完全ワイヤレスレシーバーの最新作「SHURE Aonic 215」
完全ワイヤレスイヤホン業界に伝統的で高い名声を誇るオーディオメーカーが次々と参入しています。一昨年SENNHEISERがMOMENTUM True Wireless(MTW)を出したとき、多くのオーディオ批評家とオーディオファンは、これにより完全ワイヤレスイヤホンの決定版が確定され、それによってめまぐるしい競争が多少収まると考えていたかも知れません。
しかし、現実は違いました。むしろ競争は激化しています。MTWの成功は、むしろ多くのプレーヤーをこの市場に招き寄せることになったと言っても過言ではありません。MTWは完全ワイヤレスイヤホンがもはやオーディオファンを充分に納得させるほどの音質を獲得したことを印象づけ、多くのメーカーが完全ワイヤレスイヤホンの開発に乗り出すきっかけとなりました。2019年はSONYの輝かしいWF-1000XM3の登場により、アクティブノイズキャンセルの扉が開かれました。
そして2020年の勝利者はまだ決まっていませんが、その最有力候補の一つが登場しました。SHURE Aonic 215です。市場で知らぬものはいない、SHUREから完全ワイヤレスイヤホンが登場したのです。
すでにそのファーストインプレッションについてはお伝えしましたが、この記事では海外レビューを引用し、皆さんにその実像をより具体的に伝えたいと思います。
海外レビューまとめ
例の如く適度に超訳です。
Trusted Reviews
評価
星5/5(最高評価)
奇抜な見た目なのは確かで、しかも完全ワイヤレスイヤホン市場の高価格帯全体を考慮すると、これ意外に選択の余地がないわけではないんだけど、それでもShure Aonic 215は、素晴らしいオーディオパフォーマンスを備えていて「本当に良い」カテゴリに入れて良いと思う。
長所
- 開放的でバランスのとれた、繊細でパンチのあるオールラウンドな素晴らしいサウンド
- まともなバッテリー寿命
- 堅牢な接続品質
短所
- あからさまに奇妙なルックス
- アプリのアップデートが遅れてる
Shure Aonic 215は買い?
高価な完全ワイヤレスインイヤーヘッドホンを検討しているなら、選択肢は少なくないよ。でも本当に優れたものだけに制限すれば、選択の幅がわずかに小さくなる。 Shure Aonic 215は「本気で、本当に良い」カテゴリに分類されると思うけど、少なくともいくつかの他の選択肢を精査する必要があると思うね。他の理由がなければ、少なくとも見た目の上では、ほかのイヤホンの方がShureのコイツよりも奇妙に見えることはないでしょうな。
たとえば、SENNHEISERは、最近再設計され、更新された、見た目がわずかに洗練されたMomentum True Wireless 2を最近発表したばかりだ。 SENNHEISERは、以前よりもゴツゴツした感じを大幅に減らしていて、堅牢でフルボディのサウンドを提供してくれるよ。この機種は最も優れた300ポンド未満の完全ワイヤレスインイヤー型イヤホンの1つといえるね。Shureのこいつよりもパワフルだけど、操作性は少し良くないかな。
それ以外だと、ソニーの由緒あるWF-1000XM3が引き続き注目されるべきで、200ポンド未満になっているため、さらに魅力的になっている。そして、AppleはAirPods Proをリリースしているよ。これは、「Shureとほぼ同じくらい高価」だけど、「実現されているもの」は異なっている。まあよほどどっぷりiOSにはまり込んでいない限り、AirPods Proがゴールってことはないんじゃない?
Shure Aonic 215 review | Trusted ReviewsWeird-looking for sure, and while the market is not short of choice where expensive true wireless in-ear headphones are concerned, the Shure Aonic 215s belong in the 'really, really good' category with a splendid audio performance Review Price: £259 Bluetooth 5 aptX 32 hours all-in battery life modular design If you, like me, felt a bit queasy at the sight of the original Apple AirPods - they looked unfinished, didn't they?
見た目はしかし、競合機種であるFOSTEX TM2とかTRN BT20Sとかみんなほぼおんなじ「奇妙な見た目」をしてるんで、Aonic 215固有の問題ではない気がします。
cnet
気に入ったところ気に入らないところ
- 取り外し可能なBluetoothモジュールを備えた革新的なデザイン!!!
- しっかりと密閉するためのイヤーピースがたくさん入ってる!!!
- Shure SE215イヤフォンだけでなく他のShureイヤフォンを取り付けることができるね!!!
- タイトな低域、詳細で正確なサウンド、そしてヒアスルーモード!!!
- 8時間のバッテリー駆動時間と3回のケースでの追加充電(合計32時間)
- 通話品質は良いが、通話の音はモノラルのみ
- 高すぎ
- 充電ケースがデカすぎ
- イヤホンでコントロールできること少なすぎ
- モノラルボイスコール(通話音声は右のイヤフォンからしか聞こえない)
付属アプリは、ヒアスルーの透明度のレベルを調整できる。 また、スマートフォンに保存した音楽ファイルのコレクションがあれば、忠実度の高いロスレストラックを再生することもできる。だけど残念ながら、アプリのイコライザーは、音楽ストリーミングサービスでは利用できず、携帯電話に保存されている音楽を使用するアプリ上でしか機能しない。
全体として、これはクールなコンセプトだと思うね。 まあ、それは少し第一世代的だと思う。まあ、そうだね、特に、機能面では他のハイエンド完全ワイヤレスイヤフォンと比較して制限されていることを考えると、ちょっと流行から外れていて割高だよね。 たとえば、アクティブノイズキャンセリングと、よりパワフルな低域を備えた少しリッチなサウンドを備えたSennheiser Momentum True Wireless 2(MTW2)を20ドルほど出せば購入できてしまうんだから。
でも、個人的にはAonic 215が好きかな。それは確かにShureのインイヤーモニターと調和している明確なデザインが備わっていて、手持ちにShureのイヤホンがない場合でも、Shure製品を身に着けているミュージシャンのように魅了してくれるところがある。ただ、より多くの人々に買ってもらうためには、価格を$200くらいにする必要があるんじゃない?
Shure Aonic 215 true wireless earbuds review: Beats for audiophilesShure may be a well-known audio brand among musicians and audiophiles, but it kind of missed the boat on consumer wireless headphones. Well, now the company finally has a set of of true wireless earbuds and they're not your typical AirPods clones, although at $279 (£259; AU$146), they do cost slightly more than Apple's AirPods Pro.
インプレッション記事にも書きましたが、アプリはあまり実用的ではありません。
PCmag
Shure初の完全ワイヤレスイヤホンであるAonic 215は、多くの点で正義が備わっていますが、そのクソ高い価格を正当化するには十分ではございません。
長所
- 豊かな低音とクリアな高音による正確なオーディオパフォーマンス
- イヤホンは取り外し可能で、ケーブルのような使用が可能
- 確実なパッシブノイズリダクション
短所
- 高いですな
- ブーム感のある低音を求める人向けではありません
- 限られたオンイヤーコントロール
- EQは、アプリ内で音楽が再生されている場合にのみ機能します
ShureのAonic 215は、AptXとAACの両方をサポートし、有線でも使える取り外し可能なイヤホンによって端的にわかるように、可能な限り多くの音質と自由度を維持したい人向けのケーブルレスモデルです。この製品に対する失望は、Shure側の複雑な決定によって主に発生しています。たとえば、有線のリスニング用のケーブルがない、物理的なボリュームやトラックナビゲーションコントロールがない、Shureアプリ自体で音楽を再生する場合にのみ機能するイコライザー(EQ)などです。 オーディオファン向けの完全ワイヤレスインイヤーを探している場合、このイヤホンが原因でほかのイヤホンを買う気にならないなんてことにはならないでしょう。AppleのAirPods Proは、$300のSennheiser Momentum True Wireless 2がそうであるように、しっかりしたアクティブノイズキャンセルが追加されています。 一方、もっと安く済ませたい場合は、200ドルのJabra Elite Active 75tを検討すべきでございます。これは、優れたアプリが機能するスポーティなケーブルレスのイヤホンでございます。
Shure Aonic 215 ReviewShure's first true wireless earphones, the Aonic 215, are nothing if not unique. The earpieces have ear hooks for added stability, the charging case looks more like a zip-up pouch, and the accessories include multiple in-ear fit options and a cleaning tool.
アプリのデザインや機能的な使いやすさはたぶんJabra Elite Active 75tのほうが上だろうという意見には私も賛成しかありません。
Pocket-lint
要点
聴き始めたら、もうShure Aonic 215の真のワイヤレスを耳から取り外したくなくなっちゃったよ!音質はただただ崇高だね!手動でのスイッチオンが遅いことと、時々ある接続の不具合だけが、このワイヤレスイヤホンの欠点かな。
美点
- ディテールと温もりに満ちた幻想的なサウンド!!!
- なんとイヤホン部分を好きなのに交換できるんだぜ!!!
- 優れたバッテリー駆動時間!!!
- 遮音効果抜群!!!
- ぴったりフィット!!!
欠点
- 電源をいちいち手動で入れる必要あり
- ぶっちゃけデザインは好き嫌いありそう
- セットアップのプロセスもわかりづらい
- 接続はちょっと細かな不具合がある
- アクティブノイズキャンセリングがない
Shure Aonic 215は、型破りなイヤホンだね!こいつのフィット感と存在感はとても気に入ったよ。ただもしかすると一部の人には、過度にぴったりしたデザインと、動作させるのにいちいち電源ボタンを押してオンに切り替えなくちゃいけないことに不快感を感じるかもね。
このイヤホンの良いところは、MMCXコネクタを使用してハイエンドのイヤホンを取り付けると、エクスペリエンスがさらに向上するというところ。そのおかげで使い道が途方もなく広がるね!既存のShureのIEMをケーブルの煩わしさから解放したい人は、この機能に感銘を受けるはずさ!
じゃあこのイヤホンの問題点は何かって?まあ、手動でスイッチを押してから少し遅れて電源オンになる時間差とときどき起こる接続障害は、目立った欠点だろうけど、不満点はそれだけだよ。
まあそれでもこのイヤホンの魅力を妨げたりしないね。聴き始めたら、Shure Aonic 215を耳から取り出したくなくなっちゃったよ。音質はただただ崇高なんだ!
Shure Aonic 215 review: True wireless never sounded so goodThere's no shortage of true wireless earphone options available right now. The market is maturing, and virtually every audio manufacturer - whether big-name or small - has a version of earbuds without any wires or cabling getting in the way.
「崇高/荘厳(sublime)」な音という観点で言うと、私はあんまりAonic 215の音をそういう音とは捉えていません。たぶんMTW2の方がその形容にふさわしい音を奏でてくれると思います。
PCmagがしきりに指摘する「接続の不具合」というのは私はあまり経験がなく、接続当初や再生機器との間に距離を極端に取った時に若干乱れることがありますが、目に見えてひどいということはありません。電源ONをいちいち手動でやらなければいけないのはたしかにめんどくさいかもしれませんが、OFFはケースに入れるだけで良いので、個人的には煩わしいというほどではありません。ただ競合機種に比べるとスムーズでないことは確かです。
ちなみに私の中では、このイヤホンが2020年ベストの完全ワイヤレスイヤホン候補になることはたぶんありません。アプリは完成度が低いし、3万円という値段のわりに音もとくに感動しませんでした。
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