新武将として作った足利氏姫でのゲームリプレイになります。シナリオは「小田原征伐」です。氏姫の作成例はこちらを参考にしてくださいませ。
シナリオ設定
設定はカスタムです。基本は超級基準ですけど、序盤から大名家が滅亡しまくるパターンは好きじゃないので、AI好戦度だけ「非好戦」にしてます。歴史イベントはオフです。私は基本歴史イベントいらねぇ派。それでは早速行ってみましょう!
ついでにこのリプレイの構想の元ネタになっている「世界征服~謀略のズヴィズダー~」のPVです。気分盛り上げ用。
リプレイ:足利氏姫天下漫遊記
序詞
歴史の片隅に密やかに咲いた一輪の花。斜陽の公方家に生まれた少女、その姫君はそんなあどけない存在であったのかも知れない。没落した貴人にありがちな、時の権力者や時勢に翻弄される人生を送りながらも、古河を愛し、古河に生きた名門・足利の姫。彼女の人生は正史からはこぼれ落ちた、他愛もないものだったかもしれない。
だが、ちょっと待って欲しい。我らが足利氏姫様は違う。彼女はそんな弱々しい少女ではなかった。ここ、結城城を訪れたのも、運命を甘んじて受け入れたからではなかった。否、否、否。その逆だ。彼女は今まさに運命に立ち向かうべく、乱世に覇を唱えようとしていた!デデデンデン!
姫様あらわる!
鎌倉府の再興という野望を胸に秘め、古河公方の最後の血筋に連なるいとけなき姫は、いとない様子で結城城の門を今まさにぶっ叩いているところであった。ガンガンガン!
「晴朝、早く出てこんかい!」
門番の足軽はまだあどけない、どこぞのやんごとなき姫君が髪を振り乱し、着物がはだけるのも気にせず力一杯扉をぶん殴っているのを見て、おろおろとするやら頭を抱えるばかり。城中に知らせてはみたものの、すぐに返事が来る様子もない。とりあえず姫君に待ってみてはと説得を試みたものの、姫君はますます猛り狂って扉を足蹴にし始める始末。
城主の晴朝のほうはといえば、狭間からこっそり城門の騒動を窺って、思案に暮れている。側に控えるは晴朝腹心の部下で結城四天王が一人、水谷伊勢守正村、近隣にその名を知られた豪傑である。
「晴朝様、古河公方の姫君といえば結城家にとって主筋に当たるお方。無碍にもできますまい。会うだけ会ってみてはどうですか」
結城家は代々の古河公方に仕え、晴朝も足利氏姫の祖父・足利晴氏から偏諱を受けている。晴氏は関東に覇を唱えんとする後北条氏と対立するが、かの有名な河越夜戦で敗北してその軍門に降った。結城家は後北条氏の擁立した古河公方・足利義氏に仕えつつ、勢力を広げる後北条氏に飲み込まれぬよう、ぎりぎりの生存戦略をとってきたのである。
(北条に保護されていた氏姫様が、同じ陣営に属さぬ我が結城家にわざわざ出向いてきてらっしゃる……きっとなんぞ悪い先触れに違いない気がするのじゃが)
今は疎遠とはいえ主筋の姫君、浮かぬ顔を隠しながら自ら出迎えに行く晴朝であった。
さすがは名門の姫、客間に迎え入れれば、楚々とした仕草で上座に座ると、あふれ出る気品が場を荘厳にし、幼さを感じさせぬ厳粛とした武家の棟梁の風格がある。晴朝と水谷は思わず平伏する。
「よい。面をあげい」
へへーっと畏まりながら、ゆっくりと顔を上げた晴朝だが、そこには先ほどの気品溢れる姫の顔がない。
氏姫は手枕をして横になり、あくびが止まらず、もう片方の手でしきりに口を押さえていた。
「ふわあ……ふにゃふにゃ。我は決めた……北条は取り潰すぞ!」
「はい…え?ええ!?」
晴朝は、姫の変貌ぶりやら突拍子もない言葉にぎょっとして、目玉が飛び出るかと思った。
「何を驚いておる。鎌倉の時代より北条は我が仇敵、のみならず朝敵ぞ。我が祖先、足利尊氏公が北条の鎌倉幕府を滅ぼした故事を忘れたか」
「いや、忘れておりませぬが、それとこれとは話が……」
「黙れぃ!我は足利、きゃつらは北条。倶に天を戴かずが、太古からの理よ。それで充分。我は悟ったのだ」
立ち上がり、扇を天高く、勇ましく掲げる氏姫だが、晴朝は悪い予感しかしない。じっくり間をとって、
「何があったんです?」
と問い質す。
「我は聞いたのじゃ、豊臣秀吉というのが北条に無理難題をふっかけてきているらしい」
「その話なら心当たりがあります」
北条家が真田家・上杉家と沼田のあたりで境界争いをしていることは晴朝も聞き知っている。豊臣秀吉がそれに介入したことも使者から聞いている。晴朝はせっせと豊臣と誼を通じようと、豊臣方の徳川家の元へ使者を頻繁に行き来させていた。
「そこでな、我は言ってやったのよ。その無理難題を言う豊臣とやらと我が直談判してやるから、京に行ってやるとな」
「ほほぉ……」
なるほど。要は京見物がしたくてだだをこねたのであろう。
「ところがな、北条の者どもは我の温情の篭もった申し出を笑いおった。氏照なんぞはゲラゲラ笑うし、氏邦も目を細めながら頭を撫でてきて本気で取り合おうとしないのじゃ!」
氏照・氏邦にとって氏姫は姪っこであり、可愛くて仕方が無いのであろうが、それを小者扱いと感じた氏姫は自尊心をいたく傷つけられたのであろう。
「それでよ。きゃつらに我の本気を見せようとおぬしを頼ったのよ、晴朝。結城は我が公方家歴代の宿臣、かの結城合戦での忠義は今も我が家で語り継がれておる。頼りにしておるぞ」
へへーっと平伏しながら、結城合戦って負け戦じゃね?と心でツッコむ晴朝であった。
「で、姫様は何をなさって北条の鼻を明かすのです?」
「それよ!関東平定じゃ!」
へへーっとまた平伏しようとした晴朝だが、バランスを崩して前につんのめった。それを見て思わず噴き出す氏姫。
「ププッ (*’艸`)゚+。 どうした?」
「いや、ちょっとお待ちください。関東平定とは何です?」
合点がゆかぬという晴朝の反応に氏姫は苛立ちを隠せない。
「あん?おぬし、わからんのか?」
氏姫は居住まいを正すと額に扇を当てて、やれやれ困ったという仕草をしてみせた。
「豊臣とやらが関東にちょっかいを出してくる様子だと聞く。だが、関東は遠く尊氏公の時代より足利のものと決まっておる。今は北条・上杉あたりがのさばっておるが、きゃつらに本分を教えてやり、従わせる。それが筋というものであろう?」
「え、ええ……」
「しかも豊臣とやらは幕府をないがしろにしてほしいままの政治をしていると聞く。不甲斐ない幕府も悪いが、政の乱れは民の怨嗟するところ。関東を平定した暁には遠く承久や尊氏公の故事に習い、京に上って政を糺すのじゃ。わかっておろう、晴朝。我には聞こえるのじゃ、無辜の民の我を求める声が!」
「さようでございますか」
幻聴だろ。
「我はここに足利引両の御旗を立て、まずは関東を平定するのじゃ。よいな」
お約束なので、へへーっと平伏しつつ、全然よくねぇって思う晴朝であった。
晴朝のレクチャー
「関東平定とあらば、とにもかくにも関東の情勢を今一度確認せねばなりますまい。不肖この晴朝めが簡単にご説明いたしたいと思うのですが」
「苦しゅうない」
お約束通り一度へへーっと平伏する。
「まずはこれをご覧下さい」
と晴朝は上のスクリーンショットを指差す。
「なんじゃこれは。おぬしが作ったのか?」
「いえ、最近の『信長の野望』ではシナリオ開始時に軍師役の家臣から情勢説明が入るようになっているのでございます。これはその画面をスクリーンショットしたものでして……。」
「何言ってるのかようわからん。そもそも信長はもう死んだぞ?……それと我の絵はもう少しなんとかならなかったのか?……こっ、これでは、わ、我がまるで……まるで幼女のようではないか」
「(え?そのままだけど?だいたいあんた、幼女枠……。)へへーっ。絵師に注意しておきまする」
「よ、よきにはからえ」
お約束通りまた平伏。晴朝もいささかこのやりとりに疲れてきた。
スクリーンショットをしげしげと眺めていた氏姫は、
「こう見ると、結城もまんざらでもないのぅ。で、どれが北条じゃ?右の方の牛っぽい兜のやつじゃったかの?」
「いえいえ、姫様……」
と言って晴朝はタブレットを操作する。すると……。
「この青いのなんじゃ?」
画面半分を覆う北条の家紋を不思議そうに扇でつつく氏姫様。
「北条でございます」
「な、な、なんと!」
晴朝の言葉にわなわなと震え出す氏姫様。無理もない、まだ世間を知らぬお年頃である、自分の無知をさぞ悔やんだであろうと思いきや……。
「これが全部我の領国になるのか!なんとよきこと!」
と目をらんらんと輝かせる始末。
「ええっ!?……いやちょっと待って?兵力差考えて!」
と氏姫の無鉄砲ぶりに思わず禿げ上がりそうになり、敬語も忘れてツッコむ晴朝。
慌てふためく尋常ならざる晴朝の様子に無礼を咎めるのも忘れて、
「兵力差?なんじゃそれは説明せい!」
と扇を向ける氏姫。
晴朝ははっとして姿勢を正すと、
「さればでございます」
と語り出す。
「それぞれの家紋の下に数字が見えると思いますが、それがその城の兵力でございます」
「ふむふむ」
「たとえば姫様にここでクイズを出しますが、我が結城の兵力はいくつでございまするか?A.1500 B.1800 C.1400 D.2000」
身を乗り出して画面を覗き込む氏姫。
「うーむ……。えっと『しぃ』の1400?」
「ファイナルアンサー?」
「ふぁ、ふぁいなるあんさぁ……って何?」
「ファイナルアンサー!?」
「ええい、わかったわかった。よくわからんが、ふぁいなるあんさぁ。顔近づけるな、鬱陶しい」
にじりよって身を乗り出していたが、途端に元の位置へ下がって身を糺し、真顔で黙り込む晴朝。
息を呑む氏姫。
二人の間をしばし緊迫した空気が漂い……。
「正解っ!」
ダーンダンダンダンダーン!パチパチパチ……。拍手喝采が鳴り響く。
「え、これ何?どっから聞こえてきたんじゃ?気色わるっ」
と思わずおぞけて身を浮かす氏姫。
「……まあとにかく姫様、同じように北条の数を数えてみなされ。そもそも江戸・河越・忍・鉢形などざっと眺めただけでもわが結城領全体の兵力と同等の城が近隣にひしめいておりまする。これではとても勝負にならんとお思いになりませぬか?」
晴朝はやんわりと諭した。さらに続ける。
「それに兵糧でございますが、上のほうをよく見て頂きますと、米俵の印の横に12581にかっこつきで+1806という数字があると思います。これが我が結城の現在の兵糧米の量と一年の収入でございますが……この量では5000の兵を半年戦わせるのがせいぜいというところでございます。つまり急いで兵を集めて仮になんとか北条と戦える数を揃えても、兵糧の関係で長期戦はできず、物量戦となれば資源力の差で自然と北条に飲み込まれるのが理。太平洋戦争での日本がごとく、仮に相手に一撃を与えたとて、総力戦という名の消耗戦になれば圧倒的物量を持つ相手には敵わぬのでございます」
「『たいへいようせんそう』とはなんぞ?」
きょとんとする氏姫だが、晴朝は聞き流した。
「とにもかくにも今すぐ戦をできないのはご承知でございましょう?」
ずりっとにじりよる晴朝に、氏姫も気圧されて
「う、うむ。まあわかった。よいよい」
と扇を当てて顔を背けた。
「じゃが、我に秘策ありと聞いたら、おぬし、なんとする?」
「秘策ですと?」
にやっと笑う氏姫の秘策とはいかに。
秘策「合従の御教書」
「まあこれを見るのじゃ」
と懐から紙の束を取り出す氏姫様。
「こ、これは!足利義昭公の花押の入った御判の御教書ではないですか!ど、どうしてこれを?」
内容を見て仰天する晴朝。
「ふふふふふ。出所は聞くな」
「いや、これ偽造したんですか?」
「しーっ!大きな声を出すな、ばかものっ!」
後ろで怪訝そうにこちらを見ている水谷の様子を伺いながら、氏姫は身を乗り出して、
「近うよれ」
と晴朝を招く。
「これを送れば近隣の大名家は必ず動く。我らは自ら戦う必要は無いのじゃ。北条の軍は他国に潰してもらい、その隙にちょろーっと空になった城を奪えば良いのじゃ。よい案であろう?」
身振り手振りを交えて楽しげに話す氏姫様の無邪気な様子に、晴朝もついつい相好を崩してしまう。そんな晴朝の額に、氏姫の扇がスコンと踊った。
「何を笑っておるんじゃ!しっかりせい。……ただ問題があっての……これは大量生産品ではなく、一つ一つ精魂込めて丁寧にまねて……じゃなくて手作りして仕上げておるゆえ、数を用意するのに時間がかかる」
「なるほど。つまりこれを発動するには時間を掛けて、軍事10・論議30・大命200の施策力を貯めなければならぬというわけですな」
「おぬし、時々よくわからんことを言うが、そういうことじゃ!」
水谷正村による序盤戦略解説
エエー…コホン。何やら氏姫様と晴朝様が悪巧みをしているようですが、ここで簡単にそれがし水谷正村が足利氏姫様の序盤戦略を解説いたしまする。しばしお付き合いくだされ。
我が結城家……もとい古河足利家の周囲には北条以外にも同盟勢力などがありますが、お互いをつぶし合うだけで国力は脅威になりませんから、佐竹以外は放置していて構いませぬ。そのうち滅びたり向こうから勝手に従属申請してきまする。
それにこれらの小大名は基本的に我が古河足利家以上に人材不足で、武将を捕らえても大した戦力強化にならないばかりか領地も貧弱で稼ぎも悪く、むしろ防衛の困難が増えるだけでございます。
上は我が古河足利家の家臣団でございまする。晴朝様とそれがし水谷正村は、こう申し上げると手前味噌ではございますが、とくに評定の要となるので重用すべきでございます。古河足利家の歴代にわたる忠臣の家柄である晴朝様は他家に引き抜かれることは無いとは思いまするが、恐れながらそれがし水谷正村の忠誠は晴朝様ほどではありません。感状を与えて懐柔して頂きたく思います。
多賀谷重経、それとご養子の結城朝勝様の忠誠が気になるかも知れませんが、北条に引き抜かれても我が家が北条を最後に滅ぼせばいずれ戻ってきますので、放っておきましょう。感状は北条家やそれ以後、大名家を吸収したときにたくさん必要になります。なるべく多く取っておきましょう。
こだわる人は別ですが、手軽にプレイしたいなら評定・行軍以外は委任で構いません。宣戦布告は基本的に大命頼みですから、タイミングが大事なのでCPUに任せてはいけません。評定も必ず自分で行いましょう。
評定ですが、我が古河足利家は方策よりは大命頼みで攻略を進めた方が有利です。「論議」「大命」を重視して評定を進めましょう。
方策ですが、我が家の問題は兵糧収入が少ないことです。また外交と施策力強化が重要になってきますので、論議系優先で軍事系・農業系を適宜兵糧系優先でとっていきましょう。
戦力はしばらく農兵主体になります。足軽系より農兵系を優先します。
順当に行けば、1591年の年明け早々に「合従の御教書」を発動できるはずです。たまったらすぐに発動します。ただし出兵は徳川や上杉の出兵で北条領の拠点が手薄になってから。
積年の苦労が報いられ、包囲網が完成した感激からか、晴朝様が「先陣を切りましょう!」なんてとち狂った発言をしていますが、無視するのが賢明でございます。
北条の手前側の拠点が手薄になったら素早く軍勢を進軍させます。基本的に触れるだけで降伏します。ただし欲張らないようにしましょう。御教書の効果が切れたら、北条と素早く講和します。
以上、それがし水谷正村が序盤の流れを解説させて頂きました。
晴朝、御教書の効果に小躍りする
足利氏姫の偽造した「合従の御教書」は効果覿面で、それによって周辺大名家すべてが参加した第一次関東大戦によって、古河足利家の領国は一気に2倍となった。
「江戸城も欲しかったが欲張りすぎたのぅ。ああ、悔しい」
古河足利家の軍勢は江戸城も包囲したが、思いのほか長引き、なんとか落としたものの、直後に北条軍が4000ほどでやってきてたまらず退散、取り返されていた。そうこうしているうちに御教書の効果が切れ、北条に講和をもちかけられて表向き笑顔で受諾。盟主のくせに真っ先に戦線から離脱したのであった。そう、晴朝の言う如く、先陣を切ったのである、講和でな。
他でもない、足利氏姫様は平和をこよなく愛しているのである。←棒読み
「佐竹やら佐野やら里見など、それほど期待しておらなかったが案外に忠義者よの。連合軍主力の徳川が北条と講和したあとも、しばらく戦って気を吐いておったわ」
寝転がって足をバタバタさせながら、画面を眺めてご満悦の氏姫様である。
とはいえ、また次の御教書を書かなければならない。
「あーもう疲れたー」
と毎日ぼやきながら、晴朝と水谷に促されてせっせと御教書作成にいそしむのであった。
そうして月日は経ち――。
「おっしゃあ、御教書たまったぁ!陣触れを出せい!」
再び御教書が発動された。ドドンドドドドン!
一斉に襲いかかる連合軍を見て、足利氏姫様もウキウキ。
「河越・鉢形・江戸は確保したいんじゃがのぅ。皆ちょっと猛りすぎて北条が滅亡しちゃわないか心配じゃ!」
なんて具合である。
手薄となった河越城は速攻で陥落させたが、鉢形城は上杉に、江戸城は徳川にいち早く軍勢を向けられ、しかたなくちょっと遠い玉縄城まで軍を展開する古河足利軍。
出発時は兵数100程度だったので触れるだけで陥落と思いきや、行軍中に兵が帰城して守備兵は2000ほどに。他の城も軒並み包囲されていたので、後詰の心配はなく、こちらは約3500の手勢。時間を掛ければいいやと囲んでいると、敵は城から撃って出るというまさかの手に出て、古河足利家は初めての決戦を経験することに。
CPUに委任すると負けそうと言われたので、一生懸命手動で戦うプレーヤー、もとい、水谷正村。軍勢数が少ない場合は作戦を練るより罠を多く配置して相手を引っ掛けるほうが有効なので、ひたすら罠を仕掛けて万全の構えで臨んだが、自軍罠に引き込もうとしたらすぐ近くに敵の罠があるというハメ技を食らって、戦況は大ピンチに。
それでもこちらの主将の水谷正村に敵を引き付けて取り巻きを引き剥がしつつ、残りの2部隊で北条軍主将の多目元忠を追いかけ回してなんとか勝ちに持ち込む。
運が良かったのは徳川の力攻めが予想以上に時間がかかっていたので、包囲しているこちらの兵数が減ったおかげで逆に城が即落ちしなかったこと。合戦で大勝してたら即落ちして北条家武将を徳川に総取りされてた可能性があるわけで、それを防げたのはよかった。
こうして北条家は古河足利の軍門に降ることとなった。
(ゲーム上は親族設定されていないが)親族である北条家を自ら笑顔で迎える氏姫様。死を覚悟して現れた氏政に、手を差し伸べ、優しく微笑み返す。それはまるで戦国に舞い降りた天女のようであった……と書けと右筆は命じられたというので、公式記録上はそういうことになっている。
「これからは我のために一家団結して仕えてくれ!そちたちの祖先早雲公の王道、我がその意志継がん」
へへーっと平伏する北条家臣一同であった。
だが、氏姫様には気掛かりなことが一つ。
「あれ?美人で優しい蔵春院おばちゃまがいなくない?」
見回すと今川氏真室で北条氏康の娘、蔵春院の姿がない。氏政が遠慮がちに言上する。
「氏姫様、妹は夫君とともに今は徳川家に仕えておるのでございます」
「なんですとー!?」
驚いて全国の武将情報を確認すると、そもそも蔵春院はシナリオ開始時から徳川家に仕官している。だが蔵春院を心から敬愛していて、家臣に迎えたいと思っていたプレーヤー、もとい足利氏姫様はこれに逆上する。
「キーーーーーッ!徳川許すまじ!御教書食らわせたろか!」
「いやいや、徳川はなりませぬ。対豊臣の防波堤として必要でございます」
顔真っ赤な氏姫様を家臣一同なだめるのであった。
水谷正村の状況解説
お久しぶりでございます、それがし水谷正村でございます。ここまで長らくお読みいただき、ありがとうございました。足利氏姫さまのその後の状況を読者の皆様に解説させて頂きたく、また参上つかまつりました。
さて、上にご覧のスクリーンショットが北条家滅亡後の関東でございます。氏姫様の当初の目論見としては、このあと徳川・上杉と仲良くしつつ、武将が豊富な真田を伺い、その後はじっくり、御教書で伊達・佐竹・上杉の争いを誘発して東北に介入して漁夫の利を狙う作戦だったのございますが、鉢形城を上杉が領有したために、真田に介入できないという状況に。
真田家は編集済みで謀略戦のプロ集団として仕上がっており、ちょっと城を落とすだけで戦国屈指の実力集団が手に入るコスパは素晴らしく、徳川・上杉といった周辺諸国に比べてまだ人材面で劣る我が古河足利家にとって、喉から手が出るほどほしいのでございます。
でも上杉が邪魔。ってことで、上杉に御教書2回くらい発動いたしました。ドドドンドン!
で、こうなりました。徳川・佐竹とは同盟結んじゃったんで、次は伊達を狙おうかと思いつつ、真田の所領半分と武将全部かっさらっちゃった形だったので、豊臣激おこプンプンかなぁって振り返って顔色を窺っていたのでございますが、豊臣はまさかの福島家と開戦。このあと大谷家とも開戦して子飼いの大名家潰しを始めました。豊臣こえぇえ!
豊臣家には北条氏政様が我が家の外交役として伺候されていましたので、それが功を奏したのかも知れません。秀吉様はしきりと氏政様の上洛を求めていたそうでございますから。
それに西国には、大志スタッフに熱烈な長宗我部ファンでもいるのか、なぜか今作で鬼強化された長宗我部家がいるので、それが健在なうちは、北条滅亡後の関東には手を出してこないかもしれません。このシナリオでは徳川も蒲生や清洲織田家あたりを吸収して強大化する傾向にありますから、豊臣はそちらとやりあう可能性もあります。
その徳川ですが、御教書効果でともに連合軍として戦った間柄である我が家に対する評価は、普通にプレイしているならかなり高まっているはずなので、それを維持している限り、こちらには攻め込んできません。基本徳川の戦争には支持を与えていれば、かなり友好的に振る舞ってくれます。
さて今回のケースでは、豊臣が身内の粛清にいそしんでくれていたので、どさくさに紛れて、古河足利家の南北に長い領地を分断していて邪魔だった佐野家を滅ぼしました。そしたら佐野に恩義があったらしい徳川が文句言ってきてビビりましたが、徳川も他で戦争中で介入してこなかったんで無事ことなきを得た感じでございます。
これから東北平定に向かうであろう我が古河足利家家にとって徳川家との関係はしばらく最重要でございます。
頃合いもよろしいようですので、今日のお話はここでお開きとさせて頂きたく思います。まだ武将編集も終わっていないので、ここまでプレイすれば充分満足という感じなので、この続きはたぶんプレイしません。
氏姫「我はようやくめぐりはじめたばかりじゃ!この果てしなく長い、天下漫遊の旅をな」
って感じで打ち切り男坂ENDでございます。続きに興味がある方は、是非自分で氏姫様を作成してプレイしてみて下さい。
解説はそれがし水谷正村でございました。最後までご愛読ありがとうございました!次の作品にご期待下さい!(未完)
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