ONKYO DP-X1A デジタルオーディオプレーヤー ハイレゾ対応 ブラック DP-X1A(B) 【国内正規品】
- 【1】外観/操作性「液晶が大きくて見やすいが、やっぱりデカイ。操作インターフェースは一部仕様がGRANBEATと異なる」
- 【2】ライバル「SONY NW-ZX300」「ONKYO GRANBEAT DP-CMX1」との機能比較
- 【3】連続再生時間「物足りない。発熱も大きい」
- 【4】音質「GRANBEATよりコントラスト感が高く、低域に厚みを感じる」
- 【5】総評「音質的にはGRANBEATより上位に感じられるが、使い勝手は劣る」
- 【関連記事】
ONKYO GRANBEATとBang & Olufsen E8 2.0のコンビネーションがかなり気に入ったので、いろんなところで見せびらかしながら「DP-X1Aも興味出てきたんですけど、高くなっちゃいましたよねー」って話をしてたら、とある店で「DP-X1Aの状態の良い完品中古品が手に入ったんだけど、買わない?安くするよ」と言われ、かなり勉強してくれた値段提示されたんで即買いしました。
GRANBEAT検討してた時はアプリが使えるかどうかが問題だったんで、Android OS性能をとくに重視して見てたのでDP-X1AよりはGRANBEAT優先だったことと、すでにDP-X1Aが値上がりしててコスパ下がってきてた上に、逆にGRANBEATはamazonで10%以上の大量ポイントがつくんで実質底値圏ということもありコスパが高くなっており、ONKYOの直販でもアウトレット品が安値で手に入りやすいので、両者を比較した場合DP-X1Aはアウトオブ眼中だったんですが、GRANBEAT手に入れてからは私の中でかなりONKYOブランドの評価が上がったんで、DP-X1Aに興味津々になりました。
そこで方々でDP-X1Aの特売でもないかと探し回りつつ、店員さんには「GRANBEATが良かったんでDP-X1Aも興味あるんですわー」と水を向け続けていたというわけ。で、その1ヶ月間の努力が実ったのか、1週間ほど前に念願のONKYO DP-X1A手に入れることができました。デデデデデーン!
【1】外観/操作性「液晶が大きくて見やすいが、やっぱりデカイ。操作インターフェースは一部仕様がGRANBEATと異なる」
携行性と操作感に関しては個人的にはぶっちゃけGRANBEAT以下です。重さはGRANBEATより軽いですが、横幅の広いデザインが面倒です。GRANBEATはまだ片手にすんなり収まる感じでしたが、DP-X1Aはしっかり持てば手に収まるんですけど、個人的にいまいち取り出しや取り回しが悪い印象です。
例の如く画質が悪いですが、比較画像です。左からONKYO GRANBEAT DP-CMX1、ONKYO DP-X1A、SONY NW-ZX300です。画質が悪いのでわかりづらいと思いますが、液晶の発色が最もよいのはGRANBEATで、ほかの機種はやや白色が足りないのか少し黄ばんだ感じです。GRANBEATに比べると、DP-X1Aは厚みも少しあります。
標準プレーヤーアプリのバージョンがGRANBEATとは違うらしく、デザインが若干異なります。GRANBEATのプレーヤーのほうが細かい点でより豪華になっていて、たとえば再生画面を閉じた後のガジェット表示の際にアルバムアートが表示されるようになるなど改良が加えられています。なおプレーヤーアプリはネットにつなげば自動的にアップデートされますから、ネット環境があれば差は出ません。よく見ると同じ曲でもPCM再生品質はGRANBEATが48khz、DP-X1Aが96khzで差があるように見えますが、これはワイヤレス接続すると48khzに下がってしまい、表示が変わってないだけでGRANBEATでも有線なら96khz再生になります。
インターフェースデザインも少し異なり、ボリュームダイヤルの向きが違うなどわかりやすい相違点もありますが、GRANBEATはHOLDボタンがあります。DP-X1Aは画面を非表示にすればHOLD状態になるのですが、これだとポケットで操作する人には画面の表示・非表示がわかりませんから、操作が反応しない場合はいちいち電源ボタンを押したりする必要があります。それに対し、GRANBEATはHOLDボタンで操作を受け付けるかどうか制御できますから、プレーヤーとしては使いやすいと言えるかも知れません。私はあんまりこだわりませんけどね。
オーディオ端子は3.5mmアンバランスと2.5mmバランス接続に対応しており、ワイヤレスオーディオコーデックとしては SBC / apt-X / apt-X HD に対応しています。これはGRANBEATと変わりません。
【2】ライバル「SONY NW-ZX300」「ONKYO GRANBEAT DP-CMX1」との機能比較
機能面ではほぼGRANBEATと同等なので、ライバルのSONY NW-ZX300との機能差も共通になります。
DP-X1Aの機能面での利点
- 画面が大きく、きれい
- 2.5mmバランス接続可能
- 高機能なイコライザーつきの専用ミュージック再生アプリ
- Google Play ストアアプリが使えるので、radikoやamazon musicなどのストリーミングアプリや動画再生アプリ、語学学習アプリが使える
- 壁紙は着せ替え可能
NW-ZX300の機能面での利点
- 4.4mmバランス接続可能
- LDACコーデックが使える
- USB DAC機能
- ワイヤレスオーディオレシーバー機能
- 僅差ではあるが、DP-X1Aより持ち運びやすい
GRANBEATとはほぼクリソツな使い勝手ですが、若干の差があります。
ONKYO GRANBEAT DP-CMX1の利点
- 画面の発色が良い
- Android OSのバージョンが新しい
- スピーカーがついている
- スマホとして使える
- バッテリー持ちが良い
- HOLDボタン付き
ONKYO DP-X1Aの利点
- 音量調整が細かくできる
- microSDスロットが2つ(GRANBEATは1つ)
- GRANBEATであった一部の完全ワイヤレスイヤホンとの相性問題が無い
DP-X1Aの利点の「3.」についてはわかりづらいと思いますので補足しますが、GRANBEATでは一部の完全ワイヤレスイヤホンで左右がズレて聞こえるという現象が起きました。メーカー品は大抵問題が無く、この現象が発生するのは低価格の中華製完全ワイヤレスイヤホンと接続したときが多いです。一方、この1週間、GRANBEATで左右ズレが発生したイヤホンをいくつかDP-X1Aにつないで聴いてみましたが、左右ズレは発生していません。
【3】連続再生時間「物足りない。発熱も大きい」
GRANBEATのレビューの時にも申し上げたように、私はGRANBEATのスマホ機能は使っていませんので、使い方によっては体感が変わる可能性がありますが、GRANBEATの電池持ちに充分な満足感がある一方、DP-X1Aのバッテリー性能には少し不足感を覚えます。
GRANBEATとDP-X1AでabemaTVを同時に見てバッテリーの減りを確認しましたが、DP-X1Aの発熱が大きいのも気になりました。バッテリー品質についてはいろいろ言われていますが、私の体感ではAstell & Kern系のスペック10時間の体感とあまり変わらない印象です。
製品名 |
操作性 |
対応コーデック | 連続再生時間 |
---|---|---|---|
SR15 | ○ | SBC/aptX/aptX HD | 10時間(実際はもっと短い) |
CT10 | ◎ | SBC/aptX/aptX HD | 10時間(実際はもっと短い) |
NW-A27 | ○ | SBC/aptX/LDAC | 23時間(SBC時、充分一日使える) |
NW-ZX300 | △ | SBC/aptX/aptX HD/LDAC | 14時間(LDAC時、ほぼ一日使える) |
NW-A55 | ◎ | SBC/aptX/aptX HD/LDAC | 13時間(LDAC時、ほぼ一日使える) |
GRANBEAT | △ | SBC/aptX/aptX HD | 22時間(私の使い方ではワイヤレス接続利用しても、実測10時間はもつ) |
DP-X1A | △ | SBC/aptX/aptX HD | 16時間(普通は10時間も持たないだろう) |
【4】音質「GRANBEATよりコントラスト感が高く、低域に厚みを感じる」
素性的にはGRANBEATと似ているところがあって、価格帯では音場の見通しが良く、広く感じられるところは共通しています。いろいろレビューを読み比べると、GRANBEATよりも音質の評価は総合的に上というのが一般的です。
私の聴いている音の印象と合わせてGRANBEATとの違いを説明しますと、GRANNBEATでは低域に黒みが出づらく、全体的に淡くさわやかな印象があり、コントラスト感に不足を感じることは確かで、ロックやJAZZなんかでは少し濃厚味に欠けるところはあるかもしれません。コントラスト感がある音は厚みもはっきり出るところがあり、メリハリ感や音に色味が乗りやすく、発色が良くなるので華やかさも出やすいです。
一方で見通し感に関して言えば、よりすっきりしてさわやかなGRANBEATの音に「素直」な印象を受けると思いますが、個々の楽器の発色の良さとそれに伴う音像の明瞭さあたりを考慮するとDP-X1Aの音により説得力を感じる人が多そうな気がします。音の発色が良いのでイコライザーの変化もより感じられやすいという人がたぶん多いでしょう。
ちなみに聞き比べは女声ボーカルと男声ボーカルが入っているほか、全体的に音の情報量が多く、演出感や変化も多いfhána「虹を編めたら」で行っています。イヤホンは音場が広めで定位感がわかりやすい上に、演出が少なくて音味が素直に出るMUSICMAKER TONEKING BL1を使っています。
ガチライバルになりやすいNW-ZX300に対しては、NW-ZX300のほうが低域の黒みがより強くて音の色味は濃い印象を受けると思います。全体的にNW-ZX300の音の方が厚みも感じるので、ボリューム感が感じられますが、一方で空間の見通し感に関してはDP-X1Aのほうが優れている印象で、音場は広く感じられます。そのため中高域ももう少しさわやかにクリーンな感じで聞こえてくるところがあります。
製品名 |
音質傾向 |
音場 | 解像度 |
---|---|---|---|
SR15 | フラット | 広大 | 高い |
CT10 | フラット | やや広 | 高め |
NW-A27 | ドンシャリ(シャリ感強め) | 狭い | 普通 |
NW-ZX300 | ドンシャリ(低域やや強) | やや広 | 高い |
NW-A55 | ドンシャリ | やや広 | 高め |
GRANBEAT | 弱ドンシャリ | 広め | 高い |
DP-X1A | ドンシャリ | 広め | 高い |
DAP比較の参考記事
いろいろDAPを比較しているんで、もっと知りたい人は以下の記事も読んでみてください。
【5】総評「音質的にはGRANBEATより上位に感じられるが、使い勝手は劣る」
で、ここ1週間ばかりGRANBEATと比較しながら使い倒した結果、私の個人的な結論としては音質にかなりの魅力を感じるものの、コントラスト感のある音楽を楽しむなら、すでにNW-ZX300やNW-A55もあるという理由もあって、「GRANBEATがあれば別にDP-X1Aはなくてもいいや」という考えで落ち着いたので、これはたぶんすぐ手放します。GRANBEATのほうが私にはより楽しい製品に感じられました。音質はDP-X1Aのほうが楽しい印象だったので、おそらく電池持ちと携行性、液晶画面の発色、スピーカーがあるかないかあたりが判断基準だったんだと思います。この2機種はあえて2つも要らないなって思ってから、どっちを残すかって考えて、GRANBEATのほうが手許に残したいって気持ちが強かったという感じです*1。そもそもGRANBEATもDP-X1Aもかさばる系のDAPなんで、2つも持ち歩くの実用的じゃないしね。
私の結論としてはGRANBEATを残してDP-X1Aを手放すということになりましたが、音質はDP-X1Aのほうが発色はよく、GRANBEATで見られた低価格中華製完全ワイヤレスイヤホンでの左右ズレ問題が発生しないことを考えると、通信安定性もより優れている可能性があります。
バッテリー持ちの悪さは気になりますが、魅力的な製品であることは間違いありません。ただすでに生産終了し、ものすごい勢いで値上がりしている状況ですので、新品で買うとコスパが若干悪いことは確かです。中古品の状態の良い物を探すのがよいかもしれません。
まあ率直な意見を述べるとすれば、この価格帯では純DAPとしてはSONY NW-ZX300のほうが総合的には満足できそうな気がします。最終的には使い方にもよるんですけど。
ONKYO DP-X1A デジタルオーディオプレーヤー ハイレゾ対応 ブラック DP-X1A(B) 【国内正規品】
【関連記事】
*1:ついでにより個人的な事情を付け加えれば、様々な製品をレビューする関係上、GRANBEATで起こる完全ワイヤレス相性問題は今のところGRANBEATでしか再現しないので、それを判別する手段として必要ってこともありました。