日本国内総代理店 (株)七福神商事 提供 TANCHJIM Oxygen 高音質 イヤホン カーボンナノチューブ振動膜採用 φ10mmダイナミック型ドライバー (シルバー)
- 【1】装着感/遮音性/通信品質「小型で耳への収まりは良い」
- 【2】外観・インターフェース・付属品「ビルドクオリティは充分に高級感あり。2pinリケーブル可能」
- 【3】音質「ドラムサウンドが元気」
- 【4】官能性「ロック・ポップスを中心に比較的万能に楽しめる」
- 【5】総評「アコースティックギターはとくにうまい」
- 【関連記事】
【1】装着感/遮音性/通信品質「小型で耳への収まりは良い」
おすすめ度*1 | |
---|---|
ASIN | |
B07L7BVPXN | |
スペック・評価 | |
再生周波数帯域 | 15~40000Hz |
インピーダンス | 18Ω |
感度 | 108dB |
ドライバー |
1ドライバー(10mm高磁気複合ダイナミックドライバー) |
音質傾向 |
バランスが良い、ノスタルジック、じんわり、アコースティックギターがきれい、躍動感がある、懐かしい音、リズムが良い、ボーカルフォーカスが良い、甘みがある、聞き疲れしにくい |
小型の金属ハウジングは耳への収まりが非常に良いです。遮音性はそこそこです。
テスト環境
今回のテストはSOUNDAWARE M2Pro、FiiO M15、Hiby R6 PRO、Galaxy A30、ONKYO GRANBEATで行っています。ゲイン設定は基本的に「低」設定です。
【2】外観・インターフェース・付属品「ビルドクオリティは充分に高級感あり。2pinリケーブル可能」
付属品はイヤーピースの替え、キャリイングケース、リモコンケーブル、説明書です。ケーブル端子は2pinです。イヤーピースは薄皮のシリコンタイプのものが6サイズついてきます。
【3】音質「ドラムサウンドが元気」
周波数特性イメージ(試験運用中)
※周波数特性イメージはあくまでレビューの便宜上、個人的に周波数分布のだいたいのイメージを掴むための参考情報で、測定方法も測定されたデータも非常にアバウトで厳密な信頼性や正確性に欠けます*2。
ファーストインプレッション
今回は標準イヤピの中で、バランスタイプのLサイズを使ってレビューします。
このイヤホンのインピーダンスは32Ωで、一般的なスマホでは、鳴らすのには少し力不足を感じるかと思いましたが、たぶん支障はありません。手持ちのGalaxy A30で聴いてみましたが、とくに不足感はありません。
すでに公開したファーストインプレッションでは、このイヤホンがフォーカルの良い甘味の乗ったボーカル表現を持ち、アタックがあり活き活きとしたドラム表現を持っていることを確認しました。
ファーストインプレッションの記事はこちらでご確認下さい。
音域印象
低域「クリア、見通しが良い、躍動感」
低域には力強いパンチがあり、量感も多めに聞こえますが、バランス的に低域重視ではないので、低域好きを満足させるサウンドかは微妙なところです。このイヤホンはバスドラムキックがよく聞こえるようにチューニングされており、一般にベースとぶつからないようになっています。エレキベースは深みがありますが、重みは適度に抑え、ラインが比較的明瞭なクリアな音です。黒みは悪くないと思いますが、厚みには欠けます。バスドラキックはスピード感がありますが、タッチがやや浅く感じられ、タイト気味で重厚感は強くありません。低域弦楽は重みと深みが適度にあって、コクも感じられますが、どちらかというとクリアで躍動的な雰囲気の明るい浮き上がりの良い音です。たとえば下地紫野&悠木碧「Harvest Moon Night」のような曲では、床面が踊り出してワクワクしているような雰囲気が感じられるでしょう。
中域「甘味、透明感、奥行き」
中低域から中域下にかけては凹んでいくので、中域には少し清潔感と奥行き感があります。音の太さは中庸で、密度感は少しありますが、適度に整理されて聞こえくるので見通し感は悪くありません。楽器音はボーカルから一定の距離を取り、基本的にはよく分離されて聞こえます。奥行き感もあり、中高域に向かってなだらかに前傾するので、立体感の不足もないでしょう。中高域ではアタック感が少し高められており、ピアノやスネアの音像が押し出されて聞こえてきます。そのため、ピアノは充分に艶やかで、スネアはリズムを力強く聴かせてくれるでしょう。低域とともに躍動感に優れた、活き活きした中域で、甘味を充分に感じられ、聴き心地も良いです。
高域「落ち着き、控えめ、閉じている」
中高域でアタックが強調された、そのアタック感がのびていきますが、基本的にピークアウトが早く、ハイハットの輝きは抑えめになります。ハイハットの音を聴けば、粒立ちは細かいですが、少し錆びたような音が鈍い渋みを持っているのに気づくはずです。そのため、ロックは少し大人びた風味があって個人的にはかっこいいと思いますが、ハイハットに新品に近い明るい粒立ち感を求める人には向きません。
高域は抜けの高さを意識させすぎないマイルドな味付けになっていて、自然に暗くなり、後退するので、ボーカルとその上の中高域の一番艶のある部分を自然と引き立てます。また風通しが良さを抑えているので、中域の甘味が逃げません。ただし、音に爽快感を求める人にはやや落ち着いて聞こえるでしょう。
ボーカル「甘味、ふっくら、フォーカス」
ボーカルは暖かみがあり、甘味もあって、しかものびやかですが、子音の強調はほとんどなく、息の伸びも清潔かつ生々しい吐息が乗っていて、聞き苦しい感じはありません。男声ボーカルは少し渋みが足りず、若々しい感じがありますが、コクは悪くなく、活き活きと甘く聞こえるはずです。女声ボーカルはよりのびやかで華やかさもあり、スムーズでコケティッシュです。やや性質の表面にはツルッとした感じがありますが、息の伸びがあるので、ツルツルの手がかりのない感じではありません。元気ですが、快活と言うほどではなく、大人っぽさと明るさを適度に兼ね備えた20代の雰囲気があります。
音場「自然、マイルド、適度」
音場は少なくとも高さの点では開放的ではありません。高さが足りていないというわけではありませんが、風通しの良い雰囲気はそれほどありません。中域では自然な奥行き感があり、左右の幅も優れているというほどではありませんが耳から少し音が離れているくらいには広いです。低域も浮き上がりが良く躍動的な床面ですが、中域とは充分離されており、せり上がってくる感じの浮き上がりの良さではありません。
全体印象
リズムの躍動感に主眼を置いたような、元気の良いサウンドを持っています。しかし、ノリが良い感じでありながらもボーカルや楽器音は甘味と落ち着きも兼ね備えていて、マイルドな聴き心地も忘れていません。ボーカルフォーカスも良く、音場の広さも自然かそれより少し広いくらいで、比較的万能に聴けそうな雰囲気があります。
音質因子評価
音質因子 | 評価 |
鮮やかさ (鮮やか/色味が薄い) |
やや鮮やか。中高域の艶やかさはしっかり出ます。 |
鋭さ (鋭い/鈍い) |
やや鈍い。高域でロールオフが早い感じがあり、シャープネスの強調は抑えられます。 |
明るさ (明るい/暗い) |
やや明るい。中高域で充分明るいですが、高域は暗いです。低域は見通しが良く、あまり暗い感じはありません。 |
派手さ (派手/地味) |
普通。艶やかさを出しますが、高域で派手に輝く感じではありません。 |
硬さ (硬い/柔らかい) |
普通。周波数特性イメージの雰囲気ではもっと硬い感じを想像していましたが、とげとげしい感じが少ないので、柔らかくはありませんが全体的にマイルドです。 |
尖り (尖っている/丸みがある) |
普通。エッジの粒立ちは良いですが、シャープネスは適度で、刺さる感じもありません。 |
穏やかさ (穏やか/騒々しい) |
普通。リズムが非常に良く躍動感を持って聞こえますが、全体像としては穏和で聴きやすいです。 |
力強さ (力強い/嫋やか) |
やや力強い。リズムはアタック感があり、躍動感に優れています。 |
豊かさ (豊か/貧弱) |
やや豊か。中高域で音像が充分に押し出され、音に躍動感があり、音が太すぎる感じはありませんが、それなりに充実感があります。 |
太さ (太い/細い) |
やや太い。音は普通よりちょっと太めかもしれません。 |
手触り (ざらざら/滑らか) |
やや滑らか。中高域で粒立ちを強調する感じがあって手がかりは多いですが、高域の抜けはマイルドなために、しつこさがありません。 |
粒感 (きめの細かい/粗い) |
ややきめの細かい。少しリズムが細かく、アコースティックギターのエッジなども粒立ちがやや細かいです。 |
清潔感 (澄んだ/濁った) |
普通。音場は少し色づいており、風通し感も強くないが、透明感があって見通しは悪くない。 |
潤い (潤いのある/乾いた) |
普通。潤い感は自然な程度にあるが、強いほうではない。 |
重さ (重い/軽い) |
やや重い。躍動的な低域なので重苦しい感じはないが、やや重みを感じる。 |
ボーカル因子評価
ボーカル因子 | 男声 | 女声 |
澄んでいるか (澄んでいる/濁っている) |
普通 | 普通 |
明るいか (明るい/暗い) |
普通 | 普通 |
伸びやかか (伸びる、突き抜ける/天井感がある) |
普通 | 普通 |
潤っているか (しっとりしている/乾いている) |
普通 | 普通 |
太いか (太い/細い) |
やや太い | 普通 |
濃いか (濃い/薄い) |
普通 | 普通 |
子音が強調されるか (目立つ/目立たない) |
目立たない | 目立たない |
空間因子評価
空間因子 | 評価 |
主に中域の密度 (ぎっしり/スカスカ) |
普通 |
主に高域の高さ (抜けが良い/天井感がある) |
やや天井感がある |
主に低域の深さ (深掘り感がある/浮き上がりがよい) |
やや深掘り感がある |
主に中域の奥行き感 (前進的/後傾的/前傾的/後退的) |
やや前傾的 |
主に低域と中域の横幅 (広い/狭い) |
普通 |
定位感 (頭内的/頭外的) |
やや頭外的 |
分離感 (拡散的/密集的) |
やや拡散的 |
美点
- 見通しが良い
- 温もり感がある
- 充実感がある
- 甘味がある
- ノスタルジックな雰囲気
- 温和
- リズムが躍動的
- 活き活きしたサウンド
- ボーカルフォーカスが良い
- 万能に聴きやすい
- 聴き心地が良く、聞き疲れしにくい
- アコースティックギターがきれい
欠点
- 風通しがよくない
- 高域が暗い
音質特性(サウンドシグネチャー)
[高域]
- 抜けの高さ*3:B
- 金属光沢感:C
- クラッシュ:C
- アタック:A
- ツヤ:A
- ディテール:B
高域の高いところは閉じた雰囲気があり、抜けの高さはそれほど強調されないため、風通し感はそれほどありません。しかし中域の甘味を充分に感じさせてくれます。
[中域]
- 甘味:A
- 広がり:B
- 濃厚感:B
- コク:B
- 太さ:B
- ディテール:A
中域は甘味と温かみがあり、色づきもほどほどよくて聴き心地が良いです。中高域で艶やかさが強調され、アタックも良いですが、同時に高域が高くないので、甘味も強く、突き抜けすぎない落ち着いた雰囲気もあります。どちらかというと元気です。
[低域]
- 深さ:A
- 重さ:B
- パンチ:A
- 厚み:B
- 熱気:B
- 鳴動:B
- ディテール:B
低域はクリアな印象を受けます。ドラムとベースのぶつかりがよく整理されているので、ロックを聴いても両者の描き分けがしっかりしています。ただし重厚感は強くなく、モニター的な雰囲気があります。低域は躍動感があり、波打つ感じは強いかもしれません。
[解像度・立体感]
音場は自然かそれより少し広いくらいです。すでに何度も述べたように高さは相対的に抑えられています。トゲトゲしい感じがなく、音像は艶やかなところがよく押し出されて聞こえるので、聴き心地は良いです。
[パーカッション・リズム]
- ドラムの雰囲気:鼓面は明るすぎない感じでスナッピーさは抑えて、バチッとした革張り感をしっかり出してくれる。粘りがあって手応えのあるアタックでバッツンバッツンと活きが良い音。
- ハイハットの雰囲気:ハイハットは明るくなく、高さを抑えた錆びたサウンドで粒立ちは細かいが、落ち着いていて、中域を邪魔しない。
- 弾け:C
- 粘り:A
- 重み:B
- 濃さ:B
- スピード感:A
パーカッションは一般に躍動的です。シンバル系よりはドラム系が主役になりやすく、シンバルには錆びた、落ち着いた感じがあり、高いところのアタックよりはドライブ感を出す、派手さよりノリ重視の音に聞こえます。クラッシュ感は不足しやすいので、ガシャーンって音が好きな人には物足りないかも知れません。
[ボーカル傾向]
ボーカルの甘味は男女ともに充分で、かつフォーカスも良いです。男声ボーカルは少し明るめで透明感を出すところがあり、渋みに欠けるかも知れません。女声ボーカルは媚びた感じも適度に出しつつ、しかし子音は尖らせずに息だけが少し伸びます。ボーカルの聴き心地は良いです。
【4】官能性「ロック・ポップスを中心に比較的万能に楽しめる」
姫乃樹リカ「スタンド・バイ・ミー」(vs SIMGOT EK3[バランス])
【FiiO M15(Pure Music Mode)で鑑賞】このイヤホンは中域で甘味がたっぷりあるので、女声ボーカルのポップス曲を楽しみやすいです。高域を抑えた、穏和な感じはこの曲のノスタルジックな雰囲気を充分に楽しませてくれますが、一方でリズムは明瞭で少し躍動感を強調するので、ただただおとなしくしんみりした感じではなく、活き活きとしています。また奥行き感が良いので、ボーカルを中心に楽器音がよく整理されて聞こえてくるので、混濁感がありません。中高域での楽器音の色づきが良く、艶のある光沢をきれいに聴かせながら、キンキンしたりする、きつい感じは抑えられています。ボーカルは子音が尖らず滑らかで、息の伸びだけが少し感じられ、甘味を丁寧に出してくれます。
同じ価格帯で同じく見通し感の良い音を持つSIMGOT EK3と聞き比べてみます。EK3はスイッチで温室を調整できますが、今回はバランスです。EK3は3wayのバランスドアーマチュアドライバー3基構成ですが、ダイナミックドライバーのOxygenと雰囲気はかなりよく似ています。バランスドアーマチュアドライバーで出やすいドライな感じをうまく抑えて、自然な艶のある音を実現しており、それでいてバランスドアーマチュアドライバーの高解像なところはよく発揮されるので、Oxygenよりは解像感が高く、透明感で優れています。Oxygenに比べて輪郭はくっきりして、全体的に音の明瞭製は高いです。ただし、その分ギラつく感じは相対的に強いので、Oxygenに比べるとわずかにとげとげしく、甘味とノスタルジックな雰囲気はOxygenのほうが優れているように思えます。
個人的にはこの曲の場合、Oxygenのほうが甘味あり、よりノスタルジックで、聞き疲れのしやすさでも勝っているように思われます。わずかにOxygenのほうが低域の存在感があり、リズムも活き活きして聞こえます。しかし、モニター的な解像度を求めるなら、EK3のほうがより優秀です。
悠木碧「プラチナ」(vs FAudio Passion)
【Hiby R6 Pro SSで鑑賞】このイヤホンはアコースティックギターはかなりきれいに1音1音アルペジオを聴かせてくれるところもあり、弦楽も艶を出して活き活き躍動させて聴かせてくれるので、こういう曲とは相性が良いです。しかもボーカルの甘味は丁寧で、息感にほっこりした温もりが乗っており、しかも子音は尖らず綿毛のように柔らかです。ハイハットはかなり細かく粒立ちを出し、ドラムとともにドライブしてくれますが、高いところの派手さがないので清潔で、艶のある弦楽やボーカルを邪魔せず、引き立ててくれます。リズムは躍動的で音楽全体が弾んでノリよく聞こえます。
FAudio Passionと聞き比べてみます。同じ価格帯でダイナミックドライバー1基構成というところも似ています。しかし、Passionはより高域で煌めき感があり、メタリック感の強いサウンドを持っています。それがこの曲の場合、アコースティックギターより輝かせ、ハイハットに穂先の高さを出して立体感を拡張し、ドラムサウンドの躍動感により上に弾ける明るさを加えます。弦楽もより高くのびやかに聞こえてきて、ボーカルは上向きに少し突き抜ける雰囲気が聞こえます。やや甘味を重視して落ち着きのあった、Oxygenに比べると、より繊細で、より明るく、より元気で、よりメリハリがあり、立体感も増しています。Oxygenの音に比べて明らかにレンジが広がっている雰囲気があるので、音はより躍動的でのびやかで、ボーカルに歌い上げる雰囲気があります。Passionにはボーカルの子音に強調が出やすいところがありますが、この曲の場合、子音は不快な感じはなく、むしろボーカル全体のディテールが増して聞こえます。
私がPassionの音が好きということもありますが、この曲の場合、Passionのほうがより活き活きしていて、躍動感とのびやかさで勝るので、どちらかというとPassionを高く評価します。しかし、聴き心地がより安定しているのはOxygenで、艶があって甘味があり、どこかノスタルジックな雰囲気のある豊かなサウンドは、残念ながらPassionでは味わえません。この曲を甘味を重視して聴くならPassionよりは断然Oxygenです。Passionは音がドライになりやすいところもあります。個人的にはPassionが好きですけどね。
「神のみぞ知るセカイ」キャラクター・カバーALBUM~選曲:若木民喜 [初回限定盤]
TVアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」ED主題歌「secret base ~君がくれたもの~ (10 years after Ver.)」(vs JVC HA-FD01SP[りん青銅ノズル])
【Cayin N6II/E01(A)で鑑賞】粒立ちはきれいで刻みも細かいですが、金色に近い音を持つ穏和なアコースティックギターが美しいです。アコギを始め金物の音色には高いところでは地味な、錆びた感じがあるので、どことなく古ぼけた雰囲気があり、この曲によくマッチします。ボーカルは甘味が強く、媚びすぎないノスタルジックな雰囲気があります。リズムは躍動的で弦楽も活き活きしていて、胸が熱くなる感じもあります。全体的に情熱的で、しかも高域にはどこか物寂しい雰囲気がつきまとい、感傷的に聞こえます。
JVC HA-FD01SPのりん青銅ノズルで聴いてみます。高域を抑えたりん青銅は引き締まった感じがあるので似ていると思ったんですが、率直に言ってHA-FD01の音の方が潤いがあり、粒立ちも艶やかで、少なくともコントラスト感の上でより鮮やかに音が聞こえるのはHA-FD01SPです。甘味はOxygenのほうが強いかも知れませんが、HA-FD01SPのボーカルは媚びが少し強く、のびやかさで勝り、少し若々しいです。一方でアコースティックギターはOxygenのほうがより繊細で細かく聞こえるでしょう。
個人的にはこの曲の場合、Oxygenを推します。理由はよりもの悲しく、甘味があってノスタルジックな音がするからです。
【5】総評「アコースティックギターはとくにうまい」
バランス良い音質で、弱点があまりありません。高域があまり出ないので、高域にこだわる人には物足りないとは思いますが、ほとんど欠点らしい欠点がありません。アコースティックギターの雰囲気はとくによく、繊細さもあって、きれいにアルペジオを聴かせてくれます。リズムも躍動的で、しかも他の楽器とうまく分離されて聞こえるようよく調整されています。甘味があるサウンドで聴き心地も安定しており、素直におすすめしやすいです。
- ノスタルジックな雰囲気
- 甘味のあるサウンド
- 聴き心地が良い
日本国内総代理店 (株)七福神商事 提供 TANCHJIM Oxygen 高音質 イヤホン カーボンナノチューブ振動膜採用 φ10mmダイナミック型ドライバー (シルバー)
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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。
*2:音量による変化、各イヤホンの特性を考慮した補正などを行っておらず、測定環境もスマホマイクで集音しているので非常にアバウトで厳密ではありません。レビュー執筆の参考に使っていたものの、これまでは公表してきませんでしたが、これまでサンプルを取って聴感上の印象と照合してきた感じ、それなりに参考にはなりそうなので、試験的に公開していきたいと思います。いずれ勉強を深めて信頼性を高めていきたいとは思いますが、本ブログは周波数特性の測定をメインとしていませんので、期待しないで下さい。私自身も聴感上の音像印象の解釈の補助として利用しているだけで、この周波数特性イメージを全面的に信頼し、依拠しているわけではありません。
*3:全般的に言えることですが、この評価は主観的であり、しかも音はバランスと好みが大事だということに留意して下さい。Aのほうがその分野では優れていると判断していますが、たとえばシャリ付きが苦手な人はクラッシュがAの評価のイヤホンは避けるべきです。あと稀にSが出てくると思いますが、Sは「やりすぎ」という意味で、必ずしも良い評価とは限りません。ただしその音質特性が好きな人には良いでしょう。
*4:価格帯を考慮した相対評価です。
*5:価格帯を考慮した相対評価です。
*6:価格帯を考慮した相対評価です。
*7:主にサ行が刺さるかどうかです。スーハーしている感じが強いかです。
*8:主にツ音が尖るかどうかです。Aに行くほど尖ります。