JVC HA-FW03 CLASS-S WOODシリーズ カナル型イヤホン ハイレゾ音源対応 HA-FW03
- 基本スペック
- パッケージ
- 装着サンプル
- 音質
- レコーディングシグネチャー
- 録音機材
- GENS D'ARMES(ロック系)
- Sophisticated Fight(ロック系)
- TO MAKE THE END OF BATTLE(ロック系)
- 白き魔女(クラシック系)
- 小さな英雄(クラシック系)
- 淡い恋 ~Too full with love~(クラシック系)
- FEENA(EDM系)
- The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
- Sophisticated Fight(JAZZ系)
- ケノーピ火山(JAZZ系)
- 浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- QUATERA WOODS(OST系)
- 幻の大地 セルペンティナ(OST系)
- 愛を感じていたい「終焉」(ポップス系)
- 魔王ヴェスパー(OST系)
- 花と風のうた(JAZZ系)
- 総評
- 【関連記事】
「フラッシュレビュー」はデータ中心の簡潔な内容で、ポイントを絞ってオーディオ製品を解説します。
今回取り上げる機種はJVC HA-FW03です。
JVCは日本を代表するオーディオブランドです。JVCの源流である日本ビクターは1927年に設立された日本でも有数に歴史の古いメーカーです。ビクター時代の代表的な業績といえば、世界的なビデオカセット規格となったVHSビデオの開発です。先行していたSONYのベータマックスに対し、利便性を武器に規格戦争を勝ち抜いた歴史があります。
JVC HA-FW03はJVCを代表するイヤホンシリーズであるWOODシリーズのエントリーモデルですが、HA-FW02との価格差はあまりありません。
ハイレゾ音源の豊富な情報量を忠実に再現する新ウッドドームユニットを搭載
独自の薄膜加工技術を進化させ、従来の80µmから50µmに薄型化した軽量10mmウッドドーム振動板により、ハイレゾ音源の繊細なニュアンスの表現を可能にします。さらに、強力な駆動力に加えリニアリティを大幅に向上させたハイエナジー磁気回路の正確な駆動と、軽量なCCAWボイスコイルによる振動板の正確な振幅が、原音に忠実な再生を実現します。
新開発アコースティックピュリファイアーを採用し、自然な音の広がりを実現
当社独自のスパイラルドッドイヤピースの技術を応用し、ユニット前面に不要な音を拡散するドットを効果的に配置。分解能を改善し、自然な音の広がりを実現します。
不要な振動を抑制し、美しい響きを実現する新設計デュアルメタルハーモナイザーを採用
ウッド、ブラス、アルミなど異種材料の組み合わせにより、不要な振動をコントロールするとともに美しい響きを引き出す、デュアルメタルハーモナイザー設計を採用しました。
なおこのレビューはONZO様の素晴らしいサービスを利用して作成されました。感謝とともにONZO様のますますのご発展をお祈り申し上げます。
ONZO様のサービスについて興味がある方は以下をご参照下さい。
audio-sound @ hatenaはこの機種を「audio-sound @ hatena Highly Recommended」として、大多数の人にとって満足度が高いオーディオ製品であると推奨します。
基本スペック
- 周波数特性:6Hz~45kHz
- インピーダンス:16Ω
- 感度:103dB
- ケーブルコネクタ:不可
パッケージ
パッケージはJVCの標準的なスタイルですが、2万円台としては標準以上です。開梱体験は決して豪華というわけではありませんが、適度な高級感があり、付属品もそろっています。なおONZOのレンタル品なので、パッケージは正規版とは異なる可能性があります。
ビルドクオリティも2万円台としてはしっかりした作りです。安っぽさは全くありません。ケーブルは上位機種に比べると少しチープです。
装着サンプル
直垂らしタイプです。筒形で耳から出る部分も多く、耳の形によってはやや装着感は安定しづらい場合があります。
音質
測定機材
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
- アナライザソフト:TypeDSSF3-L
※イヤーシミュレーターの特性上、20hz以下と16khz以上の信頼性は高くありません。
周波数特性
上から順に、
- [標準イヤーピース S装着時]左右別
- [標準イヤーピース S装着時]左右平均
- [標準イヤーピース S装着時]左右別(自由音場補正済み)
- [標準イヤーピース S装着時]左右平均(自由音場補正済み)
※当ブログの自由音場補正については機材に合わせてサザン音響さんから提供された補正値を使用しております。
全体のサウンドシグネチャーは拡散音場フラットを意識した弱ドンシャリといった感じです。
HA-FW02のほうが左右差があったんで何とも言えないですが、おそらくHA-FW02とHA-FW03は周波数特性自体に差はなさそうです。HA-FW02との違いはブラスリングの有無らしいです。ただ、ASCIIのレビューが指摘するようにわりと音が軽やかではっきりしたサウンドに聞こえる音で、実際のところ私は意外にもこのHA-FW03が一番好みかもしれません。むしろHA-FW02で感じた音割れはブラスリングが影響してた可能性すらあるくらい。
低域は底の方で熱気を感じ、エレキベースの音などに少し心地よい地熱感があります。バスドラムはキックは重いですが、ドシッというよりは少しトントンした感じでリズム感が良く聞こえます。低域弦楽は重さがありつつ、透明感が感じられ、ハリが感じられる音に聞こえます。
中域は少し後退的に聞こえますが、十分な甘みと艶があり、生き生きと聞こえます。低域の熱気はほとんど中域まで上がってこないので、わりと清潔でボーカルフォーカスや楽器音のエッジがきれいに聞こえます。ややボーカルの子音は尖って聞こえる傾向はありますが、普通はほとんど気にならないんではないでしょうか。むしろニュアンスが良好だと肯定的に捉えられることが多いと思われます。
中高域はボーカルよりは後退的ですが十分に前進しており、艶のある音を聴かせます。ハイハットのシャープネスも少しメタリックですが、粒が細かくて気持ちよく、非常に繊細にシャンシャンときれいにクラッシュします。全体的に賑々しい高域は華やかでかなり楽しいです。
あくまで私が聞いた個体ではというくくりではありますが、率直に言ってHA-FW02よりHA-FW03のほうが私は好きです。まあ私のレビューしたHA-FW02はおそらく左右差がひどい個体だった気がするのですが。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。ソースはFiiO M15を用いています。イヤーピースはJVCスパイラルドット++ Mサイズを使い、ゲインは高設定です。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
録音機材
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
- レコーディングソフト:Audacity
GENS D'ARMES(ロック系)
GENS D'ARMES / イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
Sophisticated Fight(ロック系)
Sophisticated Fight / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation
TO MAKE THE END OF BATTLE(ロック系)
TO MAKE THE END OF BATTLE / Ys Ⅰ&Ⅱ ベストサウンドコレクション / Copyright © Nihon Falcom Corporation
白き魔女(クラシック系)
第3部「白き魔女」: 白き魔女 / 交響曲「ガガーブトリロジー」 ~白き魔女~朱紅い雫~海の檻歌~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
小さな英雄(クラシック系)
第3部「白き魔女」: 小さな英雄 / 交響曲「ガガーブトリロジー」 ~白き魔女~朱紅い雫~海の檻歌~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
淡い恋 ~Too full with love~(クラシック系)
淡い恋 ~Too full with love~ / イース・ヒーリング / Copyright © Nihon Falcom Corporation
FEENA(EDM系)
FEENA / PROVINCIALISM Ys / Copyright © Nihon Falcom Corporation
The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
The Silver Will -ギンノイシ- / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation
Sophisticated Fight(JAZZ系)
Sophisticated Fight / 英雄伝説 空の軌跡FC&SC スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
ケノーピ火山(JAZZ系)
ケノーピ火山 / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
浮遊大陸アルジェス -Introduction- / Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008 / Copyright © Nihon Falcom Corporation
QUATERA WOODS(OST系)
QUATERA WOODS / イースVI -ナピシュテムの匣- オリジナル・サウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
幻の大地 セルペンティナ(OST系)
幻の大地 セルペンティナ / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
愛を感じていたい「終焉」(ポップス系)
愛を感じていたい「終焉」 / オリジナル・サウンドトラック 「海の檻歌」~後編~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
魔王ヴェスパー(OST系)
魔王ヴェスパー / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
花と風のうた(JAZZ系)
花と風のうた / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
総評
HA-FW03はWOODシリーズの入門機ですが、上位機種にはない魅力を持っているイヤホンでもあります。WOODらしさはそれほど強くないかもしれませんが、より若々しくにぎやかで抜けの良いサウンドを持っており、清潔感があって現代的な楽曲との相性も良い万能型になっています。風通しの良い音が好きで、リケーブルにこだわらないならば、HA-FW03のほうがHA-FW02より好ましく思えるかもしれません。
JVC HA-FW03 CLASS-S WOODシリーズ カナル型イヤホン ハイレゾ音源対応 HA-FW03
【関連記事】
<