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【コラム】「家電批評」のTE-D01g評、パッと見結構厳しいね。でも数値だけ見ると評価はそこそこ妥当な気がする。

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家電批評 2019年7月号

家電批評 2019年7月号

家電批評 2019年 07 月号 [雑誌]

 

 

なんと!天下の「家電批評」さんの仕事が珍しく早い

 こんにちは。「家電批評」愛読者兼ツッコミ担当です。今号はAVIOT TE-D01gのレビューが載ってました。なぜか完全ワイヤレスイヤホンの流行機種をスルーして変なのばっかレビューする傾向のある「家電批評」&「MONOQLO」にしては、ヤケにど真ん中の流行機種を機敏に攻めてスピード感があります。AVIOTサンプル配ったんかな?わからんけど。

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相変わらずの貶しっぷり

 さて、そのTE-D01gのレビュー。相変わらず情報量が少ないレビューなんで、読解するのに想像力を必要としますが、今までよくわからんコメントでお茶を濁してたのに比べると、今回はだいぶキレ味のよいコメント載ってます。曰く、「低音がゆるい」「音離れが悪くもっさり」。思わず失笑。そりゃTE-D01dと比べりゃそうだけど、おたくらがさんざんべた褒めしてたHAVITのG1とかいうのに比べりゃだいぶマシよ?ま、G1とTE-D01gじゃ価格帯も違うし、私は粗探しレビューする派じゃないんで、そこらへんは目を瞑るの余裕だから、いいけど。

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 「低域がゆるい」というのは私もレビューで同じこと書いたし、難解さもないと思いますけど、「音離れが悪い」というコメントは若干解釈に困るところがあります。というのも、いろいろレビューを読んでも「音離れ」って定義がイマイチはっきりしません。したがって、どういう音の鳴り方を「音離れ」とこのレビュアーが定義しているかが明確にならないと、これは最終的に意味が分かりません。

 

「音離れ」考

 私が聴いているTE-D01gの音の特性を考えて、この「音離れ」というのが何を指しているのか考えると、おそらくこれは「分離感」の話をしているはずです*1。TE-D01gのレビューで説明しましたが、TE-d01gはTE-D01dと違ってとくに高域でシャープネスが緩いので、高域で音のディテールが甘く感じられるところがあり、そのせいで解像度が劣ると判断される可能性があることをレビューで示唆しました。

 「家電批評」は点数も付けているので確認すると、音域評価では高中低全て「14」だったTE-D01dに比べて、TE-D01gは高音から低音に順番に並べると、「11」「12」「13」となっており、やはり高域の評価が大きく劣っています。高域の不足は全体的な音場の発色に影響しやすく、とくにコントラスト感に関わってくるうえ、経験上高域に詳細なディテールがあると音像が明瞭であると感じられて解像度が高いと判断する人は多いです。私の経験上、高域が弱いと明度が足りずに音が埋もれやすくなったり、音楽の重心が下がる印象があり、曲のダイナミクス(躍動感)にも影響します。

 おそらく「音離れ」云々は音像の明瞭性を指して語られていると解釈するのが妥当のように思われます(最終的にはこの人の言葉足らずを何とかしないと分からん)。こういう一言系コメントがかっこよくて明快だと思ってる人は、とくに辛口系を自称するレビュアーには多い気がしますが、逆に難解なので、わかりやすく説明して欲しいといつも思っています。まあ私が冗長に説明するタイプなだけかもしれませんが。

 

 こうした高域の明瞭性を解像度に安易に結びつけることについて、プロ的立場から批判を加える人もいますが、言ってることはごもっともなれども、私自身は高域音のディテールに解像度を感じるだろう一般の人を相手にレビューをしているし、私自身も一般人なので、高域に明瞭感がある音に対して解像度が高いと評している場合が多いです。

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 厳密には私の場合刻み(≒分離感)とか、シャープネスとコントラストみたいな音のイメージを捉えて、そこから他の人が聴いたときに解像度が高いと判断されるかどうかを考えてレビューしています。

 

今回は「家電批評」の数値は結構妥当かもね

 さて、話が少し脱線しましたが、今回の「家電批評」のTE-D01gの評価、数値は結構妥当な気がします。個人的には女声ボーカルの分離感はTE-D01gの方が良いですし、中域のまろやかな感じが心地よいので、高域「11」は据え置くにしても、中域はTE-D01dが「14」なら、TE-D01gには「14」か「15」あげてもいい気がしますが、これがTE-D01gのコントラスト感が少し甘いあたりから導き出されているとすると、妥当な可能性もあります。

 というか、説明がないので何を評価しているのか相変わらず分かりません。低域の「13」については私もレビューで述べましたが、TE-D01gの低域にはゆるい感じはありますが、高域中域に比べて、TE-D01dとそれほど差はないと思われるので、妥当でしょう。その割に「低域がゆるい」って評価をハイライトコメントしておいて、高域に一番差を付けた数値出す感覚が私にはよく分かりませんが。そんだったら「高域のディテールが甘い」ってコメントを私は選びます。その方が数値評価としっくりくるでしょ?

 こういうところ、ほんと「家電批評」の編集はコメントの選び方が甘くて、レビューをわかりにくくしています。もったいない。「読者のこと考えろよ」って咄嗟に言いたくなりますが、こういう雑な辛口コメントは大抵ブーメランするので、厳に慎みましょう。雑な辛口コメントを言ってるヤツって大抵、他の人に「おまえがな」って思われてますよね。くわばらくわばら。

 

「家電批評」レビュアーブラリーマン説

 ちなみにTE-D01g評の最後の〆が秀逸。「個人的には、夜の公園でビールを飲みながらボーッと音楽を聴くには最高だなあ、という印象です。」夜中に公園で一人でビール飲んでるヤツなんて近所で見たことねぇよ。早く家帰れよ。

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*1:ただし、TE-D01gの音質を考えると「音離れ」を「音の飛び方」、つまり高域の拡張性を指して使っている可能性がないわけではありません。しかし、そうであれば「高域が伸びない」と言った方が明確なので、あえて「音離れ」という言葉を選んだ意味は「分離感」を述べたかったと考える方が、レビューの情報量としては多くなるので適切なような気がします。

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