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【完全ワイヤレスイヤホン RHA TrueConnect レビュー】ソリッドな音質でとくにハイハットの粒立つ表現は秀逸。JAZZ、ロック、クラブサウンドまで独特の緻密さで歯切れ良く鮮明に聴かせる。これはおすすめ

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RHA Trueconnect

RHA Trueconnect

RHA TrueConnect 完全ワイヤレスイヤホン True Wireless Bluetooth 5.0 SBC/AAC対応 ブルートゥース 25時間再生 本体3年保証 【国内正規品】

 

 

おすすめ度*1

RHA Trueconnect

ASIN

B07H5K86B4

 パッと見、どことなくAirpodsにリスペクトを感じさせる出っ張り形状があって、「おや?RHAさん?(まさかあんたまで……)」と思わせるが、装着感はなかなかいい。遮音性はそこそこあるが、音漏れは音質傾向的に少し目立ちやすい。

 aptXには対応しない。通信は安定している。遅延・途絶はない。ただし街中では途切れる場面も多い。

 

このイヤホンについては補足レビューもあります。併せてお楽しみください。 

www.ear-phone-review.com

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はRHAらしく充実して、コンプライ含む多数のイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、専用充電ケース、説明書。

 イヤホンが独特の形状で、最初は充電ケースから取り出すのには慣れが少し必要。最初はすんなり出てこない。

 電極部分は少し高い位置にあるので、若干耐久性が不安で、損傷には注意したほうがいいかもしれない。

 

 

RHA TrueconnectRHA Trueconnect

 

【2】音質

 RHAといえばMA650MA750といった細密さに優れ、煌めき感や透明感を品良く出す良機種が好きだが、率直に言ってTrueConnectの音質は傾向が少し異なる。緻密さはより粒感がある感じで、どちらかというとJVCのSolidegeシリーズのようなソリッド感の強い味である。

 とくにハイハットが粒立ちよく、砂のようにドライな際立ちを感じさせて精彩に秀でていて、とにかくドラムセットが活き活きして聞こえる。ピアノもそれほど太くはないが、高低の厚みはほどよく感じさせ、ギターにもエッジの利いたメリハリ感があり、何より低域の重暗い音が、それらの楽器音の下地となる黒い背景をしっかり作る。コントラスト感と個々の音の粒立ちの良さのバランスで、細密さを感じさせて聴かせる解像度感の高い音質だ。

 こういう傾向の音質は完全ワイヤレスイヤホンとしては今のところ他に似たものはないように思い、「ここを攻めて来たか」と唸らされる。個人的な願望としては、こういうのは、ソリッド感重視の音作りをしてきた国産メーカーに、たとえばSOLID BASSシリーズを擁するaudio-technicaや、Solidegeブランドを擁するJVCに作って欲しかった。ともかくRHAの完全ワイヤレスにかける本気度と、既存製品との差をしっかり追究してくる音作りには恐れ入る。

 奇しくも発売日が同じ、audio-technicaのATH-CKR7TWATH-SPORT7TWも、オーテクらしい清潔感のあるすっきりサウンドを実現していて、さすがオーテクという完成度があったが、2機種も出すならもっと音質傾向を変えてもよかったと思うし、既存製品との差を感じさせるインパクトにはやや乏しかった。個人的には、RHAがこの機種で見せた攻めの姿勢は、オーテクより何倍か意欲的に思えた。つまるところ、RHAはこの製品で、SOLID BASSシリーズやSolidegeシリーズの音の好きな私の琴線に触れてきて、見事に虜にしてきたというわけだ。

 

[高音]:高域ではやや尖りやすい。突き抜け感は曲によってかなり出る(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:緻密な鳴らし方をするので、音の厚みよりは細密性で勝負する。情報量でぎっしり感を出してくるタイプの緻密な音。これは細密な表現のMAシリーズとの共通性を思わせ、RHAらしいといえるが、より粒立ちのよい輪郭感を加えており、ザラザラした砂粒のようなソリッド感が際立つ。

[低音]:低域出ている。振動は重くだいぶ暗い音で自己主張は強くなく、黒く塗り込める感じの音。これもRHAらしい感じだ。100hz~30hzまで確かな存在感。20hzでも振動を感じる(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:黒く重い低域の作るキャンバスに、粒立ちの良い音が振りまかれて一つの絵を細かに組み立てていくような、砂絵を思わせる細密感がある。コントラスト感も出て、曲によってはかなりの奥行き感と広さを感じさせる場面も多い。高域の突き抜け感もよい(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ハイハットやライドシンバルの砂粒のような粒立ちが非常に繊細で、色彩感を強く支配する。音味としてはドライな傾向。反面、ドラムは妙に薄く膜のような鳴り方をするところがあり、シャープでパスパスと軽い。重厚感に乏しいところがあるのは否めない。力関係はハイハット優位(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:サラサラした清潔感のある声色。透明感や煌めき感を強調する感じではなく、なんかオーテクっぽい素直な息感で清涼感を感じさせる音。

 

【3】官能性

TVアニメ「坂道のアポロン」劇中曲「Moanin'」

 アニメ版「坂道のアポロン」のオリジナルサウンドトラックから「Moanin'」。このイヤホンの音質をだいたい理解したときから、これを聴いたら妙味があるだろうと思っていたが、案の定すごくいい。アニメ版のこの曲はピアノと金管、ドラムスのセッションになっている。ハイハットの粒立ちがよいのと、やや細いながら精彩のよいピアノ、吹き鳴らし感が細かくドライに聴かせる金管と、とにかく変化や音の輪郭を細かに緻密な色彩感覚に落とし込んで、情報量多めに聴かせてくる。ハイハットを中心に、JAZZの独特のスピード感とアレンジ感がかなり明瞭に出る。よい。

 


アニメ 坂道のアポロン オリジナル・サウンドトラック

 

Daryl Hall & John Oates「Make You Stay」

 Hall & Oates「Make You Stay」もこのイヤホンにおすすめ。ギターのつま弾きの光沢の粒感がとにかく良好な上に、ボーカルの突き抜け感も非常に良く出る。何より明瞭なハイハットがこの曲のスパイシーな味を存分に味合わせてくれる。最高にドライでかっこいい仕上がりに聞こえる。

 


Do It For Love

 

(K)NoW_NAME「Harvest」

 (K)NoW_NAME「Harvest」なんかもいい。この曲はサビでハイハットがかなり演出感を攻めてくる曲なんだけど、大抵の完全ワイヤレスイヤホンだとシャリシャリしてうるさくなったり、逆に存在感が薄くてあっさりしたりといいところがない。だが、このイヤホンの、ドライで粒立ちのよいハイハット表現は、実に精彩良くハイハットの表情変化を出してくれて、曲の引き立ちが断然違う。それだけでも最高だけど、緻密な表現力で奥行き感も感じさせてくれて、この曲の音場の広がりと立体感もよく味わえる。こういう変化に富んだ曲に強い。

 


TVアニメ『灰と幻想のグリムガル』エンディング・テーマ 「Harvest」

 

nano.RIPE「色彩」

 nano.RIPE「色彩」は少しドラムが軽いし、ベースも細いので重厚感には乏しい。一方でソリッド感の強いハイハットとドライなエッジ感のあるギターが疾走感をきれいに出す。そしてボーカルは明瞭感があって明るい甘味のある突き抜け感をしっかり味わわせてくれる。ドライな楽器音と清潔感のあるボーカルの対比がいい。

 


シアワセのクツ

 

Choucho「7th Heaven」

 オシャレな色彩感のあるChoucho「7th Heaven」も結構いい。この曲は表面はリズムポップスなんだけど、このイヤホンで聞くと、大抵のイヤホンだと見過ごしがちな、背景のトランス系っぽいデジタル音がかなり緻密に感じられて、ちょっと印象が変わる。より複雑な色彩感が出て、中毒的。ボーカルの突き抜けもよくて色味も明るい。ただキラ味が少し強調されすぎるのだけは、わずかに鼻につくかもしれない。

 


flyleaf

 

【4】総評

 差別化という面でも成功している機種に思えるし、個人的にはかなりコスパ良く思える。ハイハットの粒立ちが価格帯最高クラスでよいので、JAZZ、ロックはかなり繊細に楽しめるし、クラブサウンドも緻密に表現してくれる。MAシリーズの音質とは少し違って、よりソリッド感が強いのでその点を好みに思うかで分かれる。砂粒っぽい音を不快に思う人には向かないが、audio-technicaのSOLID BASSシリーズやJVCのSolidegeシリーズのような音が好みなら、かなりいい。個人的には好きなのでおすすめ。

 使い勝手の面ではケースからの独特の取り出し感だけ気になるが、通信品質は安定している。今のままでもコスパは良いが、今まで通りならRHA製品は発売後半年くらいで値が落ち着く。初値でこの価格だと2~3000円くらいは下に行くと思うので、1万円台後半くらいが最終的な相場になるだろう。それくらい落ち着くのを待ってもいい。

RHA Trueconnect

 

【5】このイヤホン向きの曲

Perfume「Dream Fighter」

 やや音が尖るので音量には注意が必要だが、細密なこの曲はこのイヤホン向き。ハイハットの粒感もよく、デジタルなベースも躍動感があって、全体的に立体感が明瞭。

 


Dream Fighter(初回限定盤)(DVD付)

 

Aimer「RE:I AM」

 ボーカルの息感は強いので刺さりは少しあるが、粒感の良い楽器音のぎっしりした緻密なミニチュア的な世界観を味わえる。埋め込み動画の後半はカップリング曲の「星の消えた夜に」だが、こちらも緻密感に優れたこのイヤホンと相性が良い。

 


RE:I AM EP

 

ずっと真夜中でいいのに。「秒針を噛む」

 低域に少し厚みが出ないように思うので、重厚感には欠ける。しかし、ハイハットの粒感と締まりの良いギターの紡ぐ疾走感はなかなかいい。サラサラした感じがあるので、見通しよくすっきりしすぎてしまっているところはあり、濃厚さには劣るかもしれない。

 


正しい偽りからの起床(通常盤)

 

ねごと「アシンメトリ」

 緻密な空間表現を味わうための曲。精彩の良いハイハットと締まりの良いデジタルドラムのリズム表現もスタイリッシュ。奥行き感も出て音場の広大さも味わえる。

 


アシンメトリ e.p.(通常盤)

 

三月のパンタシア「星の涙」

 シンバルの利きが良い。ボーカルもすっきり清潔感があって、ピアノもなかなか光沢感がきれいで、この曲の清涼な味わいを楽しめる。

 


あのときの歌が聴こえる(通常盤)

 

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

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