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【完全ワイヤレスイヤホン JAYS m-SEVEN レビュー】深い低域に向かって音が沈潜して音楽が落ち着いて聞こえるダンディズムのある空間。品質面に不安があるが、音はおすすめ。

JAYS m-Seven

JAYS m-Seven

JAYS m-Seven True Wireless ワイヤレスイヤホン (Bluetooth 5.0/連続再生9.5時間/IPX5防滴/タッチ操作/ブラック・ブラック) JS-MSTW-B/B

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は良い。通信品質は安定していますが、個体差が大きい可能性があります」

おすすめ度*1

JAYS m-Seven

ASIN

B07WZY941Z

スペック・評価
連続再生時間/最大再生時間

9.5h/38h

Bluetoothバージョン 5.0
対応ワイヤレスコーデック AAC/SBC
防水性能

IPX5

音質傾向

低域重視、深みがある、豊か、静寂感がある、落ち着きがある、地味、品が良い、ダンディ

 丸みのあるデザインで耳への収まりは良いです。遮音性もそこそこで悪くありません。

 

 対応コーデックはAAC/SBC。ONKYO GRANBEATHiby R6 Proにつなぎ、関東某ターミナル駅周辺でテストしました。

 基本的には安定度が高く、改札やバスロータリーなどの通信が途切れやすいところ以外では安定しています。街中で街路を歩いている間も安定しています。家庭内ではまず途切れることはないでしょう。ただしちょっと混雑したターミナル駅のホームで電車待ちしていたときは頻繁に途切れました。しかし、あくまで推測ですが、これは前の人がJabra Elite 75tを付けていたので、その電波にやられた可能性があります。Elite 75tはマルチポイント対応で、1台と接続中でも2台目の機器を探して電波を出しているようだからです。

 またときどき原因がよく分かりませんが、自室で聴いてても通信が少し乱れます。

 通信品質的には私のテストした個体は問題なく使えると思いますが、この機種は初期不良や個体差が大きいかも知れないという印象を持っています。頂いた情報や、amazonのカスタマーレビューを読む限り、通信品質の個体差は大きいので、充分に繋がらないと思ったら交換も検討して下さい。

 

テスト環境

 今回のテストはONKYO GRANBEAT、Hiby R6 Proで行っています。

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

 

【2】外観・インターフェース・付属品「充電コネクタはType-C。詳細は割愛」

 今回のテスト機は借り物ですので、付属品の詳細は割愛致します。

 

JAYS m-SevenJAYS m-Seven

 

【3】音質「音が沈潜していく静寂感がある中で音楽を丁寧に聴かせる」

 今回は標準イヤピの中で、Lサイズを使ってレビューします。

 さて、音質レビューに入る前に、この機種はもしかすると低域の音質に個体差があるかも知れないという情報をあらかじめお伝えします。一応手持ちの個体を店頭試聴機とも結構時間をかけて聞き比べしましたところ、たぶん相違はなかった気がしますが、ロットで調整されている可能性もあるので、確実なことは分かりません。しかし、私の個体はおそらく店頭機とほとんど差が無いだろうことは確認しました。

 音質は高域が暗めで音が低域に向かって沈んでいく、静寂感が強いダンディな音になります。音の一つ一つが少し無愛想に、響きすぎない雰囲気で静けさを大事にして抑制的に聞こえてきます。基本的に音は沈みこんで、沈潜して聞こえるでしょう。大抵の曲が大人びた、落ち着きのある雰囲気になりますが、中高域の手がかりは適度に多く、低域のスピード感も悪くないので、グルーヴ感は悪くなく、適度なメリハリがあって浸れる感じがあります。音量が小さいときも大きいときも適度な落ち着きがあって、聴きやすく音量差によるピーキーな音質変化もない機種です。

 

 さて、個別に音域を確認していきます。まず低域ですが、クリア系です。ベース音は濃く黒く、コクがあってライン取りもよく、小音量でも比較的よく聞こえます。ドラムキックも締まりが良く、トストスと比較的スピード感のある感じでリズムを踏みます。いわゆる低域が重い系統のわりに、低域自体は下で黒いので見通し感が良くて深さが透明に感じられ、素直に音が沈みこんでいくし、リズム感も良いのがこの機種の魅力でしょう。低域弦楽も透明度が高く、音の厚みは中庸な穏やかさのある感触で、落ち着いて沈潜する深みのある音で、静寂感を大事しています。率直に言って、この低域は私は好きな傾向の音で、魅力的に思えます。

 中域は低域が音を沈ませ、高域も明るくないためにはっきりと音像が浮かび上がる静寂感があります。中域音は音像が落ち着いて、少し沈みながら音が聞こえるような安定感が感じられると思います。楽器音の鮮やかさは強調しすぎない自然なくらいに思えますが、背景がしっかり黒いので、透明感を保ったまま浮かび上がるように聞こえます。アタック感は強くなく、スネアのスピード感はかなり正確ですが、ロックなどを除くと、リズムパートは主導的ではなく、基本的にボーカルの後ろ側で温和に、抑制的に聞こえます。そのため自然な色づきのある楽器と深く沈みこみのあるムードのある音が、どんな曲でも静けさのあるJAZZホールで聴いてるような雰囲気で聞こえます。余裕のある大人の雰囲気の音です。

 高域は基本的に暗く、落ち着いています。ハイハットは穂先が暗闇の中に隠れるようにマイルドです。中高域の透明感が大事にされている感じで、クラシック音楽を聴いてみると高域にみずみずしい自然な透明感が感じられます。高く伸びる感じではなく、倍音成分も抑えめなので、音はツルツル系ですが、透明に伸びて早めに暗闇の中に消えていく、品のある静寂感があります。高さは強調されないので緻密さで優れているとは言えませんし、基本的に後退的で立体感もゆるやかな広がり重視の印象に思えますが、私はこの適度に落ち着いた雰囲気は大好きです。色味にしつこさがないのに響きの豊かさを感じられます。

 

 総合すると、このイヤホンは少し暗めの静寂感の中、落ち着いた雰囲気で丁寧に音楽を聴かせてくれます。ベースが深く沈みこませる黒みのある静寂な空間の中で、ダンディズムのある紳士的な雰囲気で音楽を聴きたい人にはかなり魅力的に映るはずです。下のような曲を静謐感がある感じで楽しみたい人にお勧めです。

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
普通。中高域は自然な艶が出るような透明感があり、静かな雰囲気がある。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

やや鈍い。エッジ感は穏やかでアタック感もほとんど強調されない。

明るさ
(明るい/暗い)

やや暗い。中高域には自然な色づきがあり、ほの明るいが、基本的にはやや暗い空間で音楽が表現される。

派手さ
(派手/地味)
地味。シックに身を固めているようなダンディな落ち着きがある。
硬さ
(硬い/柔らかい)
やや柔らかい。音は基本的にマイルドで硬い手応えもすぐに抜ける。
尖り
(尖っている/丸みがある)
やや丸みがある。低域はそれほど膨らまないが、それでも自然な膨らみを少し感じ、中域は調和的で温かみがある。音の尖りはマイルドに抑えられており、聞き疲れしない。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
穏やか。音は適度な静寂感の中、基本的に落ち着いて聞こえやすい。
力強さ
(力強い/嫋やか)
やや嫋やか。スピード感は適度にあり、中高域で自然なアタックもあるが、押し込んだり、パワフルな感じではなく、どちらかというと、動かざること山のごとしのような、静的な、芯のしっかりした音。
豊かさ
(豊か/貧弱)

普通。豊満さを強調する感じはないが、音に自然な太さがある。

太さ
(太い/細い)

普通。音の太さは自然。

手触り
(ざらざら/滑らか)
滑らか。基本的に滑らか。
粒感
(きめの細かい/粗い)
普通。粒立ちをはっきり出す感じではないが、シンバルの音などは透明に近いながらも刻みがそれなりに感じられる。また中高域の手がかりも比較的わかりやすい。
清潔感
(澄んだ/濁った)

やや澄んでいる。低域がやや暖かみを中域に滲ませているようだが、空間は静寂感に満ちていて、静か。

潤い
(潤いのある/乾いた)
普通。潤い感は中域の上に自然に強調され、ギター音のエッジやピアノの透明感のある光沢がじんわりと色づく。
重さ
(重い/軽い)
やや重い。基本的に音に重力を感じる。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
普通 普通

明るいか

(明るい/暗い)

やや暗い やや暗い

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

やや天井感がある やや天井感がある

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

やや乾いている 普通

太いか

(太い/細い)

普通 普通

濃いか

(濃い/薄い)

やや濃い やや濃い

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

目立たない 目立たない

 

空間因子評価
空間因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
ややぎっしり
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
天井感がある
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
深掘り感がある
主に中域の奥行き感
(前進的/後傾的/前傾的/後退的)
前進的
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)
やや狭い
定位感
(頭内的/頭外的)
やや頭内的
分離感
(拡散的/密集的)
やや密集的

 

美点
  1. 温かみがあり、温和な音場
  2. 静寂感がある
  3. 落ち着きがある
  4. 大人びている
  5. 自然なツヤ
  6. ダンディ
欠点
  1. 音は暗めで地味
  2. メリハリはやや抑えめ
  3. 高域に緻密さがなく、手がかりは少なめ

 

[高音]:高域は暗めで、減衰は早く、高く抜ける音を開放感を好む人には物足りないと思われます。しかし、適度に閉じている感じがあるために、それほど輝きや鮮やかさを出さないにも関わらず、自然な色づきがある。アタックは適度に感じられ、少し押し出し感は出ると思うが、それも自然な感じでメリハリ感を生み出す程度になっている。ボーカルがよく聞こえるよう、うるさくなりやすい要素を避けた味付けになっている(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、菅野よう子「Power Of the Light」でテスト)

[中音]:中域はやや低域の暖かみがあり、人肌くらいの自然な温度感がありつつ、背景は静寂感がある。低域自体は中域と接近的でもないので、根立ちがよいという感じではないがゆるやかに低域につながっていく沈みこみのよい感じがある。ボーカルの甘味は透明感のある感じで、やはり出し過ぎない中庸感がある。

[低音]:100hz~40hzまで厚みのあるやや輪郭の甘い重めのボーッとした振動。30hzで沈み、20hzでほぼ無音。ベースは深みのある音で下でウンウンする黒みがある。ベースラインは比較的明瞭に追いやすく、暖かみも充分に感じさせてくれるが、濁る感じは多くなくラインが聞こえづらい感じはあまりないだろう。バスドラキックもスピード感良く分離感はそこそこ明瞭に聞こえ、ベースラインとの混濁はあまりない。基本的にクリアで分かりやすいながらも、暖かみもあって、胴鳴りも少しある深掘りの音になる。低域弦楽は厚みはあまりなく、濃厚さよりも透明さを重視して沈みの良い感じに聞こえる。躍動感は抑えめ(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:基本的には低域から高域に向かってなだらかに後退していく三角形の構造に思える。高域は高さを強調せず、かといって中域で濃厚感も出し過ぎず、自然な温かみのある音を目指している、落ち着いた解像感のある音になる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムはスネアの鼓面はアタック感はわずかに高いかも知れないが、基本的には温和で、大抵の曲で焦らずスピード感を丁寧に出してくれる。そのためスナッピーさや明るさ、弾けはあまりなく落ち着いた鼓面の張りを透明に聴かせるような印象がある。胴鳴り感を適度に出しつつ、バスドラキックは一般に埋もれないバランスになっていて、足踏みもまた遅れないスピード感でしっかりついてくる。やや重みの強いバツンバツン。ハイハットはスネアよりは後退的で透明感があり、あまり白味を強調しないが、刻みは適度に感じられる(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルは適度にコクがありつつ、濃さは普通かやや濃いくらいで男女ともに落ち着いた大人びた声色で聴かせる。ボディはしっかりしており、子音が尖ることはほとんどなく、サ行の刺さりはまずありません。抑揚はあまりなく、中域でしっかり歌い込むような感じになると思います。

 

【4】官能性「落ち着いて音楽を聴きたいときに、静けさのある雰囲気の良い空間を提供してくれる」

(K)NoW_NAME「Freesia」

【GRANBEATで鑑賞】この曲の上でカリカリする感じは大幅に抑制され、手がかりを抑えてマイルドに、透明感のある形になり、透明なツヤ感だけ少し多めの落ち着いた高域になります。適度な静寂感があり、ボーカルは大人びた少し悟ったような声色で楽器音に包まれながら聞こえてきます。楽器とボーカルの距離感はそれほど離れてはいないので、空間的なボーカルフォーカス感は強くありませんが、楽器音の色味が出過ぎず、うるさい感じがないので、ボーカルに埋没感がなく、ラインを追いやすい程度に描き分けられています。低域音は温和で沈み込みが良く静寂感を出してくれます。スピード感に遅れはありませんが、雰囲気的には急ぐ感じがなく、適度かわずかに遅い立ち上がりでディケイは逆に少し早いかなくらいのリズムで聞こえます。全体的に温かみがあり、調和的です。

 


「Freesia」【通常盤】(TVアニメ『サクラクエスト』エンディングテーマ)

 

rionos「百年のメラム」

【Hiby R6 Proで鑑賞】穏やかな静寂感でこの曲を楽しむならこのイヤホンはオススメです。音場は広くありませんが、曲にある自然な奥行き感はよく再現されますので、音が詰まっている感じはないでしょう。沈み込みの良い低域が深い床面を感じさせてくれます。また静寂背景の中で透明感のある形で音像が表現されるので、粒立ち感が適度にマイルドで少し滲むように優しい立体感を持って聞こえてきます。ボーカル表現は落ち着いて静けさを乱さずに声を響かせようとしているようです。全体的に沈み込みが良い空間には静かなのに適度な熱気があって濃厚感もあり、低域が響き出すと途端に暖まって艶やかな音がほんのり色づく、その瞬間が穏やかに味わえます。アタックや輝きを抑えているために、むしろ空間の色づきの変化が見渡せるような、そんな静謐感がこのイヤホンにはあります。

 


百年のメラム

 

Susan Wong「Man In The Mirror」


 【Hiby R6 Proで鑑賞】こういう曲を静謐感を感じながら聴くには魅力的に思える機種だと思います。ピアノ音は音に撥ねる感じがなく、ツヤだけを出して温和に沈んでいくような透明感があります。弦楽音も落ち着きがあって、暗い空間の中でむしろ沈みこんで、その沈み込み感で静けさを表現するように聞こえるほどです。この曲ではボーカルフォーカスも良く、そのボーカルものびやかさを抑えて、むしろちょっと憂いのような揺れ動くものを感じさせつつ丁寧に歌詞を聴かせてくれます。母親が子守唄を歌うような温もり感のある落ち着きが感じられる声色です。最初は地味に聞こえますが、静かな空間の中で、音が穏やかに馴染んでいくような品の良さがあります。

 


Close To Me (SACD)

 

【5】総評「大人びた音が好きなら是非。ただし品質面での不安は残る」

 音は非常に品が良く、落ち着きがあってとても浸れます。個人的にはとても好きな雰囲気ではあり、おすすめしたい感じはあるのですが、一方で製品レベルの完成度は必ずしも高くない気がします。amazonのカスタマーレビューは不具合の報告が多いですし、通信品質も高いとはいいづらいところがあり、製品レベルの完成度がやや落ち着かない印象を受けます。

 

まとめ
  • 落ち着きがある
  • 温かみがある
  • 地味で少し暗い

 

 JAYS m-Seven

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JAYS m-Seven True Wireless ワイヤレスイヤホン (Bluetooth 5.0/連続再生9.5時間/IPX5防滴/タッチ操作/ブラック・ブラック) JS-MSTW-B/B

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。