audio-sound @ hatena

audio-sound @ hatena

オーディオ機器やゲーミングデバイスのレビュー、そして好きな音楽を徒然なるままに

MENU

【カナル型イヤホン Fender NINE レビュー】1万円切った高コスパモニター!Fenderらしい分析的なロックサウンドが妙に中毒的で、冷たく緻密に魅了する!おすすめ

ヘッドライン

icon

iconiconicon icon icon icon

Fender NINE

Fender NINE

Fender NINE [Black Metallic] 9.25mmダイナミックドライバー搭載イヤホン IEM2pinコネクター採用 独自開発医療用グレード熱可塑性エラストマーイヤーピースSureSeal Tips付属

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「ぷにぷにイヤピの触感がよい」

おすすめ度*1

Fender NINE

ASIN

B07G7MD9V2

 シュア掛けスタイルの機種。装着感は良好だが、遮音性はそれほど高くない。付属のぷにぷにしているエラストマー材質のイヤーピースの感触が良い。このイヤピに似た材質というと、SpinFit CP360が思い浮かぶ。

 

【2】外観・インターフェース・付属品「2pinリケーブル可能」

 付属品は低反発タイプ含むイヤーピースの替え、キャリイングケース、6.3mm変換プラグ。ケーブルにタッチノイズはない。リケーブルは2pin。

 

 この2pinコネクタは独自の「Talonシステム」なる加工が施されているというが、標準ケーブル以外でこの「Talonシステム」採用のケーブルの販売予定はないらしい。だが、普通のカスタム2pinと互換性があり、2pinケーブルが普通に使えるので問題ない。

kakakumag.com

 

Fender NINEFender NINE

【3】音質「ギターとドラムセットの明瞭性に注力したチューニング。ボーカルは冷たく人工的」

 聴いてみればギターメーカーのFenderらしいといえる音質で、ロックで花形となるエレキギターとドラムセットの音に焦点が合わせられていることが分かる。とにかくこの2つの音がきれいに輪郭を持って聞こえてくる。シンバルやギターエッジのギラギラした金属感のある部分と、ドラムの弾けるパリパリしたあたりに一番ディテールを感じるような音質になっており、やや明るめの空間にそれらの音を浮かび上がらせるような鳴らし方をする。ボーカルは分離感を大事にしていてディテールは少し人工的で細身であり、あくまでロックの楽器音の聞こえ方の分析に注力した、「なるほどモニターライクだ」とわかりやすい音響設計になっている。

 

[高音]:高域方向にも良く拡張されており、ワイドレンジな印象を与える。シンバルやギターエッジの金属感が良く出て、シャリ感はかなり精彩が乗っているが、刺さらない(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:ギターエッジはやや細く強調されるが、上方向の明るく浮かれた感じから、下では黒みのある渋さも感じられる精彩に富んだ表現となっており、「なるほどFenderらしいね」といった感じ。中域でも細身ではあるが、ワイドレンジに音がつながっている感じがある。

[低音]:100hz~40hzまでやや硬めの振動。30hzで沈む。20hzでほぼ無音。やはりモニターライクな、輪郭をよく感じさせる音で膨らまずにエッジを強調し、パンチの感覚が明瞭なスピード感もある音(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:音はニュートラルかやや冷たい印象になるが、解像度は高め。奥行き感はあり、音場はスッキリしている、コントラスト感が高い。音に自然な膨らみはなく、モニター的で分析的な音なので、リスニングで満足感が高い感じではないが、ワイドレンジで音のディテールを丁寧に出すので、楽器を演奏する人には「そうそうこれこれ」ってイメージがわかりやすい音かも知れない。楽器やってないからわからないけどね(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは表面がパリパリしていて刻みがよい感じ。一つ一つのたたき込みが分析的に聞こえてくる。透明なあまり広がらないパスパスした音。リズムの刻みは細かく気持ちよい。シンバルも硬質でパリパリ系でシャリ感もよく、ややドライ。とにかくパーカッション周りは緻密さを前面に出している印象を受ける(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:男声ボーカルは明らかに細い。むしろボーカルより楽器が主役だといわんばかり。ボーカルは少し冷たく人工的で甘味はほとんどない。

 

【4】官能性「クールにスッキリ見通せるワイドレンジサウンド」

山下達郎「ミライのテーマ」

 このイヤホン、山下達郎の明るい感じと相性良いかも。ややデジタルな硬質感があるんだけど、見通し感が凄く良くて、この曲のすっきりさわやかな感じがきれいに感じられる。ボーカルは細身だけど、やっぱり初夏の清涼感を感じさせるような、晴れやかで明るい声色。シンバルの金属光沢もディテールが細かく、ドラムの快活な躍動がかなりはっきりと聞こえて非常に楽しいが、高域方向の情報量は多めで全体的にすっきりしている中では密度が目立ち、少しガチャガチャしてしまう印象はある。金管はすらーっと抜けて気持ちよく高さを強調するけど、少し冷たいかな。

 


ミライのテーマ / うたのきしゃ 【初回限定盤】

 

Suchmos「GIRL feat. 呂布」

 このイヤホンで聴くと、すげぇかっこいい。透明で深掘りされる締まりもよい低域と、シャキシャキとキレの良いギターがこの曲のスタイリッシュな感じを丁寧に表現する。しかもギターはワイドレンジで浮かれながらも下の方で渋みを出し、男らしさがあるから、なんとなく細マッチョな体型を思わせる、スリムだけど肉付きは充分な音楽に仕上げてくれる。空間はかなり清潔で、ボーカルもスマートに聞こえてくる。シンバルも良く浮き上がるから、スパイシーさもしっかり味付けされる。

 


GIRL feat.呂布

 

Angela Ammons「You'll Be Gone」

 すっげー好きな曲なんだけど、世間的には完全に埋もれてるかも知れない曲。Angela Ammonsっていう一時期ちょこっと流行った歌手が歌っている。そんな古い曲でもないはずなんだけど、この曲はyoutubeでも公式MV動画がない。「レア曲すぎてなかなか紹介できないやんけ」ってもどかしく思ってたけど、一応許諾出ている動画ようやく探し出してきたんで、安心して紹介できるのが嬉しい。音質ちょっと悪いけど。そして映像が「ふしぎ遊戯」っていうね。妙にゾクゾクさせられる。センスあるな。

 で、この曲はかなりシャープで細身にギターやデジタルパーカッションを空間に詰め込んでるんだけど、その緻密な感じがすごくきれいに聞こえる。デジタル的な曲なんで、人工的な音の感じもむしろ合っているし。1万円以下でこの曲聴くなら、おすすめできるね!こういう曲聴くと、Fenderやべぇって思える。

 ちなみに埋もれた洋楽曲にありがちで、この曲の入ったCDは超激安なんで興味があったら、買ってみるのおすすめ。レンタルはもう無いかも知れないし、レンタルするよりたぶん安い。

 


Angela Ammons

 

DAOKO×米津玄師「打上花火」

 ちょっと人工的なくらいの緻密な曲も得意なんで、たとえばこの曲の聴き応えは良い。全体的にパリパリ刻みが良い感じで、見通しが良く、クリーンな空間にシンセや効果音が高いレイヤリング感を持って聞こえてくる。解像感重視の分析的な表現なんで、こういう曲とは相性良すぎ。音場はどちらかというと明るさが強いけど、ワイドレンジなんで下の方では黒さも出て、コントラスト感もしっかりしていてキレがよく感じられる。音は少し細いし、高域が少し目立つバランスだが、軽薄さはない。

 


打上花火

 

【5】総評「Fenderにしては熱気はほとんどないけど、緻密でキレキレ」

 Fenderっていうと、私のイメージはほぼNEWPORTだったから、ガリガリギュインギュインのパワフルサウンドを最初は期待してたけど、このイヤホンは非常に分析的なモニターでむしろ冷静。ただ楽器のキレはFenderらしく丁寧に味わわせてくれて、緻密さで音にディテールを出し、惹き込んでくる魅力がある。ボーカルはちょっと冷たくて人工的なんで、豊穣さには欠け、リスニング向きではないんだけど、迫力や奥行き感はあり、ギターやドラムセットのダイナミクスは結構丁寧に聴かせてくれる。ギターのエッジや伸び、色味の丁寧な聴かせ方なんてさすがFenderだよね。

www.ear-phone-review.com

 

 発売から半年経ったくらいの最近、この機種は1万円切って売られるようになってきたんで、かなり手頃になってます。おすすめ。

 

Fender NINE

Fender NINE

Fender NINE [Black Metallic] 9.25mmダイナミックドライバー搭載イヤホン IEM2pinコネクター採用 独自開発医療用グレード熱可塑性エラストマーイヤーピースSureSeal Tips付属

【関連記事】

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com


*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

中華イヤホン
完全ワイヤレスイヤホン
イヤホン
ヘッドホン
デジタルオーディオプレーヤー
ニュース
特集記事
HiFiGOブログ
セール情報

 

新着記事