おすすめ度*1 |
---|
ASIN |
外見からおそらくTouch Two系統の製品だと思っていたが、届いたパッケージがそのまま旧版Touch Twoのものであったから関係性は一目瞭然。型番は異なっているものの、製品自体は紛れもなくTouch Twoだ。収まりの良い装着感もそのまま。
aptXには対応しない。通信は相変わらず高い安定性を持っている。遅延・途絶はほぼなく、安定して動画を鑑賞できる。音響機器から5mほど距離を取っても全く途絶や音飛びがないだけでなく、音質も安定している。
Bluetoothのバージョンとしては4.1で5.0の新版とは異なる。新版は音質にも改良が加えられているので、気になる人は新版の方の記事をチェックしてみて欲しい。
【1】外観・インターフェース・付属品
付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、専用充電ケース、日本語/英語マニュアル。
タッチパネルの操作感はやや特殊。押下感がないうえに、操作がプレーヤーに反映されるまで若干のタイムラグはあるので、最初はとまどうかもしれない。
【2】音質
※以下の音質レビューはTouch Twoの記事からコピペ転載した。
片耳イヤホンの通話品質をそのまま両耳にしたような音質で、音は全体的に明瞭で輪郭感が強い上に平面的。全体的に空間的な調整が感じられず、ボーカルと楽器音がすべて同一平面上からまっすぐ聞こえてくるところがあり、どんな曲も大味。とくにドラムやキーボードのようにはっきり出やすい音が強く感じられやすく、弦楽などの余韻を響かせる音は弱くなりがちなため、情感はやや感じづらいところも多い。一方でやや尖る感じはあるものの、ボーカルはくっきりすっきり。とくにアニメサウンドのような艶やかさの強いボーカル曲は元気で明るく快活かつ明瞭に出やすいので楽しみやすい。全体的にややうるさげに傾きやすいものの、曲全体が若い感じに表現される。繊細というよりは荒削り。
[高音]:やや硬く少しシャープで尖る感じはあるが、そこそこのびやかさも出て明瞭(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)
[中音]:奥行き感はなく、ボーカルを中心に全体的に近い。音の近さに意識が行きやすく、左右もやや弱い印象。
[低音]:低域は深みがなく、全体的に軽い。音の輪郭はよく出るので、表面の爆発力は強めに出やすい(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:全体的に平面的で立体感に乏しい。音のヘルメットを被っているような感じ(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:深みは出ず、ハイハットの粒感も明瞭感はあるが、繊細ではないので、粒が少し粗い感じがある(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:ボーカルはややシャープだが、明瞭でのびやかさ、息感もなかなかに出るので、鮮明かつ精彩がある。やや単調に出やすいところはあるが、比較的万能に楽しめる。ただ楽器音が近いので、ボーカルに分離感がなく、埋もれやすい場面も多い。
【3】官能性
※以下の官能性テストについてはTouch Twoの記事からコピペ転載した。
中孝介「君ノカケラ」はボーカル中心。リズムがややズチャッと強く粘っこく聞こえてくるのは好みを分けそう。サビでは情感たっぷりの弦楽もなかなかに聞かせて盛り上げるが、それ以上にパーカッションの輪郭はっきりな音が目立ち、ややうるさく思えてしまうかも知れない。ボーカルとリズム中心。
Choucho「空とキミのメッセージ」ははっきりした表現力だが、やや色の明度が高く、透明というよりは少し焼け付いたようなぼやけた感じがある。ボーカルの透明でのびやかな感じは遺憾なく出ているものの、サビでは他の楽器が一気に近づいて鳴り響くせいでそれに埋もれがちなところがあるのは評価を分けそう。うまいイヤホンはこのサビでボーカルを楽器の上にうまく伸びて感じさせる空間性を発揮してくれるが、このイヤホンではそこまでするのは無理だ。全体的に視界は良好な味付けだ。
Claris「ルミナス」は全体的に密度が高く、個々の音の明瞭感も強く、頭を中心に色鮮やかで情感に満ちた音楽空間が広がる。ボーカルも元気で明るく、輪郭もしっかりしており、素直に味わえるので好印象。
山崎あおい「ふたりぼっち」はリズム感良好のパーカッションに彩りのある弦楽、やや硬めではっきりした余韻を加えるピアノに、少しハスキーさも混じる思春期色のあるボーカルと、全体的に色彩感が明瞭に出る。
【4】総評
旧版Touch Twoそのままの機種である。独特の、直情径行的というか、音を近めに明瞭感高めに聞かせてくるところがあり、音楽の骨格は分かりやすい印象がある。静寂時にホワイトノイズが若干感じられるのと、大音量では音が膨張してギスギスした感じになるところはあるが、ボーカルとリズム中心に楽しむなら、十分な音質である。
操作感に関しては、タッチパネルの癖が気になる。現状の完全ワイヤレスイヤホンのタッチパネルはSONYのSP900などの一流メーカー品も含めて、操作が反映されているかわかりづらいところがあり、操作性にとまどう場合が多い。アナログボタンスイッチ式モデルのほうが、押下感によって操作がわかりやすく使いやすいことが多いので、個人的には、タッチパネル式はあまりオススメしない。
今から買うなら、Bluetoothのバージョンだけでなく、音質面でも改良が加えられたV5.0版のTouch Twoのほうがよいように思うが、実売価格にして1000円程度の差があるので、とにかく廉価に済ませたいという感じならば、安くなっている旧版は逆に買い時かもしれない。
【5】このイヤホン向きの曲
ドラムの弾みもよく、明るく透明感のあるボーカルがきらきらときれいに聞こえる。全体的に元気で快活、大味直球ストライクな楽しい曲調が素直に出る。
この曲でも音の傾向ははっきりくっきり前面に出てくる感じで、リズム感も強いのでかなり元気でパンチが利いた感じになるが、密度高めでなかなかに楽しめる。
【関連記事】
*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。