おすすめ度*1 |
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ASIN |
ネックバンド型のワイヤレスイヤホン。アクティブノイズキャンセル機能付きだが、ON状態で周辺音は多少低減されるものの、意外と聞こえるのでそこそこ程度。BOSE並のアクティブノイズキャンセルは見込めない。音漏れはそれほど目立たない。ハウジングの耳への収まりはよくフィット感があって、装着感は悪くない。
aptXには対応しない。通信途絶・遅延は感じられず、通信性能は安定している。
(※記事掲載後メーカーから連絡があり、アクティブノイズキャンセリングについては持続的な環境低音の削減には効果があるが、突発的な高音の削減能力は低いという点を明記して欲しいという要請を頂いた。ただ筆者の印象で言えば、持続的な風切り音のような音、たとえば自動車の通過音みたいなものの低減効果はそこそこ感じられるが、テレビやコンポから発せられる低音の削減にはあまり効果が感じられないということを重ねて明記しておく。 2017/7/13追記)
【1】外観・インターフェース・付属品
付属品はキャリイングケース、AUX対応ケーブル、USB充電ケーブル、イヤーピースの替え、日本語含む多言語マニュアル。
【2】音質
若干ボソっとしたところはあるが、比較的タイトで立体感もある躍動的な低域とナチュラルでさらっとした感じのスッキリ味の中高域が特徴。高域での煌めき感とシャープネスは抑えめなので、のびやかさは感じられるが、突き抜け感はやや弱い印象。低域が躍動的で奥行き感もあるので、圧迫感はなく空間表現はそこそこ広い。
[高音]:クセの少ないすっきりした高域。粘りや尖り、煌めき感はなく、ナチュラル傾向のスッキリ味なので、聞きやすいが中毒性は薄いかも知れない(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)
[中音]:すっきりとシームレスな音でつっかかりがなくなめらか。やはりナチュラル傾向。
[低音]:若干角が取れてグラデーションがかかるようなぼやける感じはあるが、締まりは悪くなく、タイトさと深みもあって、上下の立体感が感じられる音。広く展開するが中高域を邪魔する感じはない(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:全体としてつっかかりがなく、音に丸みを感じる。奥行きはそれなりにあり、圧迫感のないほどよい広がりもある(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:ドラムは柔らかく生命的でありながらもタイトさもあってぼけない。ハイハットは少しすっきり味(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:傾向としてはナチュラル。比較的手前に聞こえてきて低域との関係が近い印象。
【3】官能性
Trysail「オリジナル。」はボーカルは自然でキラキラしない感じだが、暗くはない。音のメリハリ感は角が丸い感じがあるので、ややシャープ感には欠けるが、十分。低域は生命的で元気に暖かく感じる。
坂本真綾「プラリネ」はナチュラルでのびやかさもあるボーカルが印象的。全体的に丸みがあり温かみがある印象の空間にすっきりと響く。躍動的な低域は生命的。
ChouCho「空とキミのメッセージ」はもともとのびやかなボーカルなのですっきりと澄んでのびる感触が味わえる。楽器音との関係性も良く、全体的に統一感がある。一方的で個々の音の自己主張がやや少ないところもあるので、キーボードや弦楽に色彩感を求める人は若干物足りなく思うかも知れない。
東山奈央「Hello Alone -Yui Ballade-」はボーカルの煌めき感には少し乏しいが、空間への広がりは良く、すきっと抜けて溶け込んでいく。楽器音にも全体的にのびやかですっきりした感じがある。
【4】総評
かなり強気の価格設定だが、これはアクティブノイズキャンセル機能分の付加料金としてそれなりに納得できるところはある。ただそのアクティブノイズキャンセリングは正直あまり効果を感じない。aptXなどの特別なコーデック対応がないことからも価格面ではいまいち割高感をぬぐうことはできないだろう。音質だけを見ると、なめらかですっきりした味わいはなかなかによく、好みであるし、丸っこくはあるものの解像度は価格なりとまでは断言しづらいが、かなりよい。
【5】このヘッドホン向きの曲
低域の重厚感・深掘り感はしっかり出る。中高域弦楽はシームレスにすっきりのびていく感じだ。ピアノはやや明度が抑え気味で少し重みを感じる味付けかも知れない。ガチャガチャしやすい曲ではあるが、このイヤホンで聞くとボーカルを中心に統一感のある音楽を楽しめる。(分島花音「killy killy JOKER」)
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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。