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【完全ワイヤレスイヤホン AVIOT TE-BD21f-pnk 試聴レビュー】低域に厚みを持たせ、より中高域にフォーカスしてリスニングの快適性を高めた機種。熱量感が増してパワフルな音を手に入れた。おすすめ

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AVIOT TE-BD21f-pnk

AVIOT TE-BD21f-pnk

AVIOT×ピエール中野 TE-BD21f-pnk Special Edition 完全ワイヤレスイヤホン Bluetoothイヤホン ボイスアナウンスは花澤香菜 シリコンストラップ SpinFit イヤーピース付属 iPhone アンドロイド SBC AAC aptX 対応

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「小型で装着感が良い」

おすすめ度*1

ASIN
B07TTQKHL4
スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間 7h/25h
Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック aptX/AAC/SBC
防水性能

IPX5

 音質傾向

低域強調、ホット、清潔、バランスが良い、見通しが良い、ディテールが豊富、分離感重視、ややドライ

 イヤホンは少し出っ張り気味ですが、装着感は悪くありません。

 

 通信チップはQCC3020。対応コーデックはaptX/AAC/SBC。店舗内テストでは通信品質全く問題ありませんでした。しかし、あまり通信の混雑していない店舗内でのテストでしたので、当てになりません。

 

テスト環境

 今回のテストはHiby R6 ProONKYO GRANBEATで行っています。

www.ear-phone-review.com

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通常版のレビューはこちら

www.ear-phone-review.com

 

【2】外観・インターフェース・付属品「割愛」

 付属品は割愛。

 

 

EnacFire E18 plusEnacFire E18 plus

 

【3】音質「低域にボリューム感を出し、ディテールをやや落とした代わりに、中高域へのフォーカス感が高まった」

 音質はほとんどフラットだったノーマルのTE-BD21fに比べると低域がややブーミーに前に出てくるようになり、その影響でボーカルや中域音にウォームな色彩感が加わり、ツヤが増して感じられるようになりました。

 低域は量感が増して少し膨らむようになったとはいえ、基本的に明るめのキャラクターは変わらず、浮き上がりの良い元気な感じがあります。支配力は高まって中域との境目が少しもやもやするようになったので、聴く曲や好みによっては篭もっている印象を受ける可能性が高くなりました。低域は見通し感が薄れたので、ドラムに比べるとベースはやや埋没しやすくなり、重低音の方でも少しもやっとする地熱感が出るようになりました。そのためディテールは自然と中高域のほうに集中するようになり、音楽全体の焦点は合わせやすくなっています。ノーマルのTE-BD21fにあった、やや音楽の焦点を捉えづらい、間延びした感じは改善され、親しみを持ちやすい音響構造を持つようになりました。

 低域支配力が高まったせいか、ディテール感でそれほど変化が感じられないにも関わらず、高域方向は少し閉じた印象を受けます。ドライ傾向は相変わらずですが、よりシンバルラインに焦点が合いやすくなり、上方向への空気感が抑制された感じでジャリジャリとした砂粒のような細かな粒感を出すようになりました。女声ボーカルへのフォーカスも相対的に高まり、ツヤや甘味がより感じられるようになっています。その分男声ボーカルの質感はよりホットで乾燥感が強くなっており、若干攻撃的な色彩を感じるようになりました。なるほど、順当にロックをドライにかっこよく聞かせる方向にシフトさせられています。

 

美点
  1. ホットでドライなロックサウンド
  2. 中高域へのフォーカス感が高まった
  3. アグレッシブ感が増したサウンド
  4. 音場が広い
  5. 清潔感がある
  6. 低域に厚みがある
  7. 不自然な派手さがない
  8. 明るめの音場
欠点
  1. 全体的にドライ
  2. 低域のディテールが落ち、やや中域への浸食力が高まり、篭もった感じが出やすくなった
  3. 若干改善されたが、ツヤは相変わらず不足気味

 

[高音]:低域の支配力が高まったせいか、ノーマル比べて閉じた感覚がある。ドライ傾向なのは変わらず、シンバルの粒立ちは非常に細かく、砂粒のような手応えと繊細さがある。中高域でシンセやピアノが乾燥し、ボーカルもドライ傾向で聞こえる全体的な傾向は変わらないが、中域で暖かみが増したために、ボーカルに甘味が出たり、中高域でツヤが出るようになって、わずかに表現に親和的な雰囲気が増した(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:中域全体を見るとだいたいフラットな傾向はほとんど変わらないように感じられるが、中域の下の方は低域の支配力をより受けやすくなり、もやもや感が出やすくなった。ボーカルはノーマルのTE-BD21fと同じように男女の均等性に配慮されているが、低域支配力が増した関係で、曲によって低域に埋もれやすくなる場合があり、とくに男声ボーカルでフォーカス感が甘くなったように思われる。

[低音]:見通しの良かったノーマルの低域に比べて、中低域で厚みを強調するようになり、ドラムの弾みが強くなったかわりにベースの存在感がその下に埋もれる感じは少し強まった。重低音の方は少しもやもやとした熱気を感じる。厚みが加わっても、低域が基本的に明るい感じなのは変わらない。床面はボーカルに近づきやすくなったので、全体の縦軸はやや狭まり、少し窮屈になった(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:中低域で厚みを強調し、その上は相対的にフラットなままにされている。膨らむようになった分だけ低域はディテールが甘くなり、エッジ感が維持されている中高域との対比が明瞭になって、縦軸のディテールに起伏と抑揚が見られるようになった。そのため、低域は少しディテールが緩く、中高域に向かって行くにつれディテールが高まるような、音楽的な焦点と奥行きが感じられるようになり、リスニング的には音楽構造がわかりやすく、味が出て感じられるようになった(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムスはタムがパツパツ革張り感を出すのは変わらないが、パンチやバスドラムのキックの広がりが増して、ドラム音につながりが感じられるようになって一体感が増した。厚みのあるバッツンバッツンという音に聞こえる。少し粘りもあって重みもある。シンバルはシャンシャンドライに浮き上がり、全体的に暗めのドラムと二元論のリズムを形成する(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルの力関係で男女均等に調整されている感じがあるのは共通だが、低域支配力の関係で質感上でより変化を感じられるようになった。具体的には男声はより熱くドライに、女声は艶やかさと甘味が増し、さらに男声ボーカルは強まった低域のパンチに埋もれやすくなったところがある。そういう意味で女声ボーカルへのフォーカス感が相対的に高まっているように思われる。

 

【4】官能性「ホットでドライな表現がロックに親和的」

スガシカオ「愛について」

【ONKYO GRANBEATで鑑賞】アルバム版を聴いたが、許諾動画がなかったので、弾き語りのライブ版を参考用に提示する。したがって、この動画は私が聴いた音源とは曲調は少し異なる。

 さて、ホットでドライに傾きやすい音楽表現はスガシカオのハスキーなボーカルをよりセクシーに聴かせてくれるんじゃないかと期待して、この曲を聴いた。この曲なら低域がうるさくなる感じもないし。実際シンバルはドライに繊細に出るし、この曲の低域はうるさくないので、ボーカルに埋没する感じはない。低域の熱量だけが素直に音場を暖めてくれる感じだ。ドライで熱気があるとはいえ、音場は比較的明るめで見通しは良く、中高域の詳細な分離の表現もよくて、縦軸で小刻みというか手がかりの多い立体感を感じる。ギターはドライでマッチョな雰囲気を持っていてかっこよく、金管にダンディな色気があって、渋い。

 


THE BEST-1997~2011-

 

Aimer「六等星の夜」

【ONKYO GRANBEATで鑑賞】音源はアルバム版なので動画とは異なるので、あくまで参考用にしてほしい。

 さて、この曲はピアノライン主体に組み立てられているので、ドライな音質傾向を持つこのイヤホンでも比較的潤いを感じて聴くことができる。それでもちょっとみずみずしさに足りないところはあって、ボーカルはしなやかさが失われてややサビで息苦しく感じるが、一方で子音や息継ぎに手がかりが多いので、ディテール感が高いと肯定的に評価することもできる。ドラムが少しパサパサして聞こえるのが気になるが、熱量が高めで、ホットな味わいになっている。

 


六等星の夜/悲しみはオーロラに/TWINKLE TWINKLE LITTLE STAR

 

(K)NoW_NAME「Harvest」

【Hiby R6 Proで鑑賞】やや音数が多く、密度も高く出やすい曲だが、分離感とエッジ感が良いので、中高域は非常に詳細で混濁感はない。一方で低域はややディテールを落として、自然な足場を形成しており、馴染みやすい温和な表情を見せてくれる。しかしドラム支配力が非常に高まるサビでは、ボーカルにやや天井感が感じられるので、埋没感が出る。突き抜けとツヤが足りないので、ドライなシンバルとの質感的な差を感じづらいのも埋没感が出る原因だろう。

 


「灰と幻想のグリムガル」エンディング・テーマ「Harvest」

 

三月のパンタシア「三月がずっと続けばいい」

【Hiby R6 Proで鑑賞】ややドライに聞こえるが、しかしボーカルには甘味が少しあり、ツヤもちょっとあってフォーカス感は良い。ギターやシンバルと混濁しない。ドラムの力強さは充分出る。個人的な意見を言えば、シンバルが乾燥しきっているのが、この曲の場合ちょっと辛くて、なぜなら、3月というより9月くらいの乾いた暑熱を感じるからだ。低域のディテールは少しゆるく、おかげで少し密度の高い中高域のディテール感が際立つバランスになっており、リスニング的な焦点が明確となっている。息継ぎは丁寧に出て、後半のクライマックスにあるはっと息を呑む表現はきれいに決まる。

 


ガールズブルー・ハッピーサッド

 

 

【5】総評「よりリスニングライク」

 非常に詳細ですがモニターライクでやや掴み所のないサウンドだったTE-BD21fのノーマル版に比べると、全体的な分離感は減りましたが、逆に音楽構造の焦点は明確となり、リスニング的な安定感が増した印象です。艶味の不足はまだありますが、だいぶ親しみやすく楽しみやすい調整になっています。中域と低域の境目に、ややもやもや感が出るようになりましたが、個人的にはノーマル版よりは好みの音に仕上がっている印象を受けました。

 

AVIOT TE-BD21f-pnk

AVIOT TE-BD21f-pnk

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

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