- 【1】装着感/遮音性/通信品質「コンパクトなケース、コンパクトなハウジング」
- 【2】外観・インターフェース・付属品「ノズル径が太め」
- 【3】音質「TE-D01dをややマイルドにリバランスしたような音質。音が全体的に前屈みで聞こえる感じは似ている」
- 【4】官能性「ボーカルはくっきり、ギターやシンバルはっきり、高域のびやかで音場に明るさがある」
- 【5】総評「店頭ではTE-D01dとTE~D01gあたりと聞き比べて見るのをおすすめします」
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【1】装着感/遮音性/通信品質「コンパクトなケース、コンパクトなハウジング」
おすすめ度*1 |
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ASIN |
かなりコンパクトで装着感は良いです。遮音性もそこそこ高め。
aptX対応。通信チップはQCC3026を搭載しており、それなりに堅牢ですが、大きさが小さいせいか、AVIOT TE-D01dやNUARL NT01AXなどと比べて安定しません。それでも充分に安定していますが、途切れはやや多めです。
【2】外観・インターフェース・付属品「ノズル径が太め」
付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、専用充電ケース、説明書。
連続再生時間が最大9時間。ケース込みで最大45時間と優秀。防水性能はIPX5。
ケースはかなり薄く小さく軽く、持ち運びやすい。イヤホンのノズルが太めで定番のSpinfit CP360はじめ多くのイヤピが使えない。
【3】音質「TE-D01dをややマイルドにリバランスしたような音質。音が全体的に前屈みで聞こえる感じは似ている」
音質的にはAVIOT TE-D01dに似ている。高域は充分に伸びているが、TE-D01dほど明瞭感のある形で明るさを強調しないので、若干印象は優しい。ボーカルが少し中高域の楽器と近い感じで聞こえてくるのも似ている。低域は少し質感が柔らかい。この機種はイヤピを交換しづらいので、同じイヤピにできず、厳密に音質差がどの程度かは判断できないが、かなりTE-D01dに近い印象を受けた。ロックやダンスに関してはTE-D01dのほうが全体的に音がくっきりして感じられる。
[高音]:高域は充分に伸びている印象だが、尖りを抑えたマイルドな音色でのびやかさを強調する。色彩的には明るめで弦楽や管楽は充分に華やいで聞こえる(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)
[中音]:中域はわずかに引っ込む弱ドンシャリのよう。ピアノには一定の厚みがあり、艶やかで、ギターにも鮮やかな色合いと下の方で手応えを感じるコシがある。ボーカルは明るめ。
[低音]:100~40hzまで太い振動。30hzで沈む。20hz以下ほぼ無音。この振動のスタイルもTE-D01dと似ており、わずかに輪郭を柔らかくして聴かせる印象(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:音は全体的に前屈みで奥行き感はそれほど感じない。音像は若干輪郭をぼかして聴かせるものの、TE-D01dのような定位の明瞭感を維持しており、完全ワイヤレスの中でははっきりしたほうである(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:ドラム表現はTE-D01dと聞き比べるとかなりそっくり。わずかに重低音が減っていて、ドンが弱く軽めで重心が少し上にある気がするが、これはイヤピの違いによる差の可能性もある。ドラムは明るめのバツンバツン。あるいはバシンバシン。ハイハットの明るい感じもTE-D01d似(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:やや細めに感じるボーカルの分離はよい。輪郭はよく描かれており、息感も明瞭。
【4】官能性「ボーカルはくっきり、ギターやシンバルはっきり、高域のびやかで音場に明るさがある」
ハルカトミユキ「17才」
ギターやシンバルに手がかりが多く、中高域から高域にかけての密度感が高めの曲だが、このイヤホンはそのディテール感と密度感を維持しつつ、適度にマイルドにしてくれるので聴きやすい。ボーカルは柔らかにふっくらとした中域を感じさせつつ、サビでは自然な明るさで上向く。TE-D01dに比べると、低域が若干引き締めが弱く、コントラスト感的にはゆるく感じられるところはある。
17才(期間生産限定アニメ盤)(Blu-ray Disc付)
秦基博「アルタイル」
弦楽の響きに充分なみずみずしさがあり、ギターも色合いが濃く黄金色に聞こえて表情豊か。ボーカルには自然な太さと色味があり、細る感じもなく、中域には適度な充実感がある。低域は中域から比較的滑らかにつながって、自然に厚みを出し、重低音は濃くなりすぎないぐらいの色味で、適度な温もり感と重みを音場に加えている。この曲はAVIOT TE-D01dだと若干キラキラ感が過剰かなと感じるところもあるので、少しマイルドにしてくれるこのイヤホンの方が相性良さそう。
フジファブリック「若者のすべて」
ギターやハイハット、キーボードの上の方が充分に明るく、鮮やかだが適度に丸みを帯びていて、優しく沁み入るような感覚がある。そのせいか中域に自然と温もり感が出て、やや温かみのある雰囲気がこの曲向き。全体的に前屈みで若干奥行き感は減っている気もするが、かなり気持ちよく浸れる。
東山奈央「イマココ」
ギターの音色に温かみがあり、低域に一定の重みがあるので、メリハリがあるが中域に適度に温度感が集まる感じがあるので、ボーカルをふっくらと感じさせ、ピアノにも厚みを出すだけの充実感がある。声優系の明るくツヤッとした声色と雰囲気を充分に感じさせつつ、中域でもまろみや甘味を感じさせてくれていて、充分に満足できる。
【5】総評「店頭ではTE-D01dとTE~D01gあたりと聞き比べて見るのをおすすめします」
ノズルが太くてケースのイヤホン収納部に余裕がないため、市販イヤピを合わせづらいなど使い勝手に少しクセがあり、通信品質もQCC3026系の中では少し途切れが目立つ感じがある。音質的にはAVIOTのTE-D01d/TE-D01gに近い系統なので、そこらへんと聞き比べて一番バランスが良いと思ったものを選ぶと良いと思う。
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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。