AVIOT TE-D01b Bluetooth イヤホン 完全ワイヤレス QCC3026搭載 IPX7完全防水 iPhone android 対応 (ネイビー)
- 【1】装着感/遮音性/通信品質「通信品質は少し安定感に欠ける」
- 【2】外観・インターフェース・付属品「連続再生時間/最大再生時間は素晴らしい。防水性能も高い」
- 【3】音質「端麗で優美な解像度感に優れた音質を持つ」
- 【4】官能性「瞬発力と弾力感を共存させた都会的なサウンド」
- 【5】総評「AVIOTらしい若々しいデザインと音質で都会的なイヤホン」
- 【6】このイヤホン向きの曲
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【1】装着感/遮音性/通信品質「通信品質は少し安定感に欠ける」
おすすめ度*1 |
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ASIN |
豆粒型のハウジングは角がなくて耳に合わせやすく、大抵の人は無理なくフィットすると思う。デザインが非常に秀逸で、ミニクーパーのような都会的な雰囲気がある。個人的にAVIOTのこういうデザインセンスは気に入っている。遮音性はそこそこ。耳の形にもよるが、音漏れは少し目立つかも知れない。
aptX対応。通信はだいたい安定していて、遅延はほとんどないが、まれに片耳だけ途絶する。頻度は結構高い。この機種はQCC3026というQualcommの最新ワイヤレスチップを搭載していて、左右両方でレシーバー機能を入れ替えできて、その分通信品質が安定するというはずだった。しかし私の手に入れた個体はNUARL NT01AXやGLIDiC TW-7000といった他のQCC3026搭載機種やライバル機種に比べると、一段通信品質が劣る印象を受け、下手をしたらそこらへんの完全ワイヤレスよりも悪いかも知れない。amazonのカスタマーレビューでも通信品質の不安定性を指摘する声は結構ある。
この機種の音質について、購買層が被る他機種との比較レビューもあります。併せてお楽しみくださいませ。
【2】外観・インターフェース・付属品「連続再生時間/最大再生時間は素晴らしい。防水性能も高い」
付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、専用充電ケース、ポーチ、説明書。
ケースは完全ワイヤレスの中では少し大きめだが、厚みはそれほどないので、持ち運びに支障はない。開閉や取り出しはスムーズ。
連続再生時間はイヤホン単体で9時間、充電ケース込みだと最大81時間を謳っており、とくに最大再生時間は現在発売されている完全ワイヤレスイヤホンの中では最も長い部類に入り、優に4日、人によっては1週間以上使い続けられるだろう。
防水性能はIPX7とこれまた抜群に優秀。水没させても平気なレベルなので、スポーツ用途やアウトドアレジャーに充分対応する。
【3】音質「端麗で優美な解像度感に優れた音質を持つ」
音質的には上から下まで見通しよく、驚くほど弾力感に満ち、伸びの良い音で、解像度感が高く感じられる音を奏でる。音の厚みにはやや欠けるかも知れないが、瞬発力があってスピード感を出し、しかも弾力性があって尖らない独特のしなやかさを持つ音はかなり中毒的。どんな曲も若々しく、体操選手の演技のように、なめらかさとメリハリ感を両立させた感じで聴かせてくれる。
このメーカーは音作りには自信があって、「自然な音」「日本の音」って謳い文句で宣伝しているんだけど、個人的には何が「日本の音」なのかしっくりこなくて、むしろ「都会の音」「若者の音」っていう感じを前面に押し出したほうがいいんじゃないかと思う。普段から音に溢れた都会の中でも、ポップスやアニソンなんかを埋没せずに自分らしく楽しめ、休暇には劇場やバーに行ってクラシックやJAZZなんかも楽しんだりといった多彩な都会的生活のあらゆるシーンに寄り添うような変幻自在の音質と使い勝手を共存させている点をアピールしたらどうか。
[高音]:優美な透明感を出す音で、光りすぎない弾力のある透き通った音を出す。弦楽は音の広がりを充分に感じさせ、活き活きする(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)
[中音]:少しドンシャリな傾向にはあると思う。見通しは非常に良く、背景までしっかり見えるが、個々の音の輪郭感や躍動感が充実していて、スカスカした感じを抱かせず、緻密にぎっしりとした空間に思える。
[低音]:100hz~40hzまで素直な減衰。30hzで沈む。20hz以下は無音(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:見通しは良いが、音場の広さはそれほど広くないようだ。左右がだいぶ近く聞こえる傾向があり、どちらかというと奥行きのほうが広く思える。上方向の見晴らしは良いので天井感はない。深みもガラス床から下を覗くように見通しがよいので、結構素直に感じられる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:グラフェンを採用しているせいか、ドラムが少し硬めに聞こえやすく、表面の爆発力が目立つ感じで輪郭感が強調され、中身はスカスカした感じで聞こえやすい。バシンバシンスタンスタンといった感じになる。シンバルの粒感はよく、まとまりよいシャリシャリチャッチャッといった感じ(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:ボーカルの抜けは非常に良く、スッキリと伸びて弾力もある。息感は強調されず、驚くほどのびやかなのに刺さる感じはない。発色は明るめで傾向としては女性ボーカル向き。
【4】官能性「瞬発力と弾力感を共存させた都会的なサウンド」
UVERWorld「CORE PRIDE」
ドラムの表面の張りはよく出るので、爆発力と膨張感は結構丁寧に表現される印象。バツンバツンという火力感はそこそこ出ている音で、ロックを聴くには充分に思える。ボーカルの声色はやや明るめで分離感が良く、激しいドラム演奏の中でも埋没しない。ギターは明るめにギュワギュワした感じの音を出す。全体的に少し快活に聞こえる。
Swing Out Sister「Waiting Game」
音は全体的に細めで輪郭感重視で見通しよく聴かせてくれる。スタイリッシュで清涼感のあるJAZZダンス曲だが、こういう曲を明るくしなやかに楽しませるのは本当に得意なイヤホンに思う。都会的で洗練されたこの曲の雰囲気がきれいに出る。
ベスト・オブ・スウィング・アウト・シスター/あなたにいてほしい
Ed Sheeran「Thinking Out Loud」
洗練された都会的な雰囲気は変わらないが、曲調的にはよりアナログでムード感重視のこの曲だと、このイヤホンは少し濃厚味に欠ける印象を受けるところはある。本来床面をしっかり作るべき低域まわりの存在感が少し希薄なせいだろう。一方で中高域ではボーカルが伸びやかで、ピアノの表面の透き通る光沢感は美しく、やや幻想的。明るくすっきりとキラキラした、相手に無邪気に夢中になっている浮かれた恋の歌を楽しめる。なんだかんだいってこのイヤホンはいいね。
Thinking Out Loud [7 inch Analog]
ヨルシカ「準透明少年」
この曲のスピード感についていくだけの瞬発力は充分にあり、シンバルの刻みの粒感もよくて疾走感はしっかり出る。ドラムは表面の爆発力強め、ボーカルは少し明るめで透明感がやや強めに感じられるバランスと、元気で明るい感じは少し強い。息は強調されないので刺さる感じなく、ボーカルの透明感をきれいに味わえる。ヨルシカの中では最もスピード感があるほうの曲なので、メリハリ感強めで聴かせるこのイヤホンには最も向く気がする。
【5】総評「AVIOTらしい若々しいデザインと音質で都会的なイヤホン」
AVIOTらしい都会的センスに溢れたデザインと音質で率直に言って所有欲をしっかり満足させてくれる逸品。ただし通信品質面ではライバル機種に少し劣るところがありそうだ。音質は朗らかで聴いていると気持ちを明るく楽しくしてくれるところがある。
ライバルとしてはGLIDiC TW-7000がガチで、少し格上にNUARL NT01AXがいる。使い勝手面では防水性能とバッテリー性能でライバルを引き離しており、音質的にも魅力的なので優秀なコスパの3機種の中でもさらに優秀に思える。個人的にかなり満足度が高く、おすすめできる製品だ。
YCやBCで売れ行きを確認すると、あっという間に在庫がカラッポになったというNUARL NT01AXに比べると入手困難さはなく、2019年1月現在、売れ筋商品では手に入れやすい状況のようだ。
【6】このイヤホン向きの曲
菅野よう子「軍靴の記憶」
まず金管に聴き応えあり。色味は明るく、上に伸びやかで点の高さを感じさせる。弦楽や木管の音の立ち上がりにも弾力感があって、優美な揺らぎを感じさせて上に向かう豊かな音場感がある。低域は少し表面によって聞こえやすいので薄味ではあるが、軽快なリズム感を出すという意味ではこの曲の世界観とマッチしている。逆に低域が重くない分中高域の見晴らしは良くなって軽快になっているところもあって、悪い感じではない。徐々に盛り上がってクライマックスに入っても、個々の楽器音の輪郭感はしっかりしており、しなやかに交わって聞こえてくるので、クライマックスでの緻密感と充実感がハンパない。音の抜けは良いので圧迫感は感じずにこの曲の勇壮なクライマックスを味わえる。華やかで軽快、しなやかで豊穣感もあるっていうのがこのイヤホンに対する私のサウンドイメージ。
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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。