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【特集】完全ワイヤレスイヤホン最高の音質を持つ四天王を語る。なぜATH-ANC300TWのダークサウンドはこんなにも私の心を打つのか【Technics EAH-AZ70W/SENNHEISER MOMENTUM True Wireless 2/NUARL N6 Pro/audio-technica ATH-ANC300TW】[完全ワイヤレス深掘り]

audio-technica ATH-ANC300TW

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 2018年に急拡大した完全ワイヤレスイヤホンの市場は、2019年にSONY WF-1000XM3Apple Airpods Proという2機種が登場し、さらなる発展の時代に入りました。2020年はまさに豊作の年となりつつあり、各社から次々と魅力的な製品が出てきています。

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 今回はそんな完全ワイヤレスイヤホン市場の中で、とくに「音質的に」優れている4機種を取り上げ、とくにその中では最も地味で、オーディオスペック的に陳腐で、流行と常道を外れていると思われるのに、明らかに異色で驚異としか思えない(少なくとも私にとって)素晴らしいサウンドを持つATH-ANC300TWについて語らせて下さい。

 

完全ワイヤレス「音質」四天王

 あくまで私の勝手なチョイスですが、現状の完全ワイヤレスイヤホンで音質で選ぶなら、有力機種は4つです。

 

合理的で科学的にもしっかりしたチューニングスタイルの「Technics EAH-AZ70W」

Technics EAH-AZ70W

Technics EAH-AZ70W

 

 さて、あなたが若く、どんな音楽でもきれいにしっかりと、聴きたい音をバランス良くちゃんと把握させてくれながら、聴き心地も安定した単純に「良い音」を求めているなら、選ぶべきはEAH-AZ70Wです。ほぼすべてのジャンルの音楽を破綻なく聴かせ、しかも中域が適度に充実していて音楽は安定感があり、少し高級な雰囲気で聞こえるようになっています。音響工学的にもよく考えられたチューニングで、少なくとも音響設計の設計図の上では、非常に理想的に作られており、とてもクリアで透明度の高い「トランスペアレント」な音がすると思います。

 少なくともイヤホンを何個も集めるほどじゃない、興味があるくらいの人にとって、このイヤホンの音は現在の市場に存在するあらゆる完全ワイヤレスイヤホンの中で、最も素晴らしく、また音ゲーや音響エンジニアリング的な発想で音楽を聴く人にとって最も合理的で心地よいサウンドに聞こえるはずです。

 単純に科学的根拠をつきつめて、良い音とは何かを考えた場合、このイヤホンの音が最も素晴らしいことは間違いなく、絶賛されていることは理由のないことではありません。実際店頭試聴で曲を聴いてみれば、もっともクリアで音楽の隅々まで聞こえるような感覚がし、おそらく第一印象は非常に素晴らしいでしょう。

 エントリークラスのオーディオ初心者が高級機にステップアップを考える場合、最も合理的な選択肢で、高級オーディオの良さが素直に体感できる素晴らしいイヤホンです。

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 しかし、あなたがより上質なクラシック音楽やJAZZに嗜みがあり、豊かな広がりのある充実した音楽性を重視するリスナーの場合、EAH-AZ70Wの音はきれいですが、あまり面白くないでしょう。同様に、空間的な立体感や派手さのあるサウンドが好きな場合も、やや中域によりがちなEAH-AZ70Wの音は見通しは良いですが平板で、なんだかダイナミズムに欠けると思うかも知れません。なによりどこもかしこも聞こえすぎて、落ち着かないという意見ももっともです。そういった人からは結局「EAH-AZ70Wの音質は音を聴かせてくれてはいるが、音楽そのものを聴かせてくれていないのではないか」という疑問が生じるのも当然のことです。そういう感想を抱く人にとって、EAH-AZ70Wの音はきれいだけどなじめない、あまり長時間聴いていても面白くない、鑑賞するには底が浅いサウンドに感じられるでしょう。

 一言で言えば、オーディオ的にこれが聞こえなかったらマイナスみたいな「減点方式」で評価すると一番減点が少ないという意味で素晴らしいイヤホンです。

 

 

優れた音楽性とバランス感覚のある正統派「SENNHEISER MOMENTUM True Wireless 2」

SENNHEISER MOMENTUM True Wireless 2

SENNHEISER MOMENTUM True Wireless 2

 

 年齢的にも成熟し、音楽的にも幅広いジャンルに精通して、音楽の妙味を知っているリスナーにとってはSENNHEISER MOMENTUM True Wireless 2(MTW2)の音のほうがEAH-AZ70Wより好ましく思えるはずです。クラシック音楽やJAZZ音楽をはじめ、あらゆる音楽に豊かな広がりが感じられ、雄大でのびやかな、より音楽的に美しいサウンドがそこにはあります。

 芸術的なサウンドとは何かを理解しているリスナーにとって、EAH-AZ70Wの音は悪くはないが、結局人工的で計算された、どこか非人間的な音に感じられるでしょうが、MTW2の音はもっと人間的で情感に溢れています。それでいて高域から低域までバランス良く音が配置されており、EAH-AZ70Wほどのクリアさはありませんが、代わりにコクがあり、音楽的な深みが感じられる、鑑賞性の高い音楽体験が存在していることに気づくでしょう。

 流行曲だけでなく、クラシックやJAZZ、そして民族音楽などの多様性に富んだ音楽に馴染みがあるユーザーが聴けば、ドイツの一流メーカーであるSENNHEISERの音作りの確かさは疑いようがないことに気づくはずです。EAH-AZ70Wはたしかに音数は多く、曲のすべてを理解できるような万能感があります。音楽性にも配慮があり、それでいて微視的に音を捉えようとしたときにも求める音がすぐ見つかる感覚は素晴らしいでしょう。しかし、この音は理知的すぎて芸術的ではない、そう感じるかも知れません。音は聞こえればいいわけじゃない、そう思っているリスナーを満足させる芸術性の高い豊かなサウンドがここにあります。音楽性豊かなそのサウンドは、長期的にも味わい深いサウンドで、多くの人にとって、使えば使うほど、これを大事にしたいと思えるところがあるでしょう。

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 「そもそも音のクリアさが足りない、中域のあたりが濁るじゃないか」、そう思うユーザーはEAH-AZ70WやNUARL N6 Proを検討すべきです。

 

 

派手で立体的、解像感が高い「NUARL N6 Pro」

NUARL N6 Pro

NUARL N6 Pro

 

 NUARLというメーカーはあまり知られていないかも知れませんが、完全ワイヤレスイヤホンの市場では間違いなくスタープレーヤーで、その音質が完全ワイヤレスイヤホンの市場で最高水準にあることは疑いなく、1万円台の価格帯では完全ワイヤレスイヤホンが有線イヤホンに音質的に追いついてしまっていることを証明しました。NUARL N6 Proは少なくとも分解能と輪郭的な解像度の点で間違いなく現状の完全ワイヤレスイヤホンで最高の音を持っています。ただし、そのサウンドは少し落ち着きがなく、派手で、人によって「がさつ」に聞こえるかも知れない元気の良い音です。

 このイヤホンは立体感の表現に優れており、とくに音楽に奥行きと高さ、粒立ち的な意味での「繊細さ*1」を重視するユーザーにとって最も望ましいサウンドと言えます。一聴してその凄さがわかるくらいの楽しいサウンドで、とくに年齢が若くて明るい曲を好む場合、EAH-AZ70Wよりかっこよく、立体的で楽しく聞こえるでしょう。

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 わりと癖が強いサウンドなので、万能ではありません。とくにシャリシャリするのが嫌いな人には向かないでしょう。万能なサウンドを求めているのなら、NUARL NT01Aを買うのが良いと思います。NT01Aは同ブランドの人気を不動たらしめた名機NT01AXのマイナーチェンジ版でその音質は今でも1万円くらいで選ぶなら定番と言えるほど高いレベルの音です。

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一流の演奏者。「これでしか聴けない」素晴らしいサウンドを持つ「ATH-ANC300TW」

ATH-ANC300TW

 さて、audio-technica ATH-ANC300TWです。オーディオレビュアー的な視点に立って、読者に「良い音」をおすすめしたいと考える場合、はっきり言ってこのサウンドを褒めることは出来ません。この音は紛れもないダークサウンドで、極端です。原曲を無視し、どんな音でもATH-ANC300TWの音で聴かせる、まさに邪道としか言えないサウンドです。

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 ATH-ANC300TWのやっていることを簡単に解説すると、こういうことです。

LiSA「一番の宝物 ~Yui final ver.~」

 実際にレビューでも紹介したこの曲でイコライジングしてみます。ベースに温かみがほしいので400hzくらいを足してみましょう。だいたい「+5」くらいで。音場にだいぶ温かみが出て、ドラムも少し柔らかくなったと思います。次に1khzを「+3」、2khzを「+6」くらいにしてボーカルを低域に埋もれないように前面に出しつつ、甘味を加えます。

 次は一番のポイントになり得る6.3kの調整です。この曲の情感に関わるアコースティックギターです。ちょっと明るくギラギラさせたいなら「+5」以上くらいで。逆にコシのあるポロンポロンした感じにさせ、ボーカルを支えるバランスにしたいなら「-3」くらいにしてみて下さい。聞き比べてよりいいと思った方を採用で。

 この曲は明るい感じではないので、15.6kは思い切って下げます。「-10」でもいいでしょう。音が濃く感じられるはずです。

 最後に「ClearBASS」を「+6」くらいにして深みを出します。

f:id:kanbun:20190713173920p:plain

 

 この感じが好みだったら、ここから細かく自分好みにいじってみて楽しんでみて下さい。たとえば400hzを「+10」まで引っ張り上げてボリューム感を楽しむ、15.6khzを「+10」にして高域の抜けと余韻を出して違いを楽しむなど、何度も同じ曲を楽しめるはず。

 逆に基本の音楽の組み立て方がちょっと暗いなと思ったら、400hzを下げるか、2.5k以上のバランスを調整してみるとよい感じです。

 

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 そう、音楽をこう聴きたいからイコライザーで音をいじってしまうような、まさに「オーディオマニア」的な発想の音です。音楽をそのまま聴かせるのではなく、聴きたい音に大胆にアレンジしているのです。オーディオレビュー的観点で言えば、原曲の明るい雰囲気を無視して、とにかく自分の好みに合わせた、それも極端な解釈で音を聴かせてくるこのイヤホンはバランスも良くありませんし、原音忠実的でもありません。

 ただ、非常に美しく、素晴らしいサウンドを持っています。このイヤホンは本当にその筐体の中に一つの世界観を実現しており、いまのところ「このイヤホンでしか聴けない音」を持っています。とにかく情感が篭もっていて、芸術的なセンスが感じられ、嘆息するほど美しく、いつまでも聴いていたい、素敵としか言いようのないサウンドです。

 このイヤホンは自ら聴かせたい音をしっかりと持っている一流の演奏家で、このイヤホンを通して聴く音楽はどれもこのイヤホンの独特の美学に則った暗くて深みのある、神秘的で、人間的な暖かいサウンドとして聞こえます。

 繰り返しますが、オーディオレビュアー的にはこれを高く評価することは出来ません。断じて!絶対に!

 しかし、オーディオマニアとしては、この音は本当に素晴らしく芸術的で、感性豊かで愛おしく、いつまでも聴きたい最高のサウンドです。

 

 繰り返しますが、このイヤホンは良くありません。悪です。本当に非常に危険なサウンドです。なぜなら、このサウンドを好きだと言うことは私にとって命を天秤にかけるに等しいからです。これは明らかに独特の、偏った、万人向きでないサウンドで、批判すべき点は非常に多く、音響工学のプロなら、「これはありえない!」と言うでしょう。私も客観的には「これは万人向きではなく、味付けが強すぎて良くない」と考えざるを得ないし、「これを素晴らしい」ということは、この変な、多くの人に共感されないかもしれない音が好きだ、つまり自分が「異端的で変態だ」と宣言するに等しい行為に思えるからです。

 

 ですが、率直に言って、このATH-ANC300TWが実現したサウンドは非常に素晴らしく、甘美でノスタルジックです。聴けば聴くほどのめり込みます。

この音は時代をこえて語り継がれるべきで、現状で完全ワイヤレスイヤホンが到達した一つの金字塔と言って良いでしょう。

 

 

 

 ATH-ANC300TWの音は神がかっていますが、そうした芸術的な音というのは常道を外れることが普通なので、いともたやすくバカにされる可能性のある音です。だからこそ、この音を出そうと思ったオーテクは凄すぎるとしか言いようがないんです。私に言わせれば、オーテクというメーカーは明らかに音が好きでしかたないバカがやってる「頭がおかしい」メーカーです。本当にオーテクは日本が生んだ、いや、人類が育んだ最高に近い素晴らしい音響メーカーの1つで、そのセンスの良さ、大胆さ、音作りの奥深さに驚嘆する気持ちが尽きるところがありません。

 

 このイヤホンでヨルシカの「藍二乗」を聞いてみて下さい。震えます。とにかくもの悲しく、哀切に満ちていて、情緒に溢れている人間的な音がします。このイヤホンは本当に頭がおかしい、常識を越えた天才的なサウンドを持っています。

 オーディオ初心者や普通に良い音を求めるオーディオファン層にこの音はおすすめしません。本当に独特で、美しく感動できる、「これでしか聴けないサウンド」を求めるようなオーディオマニア層にこそ、この製品は深く心に響き、いつまでも持っていたいと思わせる、最高のコレクションになりえるでしょう。

 この音がなぜ心を打つかの理由は、もう明白でしょう。このサウンドには明らかにサウンドエンジニアの人間性が篭もっており、世界観があるからです。この音は本当に個人の人間性に基づいて、「こういう音を俺は聞きたい!」という強い欲望とともに、真心を込めてデザインされているのです。

 

audio-technica ATH-ANC300TW

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audio-technica 完全ワイヤレスイヤホン ノイズキャンセリング Bluetooth マイク付き ATH-ANC300TW

 

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*1:あくまで音の細かさで精細という意味で、音楽性の点で繊細という意味ではありません。

【完全ワイヤレスイヤホン audio-technica ATH-ANC300TW ファーストインプレッション】熱気のあるソリッドバスサウンドは健在。ハードロックを中心にライブ感重視で聴きたい人、あるいは子守唄のような暖かいポップスを聴きたい向けのダークドンシャリサウンド。音はドライです。一般の方はSONY WF-1000XM3を買う方が無難です

audio-technica ATH-ANC300TW

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audio-technica 完全ワイヤレスイヤホン ノイズキャンセリング Bluetooth マイク付き ATH-ANC300TW

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「耳への収まりは良く遮音性も良好」

ASIN

B088MLRMSY

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間

4.5h/18h

Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック aptX/AAC/SBC
防水性能

IPX2

 装着感は良好です。やや大きめですが、ノズルが長く、丸いデザインで耳にしっかり嵌まります。遮音性も良好です。

 

 対応コーデックはaptX/AAC/SBC。通信性能については、いつもはロケテストをするんですが、今回は行っておりません。新型コロナの流行もあり、外出を控えているためです。

 FiiO M15にaptX接続で繋いでテストしましたが、距離耐性は悪くなく、5mくらいまでは充分繋がり、シームレスです。遮蔽物があっても大丈夫なようです。

 

テスト環境

 今回のファーストインプレッションのテストはFiiO M15を使って行っています。

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【2】外観・インターフェース・付属品「充電コネクタはType-C。デザインはコンパクトで持ち運びしやすい」

 付属品はイヤーピースの替え、専用充電ケーブル(Type-C)、専用充電ケース、説明書です。

 

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【3】音質「熱気のある低域を持つオーテクらしいサウンド」

周波数特性イメージ

 下は自由音場補正済みです。

audio-technica ATH-ANC300TW

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※周波数特性イメージはあくまでレビューの便宜上、個人的に周波数分布のだいたいのイメージを掴むための参考情報で、測定方法も測定されたデータも非常にアバウトで厳密な信頼性や正確性に欠けます。

 

ファーストインプレッション

 今回は標準イヤピの中で、Mサイズを使ってファーストインプレッションを確認します。

 

熱気のあるドラムとベース、ライブ感のある熱狂空間(川田まみ「JOINT」)

JOINT

JOINT

 このイヤホンの最大の魅力は熱気のあるベースとドラムとその暖かみを受けて聞こえるウォームな中域です。中域は後退的なので透明感やみずみずしさには欠け、ドライでもしゃもしゃするところがありますが、ロックテイストな曲とは相性が良いと思われます。

 この曲は私のお気に入り曲なんですが、パワフルで厚みがあり、熱気も充分で適度な重さのドラムと、必ずしも深くはありませんが、ジンジンして広がりのあるベース、ジュワジュワした黒みのあるギター、少しアンニュイで暗めの甘い吐息のあるボーカルが非常にかっこいいです。

 空間の清潔感は明らかに足りないので、すっきりとのびやかな音が好きな人には向かないでしょうし、ハイハットがわりと地味でクラッシュ感が足りず、カタルシスに欠けるという意見はもっともです。はっきり言って万人向けの音とは言い難いでしょう。しかし、私は大好きな音です。

 

 

温かみのある豊満で充実した床面(Nulbarich「Silent Wonderland」)

Silent Wonderland

Silent Wonderland

 中域は必ずしも前進的ではなく、どちらかというと低域より後退的で、のびやかというよりはどっしりした感じになることもあり、人によってボーカル周りの清潔感がよくなく、暗くて聞こえづらいという意見もあるでしょう。そういうわけで必ずしもポップス向きとは言い難いですが、低域との繋がりが良い、若干埋没的なくらいの調和性の高いウォームな雰囲気が好きなら、間違いなくおすすめできます。もちろん篭もりが気になるタイプの人には基本的に向きません。

 私はたとえばこの曲のような床面が柔らかく膨張的な、ボーカルとの距離感が近い曲をこういうイヤホンで聴くのが好きです。たしかにボーカル周りがもやもやし、人によってノイジーでしょう。しかし、ちょっと暗いニュアンスのぼんやりした雰囲気が、音楽全体にどこか紫がかった夕焼けの色合いを感じさせ、この曲の黄昏のような幻想的な雰囲気にマッチしていると思います。

 もちろんこの音は万人向きではありません。個人的好みを抜きにして、理性的に考えれば、一般にSONY WF-1000XM3でこの曲を聴いた方がはるかにバランスが良く、ボーカルフォーカスも良く、透明感がある音がし、満足度が高いかも知れません。しかし、私にとって興味深く、心に沁み入るのはこのATH-ANC300TWの暗い音です。

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温もり感のある穏和でたおやかな歌声、小麦色のアコースティックギター、沈み込みの良い大人びたピアノ(てこぴかり「ふたり少女」)

ふたり少女

ふたり少女

 普段私がこの曲を聴くときはReecho×Peacock SpringだとかEarSonics S-EM6 V2の音が非常に好きで、透明感があり、明るくキラキラした雰囲気で聴くのが好みです。そしてたぶん一般的にはそのほうが満足度が高いことも承知した上で、あえてこのイヤホンで聴くこの曲の素晴らしさを語らせて下さい。

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 たしかに一聴すると地味です。ピアノの煌めき感は足りないですし、出だしはアコースティックギターも少し元気がなく、ボーカルもどこかもの悲しげに聞こえます。穏やかすぎるかなという第一印象をぐっと堪えたまま、しばらく聴いてみます。そうしてゆっくり、メロディーがだんだんとトーンを色づかせて流れてくるのを待ってみると、いつもなら透明でキラキラ聞こえるはずの音が、豊かに、少し下に末広がりに深淵に沈むような、まろやかな味わいで聞こえてきて、まるで大人びたJAZZのようなサウンドで聞こえてきます。

 ボーカルは決して近くありませんが、厚みがあり、もちもちとしているというか、しっとりしているというか、深い甘味があって、優しく子守唄を聴かせるように、おとなしめで温もり感があります。

 たしかに地味で色づきが悪いという人はいるでしょう。それはその通りです。まるで誘蛾灯あるいはガス燈の灯りだけで音楽を聴くように暗い音です。しかし、私にはとても美しく、ノスタルジックに聞こえます。私がオーテクの音が好きなことは事実なので、こういう音が素晴らしいという私の話はほとんど信じなくても構いませんし、好みの問題です。ですが、私は好き嫌いはともかく、この音はかなり魅力的で聴く価値があると思います。少なくとも、このイヤホン以外でこんな興味深い聴かせ方をする機種はなかなかないでしょう。

 

 

もの悲しく美しいバラード感のあるダークポップスの味わいは最高(Tia「ちょっと出かけてきます」)

ちょっと出かけてきます

ちょっと出かけてきます

 私の好みでしかないですが、このイヤホンで聴く、こういう暗く切ないポップスは最高です。たしかに全体的にぼやけて聞こえるという意見もあるでしょう。その通りですが、涙に濡れ、心の痛みに動揺し、か細いボーカルの切々とした心象とこれほどマッチした表現はなかなかないと私は思います。熱気があり、情熱的なギター、ボーカルを引き立たせるかのように煌めきを抑えた抱擁感のある優しいピアノ、ボーカルを元気づけるかのように柔らかく膨らむドラム、ギラつきを抑えて、少し黒い小麦色の暖かいアコースティックギター。この美しい空間にいつまでも浸っていないなぁと思えることは事実です。

 

 

【4】概括

 個人的には好きな音で、じんじんハートに響くので「相変わらずオーテク、またライブ感があってかっこよく、ボロボロ泣かせてくれる、いい音作りやがってバカヤロー♡」と思いますが、率直に言って万人向きじゃありません。是非一度は聴いて欲しい音ですが、籠もる音が嫌いな人は曲がれ右すべきですし、率直に言って同じ価格帯ならWF-1000XM3のほうが万人向きで「良い音(笑)」がすると評価されるのが普通だと思います。

 ただハートウォーミングなJAZZやポップス、そして黒いロックサウンドにはとことん強く、すごく泣けて人間らしい温かみのある美しいダークサウンドです、少なくとも私には。この音が好きかも知れないという可能性のある、おそらく少数の人のためだけに今これを書いている、そういうインプレッション記事です。この音をバカにする人も多いでしょうし、難癖を付けようと思えばいくらでも付けられる音です。しかし、個人的には「だから何なの?この音が楽しめないんだ、ご愁傷様」って感じですね。

 繰り返しますが、普通の「良い音」を聴きたいなら、WF-1000XM3を買っておきましょう。

 

 

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レビュー記事

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【ニュース】オーディオテクニカからもノイキャン搭載完全ワイヤレスイヤホン登場!/JVCはスポーツモデルの新作完全ワイヤレスイヤホンをリリース[audio-technica ATH-ANC300TW/JVC HA-AE5T]

audio-technica ATH-ANC300TW

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 北米で開催中のCES2020にて、オーディオテクニカとJVCから新作完全ワイヤレスイヤホンが発表されました。

 

 

オーディオテクニカ初のノイズキャンセリング搭載完全ワイヤレスイヤホン「ATH-ANC300TW」

 オーテクから発表された新作完全ワイヤレスイヤホンはアクティブノイズキャンセリング搭載モデルになるようです。2019年から完全ワイヤレスイヤホンにノイキャンブームが来ていますが、オーテクの新作もその波に乗るようです。販売価格は229ドル前後を予想しているとのことです。

 

 その新作完全ワイヤレスイヤホン「ATH-ANC300TW」は型番に「ANC」がつくように、オーテクのノイキャン製品シリーズ「Quiet Point」に属する製品になるようです。「Quiet Point」シリーズといえば、ヘッドホンモデルの「ATH-ANC900BT」は比較的高い評価を得ており、AV家電雑誌などでSONY・BOSEのノイキャン2強よりも場合によっておすすめ度が高く評価されていることもあった機種です。

 ただしそのおすすめされる理由は「ノイキャン性能が2強より高い」というより、「より自然に使える」というような理由が多かったので、ノイキャン最強というわけではないだろうということには留意する必要がありそうです。

kakaku.com

getnavi.jp

e-earphone.blog

 

 ATH-ANC300TWもオーテク独自の「QUIET POINTハイブリッドデジタルノイズキャンセリング技術」を搭載しているということで、そのノイキャン性能には期待しかありません。Qualcomm系のチップを搭載し、aptX/AAC/SBCのコーデックに対応しており、「TWS+」も利用できるとのこと。

 ノイキャンを搭載したせいか、イヤホン単体で連続再生約4.5時間、充電ケースとの併用で最大約18時間というバッテリー性能が少し物足りない感じが気になります。

av.watch.impress.co.jp

www.phileweb.com

 

JVCの新作ワイヤレスイヤホンはスポーツモデル「HA-AE5T」

 JVCからも新作完全ワイヤレスイヤホンが出ます。JVCの完全ワイヤレスイヤホンの特徴は基本的に普及帯の1万円を意識したラインナップになっており、新作の「HA-AE5T」も予想売価150ドル前後と、おそらく国内販売価格も1万円台に抑えられていることです。HA-AE5Tはクアルコムのチップを搭載し、おそらくJVC初のaptX&TWS+対応機種になると思われます。

 スポーツモデルらしく防塵防水性能も備えており、IP55準拠の品質になるようです。

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【ハイレゾ対応ヘッドホン audio-technica ATH-WP900 レビュー】低域はやや軽めの味付けで、中域は見通しよく、中高域では充分に明るく爽やかなブライト系モニターサウンド。風通しが良い。おすすめ

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オーディオテクニカ audio-technica ウッドハウジング オーバーイヤーヘッドホン ATH-WP900 ハイレゾ バランス接続対応 密閉型

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は良好」

おすすめ度*1

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B0030LJYGM

スペック・評価
再生周波数帯域 5hz~50000hz
インピーダンス 38Ω
感度 100dB
ドライバー

ダイナミック型

音質傾向

明るい、つややか、さわやか、爽快、音場が広い、開放的、低域が明るい、軽快、透明感がある、清潔感がある、クリア、ボーカルが薄味気味、シンバルがきれい

 軽量で装着感は非常に良いです。充分な密着性を感じますが、側圧はほぼほぼ感じないほどです。遮音性はそこそこです。

 

テスト環境

 今回のテストはCayin N6II/A01Astell&Kern KANN CUBEONKYO GRANBEATで行っています。またゲイン設定は高設定です。

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【2】外観・インターフェース・付属品「割愛」

 ONZOのサブスク版なので付属品は割愛します。ONZOのサービスについて興味がある方は以下を確認下さい。

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www.onzo.co.jp

 

audio-technica ATH-WP900audio-technica ATH-WP900



【3】音質「低域は深掘りされるが、重みは抑えめで量感も強くなく、音が中域以上に浮き上がっていくような浮揚感のあるサウンド表現を実現しているバランスの良いモニター」

 音質的にはやや上向きに音が出るような、アッパーバランスの浮揚感のあるサウンド表現が特徴的です。低域は深さを感じますが、明るめで音圧的には優しく、重みを強く主張する重量感はセーブされています。そのため、中域のボーカル付近はやや低域からレンジを取って浮き上がるように聞こえてきます。中域以上の楽器音は明確に上向きのエネルギーを持っており、高い方向に向かって伸びていくような開放的な音場を感じます。

 高域はとくに中高域に向かってディテールの集中が見られ、音楽の最も緻密な構成部分を聴かせようという意図が見られます。胴鳴りなどは適度に感じさせて音に実体感を持たせつつも、基本的には明るく音を聴かせるバランスになっており、分析的な雰囲気を持っています。高域は輝きや光沢は少し強く派手な印象を受け、とくにシンバルはスプラッシュ感が多めに湧き上がる勢いがあり、ギターは上向きにディストーションし、ピアノはやや上辺がキラキラして、弦楽も明るく伸び上がるような高域方向で立体感を強調する感じがあります。

 中域はやや後退し清潔にされており、中高域のディテール感を損なわない配慮がされています。そのため一般的には中高域に向かって音が伸びてくる前傾の音響空間が実現されており、基本的に多くの楽曲でサビに向かうほど音楽が盛り上がって、音が立ち上がってくる印象を受けるでしょう。音の実体感の面では高域と低域の分離を強調して、音のつながりよりは空間性を強調するワイドレンジなモニター的な音作りになっています。そのため、低域の量感はそれほどでもありませんが、清潔な中域の空間の下にしっかり浮き上がって聞こえます。中域はやや音の広がりや沈み込みが甘い感じがあり、また男声ボーカルはサビで伸びてくる女声ボーカルに比べて後退しやすく、色味もやや薄い感じがあります。ボーカルにコクや深みを求める人にはやや物足りなく思われる可能性はあります。

 低域は中低域で少し膨らむ感じがあり、重低音も見通しが良いので深さも感じられますが、やや明るめで軽い出音であり、音楽全体の重心は上の方にある印象を受けます。そのため一般的には、リスナーは低域を下に見下ろしながら聴く感覚を受けると思われます。ベース音はやや印象が明るく、ドラムサウンドも浅いあたりで少し鼓面を強調して音の浮き上がりを重視して聞こえてきます。厚みはそれほどなく、比較的反発力のある感じになるので、スピードコントロールは良好ですが、火力はやや物足りなく思えるかも知れません。しかし、マスキングで邪魔することのない、清潔感のある感じになので、中域以上に集中したいリスナーには魅力的でしょう。一方で、より浅いところの低域弦楽はかなり重みと膨らみが出ますが透明度は高めの出音でややデジタルです。しかし詳細なディテール感があるので人によって好ましいと思うかも知れません。

 

 総合すると、全体的に音の浮き上がりが良い印象の、モニター的なサウンドになっており、オーテクらしいデジタルな雰囲気がある明るいサウンドです。音場は明るく見通しが良いですが、低域は力不足を感じやすいところがあります。また透明度の高い空間なので、濃厚感のある音を求める人にもやや不向きなところがあるでしょう。一方で、たとえばJAZZをピアノにフォーカスして透明感のある軽やかな感じで聴きたい人や、音場の見通し感を重視してすっきりめに音を楽しみたい人には、かなりおすすめできます。音の印象が全体的に軽妙に聞こえてくるので、圧迫感がなく、聞き疲れする感じがありません。

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
やや色味が薄い。中高域は充分に鮮やかなものの、すっきりめに音が抜けていく感じがあり、音場は風通しが良いので、やや薄味気味に聞こえやすい。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

普通。音は少し細いが、エッジもシルキーに滑らかに抜けていくので、細い割に鋭い感じは薄い。
明るさ
(明るい/暗い)
明るい。音場はかなり清潔で中高域の明るさが中域や低域まで明るく見せているような感じがある。
派手さ
(派手/地味)
やや派手。中高域は結構派手な感じがあるが、さっぱりして抜ける感じなのでくどさはない。
硬さ
(硬い/柔らかい)
やや柔らかい。中高域でやや硬さを感じるが、低域は膨らみはよいし、高域もマイルドでソフトタッチである。
尖り
(尖っている/丸みがある)
やや丸みがある。ディテールは細かいが、音の聞こえ方は結構丸く、耳当たりが良く、むしろ尖りを良く抑えている。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
やや穏やか。すっきりめで聴きやすい。
力強さ
(力強い/嫋やか)
やや嫋やか。音にキレはそれなりにあるが、基本的にソフトタッチで押し出しの強い印象は受けない。
豊かさ
(豊か/貧弱)

普通。情報量は多いが、音の実体感に欠ける。

太さ
(太い/細い)
普通。低域はやや膨らみ、中高域以上はやや細くディテールを強調する。
手触り
(ざらざら/滑らか)
やや滑らか。全体的に音が尖ってくる感じがなく、さらっとしている。
粒感
(きめの細かい/粗い)
細かい。中高域での音の粒立ち感は明瞭。
清潔感
(澄んだ/濁った)
澄んでいる。中域はとくに清潔。
潤い
(潤いのある/乾いた)
やや乾いている。潤い感はやや薄く、ややカサカサしている。
重さ
(重い/軽い)
やや軽い。基本的に低域は支配力少なめ。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
澄んでいる 澄んでいる

明るいか

(明るい/暗い)

明るい 明るい

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

伸びやか

伸びやか

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

やや乾いている やや乾いている

太いか

(太い/細い)

普通 普通

濃いか

(濃い/薄い)

薄い やや薄い

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

やや目立つ やや目立つ

 

空間因子評価
空間因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
ややスカスカ
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
抜けが良い
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
やや浮き上がりが良い
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)
広い
主に中域の奥行き感
(奥まる/前屈み)
やや奥まる

 

美点
  1. 明るく見通しの良い音場
  2. モニター的で丁寧に聴かせる分析的なサウンド
  3. 中高域のディテールが良い
  4. 重みは抑えめだが、見通しは良く、膨らみもある躍動的な低域
  5. すっきりした圧迫感のない、聞き疲れしないサウンド
  6. 抜けが良く開放的な高域
  7. シンバルが活き活きしている
欠点
  1. 低域が基本的に薄味
  2. 音場が軽く、重厚感に欠ける
  3. ボーカルが清潔系で薄味

 

[高音]:高域は充分な高さがあり、風通しも良く、中高域の煌めき感もやや強めにしっかりディテールを出す。そのためたとえばシンバルのクラッシュ音には詳細なディテール感が感じられ、シンセの音はキラキラとした光沢を持ちつつも輪郭も良く透明感のある形に聞こえてくる。弦楽も上の方でやや伸びを強くする感じがあり、金管も明るいプ音に向かって突き抜けていく粒立ち感がある。やや高域方向で立体感を強調するような、星空に似た吸い込まれる広い高域を感じる(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:中域は後退的でバランス的には清潔感が重視されている。そのため、中域で楽器音が広がりを出したり、滞留する感じはなく、むしろまっすぐ上に伸びていく空間になっている。中高域に向かって前傾しているように聞こえ、音が高くなるにつれ、どんどん発色が良くなってくる立体感がある。

[低音]:100hz~40hzまで輪郭の少し明瞭なブーッという振動音。30hzで沈み、20hzでほぼ無音。低域は下方向に地層を作るような分離感があり、見通しは良く明るい。弦楽音やフロアタムの響きに膨らみはあるが、重みはなく、全体的に軽めの浅い印象を受ける。ベースも明るい(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:基本的に低域方向にあまり重みがなく、全体的に音が浮揚した感じに聞こえる。音の抜けは良く、上に良く伸びる。密度感は全体的に薄めで、すっきりした風通しの良い音場表現を持っている(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムスは重さはあまりなく、膨らみだけがあり、ポポンとした明るいサウンドに聞こえる。タムやスネアの表面も少しパツッパシッと膨らんで聞こえる。音は膨らむが、厚みはあまりないのでリズムコントロールでもたつく感じのないタイトさはあり、質感は柔らかいが締まりは良い。明るいパッツンパッツンあるいはパチンパチン。ハイハットは穂先のほうはシルキーに高く抜けていくが、低いところのチンチンも薄味気味ながら、刻みがよく感じられる(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:男女ともにボディは少し薄味で子音を強調する感じがある。やや伸びの良い、すっきり系の清潔系ボイスに聞こえる。サ行にそれほど強調がないので、息感でスースーを強調する感じはないが、爽やか系で甘味を強調することがほとんどない。人によっては味付けの少ないナチュラル系の声色に思えて好ましいと思えるかも知れないが、コクはない。ツ音はやや目立ちやすい。

 

【4】官能性「明るく爽やかすっきりと聴かせる」

TVアニメ「やがて君になる」ED主題歌「hectopascal」

hectopascal

hectopascal

【GRANBEATで鑑賞】まずこの曲はかなり爽やかで見通しよく楽しめます。中高域で緻密さをかなり感じさせ、煌めきはわずかに強めなので、ボーカルに少しかかって、ややガチャガチャする感じはありますが、臭みがないので、そのガチャガチャ感もしつこくなく、むしろ味付けとしてアリかな程度です。ボーカルの声質はかなり清潔で、清楚な声色になっており、甘味は少なめですが人によってはナチュラルで好ましいと思えるでしょう。高域では、シンバルのクラッシュ感がかなり露骨に出るのが好みを分けそうです。清潔系の音なので、清涼感があり、曲にメリハリを与えていると肯定的に評価できるとも思いますが、人によっては悪目立ちしているように思えるかも知れません。

 低域はほとんど透明で、床面はやや火力が足りませんが、リズムコントロールはよく、要所でしっかり音場を引き締めてくれます。曲の全体像はやや頭でっかちに思えますが、この曲の最も緻密で立体感を感じられるあたりによくフォーカスされていますので、一般に満足度は高いと思われます。そしてかなり派手めの曲にも関わらず、表現がスッキリしているので聞き疲れる感じがあまりありません。

 


TVアニメ「 やがて君になる 」エンディングテーマ「 hectopascal 」

 

大原ゆい子「Magic Parade」

Magic Parade

Magic Parade

【KANN CUBEで鑑賞】濃厚感はほとんどないので、音場は透明というより清潔です。たとえば弦楽音は少し艶やかさを出しつつも、基本的にはボーイングで筋立ちを強調しながら、上に伸びていく、天を目指すような感じで聞こえます。やはりシンバルのクラッシュ感がちょっと強調される感じはありますが、この曲では少し明るめの透明感がある弦楽や、膨らむ軽やかなドラムがメロディーラインとリズム感に一貫性を持たせているために、シンバルクラッシュが過剰に目立つ感じはありません。率直に言ってベースの暖かみには欠けるので、音場に抱擁感がいまいち感じられない、スカスカした感じになるのが人によっては気に入らないでしょうが、全体的に爽やかに臭みなく聴かせてくれます。

 


『リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード』主題歌「Magic Parade」

 

Rasmus Faber「はじめてのチュウ(Jazz Ver.)」

はじめてのチュウ

はじめてのチュウ

【Cayin N6II/A01で鑑賞】あくまで個人的な好みで言えば、ちょっとクリアすぎて風味に欠ける印象を受けますが、JAZZを明るく聴きたい場合にも悪くない選択しかも知れません。シンバルは充分に立体的ですし、ピアノは少し明るさ強めですが透明感に優れ、金管や弦楽もやや筋立ちを強調する感じがあってのびやかで元気なので、グルーヴ感も悪くありません。低域弦楽も透明感のある音で、少しだけ膨らみを出しつつ、わずかにコクを感じさせてくれます。

 ただ、音は全体的にツルツルすぎて、人によってそれが解像度が高く気持ち良く思うかも知れませんが、私には人工的な感じに聞こえます。聞き疲れもしませんし、悪くない感じではありますが、少し見通しが良すぎる感じでデジタル的なサウンドになりやすいのが好みを分けそうです。

 


プラチナ・ジャズ ~アニメ・スタンダード Vol.2~

 

【5】総評「明るく楽しめるブライトな音が好きなら有力候補」

 とにかく見通しと風通しが良く、音の全てが把握できるような万能感があります。出音は軽やかで爽やかすぎる感じもあり、ツルツルしたデジタル的な印象も受けますが、立体感も良く、透明感もあって輪郭も目立たせすぎずに丁寧に聞こえるので、ハマる人にはこれ以上のヘッドホンはそうそうないくらいの魅力を感じるかも知れません。音場も開放的で広く感じられる上に、聞き疲れる感じもなく装着感もよいのがなおさら魅力的です。

 

  • 清潔感と見通し感に優れたモニターサウンド
  • 演出感が少なく、色味的にはナチュラル
  • 低域に重厚感がない

 

audio-technica ATH-WP900

audio-technica ATH-WP900

オーディオテクニカ audio-technica ウッドハウジング オーバーイヤーヘッドホン ATH-WP900 ハイレゾ バランス接続対応 密閉型

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【ニュース】JVC・オーテクの新作完全ワイヤレスイヤホンとVICTOR HA-FW1500聴いてきました[JVC HA-A10T/JVC HA-XC50T/audio-technica ATH-CK3TW/VICTOR HA-FW1500]

VICTOR HA-FW1500

VICTOR HA-FW1500

Victor JVC HA-FW1500 WOODシリーズ/密閉型イヤホン/リケーブル/ハイレゾ音源対応

 

 根っからのJVC党・オーテクファンの私としては、とくにこの2ブランドの新作からは目が離せません。というわけで、聴いてきました。

 

 

JVCの完全ワイヤレスイヤホン2作品は力作

 まず完全ワイヤレスイヤホンの方から。今回投入されたのはJVC HA-A10THA-XC50Tの2機種。HA-LC50BTと同様に、とくに若い層をターゲットにしているということを聞きました。

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 これら2機種ではHA-LC50BTであった欠点が克服されています。

  1. スイッチの押下感が配慮され、押しやすくなった
  2. 防水性能がついた(IPX5)
  3. HA-XC50Tについてはさらに防塵性能もある(IP55)
  4. イヤーピースがS/M/L同梱(HA-LC50BTはS/Mのみ)
  5. アプリは廃止(イコライザー非搭載)

 

 一方でJVCの販売員さんと現品を使いながら話したときにも言ったのですが、ケースが大きめです。完全ワイヤレスイヤホンの最近の潮流としては、低価格モデルではコンパクトなものが好まれる傾向がある気がするので、低価格モデルでケースがでかいのはマイナス要因になるかもしれません。もちろんこれは個人的な見解です。

 

 音質についてはどちらも若者向きで、EDMやアニソンを意識しているような解像度の高さを狙った味付けでした。

 HA-A10TのほうはHA-LC50BTのクリアボイスモードのような音質でボーカルの輪郭を強めにくっきり聞かせる音になっています。ツ音がやや強調されますが、中域は清潔で音が浮き上がるように明るく聞こえてくると思います。クリアな音が好きなら気に入ると思います。

 一方のHA-XC50Tについては、XXシリーズらしい重低音を利かせたドンシャリになっています。その重低音も良く分離されて低い位置を維持しており、中域の清潔感を意識して調整されています。上ではシンバルやキーボードがきれいに色づいて聞こえるような鮮やかさもあります。アニソン・ロック・ポップス・EDMを床面をしっかり感じて聴きたい人に向きそうです。

 

 気になる点としてはHA-A10Tのほうがamazonのカスタマーレビューでは通信品質で低評価にされています。相性問題もあると思われますので確実なことは言えませんが、通信コーデックはHA-A10TはSBCのみ、HA-XC50TはAAC/SBCと、後者の方がよいチップを使っていますので、通信品質が気になる人はXC50Tを選ぶ方が無難かも知れません。

 

 どちらにせよ、JVCは本気で完全ワイヤレス市場に今後も商品展開してくるだろうなという意気込みを感じる製品でした。製品のターゲッティングが的確になってきています。

 

 

 

audio-technica ATH-CK3TWは濃厚感のある低域が魅力

 audio-technicaの方も完全ワイヤレスイヤホン市場に新作ATH-CK3TWを投入します。こちらはQualcommのチップを使っていて、aptXに対応し、さらにTWS+での運用も可能です。ただし、TWS+は送信側の実装機種が少ないので、実質的にあまり気にする必要はありません。

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 こちらはJVCと違って、ケースデザインは明らかにコンパクトで、手軽な使い勝手とかわいさを求める層にアピールしている感じがあり、この点は個人的に感心しました。

 ただし入門機としてはやや高めの値段設定になっており、上掲のJVCの2機種に比べて、一回りお高い印象があります。

 

 音質的にはATH-CKS5TW同様、低音を意識しており中低域と中域の境目あたりに濃厚感があります。ライブ感が高く、男声ボーカルや楽器音に深みが出るバランスになっていますが、CKS5TW同様にわずかに篭もっている印象を与えるかも知れません。ダンスやロックを意識しているような若者向けの音を目指したとどっかで見た記憶があるんですが(曖昧)、聴いてみたところ、むしろJAZZやクラシック音楽が豊かに楽しめる印象に受けました。低域は濃厚で豊かで温かみのある床面を作り、上では滑らかに音が伸びていく広がりを意識したサウンドになっていました。

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 もちろんライブ感は高い音なので、ダンス・ロック・ポップスも楽しめますが、最近の若い世代の傾向としてはライブ感より見通し感/清潔感重視な感じがあるので、ここは少し逆行してるかなというのが私の感想です。

 

 

JVC HA-FW1500はブライト系でした

 最後に注目のWOODシリーズの新作、「HA-FW1500」です。ネット上の情報なんかでHA-FX1100に似ているみたいな感想もあったんですけど、私が聴いた感じは全く違って、むしろWOODシリーズでHA-FD01的な音作りをしたのかなといった印象でした。

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 まず低域ですが、クリアです。FX1100の燻る感じの低域ではなく、篭もらない透明感があり、かつWOOD独特のしなる暖かみを出しつつ、深掘り感を重視したような下でコクを感じさせる音になっています。FX1100の熱い低域と比べると、上品さを意識した音になっています。

 高域方向ではWOODシリーズの中でも一番と言えるほど、シンバルに詳細なディテールが感じられました。高さはうまく調整されていて、白く浮き上がりすぎないようになっていますが、非常に粒のあるディテールでグルーヴ感を出してくれます。これまでのWOODシリーズとは違い、JAZZも少し若い、ノリを意識して聴かせてくれる楽しい音になっています。従来とは異なり、空間は少し風通しが良いです。

 なんとなく空間が明るいって感じを頭に入れて、下のe☆イヤホンさんのレビューを読むと、よりイメージが明確になると思われます。
e-earphone.blog

 

 装着感の面でも向上が見られました。ノズル周辺はHA-FD01に似せた構造になっています。ただしFD01の回転ノズルは廃止されています。しかし、LRをケーブルに逆に繋げば、シュア掛け装着可能です。FD01の装着感をそのままに、かなり軽量に仕上げられています。

 

 

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【ハイブリッドイヤホン audio-technica ATH-IEX1 試聴レビュー】パワフルで高域低域いずれもよく聞こえる万能系モニター。音質傾向は輪郭しっかり、風味は抑えめのデジタル系。おすすめ

audio-technica ATH-IEX1

audio-technica ATH-IEX1

オーディオテクニカ audio-technica カナルイヤホン バランスド・アーマチュア2基 ハイブリッド型 ATH-IEX1 ハイレゾ対応 チタンハウジング

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「ケーブルコネクタ部分がやや長いのが好みを分けそう」

おすすめ度*1

audio-technica ATH-IEX1

ASIN

B07XSFQLFH

スペック・評価
再生周波数帯域 5~50000Hz
インピーダンス
感度 102db
ドライバー構成

ハイブリッド型(DD×1, BA×2)

音質傾向

弱ドンシャリ、デジタル、ソリッド、前進的な音響、モニターライク、粒立ちが良い、高域伸びやか、低域ドライ

 ネット上の情報でケーブルアダプタ部分が長いので装着感が微妙だというのを見たが、個人的には装着感は普通に良かった。とくにハズレやすい感じはなかった。遮音性もそこそこ。

 

テスト環境

 今回のテストはCayin N6II/T01Astell&Kern KANN CUBEa&norma SR15ONKYO GRANBEATHiby R6 Proで行っている。

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【2】外観・インターフェース・付属品「割愛」

 試聴品なので付属品は割愛。バランスケーブルは付属してる。

 

 

audio-technica ATH-IEX1audio-technica ATH-IEX1



【3】音質「デジタル的で輪郭くっきりさせつつ、高域のびやかで高く、低域パワフルで深さも結構出る良質モニター。全体的に目鼻立ち良く力強い」

 スペック上のインピーダンスが5Ωとか書かれているんで、駆動力そんないらないかと思うかも知れないが、このイヤホンは駆動力高めの方が良い。音量取りやすい感じはインピーダンス低めっぽい特徴を持っていて、音がすぐ膨らむんで低ゲインにしたくなるんじゃないかと思うが、駆動力が低いと高域ばかりが目立つ感じになる。私は今回標準のバランスケーブルでレビューするが、バランス接続だとかなり良質に聞こえた音楽も、3.5mmアンバランスで聴くと、かなり迫力不足で高域に寄っているように感じた。

 

 音質的にはオーテクらしいデジタルな質感で個々の音をくっきりさせつつ、音場広めにのびやかに聴かせようという意図が感じられる。とくに高域は顕著に突き抜け感を意識していて、高域で弦楽や木管がきれいに伸びてくるため、クラシック音楽でも華やかさを楽しめる。シンバルの空気感も派手めでしっかりわかるのに、音に刺さる感じはほとんどない。ボーカルの子音も少しくっきりめ。

 全体としてフラットっぽい雰囲気ではあるが、中域はわずかに前傾して奥行き感を出しているようで、下では低域のパンチが浮かび上がるくらいの清潔な空間が用意されている。中域音は一定の厚みを感じさせつつ、中高域で鮮やかになってくるバランスになっており、のびてくる前屈みな表現になる。それでいて、左右は自然と広く、とくにボーカル周りはよく整理されており、フォーカスされている感じは強くないのに、よく聞こえる。

 低域も聴き心地が良く、SOLID BASSシリーズのようなドライな質感を感じさせ、広がりもほどよくセーブされたまとまりのよい感じで、パンチ・キック・ベースにあまり派手さがないにも関わらず、見通しが良い。

 総じて「モニター的な音を丁寧に作りました」という完成度で、しかもオーテクらしい輪郭感とちょっと派手めな高域、ソリッドで地味だけどカッコイイ低域という取り合わせに、哲学を感じる。まさにオーテクファンの好みそうな音でモニター作ってきたという感じだ。シャープネスはほどほどで尖りすぎて聞き疲れしやすい感じもなく、音の繋がりもナチュラルさを意識した感じだ。

 

DAP相性

 事前に高域がシャリシャリするというネット情報を得ていたので、とりあえず露骨にシャリシャリするか手持ちのDAP(KANN CUBE/Cayin N6II/Hiby R6 Pro/GRANBEAT/SR15)で聴いてみたが、バランス接続だととくに露骨にシャリシャリする感じはなく、むしろ結構高くまで音が伸びるのに音が硬くなったり、尖ったりして破綻しない感じで良質に思えた。試聴なので、さすがにDAPごとに詳しく聴き込むほど時間をかけることが出来なかったが、バランス接続ならどのDAPでも普通にパワフルで高域に破綻はない。シャープネスも強すぎる感じはなく、子音に刺さる感じもあまりない。たしかに派手さはあり、白味は感じるのでシャリ感はよく乗るが、それが目立ちすぎるという感じではない。

 

美点
  1. 高域のディテールが良い
  2. デジタル的で輪郭がしっかりしており目鼻立ちが良い
  3. 基本的には前進的で聴きづらい感じがない
  4. 低域の量感と派手さはほどよくセーブされているが、ディテールが良い
  5. 全体的にパワフル
欠点
  1. 音量は取りやすいが、ボリュームを上げるとすぐ音が膨らみやすい
  2. やや武骨で発色の割に風味は抑えたサウンド

 

[高音]:高域のディテールはかなり詳細で、この点モニター的な印象を受ける。大抵のイヤホンで「ここで減衰するだろうな……」と思うところで一段伸びてくる。弦楽の突き抜け感、シンバルの空気感の派手さ、白味がしっかり感じられるが、シャープさがあるのに耳に痛い感じはない(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:中域は厚みを出しながらも中高域重視のつややかサウンド。奥行き感があり、オーケストラでも立体感が感じられる。色味的には鮮やかだが潤い感なんかは抑えめで、デジタル的。モニターライクな質感で輪郭くっきり。

[低音]:100hz~50hzまでブォーという厚い振動。色味は明るめ。40hzでわずかにジジッとしたノイズ感があり(エイジング不足の可能性あり)、30hzで沈む。20hzでほぼ無音。低域もクリアでベース音は明るめに良く聞こえ、キックは広がりすぎないバランスでドンと重みを出す。見通しが良く、深さが感じられる(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:高域のシャリ味ははっきりめ。低域も量感的に多くはないが、深さをしっかり出す。ロックでは低域のドライブ感と高域のパワフルさが結構出るので、ドンシャリ気味に思うかも知れないが、実際にはフラットに近いんじゃないかと思う。基本的に音は前進的だが、左右よりは縦軸がしっかり感じられる。インピーダンスが低いせいか、音量を上げると音が膨らみやすい(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラム表現はドライで派手さを抑えながらも鼓面の粘り、パンチ・キックの縦軸のソリッド感は丁寧に出る。明るめで深みもあるバチンバチン的な活きの良い音。ハイハットは高いところの浮き上がりが良い(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:男声ボーカルも女声ボーカルも前に出てくる感じが強くはなく、むしろ中高域や高域の楽器音が派手に感じる場面も多いが、かぶさる感じはほとんどなく、分離良くしっかり聞こえる。ボーカルは中域で少しボディがあるが、子音や息感を適度に強調しつつ、上にのびやかで明るく、甘味はあるがちょっとドライな感じになっている。

 

【4】官能性「音は武骨」

澤野弘之「MAIN THEME<Ver.0>」

MAIN THEME<ver.0>

MAIN THEME<ver.0>

【KANN CUBEで鑑賞】この曲の弦楽の伸びやかさ、木管の突き抜け感、シンバルの空気感がかなりよく出るので、サビの盛り上がりで充分にいいとこ取りできる。かなり派手めに目立つけど、刺さる感じもなく、分離も良好でうるさげな感じはない。低域弦楽のエッジ感と床面にゴシゴシと出る熱量感も気持ち良い。中域の奥行きも結構出ていて、立体的に聴ける。

 


機神大戦ギガンティック・フォーミュラ オリジナルサウンドトラック Vol.2

 

Madeon「You're On(ft. Kyan)」

You're On(ft. Kyan)

You're On(ft. Kyan)

【KANN CUBEで鑑賞】この曲、高域シャリシャリ系のイヤホンだと結構うるさくなりやすいけど、このイヤホンは高域のディテールが良くて分離もしっかりしていて音像がちゃんとしてるうえに発色も良いので、ごちゃごちゃせずにちゃんと聴ける。中域で奥行き感もあるし、低域の床面もパワフルで充分に活き活きしているのに、被さってこない。中盤に加わってくる派手めのシンセ音も非常にはっきり鮮やかに聞こえるので、この曲の演出感も聞き逃すことなく楽しめる。分離感と粒立ちがよく、よくソリッドされている印象。

 


Adventure (Deluxe)

 

AXiS「HEAVEN'S RAVE」

 HEAVEN'S RAVE

HEAVEN'S RAVE

【KANN CUBEで鑑賞】結構うるさげのこの曲でも、派手さと緻密さを出しつつ、スムースによく聴かせてくれる。ボーカルはドライだが明るめで上にのびやか、低域は量感の割にパワフルでドライブ感満点。音はデジタル的で輪郭が良く、この曲の緻密さを奥行きを出して聴かせてくれる。低域のスピード感も充分にあり、リズムコントロールも正確。

 


HEAVEN'S RAVE(通常盤)

 

安月名莉子「Glow at the Velocity of Light」

Glow at the Velocity of Light

Glow at the Velocity of Light

【ONKYO GRANBEATで鑑賞】シンバルの派手めの空気感、ギターとピアノの鮮やかさ、SOLID BASS的な雰囲気を持つパワフルドラム。中域での奥行き感の出し方が良く、ボーカルフォーカスは強くなさそうなのに、楽器音から良く分離されてボーカルが伸びてくる。スピード感もきれいに出るので気持ち良い。

 


TVアニメ 「 彼方のアストラ 」 エンディングテーマ 「 Glow at the Velocity of Light 」

 

【5】総評「高域低域のわかりやすさ、デジタル的な輪郭の良さ、パワフルさ。三位一体のモニターライク」

 下馬評が賛否両論って感じだったので、癖が強いのかと思ってましたが、意外と正統派モニターライクな音でした。オーテクらしいソリッドバス風の分離の良い低域と、高域でのディテールをよく出しているところ、輪郭はちゃんと描き分ける感じでデジタル的にわかりやすく音像を出す感じは好感が持てます。なんだかんだいって、オーテクしてる感じなんで、オーテクファンには響きそうですけど、オーテクの音のこんな感じ(無愛想さ・妙な高域フォーカス・ドライな低域など)が嫌いって人にはいつものオーテクだなぁって感想は出てきそう。

 個人的にはオーテクファンなので、新しいフラッグシップにふさわしい音と思いますが、まあ世間の評価はどうでしょうね。デザインも結構好みで、個人的にはおすすめです。

 

audio-technica ATH-IEX1

audio-technica ATH-IEX1

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audio-technica ATH-IEX

audio-technica ATH-IEX

 

  audio-technicaの新製品発表会があったとか。地元企業ってこともあり、なんだかんだ言って好きなメーカーです。

 

 

新フラッグシップ「ATH-IEX1」!

www.phileweb.com

av.watch.impress.co.jp

 

 去年から、Victor JVC HA-FW10000SONY IER-Z1Rと、日本のメジャーオーディオメーカーが10万円台で実力派機種を相次いでリリースし、同じ価格帯でCampfire ANDROMEDAがリニューアルされたり限定版出したりMEZE Audio RAI PENTAが話題になったりと、にわかに高級イヤホンの主戦場みたいになっている10万円台価格帯。自然と注目を集めている中に、オーテク様も新製品をぶっこんできます!

 とりあえず各メディアのリリース記事を総合すると、この機種は、オーテク独自技術の「デュアルフェーズ・プッシュプル・ドライバー」のうちの一機を敢えてパッシブラジエーター化することで低域の量感を向上させ、音の繋がりもよくし、さらに超高域用のバランスドアーマチュアドライバー2基もこれらと同軸上に配置することで、音の広がりと連続性、空気感にこだわったという機種らしいです。ああ早く聴きたい。

 

 実際の音質はどんなものかはPHILEWEBさんが早速簡潔ながらレビューしてくれています。

まずは、井筒香奈江「リンデンバウムより」に収録の「氷の世界」を聴く。冒頭のピアノは最初のタッチから長く続くサスティーンまで、凛とした空気を感じさせる。途中から加わるウッドベースはシャープな輪郭を描きつつもまろみを思わせ、しかもズンと沈む。ボーカルはフォーカスよく潤いがあり、口もとの動きも滑らかに描写される。重厚そうな外観に比べると緻密で軽快な音傾向からは、これまでのオーディオテクニカのカナル型イヤホンにはなかった新境地を感じる。

www.phileweb.com

 

 たしかに言われてみれば、オーテクの音ってデジタル的な派手さや明瞭性はあっても、上でふわっと広がる浮揚感とか潤いというような質感的な演出感には少し欠けていた印象があったんですが、おそらくこのイヤホンはそこらへんの風味が改善されているのだろうなというのが窺える文章です。興味は尽きません。

 

完全ワイヤレスイヤホンの入門モデル「ATH-CK3TW」

audio-technica ATH-CK3TW

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 「IFA 2019」関連の情報としてすでに発表はされていたオーテクブランド完全ワイヤレスイヤホンの入門機です。ただ、そのときは値段が不明で、入門機としての位置づけだということから、1万円以内で出してくるだろうと予想してましたが、案に相違して13000円くらいで出すようです。

 現状日本の完全ワイヤレスイヤホン市場は入門機というと、AVIOT TE-D01gが事実上のデファクトスタンダード化しているので1万円以内というのが相場でしょうし、ATH-CKS5RWが17000円くらいというあたりにいることから、1万円ちょうどくらいを予想してました。個人的に13000円という値付けは、入門機という括りでは少しお高いというイメージです。

 ま、ぶっちゃけATH-CKS5TWの音は明らかに賛否両論あるやつなんで、入門機と言わず「万人向けのを出した」と思えば、価格は気にせずにこの製品を正しく理解できるかも。スペック的にはATH-CKS5TWを知ってると物足りない気がします。

 あと防水性能はIPX2。

 

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メイプル材ハウジングのATH-WP900

ATH-WP900

ATH-WP900

 イヤホンに比べるとヘッドホンは若干個人的な関心が低いので、これについては「ほぅほぅ」と相づち打つくらいしかできません。

 メイプルの外観でポータブルできるって斬新!って感じかな?

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【レビュー】Acoustune HS1650CU:透明感のあるつややかみずみずしいサウンドが魅力。JAZZ好きに捧ぐ。 | audio-sound @ premium

この機種はTwitterでアユートの営業さんのツイートを目にし、興味を持った機種。ちょうど同じ頃にCayin YB04を聴いており、そちらもJAZZが楽しく、しかもこのイヤホンと価格帯がもろかぶりする。そして海外のレビューを渉猟してみると評判も悪くない感じで、聴きたくなったというわけ。 あくまで個人的な好みで言えば、Cayin ...

 

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【ニュース】オーテク、完全ワイヤレスイヤホンにいよいよ本気か?さらに低域ジャンキー向けのおバカヘッドホン再び。そして、ゼンハイザーの名機がワイヤレスに[audio-technica ATH-CK3TW/Skullcandy Crusher ANC/SENNHEISER IE 80S BT/Androidスマホ・フィッシング脆弱性問題/Mpow M5]

audio-technica ATH-CK3TW

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 最近のオーディオ関連で個人的な注目ニュースを紹介します。

 

 

オーテク、完全ワイヤレスイヤホンにいよいよ本気になってきてる?

 ドイツで開催される家電イベント「IFA2019」にて、オーテクが新作完全ワイヤレスイヤホンを発表するとのこと。その名も「ATH-CKS3TW」。オーテクと言えば、廉価な価格帯からプロ仕様まで、業界屈指の幅広いシリーズラインナップと多数のモデルを用意し、それこそ揺りかごから墓場までカバーしてるかのような大衆的メーカーです。私も大好き、オーテクっていうね。日本ではむしろコスパ重視って感じになってるのか、中華イヤホンに押されがちかもしれず、意外と日本国内でより海外で評価が高かったりしますけど。

audio-technica ATH-CK3TW

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 そんなオーテクから出る新作完全ワイヤレスイヤホンは、型番的にはおそらく1万円以下に照準を合わせたスタンダードモデルという感じ。CKの後にRなりSなりシリーズを表す型番もないですし、万人向きという位置づけで世に問うのかな。

 デザイン的にはどこぞのJVC HA-LC50BTと同じく最近流行の「ミニマルデザイン」。ただ、JVCより心なし自然なデザインに見えます。HA-LC50BTはなんであんなデザインになっちゃったんだろうね。いまだにあれをどうすれば正しく装着できるかなんて話題があって、「JVCロゴ」の方向から横向きにひねって入れるのが正しいとか、いや縦に入れるのが自然だろとかいろいろあるもんね。

 閑話休題。話をATH-CK3TWに戻すと、オーテクにはどんどん低価格路線を攻めていって多数のシリーズ展開を期待します。完全ワイヤレスイヤホンは既存のオーディオ製品とはスピード感が違うのでなかなか難しいと思いますが、JVC・オーテクにはいろいろ出して欲しい。個人的にSONY一人勝ちみたいなのは短期的にはよくても、将来的にはどうなんだってのがあるんで。

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 オーテクはノイキャンヘッドホンでもATH-ANC900BTが比較的好意的に迎えられているしね。ノイキャンはなんとなくBOSE党なんで、まだ音聞いてないけど。

 

audio-technica ATH-ANC900BT

audio-technica ATH-ANC900BT

オーディオテクニカ ノイズキャンセリング機能搭載Bluetooth対応ダイナミック密閉型ヘッドホンaudio-technica ATH-ANC900BT

 

Skullcandyが相変わらずおバカなヘッドホン出してます

Skullcandy Crusher ANC

Skullcandy Crusher ANC

 ちょうどノイキャンヘッドホンの話になったんですけど、「IFA 2019」ではSkullcandyもノイキャンヘッドホン出します。その名も「Crusher ANC」!そう、あの低域ジャンキー御用達のおバカヘッドホンCrusherにノイキャン版が登場するっていうね。ていうか、Crusherとかいう熱湯風呂、普通にアホみたいな低域で外音遮断してくれるから、ノイキャン要らなくない?

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 まあ、この機種はカルト的な人気があるから、そんなの関係なしにみんな買うね、きっと。ぶっちゃけ最近は中華製のノイキャンヘッドホンも性能上がってるんで、そこらへんのチップ持ってくれば簡単にノイキャンヘッドホン作れそうっていうね。そして、そういうのに真っ先に飛びつくのがSkullcandyっていうメーカーです。少なくとも、私のイメージ的にはそう。

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ゼンハイザーの名機 IE80Sがワイヤレス化します。いまさら?

Sennheiser IE 80S BT

Sennheiser IE 80S BT

Sennheiser ゼンハイザー Bluetoothイヤフォン ネックバンド IE 80S BT ブラック 【国内正規品】

 

 最近妙に活動的になってるゼンハイザー。SENNHEISER MOMENTUM True Wirelessもバカ売れしたし、ウハウハでしょう。なんか最近、10年前くらいにSHUREが流行らせたデザインでIEM続々出してるしね。ちなみに先日YC某旗艦店でIE500 pro試聴したけど、返却時に対応してくれた店員さんはあまり詳しくない人だったらしくて、「これ、ゼンハですか?最近出たんですか?」ってびっくりしてました。デザイン古いしゼンハっぽくないっていうね。

 閑話休題。で、個人的にIE80Sは実はそれほど好きでもない機種で、今更ワイヤレス化したから何なんだみたいな感じなんですけど、IE80Sが実売40000円切ってるのに、ちょこっとワイヤレス化したのを60000円くらいで出そうって言うんだから、「そりゃちょっとお高くない?」ってね。

 一応最近中華メーカーが売り出し中でDAPでも対応機種が増えてきた高音質ワイヤレスコーデックHWAに対応してるのがウリだけど、どうかな。Westoneもそうだけど、最近流行のワイヤレスケーブル抱き合わせで高く売る商法はやめてほしいかな。

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 どうでも良いけど、個人的にHWAは意外と本気でワイヤレス席巻するような気がしてて、SONYはもうちょっとまじめにLDAC広めようとしないと危ないんじゃないかな。Astell&KernあたりはLDAC側に引き込んでおいた方がいい気がしますね。なんでWF-1000XM3にLDAC搭載しなかったの?ほんとそれだけがっかりだわー。外では米中貿易戦争やってるけど、実はオーディオもHUAWEI時代来てるからね。LDAC断然先行してたのに、SONYもうちょっと自社技術大事にしないとベータマックス状態になるよー。イヤホンレベルなら、個人的に優先すべきはノイキャンよりLDACなんだけどねー。

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Androidスマホに新たな脆弱性問題発覚!

 Android DAPも関わるかもしれない問題だけど、記事読む限り、SIM認証に関わる問題らしいから、今のところDAPはSIM使わないから問題ないのかな。

 記事で気になるのは「ソニーはこの脆弱(ぜいじゃく)性を認めようとせず、『同社のデバイスはOMA CP規格に準拠している』と述べている」とかってあたりかな。技術力神話系のソニーっぽいけど、セキュリティ会社がソニー製には問題があるって言ってるんだから、一応対応しておいてくれた方が安心できると思うんだけど。個人的な感想だけど、こういうときに「うちは大丈夫」なんて言ってはねつける態度取ると、大抵フラグになって、後でしっぺ返しきたりするよね。どちらにせよ余裕のないメーカーっぽく見えちゃうかな。

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 まあぶっちゃけ最近のソニーは意外と余裕ない感じがあって、製品見てると自社製品同士の連携とか悪いよね。ブランド全体どころかスマホ部門、オーディオ部門の部門ごとでも製品毎に開発が分散化されて過ぎてて、連携が悪い気がする。最近発売されるSONY製品を見る限り、人的資源と研究開発費に余裕がある印象は受けないかな。日系メーカーどこもそうだけど。

 

Mpow T5がMpow M5にレベルアップしました。どこが変わったの?

Mpow M5

Mpow M5


【T5進化版】Mpow M5 Bluetooth ワイヤレス イヤホン AAC&APT-X 高音質 レザー調 6時間再生 IPX7防水規格

 

 大人気完全ワイヤレスイヤホンMpow T5がいつの間にかM5になっててビックリ。ていうかT5この前国内販売開始したばっかじゃん。もうモデルチェンジですか。

 まあこのメーカー、型番変えなくてもマイナーチェンジ加えてることがわかってて、T5も初期はQCC3026使ってたんだけど、途中からQCC3020に変えてたりします。なので平常運転なのかも。ある意味、こういうマイナーチェンジが短期間にできるのが今の中国メーカーの強みかもね。連続再生時間が1時間くらい延びたんだって。

 一応Twitterでイヤホンの連続再生時間が5時間から6時間に延びたよ的なこと言ってるけど、私の持ってるT5も6時間連続再生謳ってたんですが、そこのところはどうなってるんだろ?謎。

 

 音質にはたぶん違いはないということらしい。ほんと、どこいじったんだろうね。今なら900円OFFで買えます。

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Mpow M5のレビュー書きました。

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amazon musicのプレゼントキャンペーンも忘れずにね!

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音楽を聴くだけでBOSEの最新ヘッドホンが当たるキャンペーン!

 

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【高級イヤホン試聴レビュー audio-technica ATH-CK2000ti】根立ちのよい太い幹のある音を鳴らすイヤホン[KANN CUBEで聴く高級オーディオ]

audio-technica ATH-CK2000ti

audio-technica ATH-CK2000ti

オーディオテクニカ ハイレゾ対応 ダイナミック密閉型カナルイヤホンaudio-technica ATH-CK2000TI

 

 

【0】免責事項

 このレビューは販売店舗さんのご厚意で試聴させていただいた範囲内で作成しております。ケーブルは標準付属品のはずですが、セッティングは販売店舗さんにより異なる場合があります。イヤーピースは手持ちのものを使える場合は、それを用いてテストしております。レファレンスはJVC スパイラルドット++ Lサイズですが、機種によって使えない場合もあるかもしれません。使えない場合どうするかはその都度。

 

 テスト機は基本的にAstell & Kern KANN CUBEを用いていますが、音質の特徴を捉えるために副次的にONKYO GRANBEATなど別のDAPも使っております。

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 一応解像度とかの比較用にイヤホンのレファレンスを定めていて、EarSonics ES5です。

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【1】装着感/遮音性/通信品質/ビルドクオリティ

装着感

 直垂らしの装着感は悪くない。シュア掛けはできなくはないが、ケーブルが柔らかいので、ややゆるい付け心地になる。シュア掛けしたいなら、たぶんリケーブルした方が良い。

遮音性

 遮音性はそこそこ高め。

ビルドクオリティ

 ビルドクオリティは高く、A2DCコネクタの着脱もスムーズ。ハウジングの接合面もきれい。

 

【2】イヤーピース考察

 この機種のノズルの太さは普通。比較的万能にイヤーピースを合わせやすい。

  1. AZLA SednaEarfitを使うと、高域の抜けがわずかによくなり、低域も濃さを増してコントラスト感よく聞こえる。音の広がりも少し増して感じられる。
  2. SONY トリプルコンフォートは中高域から高域にかけてすっきり明るめに音が抜けるようになる。。
  3. JVC スパイラルドット++は音場に広がりが感じられ、音の濃淡が丁寧に感じられるようになる。
  4. final E Clearは中高域以上に開放感が出て、ボーカルの抜けがよくなり、前面に出てくる。ピアノも少し明るくなる。
  5. Symbio Eartipsは低域と中域の厚みが増して聞こえる。
  6. Acoutune AET08は低域の厚みが出て、音場全体が少しマイルドで濃厚な感じになる。

 

【3】音質

総合:24/30

高域:7/10

拡張性は高くなく、金属光沢をはっきり浮かび上がらせる、適度な暗さの高域

  • 質感:ややクール、硬質
  • 明るさ:暗め
  • 拡張性:普通
  • 派手さ:やや派手
  • 緻密さ:やや緻密

 高域の抜けや空気感はあまり強調されず、中域の色味を濃く感じさせる味付け。弦楽もあまり高域を強調せず、つややかなあたりを一番聞かせるバランス。ボーカルはやや中域充実に聞こえやすい。中高域よりは高域が少し引っ込んで感じられるところがある。

 

中域:9/10

色味が濃く、太い音が充実する中域

  • 質感:ややウォーム、太め、輪郭はっきり
  • 明るさ:普通
  • 横幅:広め
  • 奥行き:広め
  • ボーカル:自然

 中域では音は太めで濃く、輪郭もかなりはっきり出るので充実感が感じられるとともに、定位感や分離感もはっきりしている。人によってはもしかすると音がカチカチかたまっているように聞こえるくらい濃厚で、油絵のような濃度感がある。

 

低域:8/10

クリアで下まで見通せる低域

  • 質感:ややウォーム
  • 明るさ:暗め
  • 重心:低め
  • 重み:普通
  • 重低音:地熱感少しあり

 100hz~40hzまでブーッという太い振動。30hzで沈み、20hzでほぼ無音。

 低域ではあまり中低域を強調せず、深くまでクリアに聞こえる印象がある。幅は一様に聞こえ、中域をしたから少し広めに支えている。色味はウォームな方ではあるが、ニュートラルに近く、癖をあまり感じない。

 

【4】官能性

小田和正「そのままの君が好き」

 中域を濃く、輪郭よくはっきり聞かせるので充実感がある。音の根立ちがしっかりしており、ドラムやギター音に太く自然な立ち上がりを感じる。ボーカルは充分に暖かく太く、豊か。

 


MY HOME TOWN

 

秦基博「水彩の月」

 中域に充実感あり。ピアノの音に深みと厚みがあり、輪郭も明確ではっきり聞こえる。高域は穏やかに閉じられているので、中高域よりしたくらいに濃厚感が滞留する感じがあり、ボリューム感もある。

 


水彩の月

 

majiko「狂おしいほど僕には美しい」

 中域に充分音が集まり、充実している。かなり音が太めで密度感があるので、篭もる感じが出るかなと思ったが、音の解像感はよく、音がマスキングされる感じはない。根立ちが良く太く林立する感じがある。

 


寂しい人が一番偉いんだ(限定盤B )(ボーナスCD付)

 

TVアニメ「坂道のアポロン」「Moanin'」

 中域に濃厚感があり、音の根立ちもよいのでJAZZ向きの重厚感を感じる。シンバルの濃く、粒立ちも良い音はかなり精彩がある。金管は高く抜けないで、中域で濃厚な味わいを出す。音が太く輪郭もよく鮮やか。コントラバスやドラムの存在感も強すぎず、中域の厚みをしっかりと味わわせつつ、少し広めに音場を支えて豊か。

 


アニメ 坂道のアポロン オリジナル・サウンドトラック

 

ヨルシカ「靴の花火」

 中域に充実感があり、音が太いので、迫力がある。音圧も少し強めで密度と濃厚感、音の厚みと重みがはっきり感じられる。ボーカルのやや暗く中域で充実する感じが、この曲にぴったりな気がする。ちょっと鬱屈した雰囲気が思う存分味わえる。濃いギターと厚いドラムがその鬱屈感を濃密にする。

 


夏草が邪魔をする

 

奥華子「恋つぼみ」

 豊か。ピアノ音と管楽に厚みと濃度があり、輪郭も太くはっきりしており、充実している。ボーカルも中域で厚みを出して、豊穣。中高域の上の方では少し明るく、ふっくらとした甘味がきれいにたゆたう。

 


やさしい花の咲く場所

 

【総評】太く充実した根立ちの良い音を奏でる豊かな中域が魅力

 中域の濃い太い音に魅力が感じられる。濃厚で充実感のある太い音がしっかりと音楽を奏で、輪郭も良い。その中域を支える低域も、ゆったりとした広さを持っており、豊か。とにかく音の厚く、くっきりした根立ちのよいところが味わい深い。JAZZやロック、ポップスをぶっとい感じで聴きたい人にはかなり有力候補だろう。男声ボーカルも女声ボーカルも濃厚。

 

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【完全ワイヤレスイヤホン audio-technica ATH-CKS5TW レビュー】熱狂する音を奏でるSOLID BASSはようやく自由を手に入れた。使い勝手は非常に良い。音質は第一印象はとっつきにくく、かなり人を選ぶかもしれない。情感の篭もったボーカル最強。おすすめ

audio-technica ATH-CKS5

audio-technica ATH-CKS5

オーディオテクニカ 完全ワイヤレス Bluetoothイヤホン(ブルー)audio-technica ATH-CKS5TW-BL

 

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「ちょっとデカイかな」

おすすめ度*1

audio-technica ATH-CKS5

ASIN

B07T8SSPCV

 ちょっとデカイ感じはあるけど、装着感は悪くない。イヤピとイヤーウィングでしっかり固定されるので、遮音性もそこそこ高い。

 音質的にベース音が太く、ロックなんかをかけると音量はそれほどでなくても周りの音はかなり消える。

 

 aptX対応。通信品質はかなり安定している。駅構内でも途切れをほとんど感じなかったし、移動中も途切れることはまずない。相性や使う場面によって変わるかも知れないので、確実には言えないがQCC3026でも途切れにくいNT01AXとかTE-D01dより途切れないかも知れない。私の環境ではSONY WF-1000XM3の「音質優先モード」よりは優秀。

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【2】外観・インターフェース・付属品「物理ボタンで操作もしやすい。しかし、手持ちの個体は挙動にクセがある」

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル(Type-C)、専用充電ケース、説明書。

 

 インターフェースボタンは物理式で反応も良い。誤操作しづらく、率直に言ってこの操作感は好みでよくできている。

 

 ケースはデカいがイヤホン単体の連続再生時間が最大16時間もあるので、ぶっちゃけ邪魔ならケースは止めて別にポーチでも用意して、それに入れて運んで全然問題ない。普通のイヤホンケースに入れたっていい。

 

 私の環境で気になる点は接続当初数十秒~1分くらいの間に、なぜか片耳の電源が自動OFFする症状が出ること。しかし、これは私の環境の相性問題か初期不良の可能性があるし、気づいたらONにすればいいだけなので、今のところ気になるけど、とくに不便ではない。

 

 ちなみに個人的に付属イヤピは傘が薄皮で、なんかパリパリしてて着けててかゆくなるし、いまいち装着感がしっくりこなかった。おすすめはJVC スパイラルドット++。あるいは中低域の滲みが気になるようだったら、final E Clearがよい気がする。また篭もる印象を受けた場合は、イヤーピースのサイズは小さめを選ぶと相対的に低域の利きをセーブできて篭もった印象は減るかも知れない。

 

【3】音質「豊かな低域と熱気のある中低域、濃密な中域、煌びやかではなく、ギューンと胸をわしづかみにしてくる中高域。ライブ感に溢れて、情緒的。篭もってるっていうヤツがいようと、俺はこの音が好きだ」

 この機種についてはプレレビューでも、私自身、篭もっている第一印象があったと述べているし、実際おそらく多くの人が篭もっている第一印象を受けるかも知れないとは思う。少なくとも最近は高域の高いほうで空気感や抜けを重視して聴かせる系や高域に明るいさわやかな感じを出す機種が比較的多いので、この機種の高域はあきらかにそれより暗い印象を受けるだろう。

 低域の広がりも強く、曲によっては中域に滲み出す感じがあり、とくに最近は中域では多かれ少なかれ清潔感を重視する味付けが多い中で、中域に濃厚感を強く出す調整になっているため、高域の明るさで違和感を覚えるということは充分にあり得る。実際ボーカルの輪郭は抑えめで最初は息感の手がかりも乏しく、一段声が後退して聞こえるかも知れない。

 

 完全に正確ではないが、イメージとしてこの音の変化を具体的にイメージできるように解説すると、たとえば下に示す音源の上の動画の曲が、下のように聞こえる感覚と言えばイメージが掴めると嬉しい。

 

 上の動画に比べて、下の動画は音が太く、高域も暗めで一聴すると「篭もっている」印象を受けるかも知れない。しかし少し長めに下の動画を聴いてから、上の動画を改めて聞き直すと、上の方でシンバルのシャリシャリしている音が露骨に目立って鬱陶しく感じるという印象を持つ人もいるだろう。ボーカルに注目してみれば、下の動画では生々しいボーカルの生気感に集中できるのに対し、上の動画ではボーカルのすぐ上でシンバルがシャリシャリしているのが非常に煩わしくて集中力を乱しているように思える。

 ドラムも上の動画の方がタムが明るくて最初はクリアに聞こえてよいような気がするけど、下の音の方がボーカルを侵食しておらず、むしろボーカルをしっかり支える重厚なリズム感になっているのがわかると思う。最終的にはやはりどちらが好きかということになるけど、個人的にはたしかに清潔でクリアな音ではないので、第一印象で「篭もる」と判断する人がいるだろうことを充分に承知した上で、この鳴らし方はリスニング向きというわけでは必ずしも無いかも知れないし、原音忠実という方向性とも異なるが、個人的には素晴らしいと思うということを言いたい。

 

 この機種は個人的に好きなので、敢えて誤解を恐れず踏み込むけど、たとえば「一番の宝物」という私の好きな曲をSONY WF-1000XM3がどのように聴かせてくれるか期待すると、たぶんこういう感じ。清潔で優雅でのびやかに透明に聴かせる。


 audio-technica ATH-CKS5TWはそれに対し、こういうアプローチで聴かせる。より暖かく、情緒的で熱気のある感じ。

 

 もちろんこの括りは正確でないはずだし、これが正解だみたいなことを言いたいんじゃなくて、正確である必要もないけど、少なくとも下のような曲を聴くなら、私はATH-CKS5TWを選ぶということ。正直に言うが、私はATH-CKS5TWでこの曲を聴いて泣いた。低域のベース、ドラム、中高域の弦楽やギターすべてが温もり感を持って、たっぷりとつややかに湿っぽく甘く、胸を打つように太く聴かせてくるボーカルに全身全霊でエネルギーを注ぎこんでいるかのような、その表現の仕方にオーテクの本気を見た。この曲で男泣きできただけで満足でオーテクすげぇって思います。だからいくらこの機種の音をけなすヤツが出てこようと、俺は別に「はい、そうですか」で終わることができる。

 

[高音]:高域は暗い。少なくとも抜けが良い感じではないだろう。シンバルの空気感は率直に言って抑えめ。でもだからこそ中域を充分に温めることができるということは言っておきたい。たとえそれによって詳細なディテール感と現代的なデジタル曲への適応性のいくらかが失われたとしても、オーテクは判断を誤ったわけではない。この味付けはオーテクが本気で作りたい音作りが何なのかを如実に物語っている。全ては中域の充実感のために設計されている(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域の息巻くような熱気に満ちた充実感は最初はとまどわせ、第一印象は音の全ての定位がぐにゃぐにゃしているように感じられるかも知れない。よくあるクリーンな空間になれたリスナーにはとくにその感覚に慣れるのは最初は困難なはずだ。実際一聴した感じではそこは渾然としている。ピアノは膨らんでいるし、ギターも膨張し、ドラム音とつながっていて、最初は分離感は明瞭には思われないだろう。

 だが、そんな細かいことは気にしなくていい。音に身を任せていれば音は見えてくる。最初の戸惑いは、たとえばライブ会場に入ったばかりでまだライブハウスの反響の多い音に慣れていない感覚に似ていると思えば良い。ただ単に慣れていないだけで、音は実はすぐそばに存在している。音に包まれて身を委ねてしまえば、音の方からしっかりと前に出てきて、包み込んでくれる。そうしてだんだん音を掴む感覚がはっきりしてきた瞬間に、信じられないほどの広がりを持ったギターやドラム音が聞こえてくる。それも分離感は決して強くないが、確かにソリッドに定位を伴って。そこにある完全ワイヤレスの音とは思えない、熱狂的な音は少なくとも現状最高に、自由なライブハウスだ。そう、俺たちの愛したSOLID BASSは今ようやく自由の翼を手に入れて、夢を叶えてくれた。

 私はこのイヤホンで大好きな「ここから、ここから」という曲を聴いて、そのじんわり沁み入るようなボーカルを、音場全体、全身全霊で聴かせるこのイヤホンの表現に涙を流しながら、「馬鹿にされたってかまわない。信じていこう」という歌詞に大きく頷くことができた。少なくともこのイヤホンは第一印象の取っつき悪さに負けずに、信じて踏み出して聴くだけの価値があるイヤホンであることは確か。


[低音]:SOLID BASSの低域らしく、このイヤホンの低域は広がりを持つが、決して濃い方ではない。JVC XXシリーズの引き締まった黒みのある重低音が好きな人には最初はゆるい音に聞こえるかも知れない。ご心配なく。中域の充実感の味を知ってしまえば、この低域のさじ加減は計算されたものだということが分かる。なぜなら分離感をそれほど強調しない密度の高いこのイヤホンの音場で、低域がもしボーカルより濃かったら、埋もれちまうだろ?誰がそんな溺れそうなボーカル聴いて楽しいの?低域のほどよく柔らかく、ベースも適度な濃さで温度感を強めに広がる感じはボーカルのライブ感を輝かせるために設定されているのであって、ベース音だけ聴きたいヤツのためにあるんじゃないんでね。

 低域は100hz~30hzまで厚みのある振動。20hzはほぼ無音(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:渾然一体としつつ、音の定位は明瞭ではないが、明確に分かる。音は太く、広がりが強く、最初はその全容を把握するのは難しいが、耳が慣れてしまえば問題ない(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムはやわらかめで、シンバルも暖かいから、それぞれ単体としてはまあこんなもんって感じに聞こえるかも知れない。場合によっちゃぼんやりしてるだろうし。でもぶっちゃけそんなん関係ないよ。ドラムはバズンバズン重くて膨らむ感じで濃さはそれほどでもないです。シンバルも空気感やシャリシャリ感、白味なんかは強調しないので、それだけ聴いてるとやや埋没した印象を受けるかも。でもまじでそんなの関係ないよ(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルは甘く太く充実してしっかりと濃く、音場でもっとも活き活きしている。篭もってると最初は思うだろうけど、ちょっと耳慣れすると説得力半端ない。

 

【4】官能性「ドライでソリッド。熱狂する音楽空間」

(K)NoW_NAME「Knew Day」

 最初はなんかアニソン聴いてたら「重たいやんけ!こもってるやんけ!」って思ってたんですけど、いくつかプレイリスト回してたら、この曲にぶち当たって、見事にソリッドバスされました。こういうドライでギラギラしてるロック感のある曲、聴き応えあります。中低域にボリューム感があって、音場全体を熱狂させるくらいの熱量感が感じられ、そうするとぶくぶく太ったドラムを想像するんですけど、ソリッドバスちゃんのドラムは違います。こいつのドラムは妙にメリハリきいてて、上では少し熱量高めで中域を暖かくしてるんですけど、床面ではビシバシしてて気持ちいいんです。ボーカルもフルボディ感があってしっかり濃いです。ライブ感が感じられます。

 


TVアニメ『灰と幻想のグリムガル』オープニング・テーマ 「Knew day」

 

秦基博「Rain」

 それで、ああそういえばソリッドバスっていうと、この曲聴くの好きだったなぁって思い出したのが秦基博「Rain」。うん濃厚。ボーカルすげぇ濃厚。ドラムがまた良くて、ほどよく膨張して厚みを出しつつ、下でしっかりビシバシしてて、「うほほい!ソリッドバスってこんな感じだったわ、オーテク最高だわ。JVC党とか名乗るの今すぐやめるわ」って失言しそうになっちゃうくらい。重低音の深みに支えられた、しっかり聴かせるボーカル、最高です。

 


言ノ葉

 

【5】総評「ごちゃごちゃ言わずに聴いてみな。使い勝手は現状最高レベルだし、音は選り好みされるだろうけど、好きな感じなら現状でこれ以上はないよ」

 この機種はまず聴いて判断してみて。接続品質とか連続再生時間とか使い勝手のクセはほぼないんで、音が好みかどうかだけ。第一印象で嫌いなら、もう少し聴いて判断して欲しいけど、それはそれでそれ以上聴かなくて結構。音がクソとか、またオーテク失敗してるとか吹聴してくれても構わない。こちとら、「ほぅ、この機種の真価が見抜けませなんだか」と思うだけ。

 自分の好きなロックやじんわり系のポップスを数曲じっくり聴いてみて、こりゃヤバイと思った人だけ買えば良い。やっぱりダメならそれでいい。でもじっくり聴いたなら、中高域潰れているとか篭もっているとかって感想は出ないはず。

 とにかく全身全霊で楽器にサポートされて聞こえてくるボーカルがすごい。

 

audio-technica ATH-CKS5

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オーディオテクニカ 完全ワイヤレス Bluetoothイヤホン(ブルー)audio-technica ATH-CKS5TW-BL

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【完全ワイヤレスイヤホン audio-technica ATH-CKS5TW プレレビュー】お、これは良いやんけ!ATH-CKS550に近い系統の音。聴いたその場で予約しちゃったよ!

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オーディオテクニカ 完全ワイヤレス Bluetoothイヤホン(ブルー)audio-technica ATH-CKS5TW-BL

 

 

入手後のレビューはこちら

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【0】朝、ATH-CKS5のニュースを見て、その日のうちに試聴できるなんて幸せすぎる

 今日出かける前にATH-CKS5の発表記事を見て、「ええやんけ」と思いつつ、YC行ったらもう試聴機あった!即試聴!ぶっちゃけ私の好きなATH-CKS550と同じDNAを感じたので即予約しました。予約特典の扇子くれたけど、これを予約特典にするオーテクのセンスだけはわからん。

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【1】装着感/遮音性/通信品質「ちょっとデカイかな」

おすすめ度*1

audio-technica ATH-CKS5

ASIN

B07T8SSPCV

 装着感はちょっとデカイ感じはあるけど、まあ悪くなかった感じ。店頭試聴機なんで、あんまり跳んだり跳ねたりしてないので、落ちやすさはそれほど厳しく見てないけど、たぶん大丈夫。

 

 aptX対応。通信品質は店舗内テストだけど、よかった。これなら充分使えます。

 

【2】外観・インターフェース・付属品「割愛」

 プレレビューなんで付属品やインターフェースは割愛します。連続再生時間は16時間。ケース込みで最大46時間。すげぇいい。

 

【3】音質「直前までTE-D01dやEP-T10を聴いてたから、最初は篭もってる印象を受けたけど、ロック聴いたらソリッドバスしてた。印象的には低域と高域のバランスはCKS550に似ていて、手応えが少し柔らかい感じはCKS770に近いかな」

 聴いた途端にSOLID BASSしてるわーって感じの音。CKS550に似ている印象を受けたけど、シンバルにスパイシーさが足りない感じがあって、音場全体が少し重たげな印象は旧いほうのCKS770に似ているかも。それと低域支配力強めで結構中域浸食してる感じがあったんで、最初は篭もっている印象ありましたけど、これはロック系の曲聴いたら熱気に変わったんで、「むしろ良いやんけ!」と評価逆転しました。NUARL NT01AXあたりと比べてもかなり濃厚な感じなんで、たぶん篭もっているって感じる人はいるかも知れないとは思います。

 

[高音]:最近完全ワイヤレスイヤホンでも高域が派手めのやつを聴いていたせいもあって、最初は「ひょえ?渋い音だな」って感じるくらい引っ込んだ印象にみえました。少なくとも明るい感じではなく、煌めき感は重たい(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:ボーカル周りに充実する感じで濃厚系です。ピアノに厚み、弦楽に根元が感じられる音。力強い系です。この音聞いた後にMAVIN Air-X聴いたら「何このヒョロい音」って感じるくらいぶっとい。

[低音]:低域の濃さはそれほどでもないです。HA-LC50BTの方がたぶん濃い。でもSOLID BASSらしい熱気のある低域でした。ドライな感じで少し沸騰する印象はあるから、床面ビシバシも感じるけど、全体がタイトではなく、中域との境目は膨らむ感じじゃないですけど、少し塗りこめられたように濃厚です。なので、この低域が篭もっているとは言われそうな気配はあります。こればっかりは世間の評価でどう迎えられるかですけど、意外と人を選ぶ低域かも知れません。100hz~30hzまで厚みのある振動。20hzはほぼ無音(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:音にソリッド感があります。ドライで熱気のある音場を持っており、全体的に音に厚みがあります。ウォームな音色に感じます(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムはやや手応えが柔らかく適度にズバンズバンしてます。CKS550と似ている感じのドラム音に聞こえますけど、タムの鼓面なんかはCKS550Xのほうがビシッとはっきりしてたかな。それでも結構ドラムにメリハリ感があります。実は結構ドラムが気に入って聴き込んでいたので、帰ってきて気づいたんですけど、メモにもハイハットの情報が無く、思い出しても印象あまりありません。少なくともATH-CKS550Xみたいなスパイシーさはなくてドライだけどマイルドだった印象がありますが、ハイハットの印象は自信なし(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルは少し楽器に包まれて聞こえてくるかな。色味は温かめ。女声ボーカルは上で少し暗いかも。

 

【4】官能性「ドライでソリッド。熱狂する音楽空間」

(K)NoW_NAME「Knew Day」

 最初はなんかアニソン聴いてたら「重たいやんけ!こもってるやんけ!」って思ってたんですけど、いくつかプレイリスト回してたら、この曲にぶち当たって、見事にソリッドバスされました。こういうドライでギラギラしてるロック感のある曲、聴き応えあります。中低域にボリューム感があって、音場全体を熱狂させるくらいの熱量感が感じられ、そうするとぶくぶく太ったドラムを想像するんですけど、ソリッドバスちゃんのドラムは違います。こいつのドラムは妙にメリハリきいてて、上では少し熱量高めで中域を暖かくしてるんですけど、床面ではビシバシしてて気持ちいいんです。ボーカルもフルボディ感があってしっかり濃いです。ライブ感が感じられます。

 


TVアニメ『灰と幻想のグリムガル』オープニング・テーマ 「Knew day」

 

秦基博「Rain」

 それで、ああそういえばソリッドバスっていうと、この曲聴くの好きだったなぁって思い出したのが秦基博「Rain」。うん濃厚。ボーカルすげぇ濃厚。ドラムがまた良くて、ほどよく膨張して厚みを出しつつ、下でしっかりビシバシしてて、「うほほい!ソリッドバスってこんな感じだったわ、オーテク最高だわ。JVC党とか名乗るの今すぐやめるわ」って失言しそうになっちゃうくらい。重低音の深みに支えられた、しっかり聴かせるボーカル、最高です。

 


言ノ葉

 

【5】総評「個人的には期待大!速攻予約しました」

 うん、もう待ってましたよ!オーテク!この1年間どれほど耐え忍んできたか!この機種を見たいがために、この1年間過ごしてたのかもって今なら思える!ATH-CKS5、これは試聴した限りでは、すげぇ満足度高かったです。私の中のオーテク魂復活しました!YCの旗艦店には試聴機あるみたいなので、是非聞きに行って下さい!今回のオーテクはいいですよぉ!

 

audio-technica ATH-CKS5

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

【カナル型イヤホン audio-technica ATH-LS50 レビュー】低価格で選ぶなら、このドラムは聴いておきたい。アニソン・ポップス・ロック好きにおすすめ

audio-technica ATH-LS50

audio-technica ATH-LS50

オーディオテクニカ インナーイヤーヘッドホン ブラック ATH-LS50 BK

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「シュア掛けスタイル」

おすすめ度*1

audio-technica ATH-LS50

ASIN

B01M3SYENR

 耳掛け式のシュア掛けスタイルを採用している。密着度が高いため、遮音性はそこそこ高く、音漏れも少し。

 

【2】外観・インターフェース・付属品「A2DCリケーブル可能」

 付属品はイヤーピースの替え、ポーチ、説明書。A2DCリケーブル可能。標準ケーブルのタッチにタッチノイズほぼない。

 

 A2DCについては以下の記事参照。
www.phileweb.com

 

【3】音質「透明感のある中高域をまとめあげる、爽快火力のドラムが秀逸」

 1つのユニット内に同調する2つのドライバーを内蔵した専用設計の“Live Tuned”デュアル・シンフォニックドライバーを搭載しているという機種。ぶっちゃけこういう説明は音響工学的知識の無い私には大抵何言ってんのか、わからないので音を聴くしかないのだが、音を聴いたら一目瞭然。というか、一耳瞭然。ドラムサウンドの精彩がヤバイ。

 かなり透明感があって解像度の割に音像のいい中高域もおそらくデュアルなんちゃらの効果を受けていると思われるが、メーカーの商品ページやパッケージを見る限り、この妙に活き活きしているドラム周りに一番効果を発揮しているとしか思えない。とにかく快活で明るい飛沫を上げるスマッシュに優れたドラムが気持ちよすぎてクセになる、そんな機種。

 オーテクって音響に独特の哲学を持ってるところあるけど、この機種なんてとくにそれ。楽しませてくれます。だから好きなのよ。 

 

[高音]:自然な抜けの良さとスピード感がある。明るめのキンキン系ピアノと艶やかでみずみずしい弦楽を持っている。ドラムの快活な音と相性が良い(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:透明感がある。音像は滑らか。ギターは曲によって左右広めに距離を取ることもあり、エッジもマイルドなのでアグレッシブさはあまりないスマートな感じの音になる。要は明るいキャラクターの系統。

[低音]:100hz~40hzまで太く厚みのある振動。30hzでだいぶ沈み、以降ほぼ無音ドラムとベースでは明るめのドラムのキャラクターが強い(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:解像感は価格なりと思うが、ドラムにメリハリがあり、中高域は艶やかで透明感もあるため音像が明確で、音楽の全体像は分かりやすい(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムの精彩が良い。鼓面の弾けがよく、爆発力のある、ポップコーンのようなパッツンパッツン系の音を鳴らす。シンバルはドライで発色を抑えたシャリシャリ。粒は結構細かく、ドラムセットは全体的にスパイシーで快活(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:男性も女性も自然で少し明るい程度。楽器にやや近く、包まれて聞こえてくる。

 

【4】官能性「とにかくドラムサウンドが楽しすぎる」

TRUE「Sincerely」

 中高域のクリア感とドラムの爆発力が味わえる。ピアノは透明感のあるクリアサウンド。管楽も透き通る艶やかさがあり、弦楽は滑らかに、やや鋭さを強調しながら伸びる。高域は少し派手めで、この曲だとちょっと羽目を外して夜桜のように妖しく狂い咲くような感じがあるが、そんな浮かれたような中高域をまとめあげてくれるのがタイトで快活な鼓面を持つドラム。パワフルで明るいメリハリの強い火力感を出すので、中高域の少し伸びすぎるくらいの立体感に確かな足場を提供している。このイヤホンで聴くこの曲は聴き応えあり。

 


Sincerely

 

(K)NoW_NAME「Lupinus」

  はいはい!ご注目!この曲の明るい火力のドラムを思う存分味わわせてくれるぜ!ギターのエッジは滑らかでスムーズなのでドラムの推進力は素直に高域まで抜けるような、晴れやかサウンドになる。とはいえ、この曲はギターの色味も少し濃く、濃厚感が出る曲なので、空間に密度が出てくるが、圧迫感や音の混濁感はなくて、クリアで辛味だけがピリリときいている感じ。酸辣湯っぽい透明感のある辛味っていうと伝わるかな?

 


「Lupinus」【通常盤】(TVアニメ『サクラクエスト』第2クールオープニングテーマ)

 

鹿乃「Stella-rium」

  こういう明るいドラムの爆発力を推進剤にして、気持ちよく疾走していくような曲はとくに味わい深い。この曲ではちょっとドライで乾いた感じの鼓面がまた爽やかで心地良いんよ。打てば響く、叩けば鳴るといったレスポンスの良い、このドラムサウンドのライン上を、少し明るめのギターサウンドと甘いボーカルが透明な感じで駆け抜けていきます。風切り音のようなシンバルも細かい金属光沢をときどきキラキラッと鮮やかに見せるから、華やかさも充分。

 


鹿乃/「Stella-rium」<初回限定盤> CD+DVD (2枚組) TVアニメ「放課後のプレアデス」オープニングテーマ

 

佐藤聡美&茅野愛衣「君にまつわるミステリー」

 ドラムの火力とギター、ピアノの三者でバランスを取れている感じ。やや中高域が充実しすぎるくらいに密度が出ちゃう曲で、このイヤホンは明瞭感も高いから、ちょっと音像聴かせ過ぎちゃってる観はなきにしもあらずだけど、ドラムがうまくまとめてくれているから、うるさい感じはないかな。

 


君にまつわるミステリー

 

鈴木このみ「DAYS of DASH」

 


TVアニメ「 さくら荘のペットな彼女 」エンディングテーマ「 DAYS of DASH 」

 

UNISON SQUARE GARDEN「オリオンをなぞる」

 


オリオンをなぞる

 

【5】総評「1万円以下じゃ一番くらいに楽しくドラムを聴かせてくれる」

 この機種はドラムが好き。とにかくそれだけみたいなところがあるけど、明るめでポップス向きの透明感を持っていて、ちょっと元気な系統の女性ボーカル曲を溌溂と聴かせてくれます。オーテクの数あるモデルでもLivelyでLovelyなサウンドを聴かせてくれるので、アニソン向きかもね。おすすめ。

 

audio-technica ATH-LS50

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オーディオテクニカ インナーイヤーヘッドホン ブラック ATH-LS50 BK

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【ハイレゾ対応イヤホン audio-technica ATH-CKS770X レビュー】オーテクの野郎、やりやがった!770番台は音質はガラリと変わり、ソリッド感重視のガツンとくる音になった。これはSOLID BASS史上最強のコスパ機になるかもしれない!

audio-technica ATH-CKS770X

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オーディオテクニカ ハイレゾ対応 ダイナミック密閉型カナルイヤホン(ブラック)audio-technica SOLID BASS ATH-CKS770X BK

 

 

ポッドキャスト

anchor.fm

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「独特の装着感が難点ではある」

おすすめ度*1

audio-technica ATH-CKS770X

ASIN

B07CNJDGDQ

 このシリーズは独特の付け心地なので人を選ぶ。前世代のATH-CKS770よりはスリムになってATH-CKS550Xとほぼ同等のデザインになったが、やや高く出っ張るハウジングは外側に重心が向きやすく、女性では安定しないかも知れない。遮音性はそこそこ。音漏れは普通。

 

【2】外観・インターフェース・付属品「相変わらずのタッチノイズ」

 付属品はイヤーピースの替え、ポーチ、説明書。ケーブルのタッチノイズは相変わらずやや目立つ。

 

audio-technica ATH-CKS770Xaudio-technica ATH-CKS770X

 

【3】音質「ATH-CKS770より音がスリムになり、バランスの良い音響になった。以前の低域もっさもっさの重量感はない」

 ドライバーが一回り小さくなったせいか、ATH-CKS770より低域の支配力が弱まっている。まあATH-CKS770はSOLID BASSシリーズでも最も低域へのステ振りが大きいような機種で、ATH-CKS550のバランスの良い音響から、いきなり重たくなる感じだったからステップアップはスムーズでなく、浮いていたイヤホンだった。そのため今回大幅に見直されている感じがあり、リニューアルされたSOLID BASSシリーズでは最も変貌したといえるだろう。

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 率直に言って、以前のATH-CKS770が好きだった人にはATH-CKS770Xはほぼ完全に別物だと認識した方が良いと助言する。以前の音が好きなら、こちらではなく、まだ在庫があるうちにATH-CKS770を買い足すなり、JVCのXXシリーズのようなより重たい音のイヤホンを物色してみるほうがいいだろう。ATH-CKS770XはATH-CKS550系の中高域の聞こえを重視した感じをそのままブラッシュアップしたかのような機種になった。

 個人的にATH-CKS550系のバランスの良い音が好きだったので、この変更は基本的には歓迎したい。以前の550と770の露骨に棲み分けた感じはなくなったので、価格が近くなって共食いしやすくはなり、このあたりの売れ行きがどうなるかは興味があるが、差し当たってこのブログで気にすることではないので無視する。

 低域が以前よりタイトでまとまりのよい音になり、厚みは少し減ったので、重厚感は明らかになくなった。ただ低域の音像の解像度は増していて、個人的にはSOLID BASSシリーズのコンセプトにより似合う機種になった気がする。少なくともオーテクのこのシリーズはSkullcandyやJVCのXXシリーズとは異なって、量感より解像度感のある低域をウリにしていたはずだ。そういう意味で、あるべき調整が加えられたとも言える。

 低域の躍動感は個人的に高く評価している、ATH-CKS550のソリッド感のある躍動的でタイトな低域を素直にアップグレードした感じになり、この価格帯では極めて上質な仕上がりになった。

 

[高音]:ATH-CKS770より高域の抜けがよくなり、すっきりとした空間を感じさせるようになった(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:中域は見通し感がよくなり、ソリッド感も増した。音質はニュートラルな印象だが、音味にはドライな味付けが出やすい。ただし、以前のATH-CKS770はドライと言っても低域に影響されてカサカサモサモサした感じだったが、こちらはジャリジャリという感じの、より粒感が丁寧に出て発色もよいドライさで、明らかに上質になった。

[低音]:100hz~40hzまで厚めの音。30hzで沈む。ATH-CKS770よりは少し明るくなり、タイトさが増して躍動的になった。床面の主張も強くなり、よりロック向きになった(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:ATH-CKS770のもっさりした中高域にのしかかる低域支配力が弱まり、音場は明らかに上の方で見通し感と明るさを獲得した。ATH-CKS550Xと高低バランスが近くなり、違和感なくステップアップできる空間表現になった(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムはやや表面の弾けが強めのバシンバシンあるいはバッツンバッツン系の躍動感と張りがある音。楽しい。シンバルはドライで粒感が強調される。ドラムセット周りは明らかに価格帯最強クラスの仕上がり(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルは分離感悪くないが、楽器とも近く一体的。女性ボーカルの方がはっきり出やすく、男性ボーカルは少し遠のいて楽器に近く感じやすい。

 

【4】官能性「ソリッドでタイトなドラムセットとエッジの良いギターが最高にロック」

影山ヒロノブ「SOLDIER DREAM ~聖闘士神話~」

 女性ボーカルと比べると男性ボーカルはやや楽器に近くなり、少し埋没するところはあるので、もともと楽器音が強めなこの曲だとボーカルはかなり楽器に包まれて奥から聞こえてくる。全体的にドライな感じでシンセの煌めき感は少し抑えめ。ギターも濃い黒みのあるエッジを出し、ドラムも躍動的だが強く音場を支配するところがある。完全にロックでパワフルなサウンドになっていて、個人的にかなり満足。高域方向にもう少し明るいと完璧なバランスだったかも知れない。

 


聖闘士星矢コンプリート・ソング・コレクション

 

saya「宇宙を見上げて」

 ドラムはキックが重いが角は強調しない。弾けがよく、パッツパッツと張りと膨らみの良い音で、どちらかというと張りがやや強い感じなのでタイト感が目立つ気持ちよい音。躍動感が素直に出ている。ギターの色味は濃いめでドライな味もあるが、カサカサせずに潤う色彩感もあって活き活きしている。ボーカルは自然な太さで高域にスッキリ伸びる。ただし高域は強調されずキラキラ感は抑えめで刺さりはない。あくまでロックな浮き上がりすぎない色味を維持しつつ、しかし音場は基本的に抜けが良く、風通し良く感じるので、むしろ明るめ。濃厚な中域の下の方から、さっぱりとする中域の上の方に素直につながっている。バランスが良い。

 


TVアニメ「 宇宙よりも遠い場所 」オープニングテーマ「 The Girls Are Alright! 」

 

ヨルシカ「藍二乗」

 ドラムセットがかなり多彩な曲で、適度なスピード感と刻み、発色を求められるが、このイヤホン、ドラムセットは価格帯抜群と言えるほど、うまい。ドラムの解像度が高く、輪郭と弾み、詰まり具合、ドラム内部の中空、すべてがかなり鮮明に感じられる。火力感たっぷりあるのに重苦しくなくて、むしろ軽快とさえ言える元気な音。何これ。

 またシンバルの粒感は、この価格帯ではもはや必聴に値すると言っても言いすぎることはない。粒が潰れず、濃い感じで発色はしっかり浮き上がりすぎず、しかも刻みがきれいでスピード感も充分。ここまで質の高い音を実売で6000円くらいの機種が出しちゃうんだからなぁ、やばいですわ。オーテク、まじでどうしちゃったの?ギターなんかも良いけど、この曲に関してはとにかくこのドラムセットを聴くべき。このイヤホン欲しくなるはず。

 


だから僕は音楽を辞めた

 

渕上舞「グラヴィティ」

 音場は明るいが、低域に深みもしっかりあってコントラスト感が良い。ドラムの沈みはしっかりとして幅があり、上の方では明るく弾け、下では喉元まで沈む。ただ地熱感(サブベースの重低音)は抑えめで、鳴動は少なく濁りのない感じでクリアな音像を持っている。そのドラムの上にボーカルが艶やかにのっかる。声色は少し太めでふっくらしている、暗くならず明るい。これはちょっとうまい。普通はこれくらい太いと少し暗くなる気がするんだけど。キラキラ感は抑えめなので、高域の緻密感はさすがに少し足りず、やや上方向がスカスカして中低域中心に感じるが、重心が下がる感じもない。ATH-CKS770よりは解像度が一段も二段も上がっていることは確か。

 


~TRΛNSMISSION~【通常盤】(CD)

 

【5】総評「実売価格次第で恐ろしいコスパを発揮するが、ATH-CKS550Xが霞むことは必至」

 2019年5月現在、実売価格は6000円ちょうどくらいが下値になっているが、いつもどおりなら5000円に接近していくだろう。消費増税も予定されているのでそう簡単には下がらない可能性はあり、はっきりとは言えないが、実売3000円~5000円くらいの下位機種ATH-CKS550Xとは価格的に接近していく可能性が高い。前世代のATH-CKS550と770の間には明らかな個性の違いがあり、棲み分けができていたが、今回は価格が近くなればなるほどATH-CKS770Xのコスパが跳ね上がるだろう。現状でもかなり恐るべきコスパを感じるが、これが5000円未満で買えるようになる日が来たら、文句なくおすすめできるイヤホンの一つになる。

 装着感とタッチノイズだけ人を選ぶところがあるが、ATH-CKS770Xはこの価格帯では、一度は聞いて欲しいイヤホンだ。オーテクの野郎、まじでやりやがったわ!

 

audio-technica ATH-CKS770X

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オーディオテクニカ ハイレゾ対応 ダイナミック密閉型カナルイヤホン(ブラック)audio-technica SOLID BASS ATH-CKS770X BK

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【特集】最近改めて見直したaudio-technica ATH-CKS550とかいう神イヤホンについて。私の愛する、SOLID BASSシリーズを紹介します。

audio-technica ATH-CKS550X

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オーディオテクニカ ハイレゾ対応 ダイナミック密閉型カナルイヤホン(ブラック)audio-technica SOLID BASS ATH-CKS550X BK

 

 

 私の好きなオーディオブランドにaudio-technicaっていうメーカーがあります。私の地元企業なんですけど、寿司ロボットも作っているっていうのがよくネタにされる日本を代表するオーディオブランドです。

 そのaudio-technicaのシリーズの中でもSOLID BASSシリーズというのが私のお気に入りなんですけど、そのシリーズでもとくに好きな音を出してくれるのがATH-CKS550です。3000円くらいのイヤホンでこのシリーズでは決して上位の機種ではないんですけど、ATH-CKS770ATH-CKS1100の音はどうもあまり好きになれなくて、結局このATH-CKS550が一番好みなんですよねー。このCKS550の音質傾向で素直に解像度だけ上がった上位機種が出ないかなーって思うんですけど、今のところありません。

 ちなみにATH-CKS550は最近リニューアルされて、ATH-CKS550Xっていう後継機種が出てます。

 

決して評判の良い機種ではないATH-CKS550

 で、ATH-CKS550なんですけど、ネット上で話題になるほど評判が良いかというと、はっきり言ってそれほどじゃないです。同価格帯のSONYのEXTRA BASSシリーズの製品やJVCのXXシリーズに比べると重低感に欠けるというのが一般的な評価で、低域ジャンキーからは低域詐欺とまで言われかねないくらいのところがあります。

 実際、上位機種のCKS770やCKS1100のほうが重低感はより強く、ズンズン響いてくる重力感のある音を楽しめます。それに比べると、CKS550の音は後を引かないさわやかな沈み方の音なんですよね。だから、ズドンと腹に響くくらいの重みのある音を期待している人には、「あれ?全然低域出てないわー」って印象になります。

 ところがね、なぜだか私はこの音ハマっちゃったんですよねー。上位機種は重低感が増した分だけ音場が低音に支配される感じがあるんですけど、CKS550のバランスは絶妙で、中高域が結構さわやかにきれいに聞こえてくるんです。だからガールズロック系の曲とか、重低感をほどよく出しながら、さわやかに聴かせてくれて、かなり好きです。

 そう、私が今夢中になって聴いている、三月のパンタシア「街路、ライトの灯りだけ」とかかなり良い感じで聴けます。

 

SOLID BASSシリーズ全体の構成

 もしSOLID BASSシリーズに少しでも興味を持ってくれたなら、役に立つよう、SOLID BASSシリーズについて簡単に紹介したいと思います。SOLID BASSシリーズについて十分に知っている、あるいは興味ないという人は読み飛ばしてください。あくまで私の視点でのまとめ方ですけど、SOLID BASSシリーズの製品コンセプトにはどうも一定の基準みたいなものがあるようです。

 SOLID BASSシリーズはイヤホンならCKS、ヘッドホンならWSの共通分類記号の後に550 / 770 / 990 / 1100の型番が付きます。このうち990はイヤホンのみでヘッドホンはワイヤレスのみこの型番が付いており、若干特殊な扱いっぽいので、わかりやすくするために550 / 770 / 1100の違いを簡単に説明したいと思います。

 

ATH-CKS550 / ATH-WS550「入門機にして大衆向けモデル」

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audio-technica ATH-CKS550

 SOLID BASSシリーズで最も下位の550番台は個人的に一番好きなモデルです。イヤホンモデルとヘッドホンモデルで若干表現の仕方は異なりますが、共通しているのは「中高域と低域の共存」を最も重視しているというところです。

 ATH-CKS550は低域を支配的にさせないバランス感覚重視で、その低音はブーミーになりすぎない印象で、厚みや深みには物足りなさを覚えるかも知れませんが、中高域に覆い被さる感じがなく、高域方向は比較的すっきりさわやかです。

 ATH-WS550も同じように中高域の聞こえが良いですが、こちらは音場的にはだいぶ低域が低めになっていて、中高域のためにゆったりした空間をとっています。こうした分離感の強い高低バランスにすることで、低域の迫力を損なわずに中高域を共存させています。

 550番台はどちらかといえば、低域モデルとはいいつつ、実際はむしろ中高域の聞こえを大事にしている印象さえあるモデルで、どんな曲でも破綻しない、比較的万能性が高い表現力を持っているのが特徴です。低域モデルの入門機として低域好きじゃない人でも楽しんで聴きやすいバランスになっています。

audio-technica ATH-WS550

audio-technica ATH-WS550

 

ATH-CKS770 / ATH-WS770「ブーミーな低域モデル」

audio-technica ATH-CKS770

audio-technica ATH-CKS770

 550番台が中高域との共存に舵を切っていたのに対し、770番台はむしろ容赦なく厚ぼったい低域を強調したモデルです。550番台から770番台に移ると、かなり世界観の違いを感じ、SOLID BASSシリーズの本領がいよいよ発揮されてくる予感がします。

 ATH-CKS770では、下位機種のCKS550に比べて、明らかに深掘り感と厚みを増した低域を楽しめます。全体的に低域の存在感が強くなり、中高域も聞こえはそれほど悪くないですが、はっきりと主役交代を感じます。

 ATH-WS770も同様にWS550とはだいぶ音の傾向が異なります。WS550では低い位置に床面を作っていた低域が中域方向に向かって厚ぼったく拡張されており、音場全体にブーミーな振動を感じさせ、膨張感があり、ウォームな印象を受ける音質になっています。

 770番台の特徴はイヤホンにせよヘッドホンにせよ、だいぶブーミーで厚みのある低域を感じさせてくれるところです。ただ音の締まりは550番台に比べて若干悪くなった印象を受けるところはあり、人によっては中高域の音が阻害されて解像度感に劣る印象を受けることもあるかも知れません。

audio-technica ATH-WS770

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ATH-CKS1100 / ATH-WS1100「重低感はそのままに、メリハリ感を増したハイエンド」

audio-technica ATH-CKS1100

audio-technica ATH-CKS1100

 550番台では低域の重みが足りないし、770番台を聴いてみたら、その音のもっさりした感じに「これじゃ熱湯風呂じゃん」って幻滅した人がいたとしたら、迷いなく1100番台を選ぶべきです。ハイエンドに当たる1100番台は770番台クラスに劣らない重低感を維持しつつ、音の輪郭をより強調してタイトに聴かせてくれます。770番台でやや靄がかった印象をうけた人でも、1100番台の音を聴けば、550番台で感じられたメリハリ感が復活しているのがわかると思います。とにかく黒く締まったかっこいい低域を奏でるのが1100番台です。

 ATH-CKS1100は下位機種のCKS770と比べて低域の締まり方に違いがあり、CKS770では中高域に覆い被さる感じもあった低域が引き締まって、躍動感も増し、むしろ中高域を元気づけるような力強い鼓動になっています。高低バランスはCKS550より770に近いですが、受ける印象はCKS770より550の引き締まり感に近く、下位機種のいいとこどりを感じられるような音になっています。

 ATH-WS1100も770に比べて低域がタイトで活きが良く、中高域とのコントラスト感も強く感じられて、中高域の発色もよく聞こえます。

 ハイエンドらしいいいところ取りで、お値段的にもかなり張りますが、それだけの価値がある納得の高級機種です。

audio-technica ATH-WS1100

audio-technica ATH-WS1100

 

ATH-WS1100の代替機候補「JVC HA-RZ910」

 

JVC HA-RZ910

JVC HA-RZ910

  ちなみに少し脱線しますが、ATH-WS1100はかなりおすすめ機種なものの、2万円するので「高くて買えないよ」って人には代替機としてJVCのHA-RZ910をおすすめします。ここ1週間ばかり、三月のパンタシア「街路、ライトの灯りだけ」をイヤホン・ヘッドホン問わずいろいろ聞き比べていますが、私が聴いた感じ、高低バランス、音場の表現の仕方、低域のパワフルさ、重低感がかなり似ていて、金物の発色や粒感などに現れる解像度の差だけが若干劣る感じで、WS1100に近い音でかなり良い勝負をしている機種です。

 装着感はむしろこちらのほうが良質なくらいで、価格は5000円くらいで手に入るので圧倒的にコスパが良いです。

 

個人的に名曲「街路、ライトの灯りだけ」を聴くならATH-CKS550かなり良し

 で、ここ最近この曲を気持ちよく聴くことだけを考えて聞き比べをしているってことをちょろっと以前紹介しましたが、個人的に低価格ならaudio-technica ATH-CKS550はおすすめです。いずれ記事にする機会もあるかな~と思って、かなり膨大な機種を聞き比べてメモ取ってるんですが、このCKS550は低価格ではかなり気持ちよくこの曲を聴かせてくれる感じがあって、理由の一つは単純に私が長年愛用しているイヤホンなのでもはや音が身体に馴染んでいるっていうことはあるんでしょうけど、それでも、低域に一定のタイトさを出して重くならない程度のメリハリ感を出しつつ、中高域がさわやかに抜けていく感じですっきり聞こえる表現バランスの妙味が合っているらしく、上位機種のCKS1100やCKS770でもここまでスカッと爽快に聴けません。

 似たバランスのイヤホン探しているんですけど、なかなかないんですよねー。SONY XBA-N3とか音はすごくメリハリもあっていいんですけど、明瞭感があるので、すっきりさがうまく出ないなーって思ってます。XBA-N3もこの曲、聴き応えあっておすすめですけどね。ていうか、軽い気持ちでXBA-N3たしかにいいけど、個人的にはCKS550のほうが面白いかなとか迂闊に言ったら、いろいろ物議醸しそう。解像度とか表現の繊細さとかメリハリ感とかXBA-N3は神がかっているところありますから、好みだけで優劣を付けられない実力差があります。でも、装着感は、この2機種、価格差を超えて結構似てるかも知れない。

SONY XBA-N3

SONY XBA-N3

 

 まあとにかく、今回聞き比べてて改めて、ATH-CKS550の表現の仕方がいいかもしれないと見直しており、ちょっとそのコスパの良さを再認識しているところです。

 

 先週まではこの曲のために、ATH-WS1100手に入れるべきって感じでしたけど、JVC HA-RZ910っていう代替候補がわかってからは、急いで手に入れなくちゃみたいな気持ちは消えて、むしろ最近は「CKS550の音の代替なくない?」ってことに改めて気づいた感じです。

 もはや「ATH-CKS550の代替はATH-CKS550Xしかない」とか頭の悪いこと言って、実質的にほとんど同じ機種買い増ししちゃいそうな気配まであります。

 

 

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