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【ワイヤレスイヤホン QianToo QTOO-BX01(HBQ-BX) レビュー】解像度はそれなりなものの、中高域がほどよく開放的でなめらかな聴き心地の良いイヤホンだが、ONKYO系DAPと相性問題あり。再生時間は優秀。おすすめ

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QianToo HBQ-BX

QianToo QTOO-BX01

【進化版 20時間連続再生】ワイヤレスイヤホン ブルートゥース Bluetooth5.0 HiFi高音質 自動ペアリング CVC8.0 IPX6防水 簡単ボタン iPhone/iPad/Android対応

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「インイヤーの優しい付け心地」

おすすめ度*1

QianToo QTOO-BX01

ASIN

B07S2CFL5W

 インイヤータイプ。耳道の中までイヤホンが入ってこないので、付け心地は軽い。遮音性は少し低く、音漏れも目立つかも知れない。

 

 AACテスト環境がないので詳細はわからないが、マニュアルや商品ページを見る限り、AACには対応せず、対応コーデックはSBCのみ。

 「音質」節で後述するが、チップには相性がある様子。相性が良い相手となら通信はかなり安定する。相性が悪い相手とはそもそも高域の情報量が少なくなり、音にもたつきが出て遅れも感じられるようになる。テストした範囲ではAstell&Kern系DAP、SONY系DAPとは相性が良い。ONKYO系DAPとは相性最悪。

 

【2】外観・インターフェース・付属品「連続再生時間長め」

 付属品は充電用USBケーブル、説明書。

 

 連続再生時間は最大20時間とamazonの商品ページにあるが、これは盛った数値で、説明書によると最大再生時間は16-18時間が正確らしい。どちらにしろこれはかなり長持ちで価格を考えると優秀。

 

 防水性能はIPX6。雨の中で使用しても充分にOKという品質。

 

QianToo QTOO-BX01QianToo QTOO-BX01

【3】音質「インイヤー型らしい開放感とほどよい解像度」

 インイヤー型らしい、すっきりした開放的な中高域が魅力。しかし、前述したようにONKYO系DAPとは相性があるようで、XDP-20にせよGRANBEATにせよONKYO系で音を聴くと高域や中高域が露骨に聞こえなくなって女性ボーカルが篭もる印象を与えるほか、音のスピード感が大幅に失われてもっさりする。

 

[高音]:高域はすらっと開放的な印象を受けるが、シンバルの空気感などは薄く、あまりディテールは高くない。少なくとも高いところの情報量は少ない印象。金属光沢は上で少し溶け込んで丸いが、下の方は結構ちゃんとしているので、中高域から高域にかけてはそれなりに妙味がある。ただし基本的に高域弦楽の音は背景に回り、空間に溶け込みやすいので、ヴァイオリンの盛り上がりにはあまり期待できない(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:ドラム鼓面の音の張りの出方や女性ボーカルの声に弾力性があるので、中高域は充実している。低域近くはすっきりしており、根元は感じられない。空間はまろやかなニュートラルな感じがあり、清潔感はそれほど強くなく、ややふわっと空間に音が溶け込みながら浮き上がる感じのある中域だろう。

[低音]:残念ながら低域チェックのメインに使っているGRANBEATと相性が悪いため、その聞こえ方に信用ができず、詳細な重低域の振動音の分析は当てにならない。印象的には中低域にマイルドな盛り上がりがあるが、それほど出張りすぎないので、重低域を隠すことはない。ただ、その重低音も濃くはなく、柔らかく少し淡い(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:中高域と中低域に山があって全体的にマイルドな音になる。中高音に一番の山がある印象だから、中域が豊かなカマボコと言えるかも知れないし、低域と高域方向に2つの山があると捉えればドンシャリと言えなくもない。ここらへんは捉え方次第。ただ高域はマイルドにロールオフして尖りは強調しないので、シャリ感はないから、普通はドンシャリとは言わないだろう音質。男声にせよ女声にせよボーカルは自然に浮き上がり、最もピントが合う。音場に関しては、左右はほどよく広いが、奥行き感はあまりない(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムはパリパリと鼓面を強調するが、音はマイルドに膨らむので、シャープな感じはない。どちらかといえば鼓面の爆発力を重視し、ドラムのボディは聞こえるものの、少し淡く、床面への地熱の広がりも感じられるが、同じく淡い。ハイハットはかなり空気だけに聞こえやすく、埋没しやすい。そのためパーカッションはどちらかというとドラム優位だが、そもそもパーカッションは色味が淡く、それほど主張が強くない。比較的パーカッションの味が強い東京カランコロン「スパイス」でさえ全体的に見るとボーカルとギターの方が強く聞こえるくらい(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:女声ボーカルは上への伸びもマイルドにゆるゆると拡張されているが、輝きは強調されず、どちらかといえば暗めで甘味を強調する。ただし目立って暗いという感じではなく、ニュートラルに近い。男声ボーカルは自然で少し明るいくらい。楽器に焦点が当たりづらいため、ボーカルは全体的に分離が良いが、分離を強調しすぎない一体感あり。

 

【4】官能性「マイルドな中高域重視のサウンド。ローファイ志向」

小田和正「たしかなこと」「ためらわない、迷わない」「ラブストーリーは突然に」

 「たしかなこと」はベースの利きだけはやや甘く、弦楽の伸びも少し背景に回っていて全体的にサビでの鮮烈さに欠けるが、ボーカルの聴き応えは結構ある。この曲は小田和正の曲の中でも比較的最近で、ちょっとハイファイ志向の曲作りではあるから、どちらかというとローファイ向きなこのイヤホンとは相性はそれほど良くないのだろう。その点少し古い「ためらわない、迷わない」の方が中高域の充実感とギターの利き、張りが良いが角を立たせすぎないドラムラインといった感じで、全体的に適性が合っている。

 そうすると、どちらかというと1980年代~1990年代のバブル時代の小田和正の曲あたりを聴くのが狙い目。「ラブストーリーは突然に」とかね。この頃の曲はシンバルも今と違ってあんまり空気感を強調せずにチクチクしたあたりを重視してるし、シンセも中高域のツヤツヤしたあたりに焦点が合っている。

 


たしかなこと

 


K.ODA Oh!Yeah!

 

鹿乃「春に落ちて」

 この曲をどう聴くかは難しいところだけど、少なくとも中高域に焦点が当たっているから、ギターとピアノのツヤツヤしたところがよく聞こえる。シンバルもチンチンしたところがよく聞こえて、シャーンっていう空気感は強調しすぎないので、臭みが少なく、落ち着いた雰囲気がある。ボーカルはぬくい温度感で甘味が強い。聴き心地は凄く良くて、癒やし系の雰囲気が濃厚に出ている。低域も出張らないから、重い感じがないしね。重みがないとコントラスト感は減るし、説得力も減じるかも知れないけど、この曲はそこらへんのインパクトで聴く曲かっていうと、そうではない気がする。

 


rye(初回限定盤)(DVD付)

 

Ed Sheeran「Photograph」

 大好きなエド・シーランだとやっぱ「Photograph」を聴くのに良いくらいの温度感かな。ドラムは張りがしっかりあるけど、柔らかくて重さもないから、劇的な迫力を出さず、この曲に適温なぬるい感じがある。ギターもギラギラしたところを感じさせつつも、尖らない感じだから温もり感があって穏やか。ボーカルと楽器の関係も良くて、分離しすぎずに溶け合いながらしっかり一体的に聞こえてくる。

 


X

 

Matt Bianco「A Day In Your Life」

 ぶっちゃけこの曲とかさ、Earsonics ES5みたいな、音質はニュートラルでフラットだけど、バリバリ分解能高くて「音場の定位感重視です」みたいなイヤホンで聴くと、スカスカしちゃって面白くもなんともない。ES5は音のつややかさとかディテールも詳細だから、妙にドラムの張りとか金管の粒感とかきれいに聞こえるし、ボーカルもセクシーなんだけど、それぞれの音の絡みが薄くて、この曲に関する限り密度感は物足りない。それでqdc 3SHくらい密度のある感じが良いんじゃないかと思うんだけど、今度はなんか音が明瞭に出過ぎちゃって硬いんだよね。リズムはカチカチしてるし、金管は色味は良いけど、筋が強くて煮えてないアスパラみたいに硬く聞こえる。ピアノもなんか人工的。

 まあつまり、解像度高けりゃいいってもんでもなくて、むしろこの曲なんて明らかに3SHだとかES5みたいな解像度バリバリ系で聴くより、final E5000とかさ、解像度より風味の情報量を重視してるみたいなイヤホンに合う。そういう意味で、このイヤホンの音質なんてこの曲を聴かせるのにちょうどいい温度感と適度な解像度。柔らかなドラムサウンドやほどよく膨らむオシャレな金管と交わりながら聞こえてくるセクシーボーカルに妙に聴き応えがある。

 


Gran Via

 

HY「366日」

 この曲をボーカル中心に味わうなら、楽器の温度感やほどよい空間への風味の出し方なんか丁寧で聴き応えがある。中高域に適切な濃厚感がありつつ、ボーカル周りは整理されていて混濁感がないし、下方向にも開放的で柔らかみのあるドラムに暖かい透明感がある。この曲は価格の割に非常に聴き応えを感じる。

 


HeartY

 

【5】総評「90年代以前のローファイサウンドに聴き応えあり」

 最近の高域や低域が緻密に作られている曲には率直に言って向かない。むしろローファイでそれなりの温度感で中高域に密度のある音楽を楽しむのが良い。開放的で音に圧迫感はないので、そういう曲ならいいとこ取りしながら、いつまでも聞き疲れせずに楽しんでられる。最大18時間だかっていう長い連続再生時間もうってつけ。コスパ考えると、結構おすすめ。

 

QianToo HBQ-BX

QianToo HBQ-BX

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

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