- 【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感良好。通信品質はあまり良くないかもしれない」
- 【2】外観・インターフェース・付属品「ケースがデカイ。防水性能高め」
- 【3】音質「典型的明るめドンシャリだが、低域に一定のパワフルさがあり、コントラスト感はそれなりに高め」
- 【4】官能性「音場が広めで、中高域は明るめなのにガチャガチャした感じが出づらい」
- 【5】総評「音質は明るいドンシャリ系ではたぶん価格帯で一番良いくらい。通信品質だけが気になる」
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【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感良好。通信品質はあまり良くないかもしれない」
おすすめ度*1 |
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ASIN |
イヤーフック付きタイプ。耳にしっかり嵌まるので装着感は良い。デザインに角がなく、耳当たりも優しい。
AACのテスト環境がないので分からないが、説明書や商品ページを見る限り、AACには対応していなさそう。通信品質はそれなりに安定していて、途絶はほとんどないが、遅延は少しある。
どうもチップ性能は高くないらしく、距離による遅延に少し弱いほか、他機種との聞き比べを行った際に気づいたが、他機種の通信に引きずられて途切れが見られる。そのため周囲に無線機器を使っている人がいるとかなり影響されるかも知れない。
【2】外観・インターフェース・付属品「ケースがデカイ。防水性能高め」
付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、専用充電ケース、日本語含む多言語マニュアル。
イヤホン単体の連続再生時間4時間、ケース込みで最大26時間ほど。防水性能はIPX7。イヤホンのイヤーウィングがあるので、大して充電容量がない割に、バッテリーケースは無駄にデカイ。
【3】音質「典型的明るめドンシャリだが、低域に一定のパワフルさがあり、コントラスト感はそれなりに高め」
音質的には聴いた瞬間に「本格的なドンシャリやんけ!」とわかる明るいキャラクターの音が特徴。そういうわけで同じ価格帯でライバルになりやすい明るいドンシャリ系の2機種、SRUIK D08/CANAVIS J29と早速比較。
VS SRUIK D08
高域のディテールはほぼ同等だが、SRUIK D08は低域のドンが出ないので、より正統派ドンシャリなのはBE1018。低域にしっかりとした重さと黒みがあるおかげで、BE1018のほうがコントラスト感の高い音を楽しめ、高域の発色も相対的に鮮やかに感じられるかも知れない。D08は逆に中高域から高域に完全にフォーカスしているので、煌めき感の強い感じだけを鮮明に味わいたい場合はD08がよい。
VS CANAVIS J29
正統派ドンシャリっぽい音作りは共通だが、音場の広さが異なり、立体感が大きく違って聞こえる。CANAVIS J29は全体的に音が近く、低域のダイナミクスと高域の発色をわかりやすく味わえる反面、音が近くガチャガチャしやすい。ボーカルもシンバルやピアノ、ギターなどの影響を受けやすく、混濁感が出る可能性がある。BE1018は音場がより広く、整理されて再現されており、ボーカルの分離感はJ29に勝り、低域もより手応えが下の方で感じられるようになる。その分密度感は減って、少しスカスカ感があるが、聞き疲れはしにくく、立体感や奥行き感が存在している。
[高音]:高域はかなり明るめ。シンバルは白味のあるシャリシャリ系で、バイオリンは明るく伸び、管楽も明るさが目立つ(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)
[中音]:清潔感がある。低域方向で少しウォーム感があり、曲によってそれなりに濃厚感も味わえる。ボーカルは基本的に明るく息感を白めに感じさせるが、ほっこり感もそこそこ感じられる。とはいえ、全般的には明るめの高域に寄った感じ。
[低音]:100hz~40hzまでわずかにビリビリ感のある厚めの振動。30hzで沈み、20hz以下はほぼ無音。低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:シャリシャリ感が目立ち、ディテールも少し細かい中高域から高域にかけての明るい部分が、やや重心の低い低域に支えられている三角形(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:シンバルは全体的に明るめ。チンチン音からシャリ音まで少し尖りを強くした感じで結構よく聞こえる印象だが、空気感はそれほど出ない。タムやスネアは明るめで鼓面の弾ける音が目立つが、粘りも少しあるので弾けすぎず、ボディも感じられる。明るいパツンパツン系。パーカッションは全体的に明るく快活でスピード感がある(UVERWorld「CORE PRIDE」、ドラムテスト動画でテスト)
[ボーカル傾向]:ボーカルは男声は少し明るく、細く、やや中性的。女声ボーカルは明るめ。
【4】官能性「音場が広めで、中高域は明るめなのにガチャガチャした感じが出づらい」
Carly Rae Jepsen「Call Me Maybe」
高域明るめでこの曲なんかかなり気持ちよく楽しめる。シンバルが明るめにシャリシャリと弾けつつ、チクチクするところは粒立ちしてて、ちゃんとチクッとする。デジタルドラムのスマッシュ感も粒感があって、輪郭がわかりやすいから、ちょっと明るめのボーカルの周辺に手がかりが多くて楽しい。ボーカルも少し息感を強調しながら、明るく伸びて、ハスキー感も感じられる。ディテールの一番細かいあたりから、ちょっと距離を置いて深みを出しているドラムキックも立体感を感じさせてくれる。
Aimer「眠りの森」
この曲はAimerの曲の中でもかなり明るめな曲だけど、本来だったらもう少し膨らんで豊かに聞こえるキーボードやシンセがかなり上の方だけ出ている感じになるので、中域は清潔すぎる印象を受ける。ボーカルも深さをそれほど出さないので、個人的にはAimerのボーカルの一番楽しい暖かいあたりは聞こえづらい。そういう意味ではスカスカして感じられるって人もいるかも知れない。ベースも若干明るく感じるかな。ただ深掘り感はしっかりしていて、立体感はしっかり出ています。
Poppin' Party「NO GIRL NO CRY」
ボーカルの分離感はしっかりしていて、近い。音場はほどよい広さがあるので、音が集まりすぎる感じもなく、混濁感もない。清潔な中域の下ではドラムとベースの描き分けもしっかりしていて、ドラムにややウォームな地熱感も感じられて充分な膨張もある。ギターはエッジもいいし、かなりディテールいいって思ったけど、やっぱり少し浮かれ気味かな。黒い感じも出ている気がするけど、EarSonics ES5で聴いたらもっと黒かったし、厚みもあった。個々のボーカルやシンバルもきれいに分離して聞こえるから、かなりレベルは高いとは思うけど。
DAOKO「終わらない世界で」
この曲は楽しめます。ちょっとボーカルが細くて息感が強く、さわやかさを強調する感じにはなっているけど、明るくて見通しの良い中高域、清潔な中域、その下に床面をしっかり感じさせる低域と組み立てはしっかりしているし、音場は広め。こういうハイファイ系ソングと相性良さそう。
【5】総評「音質は明るいドンシャリ系ではたぶん価格帯で一番良いくらい。通信品質だけが気になる」
中華の格安完全ワイヤレスの中で、明るいドンシャリ系で選ぶなら、音場が広めで低域もしっかり存在感があるこのイヤホンはおすすめ。中高域も適切な分離感とディテール感があって、解像度が高い印象を受ける。
イヤホンケースが無駄にデカイのと、通信品質があまりよくないところがネックにはなっていて、音質は悪くないのに損をしているところはありそう。
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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。