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【中華イヤホン Kinera Freya フラッシュレビュー】かっこいいルックスと透明感のある歌うサウンド。これで3万円しないのは凄すぎる

ヘッドライン

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Kinera Freya

Kinera Freya

Kinera Freya フレヤ 有線 高音質 ミドルシップ ハイブリッドモデル カナル型イヤホン

 

 

 「フラッシュレビュー」はデータ中心の簡潔な内容で、ポイントを絞ってオーディオ製品を解説します。

 今回はKinera Freyaを取り上げます。

 Kineraは日本ではあまり有名ではないかも知れませんが、中華イヤホン界隈では非常に評価が高いブランドで、その製品ラインナップも5000円以下のエントリークラスから15万円相当のハイエンドモデルに至るまで豊富に揃っています。このブランドは単にサウンドチューニングやその関連技術に精通しているだけでなく、ハウジングやケーブルクオリティなどの美観に関わる製造技術とセンスでも優れており、ただ単に音が優れているだけでなく、宝飾品としても魅力的なイヤホンを製造しています。

 Kinera FreyaはまさにそのようなKineraの面目躍如といった製品で、ただ単に音質のコスパが良いだけでなく、その価格からは信じられないほどの精巧で美しい外観を備えています。

www.ear-phone-review.com

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 audio-sound @ hatenaはこの機種を「audio-sound @ hatena Highly Recommended」として、大多数の人にとって満足度が高いオーディオ製品であると推奨します。

 

基本スペック

  • 周波数特性:20hz-20kHz
  • インピーダンス:22Ω
  • 感度:110dB
  • ケーブルコネクタ:0.78mm 2pin

 

Kinera Freya

 

パッケージ

 この価格帯では豪華と言えるパッケージです。最近のKinera製品共通の六角形のボックスに入っており、パッケージの外側だけ見るとまるで高級お菓子のようです。蓋を開けると何枚もカードボードが入っており、一枚一枚めくっていくのも楽しいです。付属品にはスマホ接続用のアダプタもついており、豪華としか言い様がありません。

 本体のビルドクオリティはもはやハイエンドクラスの品質です。螺鈿細工のようにきらびやかで品のあるデザインになっており、まるで宝飾品のようです。スリムなケーブルは適度に伸縮して取り回しもよく、コーティングは滑らかで絡まりにくいです。

 

Kinera Freya

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Kinera Freya

Kinera Freya

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装着サンプル

 ユニバーサルIEMタイプの本体は少し厚みがありますが、耳への収まりは良く、樹脂製で軽量です。率直に言ってうっとりする出来映えです。3万円以内でこれほどかっこいいデザインのイヤホンは見たことがないというくらいです。

 

Kinera Freya

Kinera Freya

Kinera Freya

 

音質

測定機材

  • SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
  • AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ
  • マイクプリアンプ:Type4053
  • Type5050 マイクアンプ電源
  • オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
  • アナライザソフト:TypeDSSF3-L

※イヤーシミュレーターの特性上、20hz以下と16khz以上の信頼性は高くありません。 

www.phileweb.com

 

周波数特性

 上から順に、

  1. [AET07 S装着時]左右別
  2. [AET07 S装着時]左右平均
  3. [AET07 S装着時]左右別(自由音場補正済み)
  4. [AET07 S装着時]左右平均(自由音場補正済み)
  5. [標準イヤーピース(final E) S装着時]左右別
  6. [標準イヤーピース(final E) S装着時]左右平均
  7. [標準イヤーピース(final E) S装着時]左右別(自由音場補正済み)
  8. [標準イヤーピース(final E) S装着時]左右平均(自由音場補正済み)
  9. [標準イヤーピース(白軸) S装着時]左右別
  10. [標準イヤーピース(白軸) S装着時]左右平均
  11. [標準イヤーピース(白軸) S装着時]左右別(自由音場補正済み)
  12. [標準イヤーピース(白軸) S装着時]左右平均(自由音場補正済み)
  13. 標準イヤーピース比較(自由音場補正済み)
  14. 標準イヤーピース比較(自由音場補正済み/2khz-24khz拡大)

※「AET07 Sサイズ」は当ブログの測定用レファレンスイヤーピースです。それ以外のイヤーピースは特記がない限り、このイヤホンパッケージの標準添付のものです。

※また当ブログの自由音場補正については機材に合わせてサザン音響さんから提供された補正値を使用しております。

www.s-acoust.jp

 

Kinera Freya

Kinera Freya

Kinera Freya

Kinera Freya

Kinera Freya

Kinera Freya

Kinera Freya

Kinera Freya

Kinera Freya

Kinera Freya

Kinera Freya

Kinera Freya

Kinera Freya

Kinera Freya

 

 全体を見るとフラットに近いサウンドシグネチャーをしており、わずかにU字型と言えるかも知れません。しかし、中域は充分に充実し、ボーカルは前に出てきますし、透明感があるサウンドになっています。人によってはかまぼこに聞こえる可能性もあるでしょうが、低域は中域から比較的分離的で、高域も風通しがよく、レンジ感は良好でそれほど中域に音が集まる印象があるというわけでもありません。バランスが良く、人によってはかなりフラットらしいフラットに聞こえるかも知れないサウンドです。

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 低域はレイヤリングが良く、わずかにウォームですが、バスドラムのキックはどちらかというと少しタイトです。輪郭はわりとしっかりしてますが、適度な重みと少しの膨らみがあり、音は太く、ボディがしっかりしています。地熱はそれほど強くないので、モニター的と言えるかも知れません。エレキベースは少し温もり感があり、適度に深いところにいますが、深すぎず、ブンブンウンウンしすぎないサウンドになっています。

 中域は中域下部の谷によって適度に低域から分離されていて、引き締まっていますが、ボーカルは充分に前進的で空間には適度な透明感があります。それでも中域下部では少し低域の熱気が滲んでいる感じがありますが、中域の甘味に貢献しています。楽器音とボーカルのパワーバランスは50:50くらいで、ドラムに厚みが強い曲では低域がややボーカルにかかって聞こえる可能性がありますが、基本的にフォーカスよく聞こえます。ボーカルは少しサ行が強調されやすい傾向があり、語尾も少し伸びて聞こえますが、刺さりはありません。

 高域はのびやかで風通しが良く感じられます。ギラつき感に少し強調がありますが、ボーカルにかかりにくい適度な奥行き感を維持しています。アコースティックギターやハイハットの粒立ちはやや細かく、繊細に感じられますが、基本的には派手になりすぎない清潔感のあるサウンドで、ボーカルフォーカスを乱す感じはありません。

 全体としてウォームで比較的ニュートラルな低域と清潔感と透明感を両立させた中域、風通しと繊細さの感じられる、中域を引き立たせる細やかなチューニングが施された高域という構成になっています。音場は中域のボーカル周りのマージンがやや多めに取られている印象で、中域の見通し感に優れています。とくにボーカルののびやかさ、息の高さと甘味のあるニュアンス感は味わい深く、鈴木克崇「ビッグブリッヂの死闘〜Ver.1〜 FFRK Ver. arrange」のコーラスが活き活きしていて驚きました。エレキギターにも色気があります。

 

Kinera Freya

 

Kinera Freyaとの比較

 Kinera FreyaはKinera Idunで得られた知見を活かして作られたモデルです。しかしそのサウンドはIdunのアップグレードではありません。以下のグラフはKinera IdunとKinera Freyaの自由音場補正済み周波数特性の比較になります。

Kinera Idun

 

 Kinera FreyaはKinera Idunとはことなり、より豊満で音楽的なサウンドを目指しているようです。それは北欧神話の女神フレイヤの豊饒な神性をイメージしており、女神イドゥンの青空のような晴れやかな神性とは異なるのでしょう。実際Freyaのサウンドはより豊かで印象的な力強いボーカル表現に力点があり、中域はより鮮やかでエネルギッシュです。ふくよかで生命力に満ちたFreyaのサウンドはしかし、ところどころ音楽のディテールを少しにじませるところがありますが、より端正な挙措を持つIdunはおなじように美しい歌声でありながら、より繊細な響きを聴かせようとします。

 この違いは結局、迫力とディテール、そしてダイナミズムのどれを重視するかによるでしょう。Freyaのサウンドはパワフルで迫力があり、活力のある歌声を聞かせます。それに対し、Idunはよりディテール感があり、後味の良い澄みやかな歌声を聞かせてくれるでしょう。ダイナミズムの点では、多くの人にとってより安定的なのはおそらくIdunで、Freyaは少し音楽全体が揺らいで聞こえる感覚があるかもしれませんが、どちらも躍動的で楽しい音楽を聞かせます。

 Kinera Freyaの値段はKinera Idunより1万円程度高くなりますが、パッケージとビルドのクオリティの差は歴然です。本体のビルドクオリティ、ケーブルクオリティ、付属品の質、パッケージの豪華さ、すべてにおいてFreyaはIdunの品質を価格差以上に凌駕しているように思え、総合的な満足度の点では圧倒的な差を感じるかもしれません。少なくとも私は音質的には少し癖を感じるにもかかわらず、Freyaのほうが総合的にははるかに満足度が高いです。

www.ear-phone-review.com

 

レコーディングシグネチャー

 レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。

www.ear-phone-review.com

 

 参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。自由音場補正済みです。ソースはFiiO M15を用いています。イヤーピースは標準イヤーピースの白軸 Sサイズ、ゲインは高設定です。

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 レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。

www.falcom.co.jp

 

JAZZ

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OST

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クラシック

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ロック

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総評

 「3万円以内の予算でおすすめのイヤホンはありますか?」と誰かに聴かれたら、私が真っ先に思い浮かべるイヤホンの一つがKinera Freyaであることは間違いありません。2万円以下の大抵のイヤホンより優れた解像感があり、バランスに優れ、ボーカルが美しい透明感のある音質を持つだけでなく、ビルドクオリティにおいてハイエンドモデルに匹敵し、パッケージも豪華と、文句のつけようがありません。思わず持ち運びたくなる魅力的な美しいイヤホンです。

 

Kinera Freya

Kinera Freya

Kinera Freya フレヤ 有線 高音質 ミドルシップ ハイブリッドモデル カナル型イヤホン

 

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