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【特集】BOSE Quiet Comfort 35Ⅱのワイヤードモードの音質を味わう。課題曲で聞き比べてみた!

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Bose QuietComfort 35 wireless headphones II

Bose QuietComfort 35 wireless headphones II

 

 目下のところ私にとって楽しいおもちゃとなっているのがBOSE QuietComfort35 Ⅱ(QC35Ⅱ)です。この機能性に溢れた製品は使えば使うほど、その驚くべき快適性を露わにしてくるところがあります。大抵の人はこの製品をワイヤレスオンリーで使うことが多いので、私もそれを前提に今までのレビューでは語ってきましたが、ふと「これ、有線で聴いたらどうなんだ?」という疑問が湧きました。そこで今回は番外編としてワイヤードモードでQC35Ⅱを味わってみようと思います。比較対象としては例の如く私のお気に入り、SENNHEISER HD599です。

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 さて、いちいちテスト環境がこうでみたいなのを語るのがあまり好きでも無く、どちらかというとあまりそういう細かい話を聴くのもするのも好きでは無いので、普段はあまり語りませんが、今回はテスト環境について若干説明します。

 私は家で音楽を聴くとき、ヘッドホンアンプはOPPOの「HA-2SE」という機種を愛好しています(この機種は不良品率が高いのか、ネットでの評判は必ずしもよくないのですが、私の個体はじつに長く安定して使えてます)。ほんとはこれ、一応持ち運べる程度のポタアンなんで、携行目的で買ったんですが、結局持ち運ぶのがめんどくさくなって、自宅使用になりました。これくらいだと家の中でも部屋を移動するのと一緒に持ち運べます。結局最近はそれもめんどくさくなって、HA-2SEはPCに備え付けちゃって、あとはDAPでいいやって感じですが。

 で、このヘッドホンアンプの特徴はとにかく締まりよく音を出してくれるところで、若干音に緩いところのある我がSENNHEISER HD599とは率直に言って相性が良い。まあ逆に言えば、出歩く先で「ふんふん」口ごもりながら(口ずさむというほど粋のある感じじゃないし、周りの目もあるので口「ごもる」感じなのですが、)気軽に音楽を聴くには、音に没入感がありすぎて、別に音に大してこだわりがあるわけでもない私なんかだと、やはり手持ちのDAP、ACTIVO CT10くらいの耳当たり良いサウンドと手のひらに収まるサイズ感と使い勝手の方が、なんだかんだいって屋外ではちょうど良いというところで、HA-2SEでは持て余します。ちなみにCT10も私にとっては使い勝手なかなかのものですが、再生時間なんかでよく不評を聞きます。小まめにファームアップデートもしてますから、初期に不満を持った人でも今使うと印象が違うかも知れません。

 あとはSONYのウォークマン、NW-A27HNを普段使っていて、こちらも何かと不便なところはありながらも、大きさの手頃さ、BTイコライジング機能や、動画をそのまま再生出来る機能とか最新機種のNW-A55がもう忘れてしまった利点を兼ね備えており、手放せません。なんだかんだいってその利便性を評価する人も多いのか、中古でも人気が高く、古い機種なのに比較的高値で取り引きされていたりいます。無線有線を問わず、私がオーディオをレビューする場合は基本的にこのNW-A27につないで聴いています。有線製品を使うときは、一応公平性に配慮して、音源の情報を一度ワイヤレス品質(それでもLDACですが)に落としてaudio-technica AT-PHA55BTとかEarStudio ES100みたいなレシーバーに受け渡してから聴いてます。これらのレシーバーのDACチップは前者はESS社製「ES9118」、後者は旭化成「AK4375a」で、どちらもオーディオ専門製品向けというよりはスマホ向け製品です。などと、したり顔で言っていますが、私はチップがどうこうなんてあまりよくわからず、はっきり言って一般人の知識水準を越えてませんから、とりあえずスマホ向けくらいの一般的なDACチップを使って聞けば、レビューとして多くの人に違和感なくイメージを伝えられるだろうという趣旨で、こういう一応の手間をかけてます。

 ただ今回のような特集と銘打った記事で聴くとなると、やっぱり本気度を出すという面でもう少しのめり込める音でやりたいところもあるので、OPPO HA-2SEくらいを投入してもう少し聞き込んで書いていくというスタイルです。DAPは今はもう一つ、SONY NW-ZX300というゴツイのも使っていますが、これは外で使うのは、店頭試聴をするときくらいで、もっぱら家でくつろぐときに使ってます。あとは物欲に負けて注文してしまった「ごちうさコラボモデル」のPioneer XDP202月以降届くのを待っている状態ですが、あまりよい噂を聞かない機種ですし、CT10がいる以上、出番はほとんどなさそうな気がします。DAPについては、気が向いたらレビューしても良いかな。

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 閑話休題。そういうわけで、これまでも特集記事で課題曲を聴いているときはワイヤレスでない場合は、大抵OPPO HA-2SEです。時々普段のレビューと特集記事の温度差があるかもしれませんが、そういうときは聴いている音の違いもあるかも知れません。というわけで、今回も課題曲を聴いていきましょう。

 

【課題曲その1】ヨルシカ「冬眠」

 最近ずっと聴いているヨルシカの曲だけど、たとえばこの曲なんて個人的に好きなのでとくに私のプレイリスト上での再生回数が多いです。ミニアルバムの「負け犬にアンコールはいらない」に収録されているんですけど、一言で言うと、とにかく「エモい」曲。でもそろそろ「エモい」って死語かもしれません。重厚なドラムベースの上に情緒感のあるシンバルやらギターやらが味わいたっぷりに満たして、その中にふんわりやわらかな温もり感のあるボーカルが甘く聞こえてきます。

 個人的な印象としては、それぞれ若干フレーバーは違いますけど、大好きなnano.RIPEの「月花」とか、いきものがかり「花は桜 君は美し」とかの延長線上に聴ける曲で同じプレイリストで聴くことが多いです。プレイリスト的にはここらへんの「エモい」ロックナンバーを足がかりに、より落ち着いた叙情感のある、南壽あさ子の「みるいろの星」とか「冬の旅人」、奥華子「変わらないもの」「さよならの記憶」「楔」「愛を見つけた場所」、rionos「ウィアートル」だかにつないで、情緒感に浸る方向に向かっても良いし、逆に藤田麻衣子「高鳴る」あたりにつなげて、そのままSPYAIRやUVERWorldなんかのスタイリッシュな熱気のある曲に飛び込んで行ってしまってもよい。まあつまり、現在の私のプレイリストの入り口付近に大抵位置する、定番な曲で個人的に入れ込んでます。

 で、半ば本来の意図を忘れかけていますが、この記事の趣旨はあえてワイヤードでCQ35Ⅱを味わおうと企画ですけれども、はっきり言ってワイヤレスで聴いたときより、断然音の量感と引き締まりが違います。やや熱気をセーブした黒めの背景を残すところは変わりませんが、音の濃さと密度感、張りに差があり、とても同じ機種とは思えない。HD599と比べると、空気感ではやはりHD599が勝るが、メリハリ感とコントラスト感ではCQ35Ⅱの秀逸さが光り、これはちょっとどちらがいいとか迂闊に言えません。ああ、BOSEやっぱりやばいね。ワイヤレスで感じていた若干の物足りなさはすっぱり吹き飛びました。

 

【課題曲その2】「ここから、ここから」

 そうすると当然、目下私が最も愛するアニソンの一つであるこの曲も、是非聞き比べてみたくなる。

 この曲の素晴らしさはことあることに繰り返して来たが、改めて紹介すると、出だしからキャッチーなキーボードがギターを従えながらキラキラと誘ってきて、そのうち熱量を加えるドラムが加わって徐々に楽しげになってくる。ここでリスナーの期待感はすでにだいぶ膨らんでいる。すると、甘味と透明感を重層的に醸し出すカルテットが手を振って、海外ツアーの現地スタッフのように歓迎してきて、そこから一気にリスナーの気持ちと併走するように曲が走り出す。そこからは青春のワンシーンのそれぞれを、それこそ走馬灯のように駆け巡りながら、クライマックスではそれぞれのボーカルがメッセージ性のある歌詞を耳に残してギターの南国を思わせる熱い色彩の中に消えるかと思ったら、ラストではもう一度帰ってきて、元気づけるように快活なサビをたっぷり歌って、曲全体がフェードアウトしていく。なに、この曲。聴いてるだけで涙が出てくるんだけど!曲を聴きながら、この記事書いてて、ここですでに涙目。

 ちなみに「ここから、ここから」ばかり褒めてますが、カップリング曲の「One Step」も劣らず秀逸な曲です。

 はっきり言ってワイヤレスじゃBOSEさんより断然HD599でしたが、キレと迫力を増したQC35Ⅱの本気ワイヤードモードでは、さすがのHD599でもワンパンKOとはいかないです。個人的に最初に感じる差異はギターのエッジ感で、QC35Ⅱのほうがエッジがドライでギュワギュワした辛味のある刺激的な音を奏でる。HD599はこういう音を空間にとろかすところがあるので、この音をキャッチーと見るか、うるさいと感じるかで評価が分かれるでしょう。あとはヨルシカ「冬眠」でもそうだったけど、背景の黒み。熱気で全てを包み込んで暖色感のある一体性を感じさせるHD599に対して、CQ35Ⅱには暗い背景と楽器に包まれたボーカルを中心とした手前のフィールドの分離感があって、これがピアノから受ける印象の差にもなっている。HD599のピアノは光沢感を感じさせながらバターのようにとろけるところがあり、それに比べるとCQ35Ⅱのピアノは光沢感の芯がよりはっきりと鮮烈に感じられる音で、相手がバターならこっちはチーズだくらいの味の違いがあります。

 で、結論としてはやはり私はHD599を推したいところで、実際個人的にはそちらをより好みますが、もはやCQ35Ⅱを無碍にすることも出来ません。

 

【総評】

 率直に言って、恐るべしBOSE QC35Ⅱ。ワイヤレスでもなかなかの音質と使い勝手ですが、多少使い勝手が変わるものの、ワイヤードではさらに魅力を見せてくれるところがあります。

 私は以前、BOSE QC35はワイヤードモードではノイズキャンセリングが出来ず、ワイヤレスモードではノイズキャンセリングをOFFにできないというようなレビューを見たことがあります。しかし、QC35ⅡはワイヤレスモードでもノイズキャンセリングOFFにできて、ワイヤードモードでもノイズキャンセリングがONにできました。快適性ではQC35よりさらに向上が見られます。さすがBOSE。

 ともかくワイヤードでもノイキャンの恩恵を受けられるので、たとえば外出時でも、EarStudio ES100なんかのBTレシーバーを使って、そこからワイヤードで音楽を聞くという使い方も充分アリです。多少の使い勝手の差はありますが、音質をより楽しむならそういう使い方もイイ。

 今回ワイヤードの音質を確認して、BOSEをあまり好まない私でも、この製品に関してはもはや愛着を感じずにはいられなくなりました。手に取って眺めると、「俺がファイナルアンサーでいいじゃん。墓まで持って行きな」っていうQC35Ⅱの声が聞こえてくるようです。むぅぅぅ。


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