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【特集】BGVP DMGは完全なイヤホンじゃなくてDTMで高音を聴くためのイヤモニでしかない!オーケストラでその定位感の歪みを解剖する

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BGVP DMG

BGVP DMG

  最初のころはなかなか悪くない音でコスパ悪くないかもなんて思わせてくれたBGVP DMG。ご機嫌だった私はRHA MA750あたりと比べちゃってもいいかも、Westone W40と比べたいくらいなんて有頂天になってましたが、あの頃の私はバカでした。率直に言って、このイヤホンはそれらの足元に及ばないどころか、イヤホンとしては同価格帯屈指のおすすめできない製品です。正直私はどんな製品もいいところがあるというのがポリシーなので、ここまで書いてしまっていいか迷いましたが、この製品はイヤホンとしてまともに機能しておらず、もはやイヤホンじゃないという結論に達したので、ここまで言っても良いでしょう。NICEHCK M6とかいう劣化DMGは音も一段劣るので、さらにダメです。中華多ドライヤホンはPCのジャンクパーツみたいなもんで、地雷ばかりだったということを忘れていた自分が迂闊でした。

 

 ということで、DMGがいかにダメかということを明示するために、定位感が重要になってくるクラシックオーケストラで同価格帯で有名な機種と聞き比べて、この記事で問題点を明らかにしたいと思います。

 

 

【課題曲】ムラヴィンスキー指揮、ベートーヴェン「交響曲第四番」第一楽章 Sym No. 4 In B-flat, Op. 60: 1. Adagio. Allegro vivace

 課題曲に選んだのはムラヴィンスキー指揮のベートーヴェン「交響曲第四番」第一楽章。クラシックの知識とかこれっぽっちもないんで、20世紀東欧における最高の指揮者の一人だというムラヴィンスキーがどのくらい偉大で、どんな指揮を得意としたのか知識が全くなくてわからんのですけど、個人的には大好きです。

20世紀におけるソ連・ロシア・東側諸国指揮界の第一人者、世界でも有数の指揮者の一人に挙げられる。

―Wikipedia「エフゲニー・ムラヴィンスキー」

 

 以前ちょこっと話したグールドと一緒で、聴いた途端に「これはやべぇ」ってゾクゾクしたので、CDかなり買いました。この「第四番」は私の持っているムラヴィンスキー指揮の曲の中でも好きな方だというのもあるんですけど、ウィキペディアで囓った感じ、ベートーヴェンの曲ではオケ編成が最小らしいというので、わかりやすいかなと思って選んでます。

標準の二管編成よりさらにフルートが1本少なく、ベートーヴェンの交響曲の中で最小である。

―Wikipedia「交響曲第4番 (ベートーヴェン)」 

 

 個人的にこの曲の弦楽はわかりやすいんで、高域の定位感に難のあるDMGの問題点がより明確になると思っています。詳しくはわかりませんが、この音源には観客の咳みたいなのも入っていて、たぶん本演奏をそのまま録音してるんだと思います。

 


Mravinsky Edition Vol.7 - Beethoven: Symphony No.4, Tchaikovsky: No.5

 

模範例:JVC HA-FX1100

 この曲における定位感や表現の模範例として、まずJVC HA-FX1100を挙げます。まあ私くらいのバカになると、JVC HA-FX1100聴いた途端に、「え?何これヤバイ!もうスピーカーセットとかいらんじゃん。諭吉3枚でこれが買えるとか世の中どんだけイージーモードだよ!」ってくらい間の抜けた感想しか言えないんですが、とにかくホールのリアル感がそのまま感じられて、個々の楽器の音色だけでなく、材質の色めきや空気感まで残響の中に感じさせるコスパ最高の表現力を感じられるのがHA-FX1100です。粒子レベルで材質感が感じられ、それが空気となってイヤホンから漂ってくるかのような濃厚さのある音でとにかく別格。定位感も素晴らしくて、豊かな低域音の厚みの中でも各楽器の位置関係が明確でしかも混じり合うんです!定位感を保ちつつ、混じり合うとか信じられないんですが、とにかく「すげー!」しか声が出ない。ホールの天井やら舞台やらからの反響というか残響も濃密すぎるくらいに表現されて、この音源からどんだけ情報引き出してんだすげー!としか言いようがないです。こんな安値でここまでの音を聴かせる、このイヤホンを作ったJVCは神としか言いようがありません。まさに特等席の音です。

JVC HA-FX1100

JVC HA-FX1100

JVC HA-FX1100 WOODシリーズ カナル型イヤホン リケーブル/ハイレゾ音源対応 ブラック

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BGVP DMGのひどい音

  それに比べてBGVP DMGを聴くと、まずどこらへんに自分が座って聴いているのかがよくわかりません。すっげー近くから観客の咳払いとか聞こえてきて、「うおっ近っ!」と思いますし、ヴァイオリンは目の前すぐ上くらいに天井を作るように立ち上がってくるので、オケはだいぶ上にいるんかなとか思います。弦楽の音色だけはやたらと輪郭感があって艶味もあるんですけど、材質感がないので、何で音を鳴らしているのかよくわからんって感じです。あと生録のせいか会場のサーっていうノイズ感があるんですけど、それも露骨に出てうるさいです。HA-FX1100だとそれが良い感じのリアルな会場の空気感になっているんですけど、DMGのは空気感とかじゃなくてただのうるさいノイズ。まあレコードっぽい感じは出るからレトロ感は出るのかも。その割に音が妙にクリアだからレコードっぽくはないですけどね。あるいはカイジの「ざわざわ……」が聞こえていると思えば良いのかな。オケの楽器音は弦楽をはじめ全体の音が一様ににじり寄ってくるバランスで奥行き感もへったくれもなく、空間的にはむちゃくちゃ。表現も完全に大味になっちゃっていて、情緒感もクソもないってのがDMGの音です。何じゃこりゃ。

 この無茶苦茶な定位感をあえて映像化する方向で考えてみると、エレベーターくらいの狭いところに人が集まっていて、その空間の天井だけぽっかり空いてて、正面斜め上くらいにすぐヴァイオリンパートが配置される形でオケがいる感じかな。

 あえて無理しておすすめポイントを考えるなら、とにかくヴァイオリン中心に聴きたい、ヴァイオリンが死ぬほど好きな人にはおすすめ。でも妙に剥き出しな原音っぽい音なんで、リアルな音って感じではないけどね。この曲だとほぼ完全にヴァイオリンパート専門のイヤモニです。

BGVP DMG

BGVP DMG

BGVP DMG ハイブリッド型イヤホン ダイナミック型ドライバー×2 + バランスド・アーマチュア型ドライバー×4搭載 2DD+4BA ハイレゾ認定 ノズル交換可能 (3種類附属) 高音質 イヤホン 汎用MMCX端子搭載 リケーブル可能 金属筐体 5N OCC + 銀メッキケーブルのイヤホン (青色、マイクなし)

 

 で、こんなひどい音は他にあるかと思って同価格帯からメーカー品選んで聞き比べたんですけど、当然のことながらこんなアホな調整になっているイヤホンなんて一つも無いです。ええ、クラシックが得意じゃないようなイヤホンさえ一つも無かったです、聴いた範囲ではね。 一応聞き比べたのを列挙して簡単な感想を述べていきます。

 

RHA MA750

 有線イヤホン20000円以下最強の一角。比較的万能な音質なのでクラシックも特別得意じゃないけど、よく聴かせてくれます。音にコントラスト感を出すのが得意で、落ち着いた雰囲気ながら、眩しい煌めき感を感じさせるっていう離れ業をやってのけるところがあって、この曲だと弦楽の伸びや管楽の吹き鳴らす音にかなり華やかさが出ます。音の焦点もしっかりしていて地平線付近に照準がまとまる感じがあります。そうして地平線を意識させつつ、そこからすくっと音がきれいに立ち上がるので瞬発力もかなりよく感じられます。とにかく優等生過ぎて勝てません。これがDMGとほぼ同じ値段か安いぐらいで買えるんですから、DMGを買う意味はほぼありません。

RHA MA750

RHA MA750

RHA MA750 ハイエンドイヤホン カナル型/ハイレゾ対応/Complyイヤーチップ付属/3年保証 270559【国内正規品】

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Maxell MXH-GD200

 グラフェン振動板を採用したという、瞬発力のよいシャキシャキした音質が魅力です。まあ明らかにクラシック音楽は得意分野じゃなくて、ポップス、ロックとかエレクトロダンスといった、緻密感やスピード感が活かせる曲が得意で、クラシックじゃ明らかに高域ギラつきすぎるよねってイヤホンなんですけど、それでもDMGよりよっぽどマシ。このイヤホンでこの曲を聴いてると、もはやスピード違反してるよねってくらい、弦楽やら木管やらがハイスピードで立ち上がって、アタック感持て余し気味。信号が青になった途端、飛び出していくみたいに、メリハリとスピード感が強調されてクラシックなのにロック聴いているんじゃないかと思っちゃうくらい軽快です。そんなスピード違反野郎のMXH-GD200でさえ、定位感はしっかりしていて、あらぬ方向から音が聞こえてきたりしません。ちなみにあまり話題に上らない埋もれた機種ですけど、コスパはやばいレベルで、実売価格ベースだとMA750の下位機種MA650に匹敵します。活きの良いロックなイヤホンを1万円以下で考えているなら、真っ先に検討すべき機種の一つです。

Maxell MXH-GD200

Maxell MXH-GD200

マクセル Graphene MXH-GD200

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NUARL NT01AX

 はっきり言って、クラシックに関してはDMGの表現力はフルワイヤレスイヤホン以下です。ほぼ同じくらいの値段で買えるNUARL NT01AXを聴いてみましょう。はるかに重厚感があって、自然で豊かな立ち上がりと定位感のあるオーケストラサウンドを味わえます。ていうか、いくらNT01AXの音質がフルワイヤレスとして群を抜いているところがあるとはいえ、同価格帯のフルワイヤレスに劣る定位感とかDMG明らかにひどいです。NT01AXは全体的な音の厚み、高域の表現と定位感が素晴らしく、オーケストラサウンドをしっかり聴くことが出来る数少ないフルワイヤレスイヤホンの一つです。フルワイヤレスイヤホンでクラシックを聴くには最高の音質とかプロの批評家に言われている機種にSENNHEISER MOMENTUM True Wireless(MTW)というのがあります。しかし、こっそり教えますが、NT01AXのほうが私はクラシック向きだと思いますよ。まあ私自身がクラシック音楽に詳しいわけじゃないので、自分の鑑賞眼に自信は無いんで大きな声じゃ言えないんですが、素人目には情報量が多く感じるのはNT01AXのほうです。少なくともこのムラヴィンスキーの音源は弦楽の立ち上がりの差のせいか、MTWよりよほど楽しめます。

NUARL NT01AX

NUARL NT01AX

NUARL 完全ワイヤレスイヤホン Bluetooth5 高音質HDSS採用 IPX4防水 最大再生時間35時間 片側紛失サポート有 マイク・リモコン付 NT01AX ブラックゴールド

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NUARL NX01A

 NUARL NT01AXはちょっと高いなぁと思う人はこのNX01Aがオススメです。NT01AXとほぼ音質は同等で有線になっているモデルですが、1万円以下で手に入ります。これは持っていないので、詳しいことは言えないのですが、私が店頭でこのムラヴィンスキー音源を試聴してNT01AXと比べた感じ、印象はほぼ一緒で、こちらのほうが音に厚みが出るくらいのバランスになっています。

NUARL NX01A

NUARL NX01A

NUARL HDSSハイレゾ対応カナル型イヤホン ポリッシュドシルバー&ホワイト NX01A

 

【総評】BGVP DMGはDTM系の曲を聴くために使うのがいいです

 アナログ録音したような曲だとBGVP DMGはとくに高域が出張って最低の定位感で聞こえると思うので、おすすめできません。クラシックは完全に無理ですね。むしろDTM系の上から下まで密度が均等な、平板な立体感の曲とか、高域と低域がわかりやすいパート分担されているような曲を聴くと良いです。低域と高域を均等に楽しめるイヤホンではあるので、そういった用途でなら充分な魅力を発揮してくれるでしょう。

 

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