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【高級イヤホン試聴レビュー FAudio Major】ディテール感を重視した重心の低い低域の上に、全体的に適度な濃度感があり、高域はさわやかながら手がかりも用意されている。1ドライバーならではの統一感[KANN CUBEで聴く高級オーディオ]

FAudio major

FAudio major

FAudio Major [FA-2347] ダイナミック密閉型イヤホン ゴールド ドライバー10.5mm

 

 

【0】免責事項

 このレビューは販売店舗さんのご厚意で試聴させていただいた範囲内で作成しております。ケーブルは標準付属品のはずですが、セッティングは販売店舗さんにより異なる場合があります。イヤーピースは手持ちのものを使える場合は、それを用いてテストしております。レファレンスはJVC スパイラルドット++ Lサイズですが、機種によって使えない場合もあるかもしれません。使えない場合どうするかはその都度。

 

 テスト機は基本的にAstell & Kern KANN CUBEを用いていますが、音質の特徴を捉えるために副次的にONKYO GRANBEATなど別のDAPも使っております。

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 一応解像度とかの比較用にイヤホンのレファレンスを定めていて、EarSonics ES5です。

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【1】装着感/遮音性/通信品質/ビルドクオリティ

装着感

 装着感は自然で普通に装着できた。

遮音性

 イヤーピースにもよるが、遮音性はカナル型としてはちょっと高めくらい。

ビルドクオリティ

 金ぴか系だけど質感加工がしてあって、表情があるので、下品な感じはなく、高級感がある。ちょっと目立つことは確かだから、その点は気になるかも。

 

【2】イヤーピース考察

 この機種はノズル太めでイヤーピースは口径が大きい方が嵌めやすい。

  1. どちらかといえば低域重視のイヤホンなので、低域を楽しみたい人が多いだろう。AZLA SednaEarfitを装着すると低域にかなり張りが出て躍動感やメリハリ感が増したので面白かった。
  2. 全体的に濃い印象があり、密度感はあるので、それをスッキリさせたい場合はJVC スパイラルドットがおすすめ。
  3. さらに張りと空気感が欲しい場合はJVC スパイラルドット++がよく、とくにハイハットのシャンシャンという空気感は精彩が増し、手がかりが増えて楽しくなる。
  4. 強調気味のスパイシーなシンバルの味わいを強くするならacoustune AET07
  5. 音像にほどよい明瞭性を求めつつ、低域のドライブ感を味わいたい場合はAZLA SednaEarfit Lightがよい。SednaEarfit無印よりコントラストが抑えめで圧迫感が少ない。

 

【3】音質

総合:24/30

高域:7/10

金物が手がかりとなる以外は落ち着いた高域

  • 質感:硬質、さっぱり
  • 明るさ:普通
  • 拡張性:それほど伸びない
  • 派手さ:やや派手
  • 緻密さ:普通

 高域はシンバルやギターなど金物系が結構目立ち、金属的な質感が手がかりとして強調されるが、尖る感じはあまりなく、その上は比較的すーっと引いていく感じ。そのため刺さりは抑えられており、高域拡張性はそれほど高くない印象を受け、どちらかというと高低感より左右のパノラマ感のほうが強い印象を受ける。高域のディテールで勝負している機種でないことは確か。

 

中域:8/10

自然に高域と低域がつながっている

  • 質感:ニュートラル
  • 明るさ:普通
  • 横幅:広い
  • 奥行き:普通
  • ボーカル:少し前、太い

 中域それ自体は個人的にあんまり個性を感じない。色味はニュートラルかややウォームくらいで、むしろ高域と低域が中域で交錯する印象。1ドライバーのせいなのか、低域と高域の中間色といった感じ。ボーカルには混濁する感じがなく、しっかり聞こえる。声質は太めで力強く、高めの女声ボーカルは曲の印象によっては、少し暗いバランスになるかも知れない。

 

低域:9/10

深さ重視の躍動感のある低域

  • 質感:ニュートラルか少しウォーム
  • 明るさ:普通
  • 重心:低い
  • 重み:大きめ
  • 重低音:普通

 重低音は20hzまで振動感があったので、結構下まで出ているはずだが、意外に地熱感がない。そのせいかドンという重みが清潔な重低域でダイレクトに聞こえる感じがある。中低域も厚みをそれほど強調していないようで、重低音をマスキングする感じはない。そのため深みまで音が素直に響いていく感覚があり、重心が低い。下の方までクリアにレイヤリングされる。そのせいか音に自然な躍動感がある。

 

【4】官能性

ヨルシカ「藍二乗」

 ギターには太さがあり、下では黒く、上では少し金属感が強調されて明るめの手がかりが与えられている。輪郭感とダイナミックらしい滑らかさも同居しており、結構楽しい。シンバルも金属光沢感が強くやや硬めにシャリシャリと聞こえてきてスパイシーさを結構濃いめに感じさせてくれる。ドラムは張りと重みがあるが、下の方まで見通しが良くボディの躍動がイメージとして捉えやすく、おかげでダイナミックなこの曲の風味をよく味わえる。アグレッシブさと重厚さをバランス良く兼ね備えている印象。ロックには基本的に強いはず。

 


【早期購入特典あり】だから僕は音楽を辞めた (初回生産限定盤)(オルゴール特典CD(3曲(「藍二乗」「八月、某、月明かり」「だから僕は音楽を辞めた」オルゴールver.)入り)付き)

 

園田高弘「ベートーヴェン『ピアノソナタ No.1 in F minor Op.2 Mo.1』」

 背景に黒みがあり、ピアノの音色は上でキラッと輝きを少し強調しつつ、下に透明に沈んでいく。音色は少し太めだが、味付けはニュートラルかややウォームで、不自然な感じがなく、クリアに聞こえてくる。

 


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集

 

Suchmos「SEAWEED」 

 低域はかなり深掘りされ、ベースも図太く音を奏でるが、ノイズ感はなくクリアな感触がある。ビリビリしたベースエッジが、重くパワフルな手応えを感じさせて、アップチューンな音を下支えする。上の方ではシンバルに手がかりが多く、チクチク感が緻密にはっきり濃いめに感じられる。

 


THE KIDS(通常盤)

 

TVアニメ「宇宙よりも遠い場所」ED「ここから、ここから」

 ドラムのズドンが重いが、鼓面に粘りがあって革張り感があり、中盤では適度な膨らみもあるため、重苦しくなく躍動感がある。例の如くちょっと濃いめにスパイシーなシンバルとギュンギュンドライブしてくるギターが、その躍動感をさらに盛り上げる。ボーカルは楽器に包まれながらも少し上の方に向かってふわっと嫋やかに浮かび上がる。高域方向が清潔なので、ボーカルに浮揚力が働いており、少し幻想感があってちょっと惹き込まれる。

 


TVアニメ「 宇宙よりも遠い場所 」エンディングテーマ「 ここから、ここから 」

 

藤田麻衣子「これからも」

  以前もどこかで言った気がするけど、藤田麻衣子の曲は結構低域の利きが重要で、大抵の曲は低域にドライブ感が出ないと、いまいちボーカルの味が足りないかなって印象を受ける。そういう意味ではmajorとは非常に相性が良い。ギターのカッティングに重さと材質感があり、シンバルはかなり目立って、スパイシーさを感じさせるとともに曲に手がかりを多く与えてメリハリ感を出す。majorの重心の低い低域はこの曲向きで、下方向に密度を出すとともに、床面が適切に感じられる。何より低域の色が深くまでしっかりしているおかげで、ボーカルの浮き上がりが相対的にきれいに聞こえるようになっており、コントラスト感が感じられて楽しい。

 


wish(初回限定盤)

 

末廣健一郎「memory snow」

 太めで濃厚なギターのカッティングが味わい深い。低域弦楽の音色もよく広がり、空間に豊かな足がかりを与えてくれる。弦楽の表情に艶やかさがあって、根元もしっかりと感じられる充実した音で、雄大さを充分に感じることができる。

 


OVA 「 Re:ゼロから始める異世界生活 Memory Snow 」 Memory Album

 

Jess Glynne「Never Let Me Go」

 やや低域が濃い感じが影響しているのか、シンセの音は少し暗めでドライで重い感じがあるかなとは思うけど、重厚さは充分。私の好みよりボーカルがわずかに暗いような気もするけど、音に手がかりは多く、濃さも充分で濃厚に太く楽しめる。何より深掘り感のある低域が演出してくれるパワフルさが素晴らしい。

 


ALWAYS IN BETWEEN

 

【総評】欲しい度高め!低域のレイヤー感があるディテールが素直に楽しい

 低域ではかなり定評のある機種で、この前にCampfireAudio ATLASをちょこっと聴いたけど、重厚感はこっちのほうがあるんじゃないかな?

 少しウォーム傾向な音だけど、中低域はそんなにリッチさを強調しないので、低域重視とは言え、最終的にはJAZZよりは重厚なフルオケのクラシック、ロック、劇伴系サントラ、R&Bあたりがいいんじゃないかなぁという印象。重低音までよく見通せる深さのあるおかげで音の重みがダイレクトに感じられる感覚があるのが好き。

 

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