ラディウス 完全ワイヤレス Bluetoothイヤホン(ゴールド)radius HP-T50BT(Gold)
- 【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は良い。通信品質は普通」
- 【2】外観・インターフェース・付属品「割愛」
- 【3】音質「radiusらしいドンシャリ」
- 【4】官能性「スパイキーでスパイシー。楽しい」
- 【5】総評「しっかりドンシャリ。radiusしてます。面白い」
- 【関連記事】
【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は良い。通信品質は普通」
おすすめ度*1 |
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ASIN |
1万円以下くらいの価格帯はコンパクトなモデルが主流になりつつあるが、この機種は現状1万円以上なものの、かなりコンパクトで1万円以下モデルと張り合うかのようなデザイン。装着感は悪くない。遮音性そこそこ。
対応コーデックはAAC/SBC。あまり通信混雑していない店舗内でテストしたが、AACでもSBCでもまれに途切れる感じがある。腰ポケットから接続した機器を出し入れしたりなんかすると通信が乱れた。HP-T100BTほど途切れる感じはないが、店頭試聴機も新しいので通信チップが慣熟していない可能性があるものの、今のところそれほど安定性が高い感じはしない。
【2】外観・インターフェース・付属品「割愛」
試聴レビューなんで付属品やインターフェースの細かい癖は割愛します。連続再生時間は6時間。ケース込みで最大18時間。自動ペアリング、自動接続/切断はよく実現されている。
【3】音質「radiusらしいドンシャリ」
radiusらしいドンシャリ志向の音質。かなり黒みのある低域が背景をしっかり作る中に、シンバルあたりは本当に白くシャリシャリ浮き上がって聞こえるコントラスト感重視の本格派ドンシャリ。金属光沢はかなりギラギラしていて、尖りも強く、アグレッシブ。なんていうかradiusらしいと言えばradiusらしく、ダンスやロックをちょっと尖った感じでスパイキーに聴かせてくれる感じ。
美点
- 低域は黒く、厚みもあり、場を引き締め、しっかり支える。
- 高域はかなり明るく、アグレッシブで刺激的。
- ザ・ドンシャリな濃淡と抑揚にメリハリあるサウンドが楽しい。
欠点
- 場合によって高域がギラギラしすぎてうるさい。
- タムもかなり強く、場合によってリズムがズチャズチャする。
[高音]:高域の本当に高いところはマイルドに抜けているが、シンバルのシャーンという空気感はそれなりに広めで、金属光沢感もはっきりと明るく、高域の粒立ちは良く、抜けも適度に感じられる(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)
[中音]:中域は一定の厚みが感じられ、中低域の厚みもあるが、基本的に少し引っ込んで中高域を目立たせる感じになっている。中高域のちょっと高いあたりが目立ち、ドライな質感も如実に感じられるくらいのバランス。基本的に明るめ。
[低音]:100hz~40hzまでブーッという意外とはっきりしていて、場合によって明るく感じる振動。30hzで沈み、20hzでほぼ無音。中低域には厚みがあるが膨張感はそれほど強調せず、重低音の黒みがはっきり聞こえる感じの低音。ベースが濃い(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:中低域がやや厚く、重低音はさらに広く黒く、中域わずかに引っ込み、高域でスリムになって高く明るく伸びていくという、radiusにありがちな三角形な組み立て(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:タムの鼓面の粘りがよく、バツバツ気持ちよい手応えがあって、バスドラも重く黒くタイトにしっかりキックを入れる。バツンバツン系の黒いドラム。ハイハットは白味があり、シャリシャリ明るめに刻みよく浮き上がる(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:男声ボーカルには一定の濃さがあり、深いところも良く出ている。ただし、太さはそこそこで、質感は少しツルツル。手持ちのaudio-technica ATH-CKS5TWと聞き比べてみたけど、やっぱり本当に濃く厚みのあるボーカルを味わいたいなら、ATH-CKS5TWかな。女声ボーカルは少し抜けが強調され、上に伸びる感じがあり、ツ音などが少し尖る。
【4】官能性「スパイキーでスパイシー。楽しい」
TM NETWORK「Still Love Her」
中高域から高域にかけて手がかりが多く、金属音の尖りがやや強めにカチカチ表現される。ボーカルは一定の太さがあり、そこそこ濃さもあるが、中域では少し明るい。この曲では中低域の厚みはそれほど強調されないので、中高域中心といった印象に聞こえる。デジタルドラムの白味がかなり強く、明るく浮かび上がり、人によっては少しズチャズチャうるさいかも知れない。
City Hunter Sound Collection X-Theme Songs-
山崎あおい「アイソレイト」
低域に黒みがしっかりあり、締まりを感じられるほか、シンバルも少しドライに聞こえる。ボーカルには温度感が出ているが、サビではやや細身に伸びて突き抜け感が出る。シンバルとギターの刻みが目立ち、ギラギラ感強めでアグレッシブなのは曲調に合っている。
HALCALI「 Tip Taps Tip」
低域ドラムが黒く、締まりも良く、音場のコントラスト感が際立つ。中高域の電子音は少し明るく刻みを強調してカリカリ手応え良く、濃くしっかり味わえる。はっきりしたドンシャリならではのコントラストの高いサウンドは、こういうEDMで面白く聴かせてくれる。
Suchmos「STAY TUNE」
ベースが黒く深く重く、ドラムも締まりの良いキックをかましてくれる。シンバルはやや派手めでシャキシャキ。ボーカルに濃さもあるので、充実感があり、重厚味もたっぷり味わえるが、一方で上ではしっかり明るく、抜けが良い。つまりしっかりドンシャリ。いいね。
【5】総評「しっかりドンシャリ。radiusしてます。面白い」
radiusらしいドンシャリな感じが好きです。かなり割り切ってドンシャリしてて臭みは強いかも知れないけど、楽しいことは確か。問題は通信品質で、別店舗なんかでまだもうちょっと追加テストしてみないと分からないところはあるが、今のところ目立って悪い感じでもないけど、あまり盤石な印象を受けません。
販売店員さんも「試した感じ、たしかにちょっと途切れやすい気はします。小型だからちょっとアンテナ弱いかも知れませんよね」みたいなことを言ってました。
ラディウス 完全ワイヤレス Bluetoothイヤホン(ゴールド)radius HP-T50BT(Gold)
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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。