- 【0】「黒うどん頂上対決」なんてやってみようと思ったのがバカだったわ
- 【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は軽い。通信品質はそこそこ安定」
- 【2】外観・インターフェース・付属品「ケースは横長だがコンパクト」
- 【3】音質「フラットで少しウォームに寄せた聴き心地の良い音質」
- 【4】官能性「やや明るい、見通し感の良いサウンド」
- 【5】総評「わずかなデザインの差とスペック差以外、TT-BH053との差は見出しがたいので好きな方を選ぶと良い」
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【0】「黒うどん頂上対決」なんてやってみようと思ったのがバカだったわ
【🌸特選タイムセール情報4/5🌸】#TaoTronics 完全ワイヤレスイヤホン“TT-BH053”が
— TaoTronics Japan (@TaoTronics_JP) 2019年5月30日
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一部で「黒うどん」と呼ばれておりますが、
この形状のおかげで、耳から比較的落ちにくく、
音途切れもあまり起きないんですよ🤗
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TaoTronicsの人気機種TT-BH053。その界隈では「黒うどん」と親しまれております。しかし、そんなTT-BH053に強力なライバル爆誕!その名は「SoundPEATS TrueCapsule」!
いろいろ検討していると、この2機種、明らかに出自が同根っぽいんですが、メーカーごとのチューニングの違いがあれば、「黒うどん」最強対決できそうです。これは楽しそう。
TrueCapsule「俺が来た以上、おまえに『黒うどん』の名を独占させはしないぜ!」
TT-BH053「ほぅ。見せてもらおうか、バイオセルロース振動板の性能とやらを!」
Anker Liberty Air「あのぅ……僕のこと忘れないで?」
ちなみに下の画像、左がTrueCapsuleで右がTT-BH053です。
どっちもメインの通信チップはRTL8763BFRで、スペックが若干異なります。TrueCapsuleのほうが連続再生時間4時間、TT-BH053は6時間です。充電ケースの容量は双方650mAhでいっしょですが、TrueCapsuleがケース込み最大24時間、TT-BH053が最大40時間と、なんとなくTT-BH053のほうがスペック的には優秀です。
というわけで並べてみましたが、細かいフォルムは違えど、ケースの長さ、高さほぼいっしょ。標準イヤーピースも同一の質感、同一のデザインです。
中開けてもクリソツ。
片耳だけ入れ替えましたが、問題なく充電できます。
で、聞き比べたんですけど、ぶっちゃけ違いが分かりません。TrueCapsuleのほうがバイオセルロース振動板使ったいいドライバー使ってるはずで、スペック差にそれが表れているんですけど、数曲丁寧に時間を掛けて聞き比べてみたんですが、違いほとんど分かりません。
おそらく両者の内部音響構造はほとんど一緒で、ドライバーの違いでわずかにTrueCapsuleの方が輪郭が良い気がしないでもないんですけど、メインの通信チップであるRTL8763BFRの影響の方が大きくて、音質差が感じられません。
TrueCapsuleのほうがわずかに音質良く感じるのも、「バイオセルロース振動板」っていうプレミアムワードに引きずられて「プラシーボ効果」的な確証バイアスがかかっている可能性が高く、実質的に音質差なしと判断するのが誠実な気がします。
私には違いが分かりませんでした。
というか、この聞き比べ、なんだかんだいってイヤーピース替えて試したり、音量上下させて音質変化の具合を見たり、5時間くらい時間費やしてて、無駄に骨が折れました。結果、目に見えた有意差を体感できなかったので、両者の音質は限りなく同一と判断します。
むしろナビゲーションアナウンスがTrueCapsuleの方が効果音を使っていて、しつこくないってあたりに一番違いを感じました。
いきがって「頂上決戦♪」とかやるんじゃなかった。
そういうわけで聞き比べにかなり時間を費やして力尽きたので、これから下はTT-BH053のレビューのほぼコピペになります。
追記:バイオセルロース振動板は通話で能力を発揮するらしい?
この記事を投稿した後、SoundPEATSさんから連絡があって、バイオセルロース振動板は音楽では効果が薄いかも知れないが、通話では効果的に作用するとのこと。なるほど。
【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は軽い。通信品質はそこそこ安定」
おすすめ度*1 |
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ASIN |
いわゆるうどん(AirPods)型のデザイン。耳への収まりは良く、軽量。
通信品質はこの価格帯では標準以上くらいには安定。街中では途切れが少し出るが、家の中ではあまり遅延・途絶はない。
【2】外観・インターフェース・付属品「ケースは横長だがコンパクト」
付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、専用充電ケース、説明書。
スペックによると、イヤホン単体での連続再生時間は4時間、ケース込みで最大24時間になるとされている。
ケースデザインは横長なので大きさの割に収まりが悪い感じはあるが、薄く、コンパクト。
【3】音質「フラットで少しウォームに寄せた聴き心地の良い音質」
音質的には若干輪郭感を出しつつも、目立たせるのを抑えて、クリア感を一定程度感じさせつつも全体として柔らかめのサウンドになっている。かなりフラット。
ライバルとなり得るDudios Zeus Ace(SoundPEATS TrueFree+)に比べると低域の存在感に差があり、Dudios Zeus Aceの方が低域の主張し黒みがあるので、コントラスト感ではDudios Zeus Aceの方が勝り、よりキャラクターのはっきりした濃い感じの音を奏でる。それに比べるとこちらはもう少し淡く、わずかにすっきりした、聴きやすい形になっており、中高域のほうではもう少し空間が見えるくらいになる。たとえばドラムなどを聞き比べてみれば、メリハリ感や火力を感じるのはDudios Zeus Aceになるだろうが、重たい感じが出てしまうので、それが気になるようなら、こちらの方がより素直な音色に感じるはず。
音はこちらのほうが若干細身の印象を受けるので、分離感よく感じる人はいそうではあり、迫力では劣るにしても、解像度感はDudios Zeus Aceより高いと評価する人は多いかも知れない。
[高音]:高域は少しおとなしめだが、発色は悪くない(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)
[中音]:若干輪郭を強調して硬く感じさせるところもあり、若干パリっとしたかんじがあるが、全体的に見れば柔らかめのサウンドで聴き心地は優しい。
[低音]:100hz~40hzまでやや緩い感じのブルルルゥッとした鈍い振動。30hzでほぼ無音に近いわずかな振動、20hz以下はほぼ無音。床面はあまり強調しないボンボンした感じのウォームなベースを作る(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:ゆるやかに中域に密度があるような音場。個々の音は輪郭を少しだけ強調する感じがあるので、分離感は感じられ、そこらへんに解像度を感じる人には価格帯では悪くない感じ(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:ドラムは若干輪郭を強調した柔らかい感じの音でボボンボボン。音量を上げればバツンバツンしてくるが、基本的にはクッションのような、ちょっとボフって空気抜けする感じがある音なので、ロックやダンスで硬い床面を感じたい人には向かなそう。どちらにせよ重量感はあまりない。シンバルは刻みが良い感じでシャープ感はそこそこ。(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:ボーカルは男女ともに比較的自然。低域の被さりは少なく、中高域付近は若干見通しが良いので、ボーカルの分離感は悪くない印象。
【4】官能性「やや明るい、見通し感の良いサウンド」
ヨルシカ「冬眠」
まあ基本的にこの曲を聴くには低域の重量感がいまいち物足りない気がする。低域の締まりがイマイチなので、黒みが充分に出ておらず、シンバルの白味なんかが影響してるのか、音場全体が少し明るめ。単体で聴くと「まあちょっと明るいかな?」って思うくらいなんだけど、Dudios Zeus Aceと聞き比べると、低域の重量の差から来るメリハリ感が違って、こちらは少し軽薄で物足りない。
Ed Sheeran「The A Team」
中高域のすっきりした感じは、この曲なんかを聴くときには悪くない印象を受ける。音には全体的にウォーム感があって優しいが、音場を包み込むほどの濃さはなく、少し淡い感じでそれがこの曲の独特の寂寥感にマッチしている気がする。こういう聴かせ方は好きかな。
羊毛とおはな「はだかのピエロ」
低域があんまり目立たない感じは、案外この曲の中高域あたりを見通しよく味わうなら悪くない。曲調としてはすっきり気味。ピアノが少し表面の光沢感に寄って、厚みがいまいちなところがあるけど、音場は明るめでボーカルは少し細身にシャープな感じで聞こえてくるので分離感はよい。音に太さが出ないので、若干ミニチュア的かなとは思うけど。
佐々木恵梨「ふゆびより」
中高域の見通しが良いので、この曲なんかほどよく清潔な感じで聴ける。ボーカルは少し透ける感じで透明感もあるし、ウォームな感じはあっても低域はあまり目立たないので、暖かい温度感が強すぎる感じもなく、冬の張り詰めた空気を感じられるくらいには冷えてる。
菅野よう子「Power Of Light」
この曲なんか明るめで中高域を見通しよく、すっきりめに気持ちよく味わえる。やや明るすぎるかなって感じはあるけど、キラキラ尖る感じじゃなくて自然な厚みは感じられるくらいの音だから不自然さはない。
【5】総評「わずかなデザインの差とスペック差以外、TT-BH053との差は見出しがたいので好きな方を選ぶと良い」
ぶっちゃけTT-BH053と有意な音質差を感じませんでした。バイオセルロース振動板の実力ってのを味わってみたかったんだけど、本当にわかりませんでした。少なくとも驚くべき効果を音質にもたらす物ではないらしいです。なので、TT-BH053とこちらと好きな方を選んで買うと良いでしょう。音質は限りなく同一に近いです。
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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。