このブログではたびたび中国製の完全ワイヤレスイヤホンを紹介してきました。品質について、かなりの向上が見られていることをそれなりにお伝えしてきたと思います。そして、その背景にこの価格帯の商品を購入する厳しいユーザーの声があることも。
さらに付け加えるべきは、買い物の満足度において、ネット通販がリアル店舗を追い越してしまっているところもあるということです。これからの物流の主流となるかも知れないネット通販を国内オーディオメーカーが充分に生かしきれていないように見えるのに対し、中国メーカーは最大限生かしてグローバル展開しようとしています。彼らは安く製品を売り、ネット通販という厳しい場で顧客の声を聞き、それに叱咤激励されて急速に品質を向上させています。もちろん中華製品を売っている販売者の中には、個人販売に近い怪しい業者がいることも事実ですし、Aliexpressのような中華ECサイトはまだまだ怪しい業者の巣窟です。しかし、amazon.co.jpに関する限り、表立って「amazon choice」に選ばれるような製品ではリアル店舗以上のサービスが受けられる場合が多いです。今日はそのことについて話したいと思います。
私は2ヶ月ほど前に「ZEEFO」のファンヒーターを買いました。このZEEFOというメーカーは低価格の生活家電系製品をプロデュースしており、amazon.co.jpでもよく見かけるブランドです。amazon.co.jpの検索欄に「ZEEFO」と入れれば、大量の商品が見つかるか、専用のブランドページに行くことが出来るでしょう。
この記事は私が買った「ZEEFO」のファンヒーターをレビューする意図で書いたものではないので、詳しくは書きませんが、率直に言って「ZEEFO」のファンヒーターは国産メーカー品に劣ります。外見だけはそれなりに良いですが、よく見ると工作精度はあまりよくなく、ところどころ隙間がありますし、土台のターンテーブル部分の作りも変にゆるゆるしてます。ただ小型で足元だけダイレクトに暖められるし、価格も安めなのがいいところで、私の缶詰みたいな書斎にはちょうどよい大きさに思われました。
ただ私の買った機種はあまりよくありませんでした。この機種は背面に主電源スイッチがあるのですが、それがどうも安定しないのです。あるときはスイッチが動かないほど硬くなったり、逆にゆるゆるになってスイッチが反応しなくなったりと動作が不安定です。それでも不便なものの使えていたので、だましだまし使っていましたが、先日ついに電源スイッチがお亡くなりになりました。この寒い冬の時期に全く動作してくれません。
ちなみにこの製品、電源問題はamazonカスタマーレビューではかなり報告されていますが、某有名ユニクロ風モノ雑誌先生はそこらへんガン無視して比較的高評価でした。この雑誌は他の雑誌と違う「辛口」で本音でのレビューをウリにして読者獲得に奔走している雑誌ですが、結構内容はゆるゆるでいい加減だったりします。「辛口」気取るなら、しっかり仕事しろよな!このモノ雑誌先生は中華製品の品質が安定せず、まともにレビューするなら最低10台くらい買ってテストしなきゃあかんことを知らんようです。だから実像を知るには、モノ雑誌先生読むよりカスタマーレビューを丹念に拾い上げるしかありません。モノ雑誌先生はモノに対するプロでも買い物のプロじゃありませんからね。偉そうに雑誌内で「amazonのレビューは当てになりません!」なんてほざいてるけど、一般的に言って、この雑誌のレビューよりamazonのカスタマーレビューの方が参考になります。
さて、そんなわけで18ヶ月保証とあるので、販売者のZEEFO JAPANに連絡したんです。ここでamazon.co.jpの返金システムについて説明する必要があるかも知れません。amazonで買った商品は30日以内であれば返品して返金を受けることが出来ます。自己都合でない製品の品質上の不具合によるものであれば、基本的に全額返金されます。メーカーが不具合を認めない場合でも、マーケットプレイス保証というのがあり、amazon側が販売者の代わりに返金を行ってくれるシステムもあります。
私の場合はしかし、2ヶ月以上経っていたので、これらのamazon正規の補償は受けられませんでした。そこで18ヶ月保証を謳う販売者の「ZEEFO JAPAN」に直接連絡して上の症状を伝えることにしました。
ZEEFO JAPANからは驚くべき早さで返信が来ました。「このたびはご迷惑をおかけしました。全額返金か無料で新しい商品を送ります」とのことです。このスピード感には呆気にとられるほどです。私は返金をお願いし、別のファンヒーターを検討することにしましたが、「ZEEFO」の対応は丁寧に思えました。私の中でのZEEFOのブランドイメージは一気に向上しました。
私はこれまでオーディオ製品であまり不具合にあったことはなく、通信品質が悪いなど不具合があったら30日以内にamazonのシステムを使って返品していたので、今回のように中国の販売者の独自に設けた保証を利用するのは久しぶりだったのですが、1,2年前に比べて対応が向上しているように思われます。以前はamazonに出ている中華製品はコピー品ばかりで悪かろう安かろうの印象がありましたが、今はメーカー直売のようなまともな販売者はちゃんと対応してくれます。オーディオ製品では「SoundPEATS」「QCY」「ANKER」「AUKEY」あたりは直営店なら、まず間違いなく丁寧に対応してくれます。ほかに低価格オーディオ品を大量に出している「deyi製作所」も比較的悪くないと思いますが、こことは揉めたことがあるので上記の直営店ほどではない気がします(そもそもdeyiの製品は品質が上記メーカーよりかなり劣るものが多い)。「WTSUN Audio」とはあまり取引がないのでわかりませんが、ここも「6ヶ月完全保証・最大1年保証」を謳っており、レビューや店舗評価をパッと読んだ感じ誠実に対応している印象です。
売り捨てのような粗雑な対応も多いので、中華オーディオ製品の販売者によくない印象を持っている人が多いこともわかりますが、少なくとも上記のamazonでメジャーと言える販売者の対応は国内メーカー以上の水準に達していると言えるかもしれません。メール一本で素早く対応してくれますからね。いちいち電話でややこしい不具合の説明しなくて良いのもいいです。←ATOK 2018おバカ問題で理解を得られなかったジャストシステムに対するトラウマ
中華製品というと、ステマレビュー問題みたいなのもかしましいですが、これは裏を返せば彼らが非常に評判を重視しているということでもあります。ただ単に売りゃあいいというメーカーがいることも確かですが、彼らの話を聞くと、「何をするにも、そもそも商品が注目されないとダメなんだ」と言います。そして否定的なレビューもよく読み、不具合があればamazonの返品保証以上の対応で丁寧に応じます。オーディオ雑誌に提灯書かせて、リアル店舗に漫然と商品を並べ、評判が広がれば売れるよ的な消極的な国内メーカーが、貪欲にユーザー獲得に走るスピード感を持った中国メーカーに対抗出来るんでしょうかね。
あと「辛口」「本音」とかいうモノ雑誌も発想が「下町ロケット」だから、製品だけを見てこき下ろすのに終始して、サービスを見ませんよね。だから品質に劣ってもじわじわ広がっている中華製品の良さが全然誌面に表れないですね。あれ国内メーカーや読者が鵜呑みにしてたらあかんと思いますね。ネット時代の買い物はアフターサービスも含めた総合評価の顧客満足度が大事になってきています。モノ雑誌が一番書いてない大事なこと、amazonでは同じ商品でもどの販売者から買うかが重要です。ネット時代の商品展開はアフターサービスと早期の顧客獲得が命。5000円台で完全ワイヤレスイヤホンを出さない国内メーカーが負け組になるかも知れないのは、それらが一番必要なその価格帯で戦ってないからです。それ見失うと本当に国内メーカー死にます。早く気づいて!
【関連記事】