Audiosense Earphone T260 [T260]
- AUDIOSENSEのことなら秋葉館
- 基本スペック
- パッケージ
- 装着サンプル
- 音質
- レコーディングシグネチャー
- 録音機材
- GENS D'ARMES(ロック系)
- Sophisticated Fight(ロック系)
- TO MAKE THE END OF BATTLE(ロック系)
- 白き魔女(クラシック系)
- 小さな英雄(クラシック系)
- 淡い恋 ~Too full with love~(クラシック系)
- FEENA(EDM系)
- The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
- Sophisticated Fight(JAZZ系)
- ケノーピ火山(JAZZ系)
- 浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- QUATERA WOODS(OST系)
- 幻の大地 セルペンティナ(OST系)
- 愛を感じていたい「終焉」(ポップス系)
- 魔王ヴェスパー(OST系)
- 花と風のうた(JAZZ系)
- 総評
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「フラッシュレビュー」はデータ中心の簡潔な内容で、ポイントを絞ってオーディオ製品を解説します。
今回取り上げる中華イヤホン製品はAudiosense T260です。
AUDIOSENSEについては日本ではあまり知られていませんが、コスパの良いマルチドライバーIEMを作っていることで一部のオーディオファンに人気が高いブランドです。とくにこのブランドを一躍有名にしたのがAUDIOSENSE T800で、バランスドアーマチュアドライバー採用機らしからぬ深い低域と独特の歯切れの良いクリスピーなサウンドが好評を博し、オーディオコミュニティで好評をもって迎えられました。
最近ではフラッグシップモデルであるAQ7をリリースしています。一般的にはT800で知られているメーカーですが、低価格機からミドルレンジまでカヴァーしており、ラインナップは豊富です。
AUDIOSENSEのことなら秋葉館
なおこのレビューは秋葉館さんからレビュー用レンタルサンプルを提供していただいています。秋葉館さんはAUDIOSENSE製品を実店舗、通販で取り扱っており、そのパッケージはすべて国内正規品になります。店頭にも試聴機が置かれているので、AUDIOSENSE製品に興味がある方は秋葉原に行くことがあったら是非寄ってみて下さい。アクセスはこちらのリンクでご確認頂ければと思います。
また、AUDIOSENSE製品の通販リンクはこちらになります。
audio-sound @ hatenaはこの機種を「audio-sound @ hatena Recommended」として、比較的多数の人にとって買って損がないオーディオ製品であると推奨します。
基本スペック
- ドライバー構成:2BA
- 周波数特性:20hz-22khz
- インピーダンス:27Ω
- 感度:107dB
- ケーブルコネクタ:mmcx
パッケージ
今回は見本サンプルなので、製品版のパッケージとは内容が一部異なる可能性があります。
イヤホンのパッケージ全体はこの価格帯では豪華なレベルだと思われます。キャリイングケースや付属イヤーピース、ケーブルの品質、本体のビルドクオリティでおそらく不満を感じることはなく、ケーブルアップデートも必要ないと思います。低価格でありながらしっかりとしたmmcx端子があり、リケーブルできるのも魅力です。
AUDIOSENSE全体の中ではミドルエントリークラスのモデルになりますが、クオリティ的にはミドルレンジ帯に遜色ありません。
ノズルについて
ノズルはWestoneなどと同じ、細いタイプです。一般的なイヤーピースを取り付ける場合は調整ゴムリングなどを付ける必要があります。
装着サンプル
WestoneやShureの製品を意識したイヤーモニタースタイルのハウジングで小型です。遮音性も良好です。
音質
測定機材
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
- アナライザソフト:TypeDSSF3-L
※イヤーシミュレーターの特性上、20hz以下と16khz以上の信頼性は高くありません。
周波数特性
上から順に、
- [標準シリコンS装着時]左右別
- [標準シリコンS装着時]左右平均
- [標準シリコンS装着時]左右別(自由音場補正済み)
- [標準シリコンS装着時]左右平均(自由音場補正済み)
※また当ブログの自由音場補正については機材に合わせてサザン音響さんから提供された補正値を使用しております。
サウンドシグネチャー解説
全体として見れば、低域から中域がほとんどニュートラルで、バランスが良いサウンドです。中域上部に少し強調点があります。中高域は基本的に静かですが、高域がややシャープに強調される感じがあり、音の質感が尖って思える可能性があります。
THD+N特性
上は周波数帯域ベースのTHD+N特性、下は1khzでの音量レベルTHD+N特性です。THD+N特性はおおむね1%以下で、満足できる品質です。
音質解説
全体は中域の透明度が高く、雰囲気はモニター的です。
低域は非常にモニター的で階層性が良く、見通し感が良いですが、量感の点では不足が感じられます。透明度の高い低域でタイトに聞こえるのでリズムをしっかり聴き取ることができますが、熱気のようなものがほとんどなく、ライブ感には少し欠ける印象を受けるかも知れません。
このイヤホンは中域をモニターするのに最適なバランスを目指したようで、ボーカルを含め中域の楽器音は前面に出てくるので、音場には開放型ヘッドホンのような奥行き感があります。地平線上に音が並ぶようなサウンドで、聴いていてDUNU Studio SA3のサウンドを思い出しました。そういう意味ではスタジオモニター的なサウンドと言え、そしておそらくほとんどの人にとってSA3とわりと代替可能です。
中域上部から高域にかけては少し癖を感じます。たとえばバイオリンの音、ピッコロの響き、ボーカルのサ行の子音や息感に妙な強調を感じ、自然な音よりは縦に引き延ばされたように聞こえます。ここらへんはSA3の音の方が私には明らかに自然なのですが、SA3はSA3で金管が妙にシャウティに目立ったりしますし、音場はT260の広く聞こえるので(SA3はもっと濃密)、似たような音でも一長一短はあります。おそらくSA3は静寂感を重視する人に、T260はもうちょっと明るい華やかな音を好む人に好かれそうです。私にはT260のピッコロなんかは少しピキャピキャした感じでうるさい印象に聞こえるので、SA3のほうが好きかな。SA3の木管音やバイオリンの音には渋みみたいなものが少しあるんですが、T260の音はもっとツルツルしていてそういった質感的な生々しさに欠けている気がします。妙に高域の空間がスースーしているのも気になります。
一般的には開放型ヘッドホンのような音がとことん好きで、中域の清潔感にとことんこだわる人にはかなり好ましい選択肢です。ボーカル周りのマージンはかなり広く、音場は広く聞こえます。ただそのボーカルが媚び気味で基本的にシャウティに聞こえるのが気になりますが。個人的にはLiSA「シルシ」とかmajiko「春、恋桜。」みたいな曲を聴くと、サ行を中心にボーカルの子音が尖りがちなうえ、少しギャンギャン吠えて聞こえるので、「このイヤホン、妙にうるせぇな!」って気分になります。こういう曲ではSA3のほうがボーカルが落ち着いているので好きですが、まあこういう雰囲気が好きな人もいるかも知れない。
AUDIOSENSE T300との比較
同じブランドのAUDIOSENSE T300との比較があります。詳細はAUDIOSENSE T300のレビュー記事をご確認ください。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。ソースはFiiO M15を用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使い、ゲインは高設定です。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
録音機材
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
- レコーディングソフト:Audacity
GENS D'ARMES(ロック系)
GENS D'ARMES / イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
Sophisticated Fight(ロック系)
Sophisticated Fight / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation
TO MAKE THE END OF BATTLE(ロック系)
TO MAKE THE END OF BATTLE / Ys Ⅰ&Ⅱ ベストサウンドコレクション / Copyright © Nihon Falcom Corporation
白き魔女(クラシック系)
第3部「白き魔女」: 白き魔女 / 交響曲「ガガーブトリロジー」 ~白き魔女~朱紅い雫~海の檻歌~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
小さな英雄(クラシック系)
第3部「白き魔女」: 小さな英雄 / 交響曲「ガガーブトリロジー」 ~白き魔女~朱紅い雫~海の檻歌~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
淡い恋 ~Too full with love~(クラシック系)
淡い恋 ~Too full with love~ / イース・ヒーリング / Copyright © Nihon Falcom Corporation
FEENA(EDM系)
FEENA / PROVINCIALISM Ys / Copyright © Nihon Falcom Corporation
The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
The Silver Will -ギンノイシ- / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation
Sophisticated Fight(JAZZ系)
Sophisticated Fight / 英雄伝説 空の軌跡FC&SC スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
ケノーピ火山(JAZZ系)
ケノーピ火山 / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
浮遊大陸アルジェス -Introduction- / Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008 / Copyright © Nihon Falcom Corporation
QUATERA WOODS(OST系)
QUATERA WOODS / イースVI -ナピシュテムの匣- オリジナル・サウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
幻の大地 セルペンティナ(OST系)
幻の大地 セルペンティナ / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
愛を感じていたい「終焉」(ポップス系)
愛を感じていたい「終焉」 / オリジナル・サウンドトラック 「海の檻歌」~後編~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
魔王ヴェスパー(OST系)
魔王ヴェスパー / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
花と風のうた(JAZZ系)
花と風のうた / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
総評
AUDIOSENSE T260は中域にフォーカスされたサウンドを持つ音場の広いモニターサウンドです。開放型ヘッドホンのような中域のマージンが大きい広々としたサウンドが好きなら比較的おすすめできます。しかし、個人的には高域に少し癖を感じ、ボーカルや高域楽器にピーキーな雰囲気を感じます。
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