GB NW-A55 : Bluetooth microSD対応 ハイレゾ対応 最大45時間連続再生 2018年モデル トワイライトレッド NW-A55 R

 

 

 大抵のオーディオメーカーの公式通販サイトと同じように、SONYストアでもコラボレーションモデルが精力的に展開されています。今回その中でもNW-AシリーズのDisney FANTASIAコラボモデルを手に入れたのでレビューいたします。

www.sony.jp

 

【1】UNBOXING(開封)「他社のコラボモデルに比べると梱包は緩い印象を受ける」

 いつも通り画質が悪いです。正直あまり撮影はしたくないんですが、コラボモデルは外観をレビューすることも大事ですので、参考になるよう写真を掲載します。そして例の如く、スマホでの撮影ですので、必要に応じて縦長になったり横広になったりするのはご愛敬です。

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 以前レビューした「A&norma SR15 ウマ娘 プリティーダービー Special Edition」に比べると、化粧箱の外観はやや作りが緩いというか、若干安っぽい印象を受けます。NW-A55の標準の箱はもう少し噛み込みの硬い作りだった印象があります。デザインは豪華さのあるパッケージではあり、満足度は高いです。

 

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 箱は二重構造になっており、一番外側の蓋だけ外すと、窓からコラボモデルの背面デザインが覗くようになっています。これはおしゃれです。ただDAPは飾っておいても意味がないので、こういう梱包に意味があるかは微妙です。

 

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 Disney Fantasiaセットにはイヤホン「IER-NW500N」が付属しています。後述しますが、SONY NW-A50シリーズのヒアスルー機能やノイズキャンセリング機能を使うためには基本的に対応イヤホンやヘッドホンが必要になります。このコラボモデルはイヤホンが付いている分高いところはありますが、そのおかげでこれらの機能を買ったその日から存分に味わえるのでお得とも言えます。まあ、安上がりに済ますなら、コラボを気にせず標準モデルをソニーストア以外の安売り店で買うのが一番でしょうが。

 

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 私はSONYのDAPを初心者向きとして推していますが、その理由の一つが初回起動時にしっかりとチュートリアルガイダンスがあり、操作方法に迷いづらいことです。だいたいの使い方は説明書を見なくてもこれでわかりますので、開けてすぐ使用できます。

 

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 楽曲再生画面での操作方法ガイダンスです。このように説明は丁寧ですが、私が個人的に一言文句が言いたいのは、ブックマークリストが再生画面からの右スワイプになっているのが些か使いづらいです。

 またコアなオーディオユーザーほど複数機種でSDCardを抜き差しして使い回したりするかも知れませんが、SDCardを抜き差しすればSDCardの曲を登録したブックマークリストは消えます。実際には抜き差ししなくても読み込み失敗でも消えます。そうした特徴を踏まえると、ブックマークリストはライトユーザー向けの仕様ということができます。そのため、個人的にはコアユーザーの方は、m3u形式のプレイリストをSDCard内にしっかり作って管理することをおすすめします。はっきり言って私が音楽を聴きながらやってる作業の大部分がこのプレイリスト作りです。

 

 なおこのコラボモデルには特典曲などはないので、中身は完全に標準のNW-A50シリーズと共通になります。

 

【2】外観/操作性「今発売されているあらゆるDAPの中で、個人的に最も洗練されていると思うインターフェース」

 NW-A50シリーズの最も素晴らしい点は、わかりやすいインターフェース構造です。物理ボタンは右側に集中して配置されているのは上位機種のNW-ZX300と共通なのですが、操作のしやすさには雲泥の差があります。

 NW-ZX300の物理ボタンは大きさの違いなどはありますが、どれも丸い形状をしていて、指先だけでは直感的にわかりづらく、誤操作しやすいです。それに比べて、NW-A50シリーズは操作ボタンのうち、音量調節ボタンのデザインがバー形状に変更されており、これだけでも断然操作のしやすさが変わります。

 外観インターフェースのデザインが考えられているだけでなく、デジタルな内部インターフェースのデザインも、ブックマークリストなどの一部例外を除いてどこに何があるかがわかりやすく、初心者でも気軽に使えます。中華製DAPなどと比べて直感的に操作しやすく、迷うことがありません。中華製DAPは音質はよいものがありますが、基本的に操作が特殊なものが多く、思い通りに曲を流すのに苦労するでしょう。SONY製DAPが備えるブックマークリストは概念的には素晴らしい機能で、気軽に自分の好きな音楽を好きな順番で聴くのに最適です。使い勝手の良さはライトユーザー向けには完璧と言って良いです。

 

 さて、現行のSONY製DAPとしてはNW-A50シリーズはミドルエントリークラスとなります。上位機種は価格的には5万円クラスのNW-ZX300になりますが、はっきり言って、よほどオーディオ好きでもない限り、この上の機種に手を出す必要はありません。

 上位機種のNW-ZX300をNW-A50シリーズのスペックと比べると、実は機能面では結構NW-A50シリーズに見劣りするところもあります。たとえばNW-A50シリーズは流行のヒアスルー(外音取り込み)機能やFMラジオチューナーが付いています。これらの機能は日常的にも便利ですし、アウトドアなんかのお供にも役立ちそうです。

 NW-ZX300が機能面でNW-A50シリーズに勝っているのはバランス接続可能ってところですが、ポータブルプレーヤーとしての場面ではワイヤレスイヤホンを使うことが多いでしょうから、カジュアルな使用シーンではあまり利点になりません。どちらかというとNW-ZX300はポータブルで持ち運ぶというよりは、自宅で音楽を楽しむのに向いているような印象です。バランス接続で高音質の高級イヤホンを楽しむ用途でパフォーマンスを発揮しやすい感じです。

 さらに上位のNW-WM1Aになると、筐体がデカくなって完全に持ち運び用って感じじゃなくなります。音質によほどこだわりがあるなら、バランス接続を楽しんでもよいと思いますが、相応に費用がかかるようになります。

 それならばとNW-ZX300より値段が安くて音質が良いという理由で中華製DAPを薦めてくる人が世の中にはいますが、その多くは操作性が最悪でバッテリー持ちも悪く、すぐハングアップします。大好きな曲の名前が文字化けすることも多いでしょう。音質はいいとは思いますが、私個人の見解としてはDAPは使い勝手>音質で選ぶ方が失敗しません。

 

 NW-ZX300も選択肢として考慮している人のために、一応機能差を下にまとめます。

NW-A50シリーズの機能面での利点
  1. より軽くコンパクトで持ち運びしやすい
  2. ヒアスルー(外音取り込み)機能付き
  3. FMラジオ機能付き
  4. デジタルノイズキャンセリング搭載
  5. 語学学習支援機能付き
  6. ダイレクト録音機能付き
NW-ZX300の機能面での利点
  1. バランス接続可能

 

  こうやって機能面だけ並べると、NW-A50シリーズのほうが使い勝手が良さそうに見えます。実際外出時に使うならNW-A50シリーズのほうが使い勝手が良いと思います。あとNW-A50シリーズの「ダイレクト録音」というのが気になると思いますが、これはMDコンポやラジカセに専用の録音ケーブルでつないで、古い音源やラジオ音声を録音して音楽ファイルにできる機能です。MDやカセットテープ、レコードなどの音楽の再利用が出来るというわけです。

 実際はDACの音質差があるとはいえ、スペック上の音楽再生能力はNW-ZX300とNW-A50シリーズとで差が無いので、ハイレゾ音源を楽しみたい程度の人にはNW-A50シリーズで充分です。NW-ZX300はバランス接続を楽しめますが、普通はイヤホンやヘッドホンにバランスケーブルなんてついてないので、専用ケーブルを別に買う必要が出てきますし、SONYは一般的な2.5mmバランスコネクタじゃなくて4.4mmバランスコネクタだというのも少し面倒です。4.4mmバランス接続はJEITA(一般社団法人 電子情報技術産業協会)が一生懸命標準規格化しようとしていますが、まだ普及率が高くありません。これからは4.4mmが主流になりそうな気配はありますが、よりコンパクトであるというポータブル上の利点がある2.5mmバランス接続が絶滅するのは当分先でしょう。

 

ヒアスルーはとくに便利だが、使用条件がある

 この機種の機能の中で私が最も便利だと思うのはヒアスルー(外音取り込み)機能です。この機能は外部から人の声だけを拾って、音楽を邪魔せずに聴かせてくれるというものです。個人的にはこれが非常に素晴らしいです。しかも前述したように上位機種のNW-ZX300には搭載されておりません。

 これを用いると何が便利かというと、たとえば私の場合、家でテレビ番組やネット動画を見ながら音楽を楽しめます。私は前にも言ったように、頻繁にプレイリストを作成しているので、こうしたプレイリストを作成する作業の片手間にテレビやネット動画を楽しめるというのは大変ありがたいです。人間、時間が限られていますから、好きなアニメやドラマ、バラエティを見つつ、プレイリストを作ることが出来るのはお得な感じがしますし、家族の声なども聞こえるのでリビングでも孤立することがありません。

 実はヒアスルー機能は良い心理的効果を促すという意味でもおすすめできます。ヘッドホンやイヤホンをして外音を遮断している人間のパーソナルスペースは広くなることがわかっています。外音遮断によってパーソナルスペースは狭くなる*1と思いがちですが、実際はそれによってパーソナルスペースが広くなってしまいます*2*3。人は不快音から身を遠ざけるためにイヤホンをしてパーソナルスペースを広げるわけですが、パーソナルスペースが広がることはコミュニケーション能力の低下を招きます。ついでに言えば,パーソナルスペースが広がるということは、ストレスを受けやすいエリアが広がるという意味でもあります。ヒアスルー機能は不快な環境音を遮断しつつも、コミュニケーションに必要な声情報を拾ってくれる機能ですから、これによりパーソナルスペースが広がりすぎることもなくなります。

www.athome-academy.jp

 

 このヒアスルー機能を利用するにはしかし、条件があります。ヒアスルー機能に対応したSONY製のイヤホン・ヘッドホンで利用しないと、この機能が使えないばかりかハウリング音が発生して不快になるだけです。

 ヒアスルーの精度については最大の「+15」に設定しても、IER-NW500NとNW-A55で実現するヒアスルーはJabra Elite Active 65tのヒアスルーに劣ります。テレビの音を聴く場合、テレビ側をかなり音量大きめにしないと音楽に埋没します。

SONY NW-A55

 

【3】連続再生時間「素晴らしく優秀」

 SONY製の方が使い勝手がよいと感じるのは連続再生時間の長さが優秀なせいです。使い方にもよるでしょうが、私の場合、満充電すれば2日くらい平気で使えます。SONY製なら外出中にDAPの電源がなくなって音楽が聴けなくなるなんてことはまず起こりえません。DAPのためにモバイルバッテリーを持ち運ぶ必要も無いです。快適です。

 イヤホンやヘッドホンの連続再生時間以上に、DAPの連続再生時間は重要です。とにかくバッテリーが長持ちするってだけで総合的な使い勝手は格段に違います。そもそも操作性が多少悪くたって、外出時音楽聴いている時にそんな頻繁に操作しないでしょ?音質の違いだって、あまりにひどくなければ気になりません。多少の操作性の悪さや音質は結構気にならないものですけど、連続再生時間だけはなかなか看過できません。個人的にはイヤホン2つ分くらいの連続再生時間はほしいところです。ワイヤレス再生でこの条件を満たしているDAPは少ないです。SONY製DAPはこの点異様にタフなので、まず不満に思うことがありません。

 

 

製品名

操作性

対応コーデック 連続再生時間
SR15 SBC/aptX/aptX HD 10時間(実際はもっと短い)
CT10 SBC/aptX/aptX HD 10時間(実際はもっと短い)
NW-A27 SBC/aptX/LDAC 23時間(SBC時、充分一日使える)
NW-ZX300 SBC/aptX/aptX HD/LDAC 14時間(LDAC時、ほぼ一日使える)
NW-A55 SBC/aptX/aptX HD/LDAC 13時間(LDAC時、ほぼ一日使える)

 

【4】音質「やや硬いドンシャリな音だが、すっきりしている」

 音質的には3.5mmプラグからアンバランスで聴く限り、ほとんどNW-ZX300と変わりません。NW-ZX300のほうがやや音に厚みを感じ、とくに低域が厚ぼったく思いますが、それに比べると見通しが良くすっきりしているようにも聞こえます。

 アイリバー系(SR15/CT10)のまろやかな音に比べると肉質がやや硬く、力強さが感じられる音なのはNW-ZX300と同じ傾向です。同じ価格帯の祖先に当たるNW-A27に比べると、音の輪郭感がより明瞭で、音場感も広くなっており、旧世代のNW-A27よりは同世代のNW-ZX300とのほうに音質的な親近感があります。バランス接続を考慮しなければ、NW-ZX300との差は実質的にほとんどないので、そのコスパの高さは音質面でも感じられます。

 

製品名

音質傾向

音場 解像度
SR15 フラット 広大 高い
CT10 フラット やや広 高め
NW-A27 ドンシャリ(シャリ感強め) 狭い 普通
NW-ZX300 ドンシャリ(低域やや強) やや広 高い
NW-A55 ドンシャリ やや広 高め

 

【5】旧世代機「NW-A20」シリーズとの埋められない差

 ほぼ完璧に近いコスパを誇るNW-A55ですが、旧世代機NW-A27と比べると埋められない決定的な差があります。それは動画ファイルの再生時は音声だけになり、動画を再生出来ないという仕様です。

SONY NW-A25

旧世代機になるNW-A20シリーズだが、A30シリーズ以降の仕様変更のせいで人気は高く、今でも高値で取り引きされている。

 NW-A20シリーズまでは動画を再生する機能があり、ミュージックビデオをそのまま楽しむことが出来ました。NW-A30シリーズからは動画再生は音声のみとなっています。これが何かと不便です。ライブビデオやミュージックビデオを完全に楽しめないだけでなく、音質チェック動画などの細かいレビューテストに使う動画も再生出来ません。そのため、私は今でもNW-A27を手放すことが出来ません。

 

【6】総評「入門用としてはどう考えてもSONY製がいい」

 もはやこのブログでデジタルオーディオプレーヤー(DAP)を取り上げるたびに言っていることの繰り返しになるのですが、個人的な意見としては、デジタルオーディオプレーヤー(DAP)でいいのを初めて買うんだったら、圧倒的にSONY製を選ぶべきです。市場で最も売れているのがSONY製ですが、売れているのには訳があり、それ以外のDAPの使い勝手は基本的に中華製DAPに毛が生えた程度です。

 その優れたSONY製DAPの中で現状最もコスパが良く、万人向きで満足できるのがNW-A55です。バランス接続に興味があるし、オーディオにお金をかけても構わないという人はNW-ZX300に進むべきですが、音質以外はNW-A55に劣ります。

 デジタルオーディオプレーヤーに興味があるなら、現状では必ずこのNW-A55を最初に検討すべきです。この機種を買わないとしても、これを基準に自分の趣向にあったプレーヤーを選べば失敗することはないでしょう。コスパも含めて過不足がないという意味で最高にバランス感覚のある製品がNW-A55であり、だからこそベストセラーになっているのです。

 

 

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*1:そのように説明している心理カウンセラーのサイトがあります。個人的には明らかに理屈がおかしい説明なので無視しますが、逆のことを述べている専門家もいることに留意するため、ここにリンクを示します。

*2:齋藤寛『心を動かす音の心理学 ― 行動を支配する音楽の力』ヤマハミュージックメディア, 2011年, 「現代人は過剰な音にさらされている」

*3:小松正史「聴覚特性を生かした音育メニューの開発 ―「環境音のきき方」ワークショップを実践して」『京都精華大学紀要』(48), pp.63-84, 2016年, p. 82.

【ハイレゾ対応デジタルオーディオプレーヤー SONY NW-ZX300 レビュー】ミドルレンジ帯最高の使い勝手を誇る高コスパ機。細かな弱点もあるが、連続再生時間はライバルを圧倒する。

SONY NW-ZX300

SONY NW-ZX300

ソニー SONY ウォークマン ZXシリーズ 64GB NW-ZX300 : Bluetooth/microSD/Φ4.4mmバランス接続/ハイレゾ対応 最大26時間連続再生 2017年モデル ブラック NW-ZX300 B

 

 

 SONY製のミドルレンジデジタルオーディプレーヤー(DAP)がNW-ZX300です。SONY製DAPはほかのメーカーと比べても材質感に凝ったところがあって高級に見えるのが好きなところです。そして世界で一番売れているシリーズだけあって、ウォークマンの使い勝手の安定感の高さはなんだかんだいって現状最も快適です。なんだかんだいって買って損しない、裏切ることのないコスパ感を持つSONY製DAPの中から、今回はこのNW-ZX300を取り上げたいと思います。まあ手持ちはNW-A27とNW-ZX300しかないんですけどね。

 

【1】下位機種NW-A50シリーズとの差

 NW-ZX300ですが、現行のSONY製DAPとしてはミドルエントリークラスのNW-A50シリーズの上位になります。価格的には5万円クラスで、この価格帯は高級DAPの入り口に当たり、比較的激戦区で各社主力機種を投入しています。

 しかしNW-ZX300をNW-A50シリーズのスペックと比べると、実は機能面では結構NW-A50シリーズに見劣りするところもあります。たとえばNW-A50シリーズは流行のヒアスルー(外音取り込み)機能やFMラジオチューナーが付いています。これらの機能は日常的にも便利ですし、アウトドアなんかのお供にも役立ちそうです。

 NW-ZX300が機能面でNW-A50シリーズに勝っているのはバランス接続可能ってところですが、ポータブルプレーヤーとしての場面ではワイヤレスイヤホンを使うことが多いでしょうから、カジュアルな使用シーンではあまり利点になりません。どちらかというとNW-ZX300はポータブルで持ち運ぶというよりは、自宅で音楽を楽しむのに向いているような印象です。バランス接続で高音質の高級イヤホンを楽しむ用途でパフォーマンスを発揮しやすい感じです。

 さらに上位のNW-WM1Aになると、筐体がデカくなって完全に持ち運び用って感じじゃなくなるので、NW-ZX300は外出時も音楽を聴きたいけど、家でも高音質を楽しみたいって人があらゆるシーンでバランス良く音楽を楽しめる設計を目指している印象です。NW-A50シリーズほどカジュアルじゃないけど、同じように使えないこともなく、NW-WM1Aほど本格的じゃないけど、同じように使えなくもないという器用な機種です。

 

NW-A50シリーズの機能面での利点
  1. より軽くコンパクトで持ち運びしやすい
  2. ヒアスルー(外音取り込み)機能付き
  3. FMラジオ機能付き
  4. デジタルノイズキャンセリング搭載
  5. 語学学習支援機能付き
  6. ダイレクト録音機能付き
NW-ZX300の機能面での利点
  1. バランス接続可能

 

  こうやって機能面だけ並べると、NW-A50シリーズのほうが使い勝手が良さそうに見えます。実際外出時に使うならNW-A50シリーズのほうが使い勝手が良いと思います。あとNW-A50シリーズの「ダイレクト録音」というのが気になると思いますが、これはMDコンポやラジカセに専用の録音ケーブルでつないで、古い音源やラジオ音声を録音して音楽ファイルにできる機能です。MDやカセットテープ、レコードなどの音楽の再利用が出来るというわけです。

 実際はDACの音質差があるとはいえ、スペック上の音楽再生能力はNW-A50シリーズと差が無いので、ハイレゾ音源を楽しみたい程度の人にはNW-A50シリーズで充分です。NW-ZX300はバランス接続を楽しめますが、普通はイヤホンやヘッドホンにバランスケーブルなんてついてないので、専用ケーブルを別に買う必要が出てきますし、SONYは一般的な2.5mmバランスコネクタじゃなくて4.4mmバランスコネクタだというのも少し面倒です。4.4mmバランス接続はJEITA(一般社団法人 電子情報技術産業協会)が一生懸命標準規格化しようとしていますが、まだ普及率が高くありません。ただ各社のDAPラインナップを眺めていると、もしかするとこれからは4.4mmが主流になりそうな気配はあります。

 

【2】外観/操作性「こなれていない」

 外観のビルドクオリティは非常に高く、高級感があります。

 ただインターフェースはあまりこなれていない感じがあって、右側に物理ボタンが並んでいるのですが、誤操作しやすいです。HOLDボタンとか個人的にはそろそろいらないんじゃないかと思いますけど、そうでもないのかな。この機種もそうなんですが、最近はモニターOFFにすれば物理ボタン押しても反応しない機種が多いので、HOLD機能はあんま意味ない気がします。皆さん結構使うんですかね?アイリバー系のDAPはHOLDボタンとかないですけど、別に困りません。

 下位機種のNW-A50シリーズはインターフェースはよりこなれていて、右側にインターフェースが集中しているのはNW-ZX300と一緒なんですけど、音量調節などのボタン形状が差別化されていてわかりやすいものになっています。どうしてNW-ZX300は全部丸ボタンでわかりづらくしているのか謎。デザインを優先したのかも知れませんけど、使い勝手が悪いんじゃ意味ないです。

 液晶の操作性は悪くなく、反応も良いです。

 

使い勝手の面で困ること

 使っててイライラすることは結構あります。代表的なものを挙げてみました。

  1. 曲を転送している間再生出来ない
  2. データベース更新がウザイ
  3. ブックマークリストが消えやすい

 順に説明していきます。まずSONY製のDAPは本体とPCをつないで曲転送している間、音楽が再生出来ません。これが地味に使い勝手が悪いです。DAPに曲転送するのって結構時間かかるので、その間音楽聴かせてくれればいいのにさせてくれません。アイリバー系DAPは聴きながら転送できます。

 データベース更新というのは曲を転送したり、電源を入れたときにストレージの曲ファイルを読み込んでデータベースを作成する動作が入ることを指します。私の場合、256GBのSDカードいっぱいにきつきつに曲を入れてるので、これが結構時間かかってウザイです。

 ブックマークリストというのはプレイリストとは異なって、気軽に曲を出し入れできる簡易お気に入りリストみたいなものです。しかしこれ、なぜかよく消えます。NW-A27をずっと使ってますけど、一度もブックマークリストが消えるなんて事が無かったのに、このNW-ZX300は時々上記のデータベース更新時に外部ストレージの読み込みに失敗することがあって、その時にブックマークリストが消えてしまうようです。おかげで私はブックマークリスト機能が使えず、これもNW-A27を使い続けている理由の一つになっています。便利なブックマークリストが使えないとかほんとひどいです。

 あとブックマークリストの再生も面倒です。NW-A27はアルバムやプレイリストを再生するのと同じ画面にブックマークリストが並んでいて、直感的に選んで再生出来ました。しかし、NW-ZX300はプレイリストやアルバムと同じ画面にブックマークリスト再生の項目がなくて、曲の再生画面でタッチパネルを操作してスライドさせてブックマークリストを再生するんです。この操作方法、いまいち慣れません。まあ慣れる前にブックマークリスト機能自体が前述のように死亡状態になったので、慣れる必要がなくなったんですが。

 

製品名

操作性

対応コーデック 連続再生時間
SR15 SBC/aptX/aptX HD 10時間(実際はもっと短い)
CT10 SBC/aptX/aptX HD 10時間(実際はもっと短い)
NW-A27 SBC/aptX/LDAC 23時間(SBC時、充分一日使える)
NW-ZX300 SBC/aptX/aptX HD/LDAC 14時間(LDAC時、ほぼ一日使える)

 

 

【3】連続再生時間「素晴らしく優秀」

 音質的にはアイリバー系のDAPのほうが好みなんですけど、SONY製の方が使い勝手が格段に上です。それはなぜかというと連続再生時間が長いからです。使い方にもよるでしょうが、私の場合、満充電すれば2日くらい平気で使えます。SONY製なら外出中にDAPの電源がなくなって音楽が聴けなくなるなんてことはまず起こりえません。DAPのためにモバイルバッテリーを持ち運ぶ必要も無いです。快適です。

 前の節で説明したように、この機種の操作性自体は決して優れているとは言えないんですけど、とにかくバッテリーが長持ちするってだけで総合的な使い勝手は格段に違います。そもそも操作性が多少悪くたって、外出時音楽聴いている時にそんな頻繁に操作しないでしょ?多少の操作性の悪さは結構目を瞑れるものなんですけど、連続再生時間だけは楽しい時間がその分目減りするってことですから看過できません。

 イヤホンやヘッドホンの連続再生時間以上に、DAPの連続再生時間は重要です。SONY製DAPはこの点異様にタフなので、まず不満に思うことがありません。SONYクラスの連続再生時間があるDAPを作ってるのはHiFiMANとかいうところだけかな。

 HIFIMANのR2R2000はHUAWEIの高音質ワイヤレスコーデックHWAが使えて、コンパクトなのに最大35時間持つらしいけど、高音質モードだと8時間しか持たないらしいし、販売価格が27万とかするのでNW-ZX300のライバルたり得ないですから、実質敵なしです。

SONY NW-ZX300

 

 

【4】音質「ややドンシャリ傾向」

 音質的には少し低域が厚ぼったく聞こえます。アイリバー系のまろやかな音に比べると肉質がやや硬く、力強さが感じられる音です。輪郭感も強くぎっしりした感じで聞こえやすいかな。個人的にはロックやエレクトロダンスミュージック向きな印象ですけど、JAZZも悪くないと思います。お気に入りのイヤホンの中では、JVC HA-FX1100と組み合わせると、ライブ感増し増しでパワフルに聴かせてくれます。メリハリ感のある音を奏でるので、モニター系のイヤホンとも相性良く感じるかも知れません。

 

製品名

音質傾向

音場 解像度
SR15 フラット 広大 高い
CT10 フラット やや広 高め
NW-A27 ドンシャリ(シャリ感強め) 狭い 普通
NW-ZX300 ドンシャリ(低域やや強) やや広 高い

 

 

【5】総評「入門用としてはやっぱりSONY製がいい」

 以前も言ったことの繰り返しになるのですが、個人的な意見としては、デジタルオーディオプレーヤー(DAP)でいいのを初めて買うんだったら、圧倒的にSONY製を選ぶべきです。市場で最も売れているのがSONY製ですが、売れているのには訳があり、それ以外のDAPの使い勝手は基本的に中華製DAPに毛が生えた程度です。

 SONY製の中では現状NW-A55が最もコスパが良く、万人向きで満足できます。バランス接続に興味がある人でも、NW-ZX300を買うよりは、NW-A55とバランス接続可能な低価格DAPを別に買う方が満足できると思います。FiiO X3 Gen3とかiBasso DX120あたりがいいんじゃないでしょうか。どっちも使い勝手はあまりよくないけどね。X3 Gen3は1万円台前半で手に入るくらい安売りしてたので、買って使ってたけど、動作が不安定で我慢できませんでした。iBasso DX120は代理店さんから丁寧におすすめされたんで、店頭デモ機を何度も試したけど、中華DAPあるあるで、曲の並びとかわかりづらいんで結局断念。これらの中華系DAP機種は音質はSONY製DAPと比べて良いんですけど、とにかくSONYと真逆で使い勝手はひどいところがあります。動作が安定しないところも多いです。なので安定度の高いSONY機をメインに、これらをサブにするのが安心できる方法だと思います。中華製DAPをメインにするのはストレス増えるだけなのであまりおすすめできません。

 そうするとRADSONE EarStudio ES100あたりでバランス接続を楽しむのが良いのかな。あとはONKYOのDP-S1とかPioneer XDP20XDP-30Rあたりを買い足して使ってみるのが無難かもしれないですね。「なら、最初からこれらをメインで買えば良いんじゃないか」って思うかも知れないですけど、SONY系DAPに比べると、ONKYO系DAPは連続再生時間が長くないので個人的にメイン機で使うには心許ない印象です。やはりメインで使うならSONY系が一番便利。

 私みたいにYCやBCで半日以上じっくり試聴してオーディオ選ぶタイプには電池持ちが良いのはそれだけでありがたかったりしますからね。

SONY NW-ZX300

SONY NW-ZX300

ソニー SONY ウォークマン ZXシリーズ 64GB NW-ZX300 : Bluetooth/microSD/Φ4.4mmバランス接続/ハイレゾ対応 最大26時間連続再生 2017年モデル ブラック NW-ZX300 B

 

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【特集】audio-sound @ hatena ベストバイ大賞 2018【ワイヤードイヤホン/ワイヤレスイヤホン】

audio-sound ベストバイ大賞2018

  一足早く完全ワイヤレスイヤホンについてはベストバイ大賞を発表させて頂きました。今回はワイヤード(有線)イヤホン、ワイヤレスイヤホンでのベストバイを発表させて頂きたいと思います。

 しかし、正直に告白しますと、今年は完全ワイヤレスイヤホンをなるべく買い、なるべく使うように心がけていましたので、ワイヤードイヤホンやワイヤレスイヤホンは例年ほど使っておりません。本当は完全ワイヤレスイヤホンと同じように価格帯別に詳しくベストバイを挙げられれば本望なんですが、個人ブログゆえの乏しい資金力とテスト環境、使用環境です。おのずと限界があります。

 なので、今回は価格帯は考慮せず、それぞれの部門でコストに対して最も満足度が高く気に入った製品を紹介するだけの企画とさせて頂きます。どうぞお楽しみくださいませ。

 

 

ワイヤードイヤホン

ベストバイ金賞「JVC HA-FX1100」

JVC HA-FX1100

JVC HA-FX1100

ライブ感に満ちた最高のサウンドを奏でる!JVCイヤホン史上の最高傑作!

 今年買った中で満足度が最高に高かったのがこのイヤホンです。製造は終わっていて、もう出回っているのは在庫処分品になっているんですけど、かなり格安で手に入ります。3万円しないくらい。しかし、音質は倍の金額を出しても通用するようなライブ感のあるサウンドを奏でてくれます。これでJAZZを聴けば、そこはもうブルーノートかコットンハウス、クラシックを聴けば新国立劇場、ロックを聴けばライブハウスってくらいの臨場感が感じられる音を楽しめます。ライブ感では現行のフラッグシップHA-FW01もこれに劣ります。これを作ったJVCは神に違いありません。

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ベストバイ銀賞「RHA MA650」

RHA MA650

RHA MA650

圧倒的高コスパ!音質も豊かだが、付属品も豊富!満足感に感動!

 RHAのMAシリーズは上位機種のMA750もコスパに優れていますが、ほぼ半額くらいのMA650はさらに優秀です。音質的にはそれなりの差はあるものの、価格差ほどではないので、相対的に満足度が高いです。それ以上に付属品の内容が上位機種とほぼ差が無く、イヤーピースが膨大な種類付属していますので、フィットしないわけがなく、買い足す必要がありません。細身のケーブルの耐久性だけが欠点と言えば欠点ですが、それ以外死角のない高コスパ機種です。

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ベストバイ銅賞「Etymotic Research ER3XR」

ETYMOTIC RESEARCH ER3XR

ETYMOTIC RESEARCH ER3XR

ER4の不動の人気の影で忘れ去られている名機!だが、密かに高コスパ!

 ETYMOTIC RESEARCHのER4といえば誰もが認めるBAドライバーイヤホンの名機ですが、その後継機種ER4SRやER4XRの下位機種に当たるのがこのER3シリーズです。ER3XRはその中でも低域を強調したバランスになっているモデルです。ER4シリーズの圧倒的人気の裏で忘れられがちですが、実はこのER3シリーズ、かなりの高コスパです。たとえばこのER3XRは上位機種ER4XRの半額以下の値段設定ですが、ER4XRとあまり遜色ない音色を奏で、下位機種のHF5との差はかなり歴然です。価格的にはHF5の2倍より安く、ER4XRの半分より安いという位置にあり、コスパ感は下位機種・上位機種と比べて断然お得に思えます。

 もはや伝説と言ってよいER4を信奉しているエティモ信者からは完全アメリカ製でないとのことで不評ですが、中国製にしてコスパ面での優位を実現したER3シリーズは格調高いエティモの音に興味がある新参者には最適の選択肢となってくれます。

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ワイヤレスイヤホン

ベストバイ金賞「SoundPEATS Q34」

SoundPEATS Q34

SoundPEATS Q34

aptX対応!ワイヤレスモデル最強クラスの低域は躍動的で楽しい!

 セールを利用すれば3000円以下で手に入る廉価な価格設定ながら、高音質コーデックaptXに対応するという高コスパ機種。音質的にもワイヤレスイヤホンの中でトップクラスの低域音が楽しめる機種で、JAZZやロックにライブ感をもたらしてくれます。SoundPEATSは中国メーカーの中でもサポート体制がいいことでも定評があり、初心者が安心して買えるのも大きなメリットです。

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ベストバイ銀賞「The House of Marley SMILE JAMAICA WIRELESS」

The House of Marley SMILE JAMAICA WIRELESS

The House of Marley SMILE JAMAICA WIRELESS

暖かい音質で心地よい南国が味わえる!最高のワイヤレスイヤホン!

 調和的で暖かな音質を持っているワイヤレスイヤホンです。デザインも自然な材質感を生かしたものになっており、使い心地も最高です。現状このイヤホンは私の寝ホンとしての定位置を不動のものとしています。優しい付け心地と穏やかな音質が眠りのお供に最適。リラックスしながら音楽を楽しみつつ眠ると、夢見もすごくよくて気持ち良く疲れを落とせます。

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ベストバイ銅賞「SONY WI-C300」

SONY WI-C300

SONY WI-C300

外出時の利用によく合う使用感が安定のSONY品質を感じさせる!

  ゴツゴツしない小型で耳当たりの良いハウジングデザインもいいし、音質的にも密度感のある音で周りがうるさい環境でも聞き取りやすいです。目立ってよいところはないけれども、総合的なバランスで使い勝手よく思える機種に仕上がっており、低価格ながらSONYらしい安定感を感じさせてくれます。

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【コラム】音楽CDをPCやDAP用の高音質ファイルに変換するなら、「SONY Music Center for PC」がおすすめ!簡単にflac形式に変換できる

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 最近のデジタルオーディオプレーヤー(DAP)の進化はすさまじく、容量的にもSDメモリーカードを使って数十GBや数百GBの音楽データを扱えるようになっています。

 SDメモリーカードは入れ替えて使用することも出来ますから、事実上無際限に音楽データを扱える世の中になりました。こうして容量の制限から解放された現在、一昔前までのように、音楽再生機器の容量を気にして、mp3やAACといったCD音源より低品質な音楽ファイル形式に変換するといった必要性は薄れています。

 むしろ、時代はハイレゾというより高品質な音楽データをもて囃すようになっており、DAPも高品質な音源を再生する実力を備えるようになりました。ですから、容量を気にしなくていい今の時代、わざわざ低品質なmp3で音源を持ち運ばなくてもいいわけです。

 

 一方で、以前は音源の主流だった音楽CDを今でもたくさん持っている人は多いと思います。CDをmp3ファイルに変換して音楽を楽しんでいる人も多いでしょう。 

 でもせっかくCDの音源をそのままの品質で楽しめる時代になったので、mp3のように音質劣化してしまうファイル形式ではなく、音質を劣化させないファイル形式で保存したいですよね?

 それに音楽CDは時間経過によって物理的に劣化します。古いCDはプレーヤーやドライブで再生出来ないこともあると思います。できればせっかく手に入れたCDの音楽をそのままの品質のファイルにして保存しておきたいと思いませんか?

 

 CDと同等の音質で再生出来るファイル形式はいくつかありますが、この記事では一番取り扱いが楽な「flac」形式の音楽ファイルをオススメします。ここではPCを使って簡単にflacファイルに変換する方法を案内します。

 

おすすめの方法:SONY Music Center は初心者向き

 CDをflac形式のファイルに変換するPCソフトウェアはたくさんあります。フリーソフトから有料ソフトまで便利な機能が付いているものも多いですが、フリーソフトは機能が多くても直感的に使いづらくて、結果的に使い勝手が良くないものもあります。慣れればそうしたソフトの便利さも感じられるようになるのですが、初心者にはとっつきづらいですよね。

 

 そこで、ここでは初心者向きの使いやすいソフトを紹介します。それは「SONY Music Center」。SONYのサイトから無料でダウンロードできます。

www.sony.jp


 

Music Center for PC のおすすめポイント
  1. 大手オーディオ企業SONYのソフトウェアなので継続性が高い
  2. 日本最大規模のSONY製DAPユーザー御用達
  3. 日本企業SONYのソフトなので、日本語に完全対応

 まず自社DAP製品用の音楽ソフトを出しているメーカーはSONYだけではありません。onkyo/pioneer製DAPには「X-DAP Link」というソフトウェアがついています。しかし、SONYのソフトウェアのほうが利用者が多く、ネット上でも情報が多いです。

 

 さらに今は大手メーカーといえど、突然事業から撤退することがありえる世の中です。たとえばJVCやpanasonicも10年前はDAPを出していました。今はもうこれらのメーカー品はなく、DAPが販売終了すれば対応ソフトウェアもサポート終了するのが普通です。慣れて使いやすいと思っていたソフトウェアがある日使えなくなるのはイヤですよね?SONYもDAP事業から撤退することがないとは言えませんが、シェアが大きいので、他のメーカーよりは撤退の可能性は低そうに思います。

www.bcnretail.com

 

 さらにSONYは去年、ソフトウェアを「Media Go」から「Music Center for PC」に変更したばかりで、しばらくの間は「Music Center for PC」を丁寧にアップデートしていくと思われます。スマホなども含めたSONY製品のPC用対応オーディオソフトウェアは「Music Center for PC」に一本化されるのではないかと思います。

 

 SONYのソフトウェアなので、多くのフリーソフトと違って日本語対応が完璧に近く、操作方法について公式サイトでヘルプやQ&Aが比較的充実している点も魅力です。

 

実際にMC for PCでCDをflacファイルにする

 では実際に、「Music Center for PC」をインストールし、音楽CDからflacファイルを作成してみましょう。

 

インストール方法

 このリンクをクリックして 、指示に従ってインストールして下さい。

 

CD→flacへの変換

 まず「Music Center for PC」を起動し、CDをPCのドライブに挿入します。

 

f:id:kanbun:20181123152331p:plain

↑次に画面の左にある「CD」をクリックします。

 

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↑ するとCD取り込みの画面に移ります。まずは表示された情報を見て、取り込みたいCDの情報が表示されているか確認しましょう。

 

f:id:kanbun:20181123153721p:plain

↑標準では取り込んだファイルの形式がAACになってしまいます。取り込みの「フォーマット」を変更して「flac」にします。まず「…」をクリックします。

 

f:id:kanbun:20181123154148p:plain

↑するとツールメニューが表示されるので、「CD 取り込み設定」を選びます。

 

f:id:kanbun:20181123154604p:plain

↑出てきた画面の、右のバーをドラッグで操作するか、マウスの真ん中ボタンを使って、下の方を表示させます。

 

f:id:kanbun:20181123154959p:plain

↑「フォーマット」をクリック。

 

f:id:kanbun:20181123155142p:plain

↑「FLAC」を選択します。

 

f:id:kanbun:20181123155414p:plain

↑「OK」をクリックします。

 

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↑フォーマットが「FLAC」に変更されました。

 

f:id:kanbun:20181123155758p:plain

↑あとは「取り込む」を押せば、flacファイル形式でCDの音楽をPCに取り込むことが出来ます。

 

 このように簡単に取り込みができるのですが、「Music Center for PC」のさらによいところは、上のようにCDの情報をオンラインデータベースから自動取得してくれるので、音楽ファイルにアルバム情報などを手動で入力したりする必要がほとんどないことです。取り込みの手間が大幅に省けて、取り込んだ楽曲の情報管理は「Music Center for PC」に任せられるので、ファイル管理が楽です。

 

 CDから音楽を高音質で取り込みたいと思っているけど、手軽な方法がわからないという人にはおすすめのやり方です。

 

 なお「Music Center for PC」の使い勝手の良さについては藤本健さんが詳しく紹介している記事があります。

av.watch.impress.co.jp

 

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【ワイヤレススピーカー SONY SRS-XB20 レビュー】厚みのあるベースとドライ気味な中高域で渋めのロックサウンドを奏でる。R&Bもよい

SONY SRS-XB20

ソニー SONY ワイヤレスポータブルスピーカー 重低音モデル SRS-XB20 : 防水/Bluetooth対応 ライティング機能搭載 ブラック SRS-XB20 B

 

おすすめ度*1

SONY SRS-XB20

ASIN

B071CKBMWR

 SONY製のミドルレンジコンパクトワイヤレススピーカー。置き換え機種としてSRS-XB21がすでに発売されており、そちらのほうが安く手に入る場合もある。

 LDAC対応。通信性能は安定している。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品は充電用USBケーブル、マニュアル。

SONY SRS-XB20SONY SRS-XB20

 

【2】音質

 音質的にはドンシャリ系。後継機種のSRS-XB21に比べると、出力がよい分、メリハリを感じる。高低の立体感では、SRS-XB21のほうが突き抜け感を感じてより攻撃的なのだが、音場の印象では、XB20のほうがより広い印象を受ける。低域でもXB21がどうしてもブーミーな感じがあるのに対し、XB20のほうがまとまりがよい音に感じる。瞬発力ではXB21のほうに分がありそうで、よりドンシャリチックでキレの良いサウンドを求めるなら、XB21がよい。こちらはより落ち着いたJAZZなどにも対応可能な、懐の広い音響になっている。

 

[高音]:そこそこの突き抜け感(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:弦楽は少し落ち着いている。煌めき感少なめ。ピアノ音は厚みがあるが、曲によって温度感が冷たく思える時がある。全体的な印象はややドライ。

[低音]:低音の厚みは良い。ベースの深さもそこそこ感じられる。100hzから厚みのある振動。40hzから沈む(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:奥行き感は感じやすい。高低感はほどほどにダイナミック(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは爆発力強め。地熱感と粘りがあり、バツンバツンとした厚い音。ハイハットはやや粗い(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:比較的自然に伸びてくる。

 

【3】官能性

 SPYAIR「Samurai Heart」は結構相性がよさそう。全体の印象として十分な重厚味とパワフルさが伝わるし、ギターのエッジもドライに出て、なかなかにロック。ボーカルも力強さを維持しつつ、よくしなって伸びる。

 村松崇継「Starting Over」は前面に出るパーカッションと低域が、少しピアノを隠しがち。弦楽の伸びやかさはなかなかにダイナミックで申し分ないように思うが、ピアノが若干無機的で冷たく聞こえるかも知れない。

 Ne-Yo「Because of You」は音がスムーズに出て、ボーカルの声色にもドライな色味が出て色気を感じる。クラップ音もそこそこ輪郭が良く、リズム感は明瞭。

 

【4】総評

 単純に販売価格だけ見ると、SRS-XB21のほうが安めでコスパ良さそうに見える。しかし、デザインや音質は個人的にSRS-XB20のほうが好み。SRS-XB21はザ・ドンシャリという感じなので、味わえる曲の幅はこちらのほうが多い気がする。デザイン的にもXB21はややチープで1万円クラスのスピーカーには見えない。スピーカー出力の差が影響しているのか、表現的にもXB-20のほうが安定感が高い印象がある。若くはっちゃけた感じのXB21に対して、こちらは少しばかり兄貴分的な落ち着きを感じる。

SONY SRS-XB20

 

【5】このスピーカー向きの曲

 ボーカルの伸びはきれいに出て、パワフル。楽器音は落ち着いていて、若干暗めの重厚感を出してボーカルを浮かび上がらせる。この曲に求められるような、メリハリ感はそれなりによいように思える。

 

 サイケデリックとアコースティックなJAZZが融合したような、独特の表現を持つ曲。アコースティックな弦楽の太さとのびやかな音には生々しさがあり、サイケデリック感の強い低域も厚く出て重厚感と推進力を出す。曲の骨格をしっかり感じさせてくれる。

 

ソニー SONY ワイヤレスポータブルスピーカー 重低音モデル SRS-XB20 : 防水/Bluetooth対応 ライティング機能搭載 ブラック SRS-XB20 B

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【ワイヤレスイヤホン SONY WI-SP600N レビュー】骨格のしっかりした満腹感のある音を鳴らす。JAZZやロック向き。

SONY WI-C300

ソニー SONY ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン WI-SP600N BM : Bluetooth対応 NFC接続対応 防滴仕様 2018年モデル ブラック

 

おすすめ度*1

f:id:kanbun:20181016232156p:plain

ASIN

B07BXMBYYQ

 丸みを帯びたハウジングで比較的耳への収まりが良いワイヤレスイヤホン。遮音性は高め。ただしノイズキャンセリング単体の効果は思ったほどでもないので、構造的にかなり遮音性が高いように思われる。音漏れもあまり目立たない。

 aptXには対応しない。AACには対応。通信性能的には遅延なく、動画鑑賞にも十分堪える。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、サポーターの替え、充電用USBケーブル、説明書。ケーブルのタッチノイズはかすかにあるが、ほとんど目立たない。

 amazonのレビューで気になるのは、一部SONYのアプリやDAP製品のイコライザー機能に対応していないという指摘。NW-A40番台の製品は対応していないとか。ただこれは確かNW-A30番台以降はbluetooth接続でイコライザー機能が動作しないのは仕様だったはずで、この機種に限った問題ではない気がする。そこが、いまだに私がNW-A27を愛用している理由の一つ。アプリ云々については使ってないのでわからない。

 

SONY WI-SP600NSONY WI-SP600N

 

【2】音質

 どちらかというと中低域に厚みを感じる。高域は煌めき感や透明感は抑えめで演出感は少なく、自然。突き抜け感はそれほど出ないので、高さは感じづらい。中域には低域が少し被さってくる。中域の楽器音の発色は悪くなく、ピアノなどはきれいに瑞々しく聞こえる。低域はかなり厚みがあり、やや前面に出てくる。全体として見ると、中低域に密度を感じ、重厚で満腹感のある表現になっている。

 

[高音]:ややおとなしい。突き抜け感は出にくい。煌めき感控えめ(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:中域は低域に比べて少し後ろから聞こえる。低域の後ろからでも精彩は悪くなく、ピアノはなめらかなポロンとした色気のある音。ギターもエッジを感じさせながら、ドライになりすぎず、しなやかにのびる感覚がある。

[低音]:100hzから厚い振動。30hzまで存在感しっかり。肉厚。前面に持ち上がってくる(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:低域が近く、その後ろから中域が形成される。密度を感じさせる配置に思うが、個々の音にはなめらかに抜ける感じがあり、圧迫感は少ない(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは重く地熱もある音で重厚味が出る。バスンバスンという音で表面には革張り感もある。ハイハットも粒感良く、強弱的にはドラムよりは控えめだが、存在感しっかり(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:やや暗めで自然な声色。

 

【3】官能性

 perfume「Dream Fighter」はよい。デジタルドラムの重みがしっかり。しかもボケずにタイトにまとまって心地よい。重厚感をしっかり意識させてくれる。その重厚な足場を固めた上に、やや暗めの色彩感で密度のある空間を作る。弾ける効果音は衝撃がやや抑えられ、厚みを感じさせる表現になっている。爆発力より肉厚な密度で満腹感を出して勝負している印象。

 DAOKO「終わらない世界で」は重厚感が出る。音色はやや重く暗いようにも思うが、ハイハットの粒感が緻密に感じられ、疾走感は失われない。サビでの厚みもよく、とくに太めの弦楽が情感をしっかり盛り上げる。

 ねごと「アシンメトリ」も同じように重厚感とスムースなリズム&展開を両立させている。電子音は煌めきを抑えられていて、やや暗め。しかしなめらかでスムースな音色を感じるので、展開になめらかな疾走感が出ていて、不必要に暗すぎたりはしない。なにより粒感の良いハイハットがつねにリズムを盛り上げており、もっさりするような鈍重感はない。やや大人びて聞こえる。

 

【4】総評

 音質的にずば抜けている印象はない。ただよく聴いていると、中低域で意外と芸が細かく、細かな分解能や音色の発色の良さを感じる。全体的に自己主張が強い感じではなく、曲に少し厚みを持たせて素直に聴かせるといった感じ。その意味で派手さは感じないが、魅力は十分にある。

 ただお値段は高め。音質だけで判断すると、コスパは正直難しいかなというのが率直な感想だ。個性的な音という雰囲気では決してないので、これでしかこの音楽体験は出来ないという感じの機種ではない。

SONY WI-SP600N

 

【5】このイヤホン向きの曲

 金管の色気がよい。厚みと吹き鳴らし感のバランスが良く、少しの光沢感もあって魅力的。太めの弦楽の抑制された表現も大人びて曲をゆったりした流れに乗せながら、しかもここぞというところで金管と一緒になって妙に情感をえぐってくる。そしてパーカッションの粒の良い色彩感も曲を重たくさせない。(Minako Mooki Obata「There’ll Never Be Good-bye 」)

 

 ピアノが瑞々しい。ギターはエッジ感良好ながら、表面の音色は滑らかで、スムースに響いてくる。エッジで攻めるギターと、つややかな甘酸っぱささえ感じさせるピアノとのせめぎ合いというか、駆け引きが楽しめる。それぞれの楽器は別方向を向いているようで、実際はタイトで重厚なドラムがそれをまとまりよく骨格に落とし込んでいる。一聴して感動させるという鳴らし方ではないが、細かな仕事が意外に感じられ、満足度高め。(「宇宙よりも遠い場所」ED「ここから、ここから」)

 

 ギターのエッジよし。例の如くスムース感のある音色なので、エッジを利かせてアタック感をほどよく感じさせながら圧迫感はない。そして相変わらず重厚なドラムが曲の骨格をよくまとめあげている。浮ついた感じはない。

 

 ギターのエッジ感はそこそこよい。細かいギザギザ感と滑らかさのバランスが良い。ただ個人的にはこの曲はもうちょっとガリガリ削るような感じで出してくれても良いかな。しかし、ベースとドラムの圧迫感を出し過ぎない重厚感はなかなかにバランスに優れている印象。曲の骨格表現がうまく思える。後半の畳みかける展開もしっかり「重み」が出てこそ、メリハリが良く感じられて中毒性が増す。

 

ソニー SONY ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン WI-SP600N BM : Bluetooth対応 NFC接続対応 防滴仕様 2018年モデル ブラック

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【特集】池田綾子の名曲とともに味わう完全ワイヤレスイヤホン―第3回「海の唄が聴こえる」

 今ここで正直に告白しますが、筆者は池田綾子さんの大ファンです。最初に池田綾子さんの曲を聴いたのは、「電脳コイル」というアニメのOP主題歌「プリズム」です。EDも池田綾子さんで「空の欠片」ED曲でした。電脳コイルのアニメ自体もなかなかに名作なのですが、その話は置いておきましょう。ここでは池田綾子さんです。

 大ファンといってもCDを買い集めているだけでコンサートに行ったりはしていないのですが、その自称大ファンから見ると、池田綾子さんの魅力はやはり声楽的なつややかで力強い歌声です。高域への伸びも良く、「三日月」などの曲では非常に透明感のある高域を味わえます。筆者は声質的に辛島美登里さんに似ていると思っています。辛島美登里さんについては、筆者はCDを買うだけでなくコンサートも数回行ってるので、大ファンをたぶん臆面無く名乗ることが出来るでしょう。その辛島美登里さんのデビュー曲「雨の日」も非常にのびやかで透明な高域を味わえるのですが、まさにあの味に似ています。

 辛島美登里さんは歌声だけでなく、洗練された佇まいと歌詞でも一部では非常に評価が高いのですが、池田綾子さんも歌詞は非常に魅力です。どこか幻想的で儚げ、幽玄な世界観を持っている池田綾子さんの楽曲は、筆者には見事に辛島美登里さんの世界観とのシンクロニシティを感じます。おそらく筆者の知る限り、この2人に音楽的な接点はないはずですけれども、筆者にとって池田綾子さんは辛島美登里さんの歌声を思い起こさせるインパクトを持っていました。

 ということで、今日はそんな池田綾子さんの魅力的な楽曲の中から私の好きなレパートリーを厳選し、Youtubeで拾える限りで紹介したいと思います。ここで池田綾子さんの曲を聴いて良いと思った人は、もっとたくさん楽曲がありますから、是非CDを買いましょう。CDはどれも佳作ばかりで絶対に後悔はしません。ついでに申し訳程度に完全ワイヤレスイヤホンも紹介しています。第3回。

 

「海の唄が聴こえる」

 この曲はアルバム「オトムスビ」に収録されています。このアルバムではいくつかコラボ曲が収録されており、この曲は長谷川久美子さんとのコラボデュエット曲になっています。

 鮮やかなピアノに乗せた出だしから、独特のノスタルジックな味があります。ピアノ音色とともに穏やかに紡ぎ出すボーカルはのびやかに、思い出を手繰っていきます。やがてその思い出が潮風の薫りや潮騒の音とともに甦ってくるかのように、サビでは重層的なデュエットが厚みを出して色づきを加えます。さざ波のように入れ替わり音を紡ぐ2人のボーカルは豊かにふっくらと、思い出のフレームの中へいざなうかのようにピアノの合間にのびていき、ピアノも力強く、叙情を歌い上げて懐かしい風景を心から呼び起こします。青春時代の澄み切った夏を感じさせてくれる名曲です

 

収録アルバム

 

この名曲を一緒に味わう完全ワイヤレスイヤホンたち

SONY WF-SP700N

SONY WF-SP700N

 厚みのあるピアノ表現と温もり感のあるボーカル表現がこの曲に合っています。サビでは突き抜け感も味わえ、この曲の魅力を味わいやすいバランスになっています。色彩的には少し明るめですが、浮ついた感じはありません。

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BeoPlay E8

BeoPlay E8

 やや奥まる感じがあり、暗く思えるところもあるが、濃厚な味を出してくれるのがこのイヤホンです。厚みが感じられる表現で、鮮やかなピアノ音をよりコクのある形で聞かせてくれます。ボーカルは暖色が感じられ、温もり感があります。セピア色の風景を感じさせます。

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Meilunz NB6(i7)

Meilunz NB6(i7)

 比較的廉価な機種でこの曲を味わうなら、このイヤホンもオススメです。全体的な印象としてはやや細身に、見通しよく聞かせてくれます。ピアノ音には清潔感もあり、丸く軽やかなまろみを感じます。ボーカルには艶やかさもあり、なめらかに伸びるので、サビもおいしく味わえます。

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Lesoom S1

Lesoom S1

 かなり廉価にこの曲を楽しむなら、このイヤホンがオススメです。完全ワイヤレスの中でも最安に近い、低価格なモデルですが、音のバランスが良く、自然な厚みを感じさせてくれる表現力が魅力です。全体的にふっくらとしていて、やや近めにしっかりと音楽を聴かせてくれます。

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