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【完全ワイヤレスイヤホン LEZII A1 レビュー】中高域の光沢ある解像度感に振った、ややシャリ傾向の明るい鳴らし方をする。高級感ある外観も悪くない。おすすめ

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LEZII A1

LEZII A1

LEZII A1 TWS Mini Bluetooth Earphone Wireless Touch In-ear Binaural Earbuds - Dark Gray

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「小型で付け心地はコンパクト。通信品質は距離耐性は異様に良好なんだが、まれに不安定」

おすすめ度*1

LEZII A1

ASIN

B07MF742YX

 装着感は悪くない。大きさは現状の完全ワイヤレスイヤホンでも小型な部類で嵌まりやすく、耳当たりもなめらか。遮音性は高く、音漏れもそれほど目立たない。

 aptXには対応しない。コーデックはおそらくSBCのみ。通信品質は基本的に安定しており、遅延途絶はない。ただし、ONKYO GRANBEATでabemaTVを見たら、若干の遅延を感じるときがあり、それほど不自然ではないが、口パク感は時々出る(ここらへんは通信状況で全く遅延が出ない場合もある)。ゲームは厳しいかな。

 また稀に途絶がある。耳を手で覆ってみても途絶する感じはないので、左右の通信が悪いわけではないらしく、何らかの環境的要因によっている可能性がある。もしかすると外出時には環境によって途切れやすいかも知れない。

 一方で距離による音飛び・途絶に対する耐性は高く、距離をとっても音が途切れずシームレス。私の家の場合、自分の部屋に再生機器を置いて、階下にあるトイレに入り、扉を閉めるとほぼ全ての完全ワイヤレスイヤホンは音が途切れて使えなくなるが、このイヤホンは使えた。GRANBEATとSONY NW-A55で試して途切れなかったので、たぶんこの距離耐性は万能。よくわからんけど、この点はすごい。

 

【2】外観・インターフェース・付属品「ケースデザインはこの価格帯ではありえないほどかっこよく、耐久性もある」

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル(Type-C)、専用充電ケース、説明書。

 

 専用充電ケースはジュラルミンっぽい高級感のあるアルミニウム合金で、この価格帯では屈指のかっこよさ。しかも開閉部にLEDライトが仕込まれていて、イヤホンの着脱時、ケースの充電時などに光る、妙に近未来的なデザイン。この価格帯でここまで高級感があって耐久性も意識したデザインは他にない。ただしデカイので私のオーディオバッグのポケットにうまく収まらない。

 イヤホンドックの部分はマグネット式で吸い付く。左のイヤホンドックが少し陰になる位置で若干取り出しづらい感じはある。

 画質は悪いけど、同じような質感のNW-A55と並べた画像を以下に掲載する。質感が似ていることがわかると思う。NW-A55は外観にかなり高級感があるので、これに劣らない高級感があることが伝われば嬉しい。

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自動ペアリング&自動接続/切断には完璧対応

 ケースからイヤホンを出しただけで自動ペアリング、自動接続/切断を完全に実現している。ここらへんは最新機種らしく、スムーズな使い勝手を実現している。

 

連続再生時間と最大再生時間ははっきりしないが、優秀という感じではない

 GearBest.comの商品ページには音楽再生時間5-6時間と書いてあるんだけど、マニュアルには3時間と書いてある。イヤホン単体のバッテリーが50mAhでケースの容量が400mAh(100mAh×4回分)ケース込みの最大再生時間は15時間~30時間となるが、たぶん15時間くらいが実感に近い。

 というのも、テスト中満充電状態から実測2時間42分くらいにレシーバー側のLイヤホンの充電が切れて接続が止まったので、おそらくスペックは連続再生3時間が正しいんじゃないかと思う。そうするとスペック的には物足りない。

 

【3】音質「清潔感のある中高域の魅力を生かす、鮮明感と見通し重視の音」

 音質的には全体的に少し音が細めに感じやすく、明るい感じはあり、輪郭感も少し強い。ピアノも少しキンキンした光沢感があり、弦楽も芯を強調する感じがあって少し尖ってところがあり、ボーイング感を重視した鳴らし方で場合によって少しヒステリック気味に感じやすいところもあるかも知れない。

 金属光沢やボーカルの息感、「ツ」音やサ行は出やすいところはあり、ロックではシャープネスを強調した感じでやや攻撃的な味が強めに出る。ドラムも表面の反発力を強調した音で重厚感を感じる音ではないので、明るくアグレッシヴな若い感じになる。正統派ロックよりはポップスに寄った表現。

 クラブサウンドやアイドル系アニソンは明るく聴かせる音質傾向が合致するところがあり、音の分離感はこの価格帯では高めな方である。グラフェン系に近いサウンド表現であるが、光沢感や透明感は強すぎるほどのバランスはなっておらず、音にふっくら感はあまりないが細すぎる感じでもない。ボーカルの分離感は良く、さわやかな空間につややかな女声ボーカルがかなり綺麗に出るので、ここらへんのジャンルには強みを感じる。

 クラシックやJAZZに関しては全体的に明るく、輪郭感を出して中高域に寄った表現になるので、弦楽や明るい金管、高域木管に妙味があるが、深掘り感は出ても重厚感に乏しい。JAZZのジャンル的にはスムースJAZZのような比較的都会的で明るいサウンドを楽しむのに向く。

 同価格帯ではKOMODO U10といったグラフェン系キラキラサウンド全開のイヤホンと同じ傾向を目指しながら、少しだけ音に丸みを出して聴きやすいバランスにしたという感じ。ただ全体としてはキラシャリ系サウンドとして括られることは間違いない。低域も目立っているが、厚みはなく、音場全体が晴れているので、こういうサウンドをドンシャリと表現できるかは微妙なところで、印象的にはドンシャリ系に聞こえるので、たぶんドンシャリという人もいるだろうが、ドンはあまり出てこない。

 かなりシンバル周りがシャリシャリするのと、ボーカルによって息感が強く出るので、おそらくロックジャンルの曲ではやや聞き疲れしやすい要素が出るが、それを除けば、輪郭を強調して鮮明感が強い音作りをしている印象を受ける割に意外と音に丸みや少しの厚みが維持されており、解像度を無理に出し過ぎる印象はなく、聞き疲れはそれほどでもない。音味はクール。

 

[高音]:キラキラ感や透明感は強調され、弦楽も芯が伸びて突き抜ける感じがある。全体的に発色が良く、目立ちやすい(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:明るめでかなり晴れ渡っている。この価格帯では楽器音の分離感はかなりよい印象。ギターはエッジが目立つバランスで少し明るい。

[低音]:ゆるいやわらかめの振動で100hz~50hzまで素直な減衰。40hz以降は少し淡く薄い印象で、30hz~20hzもかすかに振動を感じる。低域はブーミーさはなく、厚ぼったい感じもなく、淡泊でズンズンと少し沈んで味付けするくらいの印象。ただし見通し感があるので、重量感はあまりないが音の存在感ははっきり感じる(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:中高域がさわやかで、低域も厚くなく軽快な味付けで、上から下まで視界良好。圧迫感のない音。床面が強く感じられないので、足場は抜けている印象を受ける(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムはパツパツと詰まる感じが強い、粘りも少し感じられる音。色味は明るめで火力は軽快なエンジン感がある。シンバルの粒感と発色のバランスはこの価格帯では悪くなく、ライドシンバルでツッツッと詰まる感じは結構感じられる。意外にもドラムスティックの残響感は明るすぎず、コツコツした傾向の少し肉のある太さが感じられる音。このバランスだとカッカッって感じでもっと明るく聞こえるかと思ったけど(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルは明るめ。女声ボーカルの艶やかさは味わいやすい。サ行と「ツ」音は相対的に目立ちやすく、ロックでは気になるかも。男性ボーカルは少し女性っぽくなりやすい。

 

【4】官能性「清潔感のあるすっきりサウンド」

坂本龍一「The Wuthering Heights」

  すっきりした中高域の空間に、やや明るめに弦楽とピアノがきれいに聞こえるバランスは、おそらくこの曲向き。全体的にクールな音味なので、楽器音のテンションが強めに感じられるところはあり、少しヒステリックな感じが強いとも思うが、それがこの曲の静かな激情をよく表現する。音は全体的に少し細いが、細すぎて無機的には聞こえない。この名曲を低価格完全ワイヤレスイヤホンで味わうなら有力選択肢の一つ。

 


1996

 

小田和正「そのままの君が好き」

 私はこの曲を普段、NUARL NT01AXBang & Olufsen E8 2.0で聴いているが、この機種はバランス的には後者に近く、低域のウォーム感を抑えて、淡いベースラインに中高域の鮮明感重視で聴かせる。空間の透明度を高く感じさせる鳴らし方で、ハイハットとボーカルとシンセの透明感、ライドシンバルの音が目立つバランスである。ボーカルは透ける感じが若干強く、小田和正の透明感を味わうには悪くない。しかも光沢は強調されているが、強調しすぎているほどではないので、艶やかで息遣いも鮮明に聴ける。低価格でもこの曲をすっきり聴けるんだから、小田和正の曲に限ればコスパは悪くない気がする。

 ただしE8 2.0に雰囲気は似ているが、E8 2.0のほうがライドシンバルはさわやかなバランスで、ドラムの反発感はより張りのある清明な音に聞こえ、この機種よりはもっと清潔感に寄っている。逆に透明感はこちらのほうが強く、ボーカルがよりつややかに聞こえる。若干「ツ」が強く出やすいところとかは似てるけど。

 


MY HOME TOWN

 

澤野弘之「never gonna change」

 私の大好きな澤野弘之どのと私の大好きなスキマスイッチがfeaturingしてるとかいう私にとっての神曲。ほかにもこのアルバムには私の好きな、さユりとfeaturingってる曲もあってヤバイ。

 で、この曲結構低域が持ち上がってきたりするとだいぶうるさい感じが出ると思うけど、このイヤホンなら低域かなりすっきりして中高域の緻密さとボーカルを思う存分味わえます。もう一つこの曲を味わう上で、このイヤホンがかなりいいと思えるのは、ギターのカッティングが刻みもよく、しかもわずかに丸みもあって尖ってはいるけど、尖りすぎないバランスで聞こえてくるあたり。この曲を楽しむにはかなりいいね。

 


R∃/MEMBER(初回生産限定盤)(Blu-ray Disc付)(特典なし)

 

UVERWorld「Touch off」

 この曲は少し明るいバランスで聴かせる。この点もう少し低域に黒みがあってダークな感じとかドライな感じがほしい人は多いと思うので、難しいが、この価格のモデルにしては中高域を分離感よくすっきり聴かせるので、うるさくなりやすい傾向があるこの曲でも混濁した感じがなく、意外と解像度感が感じられて素直に感心する。低域にブーム感があまりないので迫力に劣るところがあるのは事実だが、聞き疲れせずに聞き込みやすい感じではある。

 


【早期購入特典あり】Touch off(初回生産限定盤)(2CD)(ポストカード(UVERworld絵柄)付)

 

三浦秀美「Gatherway」

 中高域の解像度感とか見通しは悪くないので、結構聞き込めるんだけど、やっぱり低域のボリューム不足感だけは如何ともしがたいところがあって、たとえばこの曲の中高域の聞こえはギターのエッジの良さも含めて、お値段以上くらいには精彩があると思うんだけど、低域音に膨張感が出ないから、妙にスカスカする。中低域にほどよい厚みがあるNUARL NT01AXやJBL FREE Xで聴くと、そういう不足感はないから、最近の曲よりも音数の少ない一昔前のポップスやアニソンを聴くと、少し物足りなさを隠せないかも知れない。

 


Gatherway 「勇者エクスカイザー」主題歌

 

笠原弘子「空の向こうに」

 上のHD版Trailerは岡崎律子バージョンで笠原弘子版じゃナイネ。

 この曲は意外とボーカルの色合いが変わって聞こえやすい曲で、たとえばSENNHEISER MOMENTUM True Wireless(MTW)で聴くとかなり暗く感じやすいので、私はNUARL NT01AXやBang & Olufsen E8 2.0の発色の良いボーカル表現が好き。で、このイヤホンもどちらかと言えば発色が良い方で明るく聞こえる。ただし、「ツ」の音やサ行が尖って出やすく、これらの格上イヤホンに比べると滑らかな聴き心地はない。透明感と見通しが良い感じで聴けるので、この曲の清潔感は良く出ているが、空間がクリーンなだけに余計に息感の尖りが目立つところがある。

 どうでもいいけど、このボーカルアルバムがamazonでものすごいプレミア商品化してて草が生える。まあ岡崎律子「For RITZ」と合わせて私にとってもこのアルバムは神アルバムなんで、金積まれても手放す気ないけど。「For RITZ」はぼったくってないので、曲が聴きたいならそちらをおすすめ。ただ、個人的にはこっちのボーカルも捨てがたくて困るけど。「For RITZ」にはさらに神曲「For フルーツバスケット」も入ってるけどね。思い出したけど「フルーツバスケット」新アニメくるんだった。←宣伝

fruba.jp

 

 そういや私の大好きなrionosさんがカバーしてるけど、いいね。

 


シンフォニックレイン ボーカルアルバム「RAINBOW」

 

【5】ライバルとなる機種「KOMODO U10」

KOMODO U10

KOMODO U10

 音質傾向が似ていて、よりはっきりした明瞭感のあるサウンドを奏でるKOMODO U10は価格帯も近く、ライバルになる。KOMODO U10はこの機種に比べると、より音が硬質で金属光沢も強く、刻みも強い感じの音になるので、少しトゲトゲしい感じがあるが、デジタル系サウンドの緻密感はより繊細に味わえる。

 価格的にはKOMODO U10のほうが若干格上で、スペック的にもU10が勝るが、付け心地や通信品質はA1のほうが優秀に思える。

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【6】総評「音像重視のサウンドと高級感のあるデザインが気に入ったならオススメ」

 中高域の音像重視ですっきりきれいに聴かせる感じには好感が持てる。デザインも凝っていて、独特の格好良さがある。通信品質面はやや独特で、一概に優れているとは言いづらいが、距離に対する途絶や遅延がほぼなく、この点だけは驚いた。

 最近のデジタル系サウンドに強く、女声ボーカルがきれいに聞こえるので、とくにアニソンにはそういう傾向の曲が多く、満足感を感じられるだろう。

 

LEZII A1

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

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