TOoKA BASE TRUE WIRELESS STEREO EARPHONES [NT01 TOoKA BASE 01]
- 【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は良好」
- 【2】外観・インターフェース・付属品「操作音がビンビンしません」
- 【3】音質「低域が薄味になった優しいNT01AX」
- 【4】官能性「ボーカルフォーカスが良い。ポップス向き」
- 【5】総評「こだわりがなければNT01Bを買いましょう」
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【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は良好」
おすすめ度*1 | |
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ASIN | |
amazon登録なし |
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スペック・評価 | |
連続再生時間/最大再生時間 | 5h/17h |
Bluetoothバージョン | 5.0 |
対応ワイヤレスコーデック | AAC/SBC |
防水性能 |
IPX4 |
音質傾向 |
フラット、自然な輪郭感、広がりがよい、マイルド |
ぶらぶら完全ワイヤレスコーナーの棚を覗いていたら見つけたこれ。「おおっ、HDSS搭載だって?」と思わず釘付け。早速試聴させてもらいました。しかしケースの裏面見ると「MTI」の文字が。「あれ、これNUARLとおんなじとこじゃん」と思って、メモっておいて、家に帰って調べたらNT01Bの限定モデルなんだって。ただ、NT01Bのレビューは書いてなかったから、この機会に書いておこうと思い、この記事を起筆しました。しばしお付き合い下さいませ。
装着感はNUARL NT01AXと全くと言って良いほど変わらない。遮音性そこそこ。
対応コーデックはAAC/SBC。
やはりQCC3026を搭載しているNT01AXに比べると通信安定性は一段劣る。SBC接続時は比較的安定しているが、AAC接続時は途切れないものの、時々片方の音が遠のく感じがあり、音楽再生は安定しないと感じるかも知れない。
テスト環境
今回のテストはAAC接続をCayin N6IIで、SBC接続をONKYO GRANBEATで行っている。
【2】外観・インターフェース・付属品「操作音がビンビンしません」
試聴レビューなので付属品の詳細は割愛。
操作インターフェースは物理ボタン式。NUARL NTシリーズと違って、操作音がビンビンうるさくないのが改善点かな。基本は同じ。
【3】音質「低域が薄味になった優しいNT01AX」
前述の通り、音質はおそらくNT01Bと一緒です。低域の濃さと厚みが減ったNT01AXといった感じの音で、コントラスト感や重厚感が減った代わりに、少し中域以上で見通しが良くなかった感触があります。そういう意味ではNT01AXよりライトで現代的な明るいサウンドキャラクターです。
美点
- 見通しが良い中域
- 輪郭を強調しない自然な厚みと広がりのある音
- 丁寧な奥行き感
- 厚みを感じさせつつもさっぱりした低域
- フラットで万能
欠点
- 低域が時々力不足に感じる
- 輪郭が強くないため、ディテールで解像度を感じる人にはやや物足りない
[高音]:高域は基本的にNT01AXと似ている。印象的にほとんど差が無く、すらっと自然に伸びていく高域を感じることができるが、低域が薄味な分だけ、コントラストが抑えめで、さらに少し前に出てくる印象があり、スッキリ感が強くなっている(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)
[中音]:中域はBT01AXより低域がすっきりしている分だけ、見通しは若干優れていると言える。NT01AXのちょっと濃厚な感じがないけど、音の輪郭を強調せずに自然に聴かせるHDSSらしさは残っていて、少し明るめに音がすーっと広がっていく感覚がある。
[低音]:100hz~40hzまで厚みはあるがやや淡い振動。30hzで沈み、20hzでほぼ無音。全体的なキャラクターはNT01AXに似てるけど、こちらは厚みが抑えめで音に重みが少し足りない感じがある(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:開放的で広がりも良いので圧迫感を感じないが、音は意外と近め。ただ奥行き感もあるため、感覚的には音場を狭く感じない。NT01AXよりは明るく上向きで若干軽妙な音場になっている(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:タムが強め。明るめのパツンパツン。バスドラキックの色味がNT01AXより薄味になっているので、ロックやJAZZは個人的にはNT01AXのほうが味わい深いと思う。浮き上がり通い分見通しはよくなっているかもしれないが、深さで物足りない。ハイハットはチリチリ観を少し出しつつ、シンシンとした白味もほどよく感じさせる、自然でバランスの良い味付け(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:男声ボーカルはやや明るめだがナチュラル。女声ボーカルはNT01AX同様、甘味と伸びのバランスが良く、ナチュラルな艶やかさを感じさせてくれる。
【4】官能性「ボーカルフォーカスが良い。ポップス向き」
Snail's House「Galactic Whisper」
【ONKYO GRANBEATで鑑賞】低域はNT01AXより明るめで、厚みでは負けるが、浮き上がりは良く、より中域が明るい。好みにもよるが、見通し重視ならこちらのほうが少し優れて聞こえるだろう。NT01AX同様、輪郭を強調しないのに音がはっきり聞こえる色づきの良いナチュラルサウンドで聞き疲れしない。ピアノの音がじんじんと心に響き、ギター音も立体的で楽しく、美しい。奥行き感も良好。
ORESAMA「ワンダードライブ」
【ONKYO GRANBEATで鑑賞】ボーカルがナチュラルで輪郭は強調されないのに自然な色合いで活き活きとしっかり聞こえる。中域の見通しも良く、奥行きも良好。NT01AXより低域の色味が強くない分、少しすっきりと楽しめる。
Hi-Fi POPS(初回限定盤)(Blu-ray Disc付)
安月名莉子「Glow at the Velocity of Light」
【Cayin N6IIで鑑賞】この曲では透明感がしっかり感じられ、奥行き感も出るので圧巻。音の輪郭が強調されないので、音数が多く迫力のあるそれぞれの音の繋がりは一体的。それでいて定位はしっかりしている。混濁感は全くない。タムやスネアの色づきがよく、パリパリした感触がきれいに反響して聞こえるあたりは、HDSSならではって観がある。
TVアニメ 「 彼方のアストラ 」 エンディングテーマ 「 Glow at the Velocity of Light 」
Faun「MacBeth」
【Cayin N6IIで鑑賞】NT01AX同様、弦楽系楽器の表現が素晴らしく、ギターの色づきにリアリズムがある。輪郭を強調しないので、ハイファイ感のあるこの曲で充分な解像度が感じられつつ、音にデジタルな感触がなく、自然な存在感がある。ハイファイ系だけどアナログ楽器を使っているような曲もそつなく味わえるのが良い。
【5】総評「こだわりがなければNT01Bを買いましょう」
音質や使い勝手はほぼNT01Bと同じです。ちょっと割高なので、とくにデザインにこだわりがなければ、NT01Bを買えば良いと思います。
TOoKA BASE TRUE WIRELESS STEREO EARPHONES [NT01 TOoKA BASE 01]
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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。