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【完全ワイヤレスイヤホン TIAMAT Thor レビュー】低価格完全ワイヤレスの常識を覆す低域火力を持つ本気ドンシャリ。BOSEやJVCの格上機種ばりのスパイシーかつパワフルな表現で下克上を目指す革命的モデル。ロック向き

TIAMAT Thor

完全 ワイヤレス 防水 Bluetooth イヤホン TIAMAT ブルートゥース 4.2 高音質 充電ケース付き マイク付き 左右分離型 両耳 iPhone Android 対応 Thor

 

おすすめ度*1

TIAMAT Thor

ASIN

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 イヤーフック付きで耳への固定感はしっかり。同じようなイヤーフック型のJVC HA-ET900BTに比べても、耳当たりは優しく収まりも良い。BOSE SoundSport Freeのように重くもない。イヤーピースデザインは人気機種であるHAVIT G1を参考にしているのかたまたまかはわからないが、形状は似ている。しかしイヤーフックの固定感は良好で、個人的な印象では、G1よりもはるかに装着感は洗練されている。

 aptX対応ではないが、通信性能面では、遅延・途絶はなく、安定している(AACには対応)。動画鑑賞も問題ない。ただしペアリングはやや不安定でなかなかつながらないときがある。またプレーヤーによっては頻繁に途切れる。具体的にはAstell&Kern系であるActivio CT10とは相性が悪いのか、かなり途切れる現象を確認した。他にも相性問題の発生するプレーヤーはあるかも知れない。

 2018年10月現在、amazonのレビューでは他製品の物が混入しているので注意が必要。この製品のリリース日である2018年6月より前のレビューは、本製品とは関係がない。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、専用充電ケース、日本語説明書。

 Qi規格のワイヤレス充電に対応する。ワイヤレス充電は個人的にかなり便利でおすすめ。いちいちケーブルを差し込まなくても手軽に充電できるし、完全ワイヤレスイヤホンはスマホなどに比べてバッテリー容量が少ないので、ワイヤレス充電でも満充電まで時間がかからない。

 欠点としては、接続するプレーヤーの機種によってはボリュームコントロールが完全に出来ない。具体的にはSONY NW-A27では音量コントロールが完全にイヤホンに奪われる。イヤホン側に音量調節機能は無いので、音量は完全にコントロールできなくなるので、使い勝手は著しく悪くなる。Activio CT10では本体側のコントロールは効くので再現性は高くなく、結局のところプレーヤーとの相性問題であるのだが、注意点として記しておく。

 

TIAMAT ThorTIAMAT Thor

 

【2】音質

 前回のCANAVIS J29に続き、2機種連続で驚かされるというのも間抜けな話だが、この機種も本気度の高い低域エンジンを持つドンシャリモデルで驚いた。CANAVIS J29は高域での攻撃的な演出感がやや過剰気味だったので、むしろこの機種の方がより正統派に近い。爆発力のある低域表現は甲乙付けがたく、ややソリッド感の強いJ29のほうが反発感が強い印象なので元気よく思えるが、こちらはシャリ味が抑えられて、相対的に刺さりにくい点で分がある。高域で音が白化する感じもないので男性ボーカルも不自然さが少なく、傾向は似ていても、よりバランス良く思える。輪郭の明瞭性は両者とも価格以上で互角。

 何気なく比較しているが、J29との価格差は2018年10月現在で2000円以上。量感的にはBOSE SoundSports FreeやJVC HA-XC70BTといった人気高級機種とも十分勝負でき、音質面でのパフォーマンスは価格帯の水準を完全に1回り以上越えている。装着感の良さもあり、目隠しして聴かされたら大手メーカー製の1~2万円クラスの主力製品と間違うだろう。ただしピーキーな音質で、大音量時に刺さりが強くなるのは価格なり。

 

[高音]:突き抜け感良好。若干明るめの色彩で透明感と清潔感がある。若干演出を感じる(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:シャープなエッジのある、輪郭の明瞭な音。全体的にやや細めで衝撃力が強い典型的なシャリサウンド。粘りや尖りがよく出るので、音量小さめでもエッジの鮮烈さはよく出る。色彩感も全体的に発色よく、金管の煌めき感も良く出る。

[低音]:締まりの良い芯を感じる振動で100hzから40hzまで素直な減衰。30hz以下もかすかな振動感がある。低域は固めで粘りを感じやすい(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:左右は近い。低域がやや持ち上げられている印象なので、床面は明確で地平線を感じやすい。奥行き感もそこそこ感じられる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムはタイトで爆発力と粘りに富む。バシンバシンというスパイシーでジューシーさもある力強い音。ハイハットはドンシャリイヤホンの例に漏れず、シャリシャリシャープな傾向ではあるが、比較的粒は尖らずソリッドな材質感も残っており、それほど刺さらない(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:高域はやや明るめで女性ボーカル向きである。細身傾向ではあるが、尖りすぎず、透明感や光沢感もほどほどで白味はそれほど強くなく、男性ボーカルでもあまり不自然な感じはない。

 

【3】官能性

 音質的にはまずロックに向く。たとえば、UVERWorld「CORE PRIDE」はバシンバシンパワフルに弾けるドラムとシャリシャリ光沢のあるエッジを持つハイハットが、スタイリッシュに豪快味を感じさせてくれて、パンチが利いている。ドラムセットの支配的な音場の中でもギターはエッジ良好でアタック感を演出し、金管も色気を失わずにしっかり自己主張してくる。何よりボーカルがメリハリ良くサビで高く突き抜ける。

  伊藤美来「Rouge Back」は固めで金属的な光沢感のあるソリッドでシャキシャキした音質。やや尖りが強いシャープなエッジ感のある音で透明感があり、低域もタイトで反発力があるので、非常にメリハリ良く聴かせる。

 ねごと「アシンメトリ」はタイトな低域表現のリズム感は非常に良く、デジタル音もエッジが細かく緻密感はよいが、シャリシャリしやすいところがあり、刺さりやすい。明度の高い明るく見通しの良い表現はよい。

 秦基博「鱗」はかなり明るい。低域の存在感はしっかりとタイトで、高低のメリハリ感も利いており、全体的に鮮明度高め。ただ音は細くハイハットがシャリシャリしやすい。ボーカルの高域での突き抜け感と透明感はある。

 

【4】総評

 明るめの色彩感を持ったドンシャリイヤホン。タイトで締まりの良い低域はメリハリ感に大きく貢献し、加速力も高い。そのパワフルな低域エンジンと、シャープなエッジで攻撃力の高い中高域が織りなす瞬発力のある音楽表現は、スパイシーでロック向き。ほかにクラブサウンドも悪くないが、たとえばperfumeのようなテクノ系のアーティストの曲はやや色味がきつく出やすく、とくに衝撃音のエッジが強く出過ぎるので少し好みを分けるだろう。シャリシャリ系のイヤホンは明るさが強く感じられるので、高域で音味が白化するものも多い。しかし、このイヤホンは高域でも比較的色味が維持されているので男性ボーカルでも不自然さを感じにくいところは良い。コスパはかなり感じられるだろう。

 使い勝手の面ではQiワイヤレス充電に対応している、装着感が非常に良いといった美点もあるが、イヤホンの操作インターフェースは使いづらい。一部のプレイヤーのボリュームコントロールを無効化してしまうことなどを考えると、低価格機種なりの限界はある。しかし音質は低価格機種の域を越えた表現力を持っており、魅力は高い。

TIAMAT Thor

 

【5】このイヤホン向きの曲

 シャープに聴かせるギターのエッジが良い。厚めでタイトなドラムと、細めながら粒感良好のハイハットも元気な疾走感を感じさせて、発色が良く、この曲の勢いを綺麗に出す。突き抜け感の良好なボーカルの声色はやや細めだが、明るすぎないバランスで重厚味はそれほど失われていない。

 

 タイトで弾みのよいドラム、ハイハットの緻密な粒感、やや光沢感強めな明るい色彩のピアノとこの曲向きの表現。ボーカルの息感もきれいに出る。

 

 やや線が細めに、キラキラシャープに聴かせる。薄めでやや表面の軽快さが目立つドラムよりは煌めくハイハットの支配力がやや強い。ただしドラムは浮ついた感じではなく、下では地熱感もしっかり感じさせている。ベースはタイトに輪郭良く深掘り感を出す。

 

 タイトで深掘り感の明瞭な重低音と透明感と突き抜け感に優れたドンシャリの王道的な表現は、この曲向き。ただ量感を持ち上げただけのブーミーな低域表現のイヤホンでは音が濁ってもっさりしてしまい、この曲の透徹した煌めき感を、このイヤホンのように出すことは出来ない。(May'n「ダイアモンドクレバス」)

 

 この曲の選曲理由も前曲とほぼ同じ。高域の煌めき感とタイトな低域表現のバランスがこの曲の世界観に非常に良く合致している。(Choucho「Earthlit」)

 

 エッジは良く、緻密な鳴らし方でシャープでキレよく、解像度は高めに思える。ただしアコースティックな楽器の材質感はやや硬く細めなので、ミニチュア的。濃厚なJAZZ味は幾分薄らいでいるが、一方でボーカルの透明感はきれいでのびやかさを感じやすく、POP味は増している。(下地紫野&悠木碧「Harvest Moon Night」)

 

 エッジ感が良いので、この曲をメリハリ良く聴かせてくれる。ギターの厚みはやや細め。タイトな低域ベースドラムとの組み合わせで、アタック感は良好。印象としては本来の曲調よりはややクラブサウンド色強めに寄せた表現になっている。

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。