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【コラム】1週間を振り返る(10/22~10/28)

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 世界的な景気後退懸念で株価の急激な低下に恐れおののいた1週間でした。アメリカでは痛ましい(それも宗教的あるいは人種的差別による)銃乱射事件がまたもや発生し、トランプ支持者による爆弾テロ未遂事件も発生。米国のさらなる移民阻止作戦も報じられました。陰惨愁眉、混沌とした雰囲気を感じさせる報道の連続に、世界情勢の先行きに不安を感じた人も多かったかも知れません。

www.cnn.co.jp

www.businessinsider.jp

 

選挙と言えば福音派

 11月に入ろうとするこの時期、世界中の耳目は米中間選挙に向かっていますが、選挙のたびに話題になるのが福音派。独特の思想を持ち、一見奇抜な主張をしているように見える彼らですが、実はこれこそ自由の国アメリカらしいともいえます。福音派については古典的なドキュメンタリーともいえる「ジーザス・キャンプ」という映画があり、大変興味深い内容です。緊張と感動、熱狂と興奮を与えて昂揚感を感じさせ、意欲と情熱を引き出す自己啓発セミナーが行うような手法で子供たちが福音派に教育(あるいは再洗礼といえるかもしれない一種の洗脳を)されていく様子が描かれていますが、これが許されて良いのだろうかという当然の疑問とともに、そこにあるアメリカらしいダイナミックな教育手法を見て、感嘆してしまう面もあります。福音派は自由の国アメリカの自由な教育の裏面でもあるのです。

news.nifty.com

 

常識人の言論って心地よいですね

 今週の週刊誌にはなかなか面白い記事もありました。1つは「Newsweek 日本版」の「ケント・ギルバート本」特集です。詳しい内容は割愛しますが、ケント・ギルバート本が実によく日本人の琴線に触れるように作られていて、「ムー」に掲載されるような、ほどよい陰謀論を交えたりしてエンターテイメント性にも富んでいるという指摘がされています。よく考えると眉唾な内容も多いのですが、なぜか引き込まれるところがある、その秘密に迫るのです。実際私もケント本は読んでいて心地よいです。何より興味深いのは、ケントさんの本は私から見ても明らかに保守というかむしろ反動に近い内容も多いのですが、ケント・ギルバートさん自身はおそらくそれほど過激な思想を持っているわけではない良識人であるということです。むしろ素朴とも言えるところがあり、誠実さを感じます。これは同じように保守で人気の「テキサス親父」ことトニー・マラーノさんにも共通しているところがあります。普通は彼らは良識人だから、その言説も常識的なのだと思ってしまいます。しかし実際は、常識人の言説がある分野では極端だったり、主流的であるとも限らない考え方を持っていることだってあります。生活態度が常識的だからと言って、その言説が常識的なわけではない例はいろいろとありますし、逆に言っていることが立派で筋が通っていても、常識人とは思えない生活をしている人もいます。

 こうした良識的な白人の方が日本を擁護してくれるという筋立てに日本人は弱いところがあるとNewsweekは指摘しています。実際この点はそうでしょう。Newsweekはこうした外国人タレントを保守論客に仕立てて、ヒット商品を書かせるビジネスを行っている存在を指摘し、ケントさん本人よりはそうした出版社の姿勢を批判しているように読めます。Newsweekは徐々に社会的背景に話を広げて読者層の分析に移っていて、その記事内容もまたごもっともと思える内容なのですが、私自身はむしろ常識人は常識を語るのかという問題を掘り下げて考えたいですね。

 「常識を疑え」なんていうと格好は良いですが、実際のところ、たとえば教育の本来の効用は、まさに「常識を疑う」ところに本来の意図はあります。最近の日本の風潮だと、大学教育は労働の役に立たないからもっと実践的にすべきとか言われがちですが、本来教育とは既成概念を打破して新たな革新性を持つ人間を生み出すことに意義があります。これを「温故知新」といい、現代社会はとりあえず教育をハコモノとしての学校で行っていますが、実際は教育の場が学校に限られるわけではありません。学校がなぜ必要かという問題は実は私はずっと考えています。たしかにハコモノとしての学校はそこに図書館といった施設や諸々の予算、研究資金といった教育資源を集約しやすく、便利なシステムではありますが、同時にあまり教育には不必要と思われる社会性も持ち込んでしまう弊害があります。社会性が教育に不必要とはけしからん、と言われそうですが、私の考えでは、たとえば「いじめ」の問題は社会的動物である人間の本性に由来している効率の悪いものなので、純粋に教育効果を高めようと思えば、そうしたものは取り除きたいわけです。いじめというのは社会正義を実現したいという人間の社会的欲求と不可分なもので、(自分から見て)悪を懲らしめて社会的公正を実現したいという社会生活上ついて回る衝動に自然と付随します。もちろん情操教育とか道徳教育とかの社会性にまつわる教育の必要性を否定するわけではありませんが、別にそれはルソーの「エミール」を読めばわかるように、学校でやるべきことでもない。むしろ学校という場は、現実社会の歪んだ社会性をもたらして人間性に悪影響を与えかねないところもあります。たとえば道徳教育にはどうしても現実肯定的で体制に人間を馴化させる要素があることは仕方が無いことですから、歪んだ社会の道徳教育は歪んだものになります。戦後日本の学校が道徳教育を等閑視してきたことは、昨今批判されていますが、実際は賢明なやり方でした。道徳は根本において普遍的な善が存在するにせよ、その外枠は社会システムや人間の関係性の変化とともに大部分が移り変わるものですから、それは教育で学ぶべきものではなく、実社会で学ぶべきものだからです。保護者同士の問題やいじめ問題、不登校問題などは学校の歪んだ社会性を象徴していますし、構造的に取り除くことは不可能でしょう。だからフリースクールや、ほかのもっとよい代替物が求められています。社会の強固な生成物であり政治的に支配されている学校は、現代社会の問題をそのまま取り込んでしまうのです。教育の自律(自立でもある)の問題は本来はもっと熱心に取り組まれるべきです。

 話がわき道にそれたようですが、つまり常識というのは大したものではないのです。それ以上に、世の常識人という人の言葉は常識的かというと、実際はそんなことなくて、案外個性的です。「自分の常識は他人の非常識」という言葉もありますが、常識人が語る内容ほど、危険なものはありません。ケントさんの本を読んでいると、人が良いんだろうなと思います。その人柄には共感できます。でも内容はたぶん、誰か極端な人の話を素朴に信じさせられてしまっている、そのままを話しているような感じがします。優等生っぽい言論です。だから耳に心地よいんでしょうね。ちょっと興味を引きそうな陰謀論っぽいネタを交えたり、わかりやすくて共感を得やすそうな語り口、こういう常識人の噂話っぽい感じが読みやすくて、ちょっとイイ話に思える。そんな常識人の世界観がそこにあるような気がします。

 

貧困ビジネス

 ケントさんについての話は長くなってしまいました。もう一つ紹介したかった週刊誌は「週刊女性」です。最近硬派なルポを連載していて、ホームレス立ち退きの裏にある貧困ビジネスを取り上げています。今回は少し導入で語りすぎたので、紹介だけにしておきます。

 

参考図書

 教育論についての参考図書としてはもはや紹介され尽くされているとも言っていいかもしれませんが、イリイチとデリダを挙げます。私の乏しい問題意識とは格段に違う真剣な議論が展開されています。今年パリでは政府の大学入試改革をめぐって学生デモがありました。日本では当たり前のことに何をバカなことを言っているのだと思うかも知れませんが、まさにそれこそが先鋭的な教育論の入り口になるのでしょう。教育は本来社会と同化するものではなくて、対峙するもので、来たるべき未来に向けて開かれているべきものなのです。

【今週の注目製品】

 今週もさまざま製品をレビューしましたが、個人的に感慨深い3機種を取り上げます。

 

1. CANAVIS J29

 完全ワイヤレスイヤホンでは現状最強のドンシャリイヤホンといっても過言ではないでしょう。タイトな低域はまさに「ドン」、耳に刺さるほどの攻撃的な高域はまさに「シャリ」。これぞドンシャリといったモデルです。完全ワイヤレスイヤホンはこれまでシャリシャリはよく見かけましたが、「ドン」を実現しているモデルは少なく、稀に「ドン」を実現しているモデルは「シャリ」のないものばかりでした。このイヤホンは本当に「ドンシャリ」で、1時間も聞いていれば耳が疲れてくるほどです。

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2. TIAMAT Thor

 偶然はなぜか続くもの。本気ドンシャリなCANAVIS J29に出会った直後に、同じようなドンシャリモデルに出会いました。それがこの「TIAMAT Thor」。CANAVIS J29よりも廉価にも関わらず、Qiワイヤレス充電に対応しているといった意欲的なモデルでもあります。

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3. The House of Marley SMILE JAMAICA WIRELESS

 最高の寝ホン、ゲットしました。付け心地とほどよくメリハリを利かせながらもウォームな音質が上質です。価格的にも手頃。ゆるいネックバンドの付け心地には少し文句を言いたいですが、ほぼほぼ完璧な使い勝手です。

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【今週の特集記事】

  今週は特集記事はありませんでした。

 

【今週の読書】

 上で本を紹介してしまったので、バランスを考えて今回は割愛します。

 

【雑記とお詫び】 

 アフィリエイト元から警告が来ました。音質を伝えるために行っていた楽曲紹介にyoutube動画を使っていたのですが、公式動画でない動画を使ってはいかんということでした。この思わぬ事態に、火曜日夜から水曜日早朝にかけて徹夜して改訂し、埋め込み動画で非公式と思われるものは一斉にリンクを外して曲名だけ紹介する形で対応しました。音楽著作権については、努力して素晴らしい楽曲を提供して下さっている権利者様を誠心誠意応援しております。

 読者の皆様には、一部記事において、いまいち伝わりづらくなってしまう箇所もあると思いますが、ご容赦下さいませ。なるべく機を見て、公式動画があるものは改めて埋め込み、文意も修正いたします。よりわかりやすく、より役に立つ情報発信を心がけ、一層の努力を致しますので、これからもご愛顧よろしくお願い致します。途中中断した時期も何度もありましたが、ご心配や激励、ときに叱咤を頂いた読者様のお声が励みになって続けられております。

 

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