【ポイント5倍!7/30 23:59マデ!】FENDER フェンダー TEN 2 Metallic Blue 【FMI-TEN2-MB】 高音質 カナル型 イヤホン 【1年保証】
- 【0】免責事項
- 【1】装着感/遮音性/通信品質/ビルドクオリティ
- 【2】イヤーピース考察
- 【3】音質
- 【4】官能性
- 【総評】やや濃度が高めで、どっしり濃い音ではあるが、上位機種ほど濃すぎず、バランスが良い。
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【0】免責事項
このレビューは販売店舗さんのご厚意で試聴させていただいた範囲内で作成しております。ケーブルは標準付属品のはずですが、セッティングは販売店舗さんにより異なる場合があります。イヤーピースは手持ちのものを使える場合は、それを用いてテストしております。レファレンスはJVC スパイラルドット++ Lサイズですが、機種によって使えない場合もあるかもしれません。使えない場合どうするかはその都度。
テスト機は基本的にAstell & Kern KANN CUBEを用いていますが、音質の特徴を捉えるために副次的にONKYO GRANBEATなど別のDAPも使っております。
一応解像度とかの比較用にイヤホンのレファレンスを定めていて、EarSonics ES5です。
【1】装着感/遮音性/通信品質/ビルドクオリティ
装着感
カスタムIEMに似せたデザインになっており、耳にしっかりと嵌まる。
遮音性
耳をしっかり覆うので、遮音性は高め。
ビルドクオリティ
ビルドクオリティは高い。コネクタは独自の「Talonシステム」2pinだが、カスタム2pinと互換性あり。工作精度も全体的に高い。
【2】イヤーピース考察
この機種のノズルの太さは細め。
- AZLA SednaEarfitを使うと、低域がやや太く濃くなる。コントラスト感はよくなり、低域は充実するが、やや低域のレイヤーが平坦な感じになる印象を受ける。
- SONY トリプルコンフォートはやや音場が上向いて抜けが良くなる印象が出てくる。明るめにロックを楽しみたい場合はこれで。
- JVC スパイラルドット++は音場がやや開放的になり、低域のレイヤー感もよく感じられる。
- final E Clearは中高域にすっきり感が出て、ボーカルが前面に出てくる。低域は深さより重み重視に聞こえる。
- final E Violetは中域にやや濃度が出て、暖かみを増して聴くことができる。
- Acoutune AET08は高域がマイルドになり、より中域の濃度感を重視して聴くことがことができる。低域の深みは立体感が維持されている。
【3】音質
総合:26/30
高域:8/10
中域以下の黒みを閉じ込めることを意識したハードロックな暖かい高域
- 質感:ややウォーム、濃い
- 明るさ:明るめ
- 拡張性:かなり良い
- 派手さ:やや派手
- 緻密さ:やや緻密
シンバルは空気感も充分あるが、派手さを白く強調しすぎず、やや高めにマイルドカーブする印象を受ける。そのため、シャーンと響きつつ、きつくなる感じのない温もり感を持っている。タムの鼓面とシンバルは明るさを抑えて濃く聴かせようとしており、ギターのディストーションも浮かれた感じではなく、黒くえぐる重厚感を伴っている。男らしいマッチョな音。
中域:9/10
濃厚に音が広がる空気感に満ちた中域
- 質感:ウォーム、ふっくら
- 明るさ:普通かやや暗い
- 横幅:広い
- 奥行き:普通
- ボーカル:自然
低域からの温度感を受けて、やや重心の思いどっしりした密度感がほどよく感じられる空間が広がっている。中域から下は色がしっかり濃く、濃厚感があり、スカスカしたところは全くないが、おそらく多くの人に圧迫感を感じさせるほどではないくらいにはクリアで見通し感も意識されている。定位は全体的にやや前屈みで、ボーカルは楽器に包まれて聞こえてくる。
低域の存在感なども考えて、やや表現として迷うところがあるが、奥行きよりは幅の広さのある中域として私は理解した。少なくとも中域で奥行き感を強調する感じではない。
低域:9/10
音場全体を暖め、引き付け、広く支える磁力のある低域が最高にロック
- 質感:ややウォーム
- 明るさ:普通
- 重心:やや低い
- 重み:重い
- 重低音:地熱感あり
重低音の重みと熱気が存分に感じられる。スピード感もあるが、膨張感も案じられ、ドラムの下に少し黒い暖かいベースがしっかりと存在している。高域の高さに負けない横の広がりと深さがあり、懐の深さを感じさせる。
100hz~30hzまで厚みのある振動。20hzでほぼ無音。
【4】官能性
分島花音「Unbalance by Me」
重低音を中心に黒く熱い低域が支配的で、とにかく重厚。その低域の強い力場に支配された中で、しかしその重みは中域に熱気をもたらすが、必ずしも「もっさり」鈍くさせる性格のものではなく、むしろ中域のエネルギーの源となっている。たとえばやや暗いボーカルは熱気を感じさせるし、渋みのある金管は高いところでも濃厚で、上でクリアに伸びるが、音は薄まらない。やや高い高域に属するギターのディストーションはさすがに厚い中域の少し奥で聞こえる感じで若干埋没している印象になるのは、もしかすると、好みを分けるかも。とはいえ圧倒的熱気と迫力が感じられて、説得力がある。
大野雄二トリオ「ルパン三世 愛のテーマ」
JAZZを聴くのに充分な充実感と熱気があり、高域の派手さを抑えた大人びた色気のある感じはこの曲なんかぴったり。とくに低域のレイヤー感を伴って深みを出す感じがJAZZの深まっていく音の響きと相性良く思える。音が深く熱気に包まれて沈んでいき、床面で広がっていく充実感を味わえる。まさに「深淵から聞かせる音楽、Fender」といった感じ。
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高橋李依「風吹けば恋」
重低音がしっかり音場全体をまとめ上げてくれる。この曲は元々ボーカルそれほど前面に出ていないので、ボーカルは最初の印象だと少し暗く埋没気味の印象を受けるが、周囲の楽器音の濃さに慣れてしまえば、ふっくらした甘味と生命的なまろやかさを感じさせて聞こえてくる。こういう曲をライブ会場で聴いているかのような熱気を伴って聴かせてくれるのが魅力。
「からかい上手の高木さん」Cover Song Collection(TVアニメ「からかい上手の高木さん」エンディングテーマ)
KOKIA「この胸の苦しみが愛おしいほどに生きて」
低域にリアルで生命的な重みがあり、ボーカルも濃くコクを出しながら、太くチラ強く伸びる。金管のムード感が凄い。胸を温めるかのように豊かで、充分に濃く、それでいて優しくじんわりと胸に沁み入る。これはよい。
辛島美登里「笑顔を探して」
音場に充分な充実感と温度感があるにも関わらず、適度な見通し感があるので、篭もった印象は受けない。ボーカルはまろやかでコクがあり、じんわりした甘味を維持して上には伸びる。ベースやギターが暖かく豊かにボーカルの情感を支えている。
Man The Mighty「Beneath the Skin」
まあおそらく本来はこういう重厚なロック曲聴いてねってコンセプトだとは思う。実際聴き応えがあり、マッチョでひたすら濃く、黒い音でボーカルもフルボディに濃く、力強い。音の隅々まで女々しいところがこれっぽっちもない。
【総評】やや濃度が高めで、どっしり濃い音ではあるが、上位機種ほど濃すぎず、バランスが良い。
FenderのIEMって個人的に、上位機種になるほど音が太く濃くなって、ベースあたりに収斂していく印象がある。NINE 2も同時に聴いたが、そちらがまだ明るい感じだったのに対し、TEN 2はもう濃厚だった。最上位のThirteenも聴いたことがあるが、あれは値段もべらぼうだし、ちょっとどっしりしすぎってこともあり、意外とこのTENあたりで選ぶのが正解の気がする。
値段的にもほどほどで、7万円以内とこの濃いパワフルな音の値段にしてはなんとなく安い気がしないでもない。
ハードロックはもちろんのこと、JAZZを聴くにも充分な濃度感があり、室内楽でも説得力を感じるかも。重厚で濃いめにどっしり音楽を聴きたい人にはかなりよい選択肢になりそうだ。
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