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【カナル型イヤホン KZ ZS10 レビュー】価格の割に鮮明度は高い。音質バランス的には妙に立体感が歪んでおり、情緒不安定。やや胸焼けするところはあるが、色彩感には優れる

KZ ZS10

KZ ZS10 イヤホン 高音質 イヤモニ型 ハイブリッド イヤホン 2pin ハイレゾイヤホン 4バランスドアーマチェア+1ダイナミック 搭載 5ドライバイヤホン カナル型 高遮音性 密閉型 中華イヤホン Yinyoo (ブラック)

 

おすすめ度*1

KZ ZS10

ASIN

B07BT2YB63

 率直に言ってハウジングが大きすぎて、装着感は余り良くない。付属のイヤーピースではあまり良好な装着感を得られなかったので、余っていた低反発ウレタンタイプのイヤーピースに付け替えたところ、安定した。標準イヤーピースでは装着感が安定しないため、遮音性はそれほど高くなかった。音漏れもやや目立つ。

 これらの装着感、遮音性や音漏れの問題は低反発ウレタンタイプに替えてからはだいぶ改善されたが、あくまでレビューでは標準添付アクセサリの範囲内で評価している。

 

 エイジングを続けると印象が変わったので、レビューを新たに書いた。再評価レビューは以下を参照。
www.ear-phone-review.com

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品は説明書。ケーブルのタッチノイズはほとんど目立たない。

KZ ZS10KZ ZS10

【2】音質

 このイヤホンは販売ページでも200時間のエージングを要すると謳っているが、実際届いてすぐの初動は聴くに堪えなかった。まだ装着感の面でも安定したイヤーピースが選べていなかったので、そのことからくる不安定性があったにせよ、音に強烈な歪みがあり、変に脳細胞が耳に引っ張られる音酔いが感じられ、気色が悪い音を奏でた。

 一応推奨通り200時間以上のエージングをした後は落ち着いたが、それでも音の中心と端だけが前面に寄っており、その間の音が妙に奥まる極端な空間表現を感じ、その点だけは奇妙な感覚を感じる。印象が変わりやすく歪みの影響を受けやすいのはシンバルで、曲によってハイハットが極端に前面に出てくる時と奥まる時の差が激しく、表現に安定感がない。個々の音はかなり鮮明感があって色彩感は良く、この点は明らかに価格帯の実力を数段超えているが、どの音も節操なく鮮明さを主張してくるところがあって、統一感に乏しく、距離感が極端に歪んでいる印象を受けるので、平衡感覚を揺さぶられて酔う感覚があるし、聞き疲れもしやすい。正直音質の良さの割に音場のバランス感覚が歪みすぎて不自然。

 

[高音]:高域の抜けは良いが、素直に伸びている感じではなく、妙に歪んで伸びている感じがする(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:中域の音はたとえるなら屏風のように、近遠近遠近といった極端な音場構成の波を感じる。音は比較的勢いがあって表面はクリアでなめらかだが、立体感は少し歪んで聞こえる。

[低音]:100hz~30hzまではっきりした厚い振動。20hz以下で沈む(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:立体感が歪んでいる。そのせいでたとえばクラブサウンドの衝撃音などはひどい。奥から近づいてきて、手前で抜けるかと思いきや、もう一度奥まって弱く奥で弾けたりすることがあり、率直に言って不自然だし爽快感も微妙。楽器音全般的にこの妙な立体感の影響は受けやすく、屏風のように遠近が入り組んだ歪んだ音場を感じる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは地熱感と膨張感があり、爆発力もそこそこ。重みを感じさせるドスンドスン系の音。ハイハットは歪みの影響を受けるので、近い場合と遠い場合の差が激しい。遠い場所に出る場合はほとんど存在感がないが、近い場所にうまく出るとそれなりの粒感はある。ドラム優位(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ソロボーカルの曲なら歪んだ音場の影響は受けづらいので、それほど不快感を感じないだろう。鮮明度は高く、高域までよく表現されるし、妙にキラキラしたり刺さる感じはない。

 

【3】官能性

 やなぎなぎ「Sweet Track」はあまり空間的な歪みを感じづらく、よく楽しめた方。よく聴くとハイハットの距離感が落ち着かずに前に出たり後ろに下がったりしているが、骨格部分は比較的安定している。後半でシャリ感が強くなって空間に若干焼き付く感じがあるが、個々の音に鮮明度は感じられるので悪くない。価格を考えればこの程度の不安定感で済んでいるのはむしろよい印象。定位感さえしっかりしてればかなりよかっただろう。

 このイヤホンでClariSの曲を聴くと、全体的に空間表現があまりうまくない。たとえば「カラフル -2017-」は音場がところどころ妙に奥まって音がおとなしいところがあり、とくに衝撃音や弦楽など空間表現に関わる音は近づいたり遠のいたり忙しく、妙にでこぼこした空間を出してしまう。音の解像度の面ではかなりの良さを感じさせるだけ、このでこぼこ感は余計に目立つ印象で残念。

 早見沙織&東山奈央「Hello Alone」も比較的背景表現が緻密なので、歪んだ不安定な背景を感じさせやすい。ボーカルと楽器音の関係性が安定せず、別々に違う音場を動かしているようで、統一感に欠ける。一方で個々の音の鮮明度の高さはさすが。

 個人的に良かったのはMay'n & 中島愛「What 'bout my star? @Formo」。この曲に関してはシンバルの粒感の良さ、緻密な空間的な広がりに、浮き上がるボーカルのゆらゆら感が秀逸。誇張された遠近感が非常にうまく働いている。

 

【4】総評

 ネットで非常に評判の良い機種。その評判通りの高い解像度はあるが、音場表現という面ではだいぶ歪んでおり、落ち着きがない。独特の歪んだ音場表現は個々の音の鮮明度が高いだけ感覚に強く訴えかけてきて、聴いているうちに酔う感じがある。こうした空間的な一体性、調和性の欠如はむしろ個々の音の解像度に注力しすぎて分離感にこだわりすぎたゆえとも思える。単純に音の解像度だけを見ればコスパは良さそう。正式なハイレゾ対応ではないが、カタログスペック上の周波数帯域的にはハイレゾも対応しており、その点も好印象かも知れない。

KZ ZS10

 

【5】このイヤホン向きの曲

 弾き語りに近いこういう曲だと、あまり歪む感じは受けづらいので、まだ楽しめる感じだ。

 

 あるいはこれくらい骨格がしっかりしている曲だと個々の音の位置関係が安定しているのであんまり歪みの影響を受けない。高い解像度からくる粒立ちのよさを素直に楽しめる。音の量感や密度を考えると上位機種と比べても秀逸と言って良い。

 

KZ ZS10 イヤホン 高音質 イヤモニ型 ハイブリッド イヤホン 2pin ハイレゾイヤホン 4バランスドアーマチェア+1ダイナミック 搭載 5ドライバイヤホン カナル型 高遮音性 密閉型 中華イヤホン Yinyoo (ブラック)

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。