BQEYZ K1 HiFiイヤホン ベース オンイヤーイヤホン サブウーファー 0.78mm金めーき2PIN マイク無し(ブラック)
- 基本スペック
- パッケージ
- 装着サンプル
- 音質
- レコーディングシグネチャー
- 録音機材
- GENS D'ARMES(ロック系)
- Sophisticated Fight(ロック系)
- TO MAKE THE END OF BATTLE(ロック系)
- 白き魔女(クラシック系)
- 小さな英雄(クラシック系)
- 淡い恋 ~Too full with love~(クラシック系)
- FEENA(EDM系)
- The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
- Sophisticated Fight(JAZZ系)
- ケノーピ火山(JAZZ系)
- 浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- QUATERA WOODS(OST系)
- 幻の大地 セルペンティナ(OST系)
- 愛を感じていたい「終焉」(ポップス系)
- 魔王ヴェスパー(OST系)
- 花と風のうた(JAZZ系)
- 総評
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「フラッシュレビュー」はデータ中心の簡潔な内容で、ポイントを絞ってオーディオ製品を解説します。
日本ではほとんど知られてませんが、海外では人気の高いBQEYZは、中国広東省東莞市を拠点とするIEMメーカーです。このブランドの歴史はまだ新しく、2018年から自社ブランドIEMとしてK1、KB1、K2、KC2、BQ3をリリースし始めました。しかし、BQEYZの開発陣は過去20年間、より大きなブランドでイヤホンやヘッドホンの開発・製造に関わってきたチームであるとされており、実際その製品のビルドクオリティとサウンドチューニングの確かさは、このメーカーが熟練したイヤホンビルダーであることを十分に感じさせます。このブランドの最大のヒット作はSpringシリーズです。
audio-sound @ hatenaはこの機種を「audio-sound @ hatena Highly Recommended」として、大多数の人にとって満足度が高いオーディオ製品であると推奨します。
基本スペック
- 周波数特性:7Hz~40kHz
- インピーダンス:15Ω
- 感度:105dB
- ケーブルコネクタ:0.78mm 2pin
パッケージ
パッケージは5000円以下という価格を考えても平凡です。わりとしっかりしたカードボードボックスに入ってくるので、KZとかTRNのイヤホンに比べるとだいぶまともに思えますが、中身のパッケージングの仕方は大して変わりません。ただ、外箱の頑丈さで優っているので、輸送時の損傷は少なそうです。
本体のビルドクオリティは価格を考えると上質で、しっかりとした金属筐体は頑丈です。ケーブルは価格なりか少しチープで、若干絡まりやすいかもしれません。
装着サンプル
耳への収まりは良く、遮音性も良好です。
音質
測定機材
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
- アナライザソフト:TypeDSSF3-L
※イヤーシミュレーターの特性上、20hz以下と16khz以上の信頼性は高くありません。
周波数特性
上から順に、
- [標準イヤーピース S装着時]左右別
- [標準イヤーピース S装着時]左右平均
- [標準イヤーピース S装着時]左右別(自由音場補正済み)
- [標準イヤーピース S装着時]左右平均(自由音場補正済み)
※当ブログの自由音場補正については機材に合わせてサザン音響さんから提供された補正値を使用しております。
全体を見るとやや低域方向に寄ったフラットに近いU字型といったところです。全体的なバランスが考えられたシグネチャーで低域、中域、中高域、高域、超高域とそれぞれの音域に適度なピークがあり、ディテール感を少し強調しつつ、全体としてはフラットに近い自然な聞き心地を追求しています。BQEYZの上位機種も同様の傾向が見られるので、このメーカーのハウスサウンドが丁寧な中域の作り込みにありそうなことがわかります。ブランドのフラッグシップBQEYZ Spring 2に比べると、全体の印象はそれほど変わらなくても、もう少し活気のあるサウンドで聞こえるモデルになっています。
個人的な感想としては、いくつかこのメーカーの製品を買ってきた経験と個人的にレビューを確認してきた限り、このBQEYZというメーカーは多くの人にとって基本的にハズレなしでしょう。チューニングに確かな見識を感じます。
低域は少し重みが強調され、床鳴り感も少しノイズになりますが、わりとリラックスして聞こえ、モニター的よりはライブ感に振っている気がしますが、見通しもほどほどよく、万人向きです。低域は全体の中でやや力関係で優位なことは確かで、音楽の全体はウォームであり、また中域とのつながりもわりと一体的なので、ロックなどを聴くと中域くらいまで少し濁った印象を受ける可能性があります。そういう意味では一般に中域下部が清潔にされているモニター的なサウンドが好きな人には向かないかもしれません。低域はこのブランドでわりと多い、輪郭を少し感じさせながら、厚みが自然に強調される、少し緩やかなリラックスしたサウンドです。
中低域からの支えを受けて、中域は甘やかです。人肌かそれより少し暖かいくらいの温度感があり、少しほっこりとしたボイスは少しふくよかで生命的な雰囲気を感じさせます。低域と中域のつながりはよく、一方で高域方向に対しては中域が優位な力関係になっており、ボーカルフォーカスは基本的に良好ですが、楽器音との力関係はほとんど50:50でとくに低域方向に対しては場合によって埋没的に聞こえやすいところがあります。楽器音は基本的に温かく、安定感があります。みずみずしさはそこそこありますが、強くみずみずしいというわけではありませんが、自然な艶があります。
中高域から高域に向かって全体は少し後退的で音に奥行きと静寂感があります。しかし、中高域と高域にピークがしっかり存在しており、音の手掛かりがしっかりとあり、暗い中でも艶やかな光沢感を出し、たとえばアコースティックギターのアルペジオはわりと美しく粒立ちます。クラッシュ感は細く透明に強調され、下品にシャカシャカしませんが、シルキーというか、シュンとした締まりの良い、静寂感をかき乱さない音を聴かせてくれます。正直言うと、ハイハットのこの聞かせ方、クソ好き。Spring 2でも感じましたが、このブランドの高域の作り方はわりと個人的にはセンスを感じます。
基本的に音質は非常に万能でバランスが良く、中域へのスポットライトの当て方とディテールの作り方がうまいブランドで、満足感は高いと思いますが、ピアノとアコースティックギターの主体の曲にとくに強い印象を受けます。ボーカルを邪魔せずにチリチリチャリチャリした音をきれいに聞かせるのがうまく、たとえばHARUHI「ソラのパレード」とか、ReoNa「Disorder -Acoustic Live ver.-」、ハルカトミユキ「17才」、エド・シーラン「Shape of You」、ヨルシカ「雲と幽霊」、植田真梨恵「灯」、安月名莉子「君にふれて 」あたりを適度にウォームで風通しよく聞かせてくれます。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。ソースはFiiO M15を用いています。イヤーピースはJVCスパイラルドット++ Mサイズを使い、ゲインは高設定です。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
録音機材
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
- レコーディングソフト:Audacity
GENS D'ARMES(ロック系)
GENS D'ARMES / イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
Sophisticated Fight(ロック系)
Sophisticated Fight / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation
TO MAKE THE END OF BATTLE(ロック系)
TO MAKE THE END OF BATTLE / Ys Ⅰ&Ⅱ ベストサウンドコレクション / Copyright © Nihon Falcom Corporation
白き魔女(クラシック系)
第3部「白き魔女」: 白き魔女 / 交響曲「ガガーブトリロジー」 ~白き魔女~朱紅い雫~海の檻歌~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
小さな英雄(クラシック系)
第3部「白き魔女」: 小さな英雄 / 交響曲「ガガーブトリロジー」 ~白き魔女~朱紅い雫~海の檻歌~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
淡い恋 ~Too full with love~(クラシック系)
淡い恋 ~Too full with love~ / イース・ヒーリング / Copyright © Nihon Falcom Corporation
FEENA(EDM系)
FEENA / PROVINCIALISM Ys / Copyright © Nihon Falcom Corporation
The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
The Silver Will -ギンノイシ- / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation
Sophisticated Fight(JAZZ系)
Sophisticated Fight / 英雄伝説 空の軌跡FC&SC スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
ケノーピ火山(JAZZ系)
ケノーピ火山 / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
浮遊大陸アルジェス -Introduction- / Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008 / Copyright © Nihon Falcom Corporation
QUATERA WOODS(OST系)
QUATERA WOODS / イースVI -ナピシュテムの匣- オリジナル・サウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
幻の大地 セルペンティナ(OST系)
幻の大地 セルペンティナ / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
愛を感じていたい「終焉」(ポップス系)
愛を感じていたい「終焉」 / オリジナル・サウンドトラック 「海の檻歌」~後編~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
魔王ヴェスパー(OST系)
魔王ヴェスパー / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
花と風のうた(JAZZ系)
花と風のうた / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
総評
5000円以内で良質な中華イヤホンを探している場合、BQEYZはまず真っ先に検討すべきブランドの一つです。もしかするとあなたの周辺ではKZを称賛し、ほめちぎっている友人がおり、実際にamazonのカスタマーレビューやネットの記事を読むととても魅力的に思えるかもしれません。
しかし、私の個人的な見解を言わせてもらうと、いまのところ、KZに比べてBQEYZのほうが確かな技術力と顧客への満足度に配慮してチューニングと製品づくりをしており、たとえ5000円でもずっと使いたいと思わせる製品を作っています。あなたの周辺ではBQEYZについての評判は皆無かもしれませんが、BQEYZ K1はこの価格帯でイヤホンでは間違いなく名機の一つとして数えられるべきサウンドを持っています。
しかし、なんかKZはだめですって言ってると思われると困るので補足すると、ロック曲、たとえば「GATE Ⅱ 〜世界を超えて〜」みたいな曲はKZ AS06のほうがくっきりして聞こえますし、余計なピークがないので、むしろBQEYZ K1よりきれいに聞こえます。
BQEYZ K1 HiFiイヤホン ベース オンイヤーイヤホン サブウーファー 0.78mm金めーき2PIN マイク無し(ブラック)
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