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【ANC搭載モニターヘッドホン BOMAKER Dolphin 1 フラッシュレビュー】低価格でアクティブノイズキャンセリング搭載の自由音場フラット系ヘッドホン。価格を考えるとかなり有能で万能

ヘッドライン

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BOMAKER Dolphin 1

BOMAKER Dolphin 1

BOMAKER モニターヘッドホン ノイズキャンセリング機能 ワイヤレス Bluetooth5.0 大きめダイヤル音量調整

 

 

 「フラッシュレビュー」はデータ中心の簡潔な内容で、ポイントを絞ってオーディオ製品を解説します。

 今回取り上げる機種はBOMAKER Dolphin 1です。

 BOMAKERという企業は2015年に設立された若い企業「广东省宏博伟智技术有限公司」のブランドで、日本ではあまり知られていませんが、プロジェクターを中心に電子機器/AV機器を開発販売しています。amazonに出品しているメーカーとしては比較的大規模な販売主体になります。

 そのBOMAKERの名を一躍有名にしたのがBOMAKER SiFiで、低価格ながら当時の最新チップであるQCC3020をいち早く採用し、しかも音質が良好だということで海外で話題になり、国内でも高い評価を受けている機種です。

www.ear-phone-review.com

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 BOMAKER SiFiの後継機種であるBOMAKER SiFi IIも低価格完全ワイヤレスイヤホンとしては高い評価を得ており、人気機種となっています。

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 audio-sound @ hatenaはこの機種を「audio-sound @ hatena Highly Recommended」として、大多数の人にとって満足度が高いオーディオ製品であると推奨します。

 

基本スペック

  • 周波数特性:20Hz~20000Hz
  • インピーダンス:32Ω
  • 感度:100db ± 3db
  • 再生時間(ANC ON/ANC OFF):10h/12h
  • 防水性能:たぶんありません
  • 対応コーデック:AAC/SBC
  • 技適番号:問い合わせ中(技適マークはあるが番号なし)

 

パッケージ

 パッケージは価格帯では標準的か少し豪華です。付属品は充電用ケーブル(Type-C)、キャリイングケース、説明書などです。 キャリイングケースの作りも良好です。

 

 CNCアルミニウムで作られた本体は軽量かつ頑丈で、日本SUS 303ステンレス鋼を採用したヘッドバンドもしっかりした作りです。そのビルドクオリティは価格帯では十分な品質で、外観上は全く安っぽさがありません。ただし、ボタンインターフェースの押下感だけは安っぽい感じがあります。独特の音量調整のソーサー部分の動作はスムーズで音量調節は滑らかに行え、これは個人的にはナイスアイデアで、かなり快適です。

 

BOMAKER Dolphin 1

BOMAKER Dolphin 1

BOMAKER Dolphin 1

BOMAKER Dolphin 1

 

装着サンプル

 やや小さめのイヤーカップですが、クッションは柔らかく、材質もさらっとした肌触りが良い感じなので、装着感はわりと快適です。

 

BOMAKER Dolphin 1

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BOMAKER Dolphin 1

 

接続品質

 AACでCayin N6II/E02と接続してテストしました。価格帯ではかなり優秀な接続品質です。人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5m離れてもシームレスにつながっています。遮蔽物があっても乱れたり途切れることはありません。

 ホワイトノイズはわずかにあるかもしれませんが、おそらくほとんどの人が気になりません。

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ANC性能

 公称でのノイズカット性能は85%環境音のカットを謳っています。これは強力な性能というわけではありません。

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 実際、廉価版中華ANCヘッドホンの高性能機であるdyplay urban travellerOneOdio A9と比べると物足りないのですが、OneOdio A10相手くらいだとわりといい勝負になる気がします。私の聴感では互角に近く思えるので、低価格にしては優秀なほうかもしれません。空調の音はほぼ完全にカットされますが、サーキュレーターの動作音までは消えません。

www.ear-phone-review.com

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 ちなみに現在ヘッドホンのANC性能の測定テストの方法を考えている最中なので、測定はパスしました。以前のテスト方法ではヘッドホンの場合、前方遮音性に偏ることから、マイク位置の影響が大きく、正確性に疑問を感じたため、現在別の方法を考えています。

 

音質

測定機材

  • SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
  • AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ
  • マイクプリアンプ:Type4053
  • Type5050 マイクアンプ電源
  • オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
  • アナライザソフト:TypeDSSF3-L

※イヤーシミュレーターの特性上、20hz以下と16khz以上の信頼性は高くありません。 

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周波数特性

※この機種はANC ON時とANC OFF時で音質傾向がかなり変化するようです。またこのヘッドホンは有線と無線両用ですが、今回の測定は一般的な使用状況を考慮してワイヤレスのみで行っています。

 

 今回はデータ数が少し多く、ややこしいので、まずANC ON時とANC OFF時の平均測定値に基づく、自由音場補正済み周波数特性の比較グラフを示します。1khzで交差するように調整されています。

BOMAKER Dolphin 1

 

 以上のように、ワイヤレス接続時のANC ON/OFFで低域がかなり変化します。中域以上はそれほど差を感じないと思いますが、ANC OFF時は中域下部のこぶが影響するのか、少し中域がこもった感じになります。個人的にはANC ON時の方が音のバランスが良いのでつねにANC ONをおすすめします。

 

ANC ON

 上から順に、

  1. [ANC ON 測定1回目]左右別
  2. [ANC ON 測定1回目]左右平均
  3. [ANC ON 測定1回目]左右別(自由音場補正済み)
  4. [ANC ON 測定1回目]左右平均(自由音場補正済み)
  5. [ANC ON 測定2回目]左右別
  6. [ANC ON 測定2回目]左右平均
  7. [ANC ON 測定2回目]左右別(自由音場補正済み)
  8. [ANC ON 測定2回目]左右平均(自由音場補正済み)
  9. [ANC ON 測定3回目]左右別
  10. [ANC ON 測定3回目]左右平均
  11. [ANC ON 測定3回目]左右別(自由音場補正済み)
  12. [ANC ON 測定3回目]左右平均(自由音場補正済み)
  13. [ANC ON]1-3回測定値比較(自由音場補正済み)
  14. [ANC ON]1-3回測定値平均(自由音場補正済み)

※当ブログの自由音場補正については機材に合わせてサザン音響さんから提供された補正値を使用しております。

www.s-acoust.jp

 

BOMAKER Dolphin 1

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ANC OFF

 上から順に、

  1. [ANC OFF 測定1回目]左右別
  2. [ANC OFF 測定1回目]左右平均
  3. [ANC OFF 測定1回目]左右別(自由音場補正済み)
  4. [ANC OFF 測定1回目]左右平均(自由音場補正済み)
  5. [ANC OFF 測定2回目]左右別
  6. [ANC OFF 測定2回目]左右平均
  7. [ANC OFF 測定2回目]左右別(自由音場補正済み)
  8. [ANC OFF 測定2回目]左右平均(自由音場補正済み)
  9. [ANC OFF 測定3回目]左右別
  10. [ANC OFF 測定3回目]左右平均
  11. [ANC OFF 測定3回目]左右別(自由音場補正済み)
  12. [ANC OFF 測定3回目]左右平均(自由音場補正済み)
  13. [ANC OFF]1-3回目測定値比較(自由音場補正済み)
  14. [ANC OFF]1-3回目測定値平均(自由音場補正済み)

※当ブログの自由音場補正については機材に合わせてサザン音響さんから提供された補正値を使用しております。

www.s-acoust.jp

 

BOMAKER Dolphin 1

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 モニターヘッドホンを名乗っているだけあって、全体はほとんどフラットです。中域上部から中高域に凹みがあるので、音場に奥行きがあり、音は適度に落ち着いて聞こえます。モニターヘッドホンというには高域の繊細さやディテールで少し物足りないかもしれませんが、低域から中域にかけてはかなりフラットなのでモニター的に聞こえます。

 なお以下のレビューはANCをONにして聞いています。

www.ear-phone-review.com

 

 低域は少し重みに強調がありますが、中庸でモニター的です。タイトさを強調する感じはなく、ナチュラルな太さで音はかなり自然に聞こえ、ベースとドラムキックの描き分けもよく、ウォームで聞き心地がよいのに、見通しは悪くありません。エレキベースも生き生きしていますし、ドラムも適度な膨らみと重量感を持ち、パンチとキックはかなりナチュラルです。低域弦楽も厚みと重みのバランスがよく、下では少し沈み込む深さがありながら、躍動的で自然な弾力がある音になっています。

 中域は自然な厚みがあり、空間は中庸よりは少し密度が高く充実しています。中高域の静寂感によって中域はとくに生き生きと余韻を伴って聞こえるようになっており、それがリスニングに快適性をもたらしています。完全な自由音場モニターサウンドを目指すなら中高域を凹ませるのは得策ではないという意見はごもっともですが、この調整は高域との分離感の良さをもたらしており、ボーカルと中域音の響きを作り出し、音楽的なフォーカスを高めているので、聞き心地を良くしています。

 高域はわずかに中域よりおとなしい気がしますが、バランスがとられており、こちらもほとんどモニター的です。音像はかなりくっきりしていながら、派手さは抑えられているので、音数が多い曲でもガチャガチャしません。ピーク感はほとんどなく、マイルドですが、風通しは適度にあり、閉鎖的ではないので自然な高さが感じられます。ディテール感も自然です。

 かなり自由音場フラットを意識しているのでモニター的で正統派ですが、完全にモニター的ではなく、奥行き感が強調されており、中域に残響感があります。そのため完全に無響的ではありませんが、聞き心地の点では適切だと思えますし、そのおかげで自然な響きが加わっているのでモニター的なサウンドにもかかわらず、つまらない感じがありません。いわゆる個々の音のまとまりがよい*1プロ機材的な音で、レコーディングルームの雰囲気があるモニターサウンドが好きな人にはかなり魅力的だと思いますし、ほぼすべての音源で破綻がないのでかなり万能です。

 BOMAKERは本当に丁寧な音作りをしているメーカーだということがこのヘッドホンからもわかります。

 

レコーディングシグネチャー

 レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。

www.ear-phone-review.com

 

 参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。自由音場補正済みです。ソースはFiiO M15を用いています。コーデックはSBCです。

www.ear-phone-review.com

 

 レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。

www.falcom.co.jp

 

JAZZ

anchor.fm

 

OST

anchor.fm

 

クラシック

anchor.fm

 

ロック

anchor.fm

 

総評

 ビルドクオリティも高く、音質も万能系で聞き心地もよく、ワイヤレスでアクティブノイズキャンセリングに対応、動作時間もわりと長く、携行性も高く、かなりしっかりした専用ケース付き。ん?死角なくない?これ、かなりやばいんじゃないでしょうか。

 

BOMAKER Dolphin 1

BOMAKER Dolphin 1

BOMAKER モニターヘッドホン ノイズキャンセリング機能 ワイヤレス Bluetooth5.0 大きめダイヤル音量調整

 

【関連記事】

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*1:こういう音を「音離れがよい」という人もいますが、どうも「音離れ」は別の意味でも使っている人がいる気がするので、誤解があるといけないので避けました。

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