- 【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は軽く、安定感もある。通信品質は不安」
- 【2】外観・インターフェース・付属品「標準的な構成」
- 【3】音質「音圧ほどほど、輪郭ほどほど、光沢感ほどほど、解像度ほどほど、明るさほどほど、ややウォームでマイルドという、聞き心地のよい音が魅力」
- 【4】官能性「ロック!ロック!ロック!ポップス!ダンス!」
- 【5】総評「音は好みだけど、スペックと通信品質はそれほどでもない」
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【1】装着感/遮音性/通信品質「装着感は軽く、安定感もある。通信品質は不安」
おすすめ度*1 | |
---|---|
ASIN | |
スペック・評価 | |
連続再生時間/最大再生時間 | 10h/- |
Bluetoothバージョン | 5.0 |
対応ワイヤレスコーデック | AAC/SBC |
防水性能 |
IPX6 |
音質傾向 |
低域やや強調、ややウォーム、マイルド、おたふく型 |
ネックバンド式。比較的高級感のあるネックバンドは軽量で負担感はない。ハウジングは小型で耳に良く収まる。遮音性そこそこ。
対応コーデックはAAC/SBC。2台までのマルチポイントに対応し、切り替えながら使用可能。通信品質はそこそこ安定しており、遅延はあまりない。ただAACにせよSBCにせよ、時々派手にプチプチする場面がある。とくにマルチポイントを使っていると途切れが多くなる。
テスト環境
今回のテストはAAC接続をCayin N6IIで、SBC接続をONKYO GRANBEATで行っている。
【2】外観・インターフェース・付属品「標準的な構成」
付属品はイヤーピースの替え、充電ケーブル(Micro-B)、説明書。
【3】音質「音圧ほどほど、輪郭ほどほど、光沢感ほどほど、解像度ほどほど、明るさほどほど、ややウォームでマイルドという、聞き心地のよい音が魅力」
音質はやや低域が濃く、厚みを出す感じで、イメージ的にはおたふく面のような、やや下ぶくれするふっくらした音になる。音の輪郭はそれほど強調される。音場は低域によって暖められており、ちょっと熱っぽいくらい。ボーカルはやや太めで甘味と厚みがある。高域ではシンバルの下のチリチリしたあたりに強調が出て、少しシャリシャリシャープな手がかりがあるが、上で空気感は強調されず、穏やかな下方向に落ち着く音を持っている。ギターもやや音が太く、重心が低め。
ややゆったりした安定感のある音で、全体的に少しだけ音が前屈みに、頭を包み込んでくる。横幅は低域の広がりから床面の張り出しもあってやや広に感じられるが、奥行き感はそれほどない。
美点
- 温かみのある聞き心地の良いサウンド
- ボーカルには生々しい温かみがあり、やや甘味が強く、少し滞留し、コクがある
- ギターやベース、バスドラなど音は全体的にやや太い
- 輪郭は強調されず、音場に一体感がある
欠点
- 高域は閉じられていて、あまりディテールを感じない
- 低域が中域に近く、若干浸食しやすい
[高音]:高域はマイルドカーブで閉じていく感じがあり、天頂は高くない。どちらかといえば中域を濃くし、低域の暖色感を閉じ込める働きをしており、高域それ自体のディテールは強調されず、比較的早くロールオフする(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)
[中音]:中域は真ん中に充実感があり、女声ボーカルは甘味が強く、ギターサウンドやピアノも厚みを強調するサウンドになる。個々の音の輪郭感に強調はないので、マイルドポップス向きのふくよかな表情を持っている。
[低音]:100hz~30hzまで厚みと黒みのある振動。20hzでほぼ無音。低音は濃く、厚みもはっきり出てウォーム。横にやや広く、前面に出てきてライブ感のある床面を形成する。スピード感は良好で早足のロックでも低域に遅れる感じはない(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:低域が前面に出てきて床面を作り、その上にボーカルを中心としたふくよかな中域が載り、高域はおとなしめのやや下ぶくれな三角形になる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:ドラムは胴鳴りしている感じがあり、バスドラの重みと黒みもあって重厚。バズンバズンという重ための地熱もある音だが、沈み込みが結構ある割にディケイは案外早くて浮き上がりも良く、スピード感も悪くない。ハイハットはチリチリした下辺以外はほとんど目立たず、シュワシュワとドライに噴き出す感じの音になる。まあ正統派ロックだね(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:男声ボーカルは充分に暖かく、太さもある。女声ボーカルは甘味が強調され、若干暗く、ふくよか。
【4】官能性「ロック!ロック!ロック!ポップス!ダンス!」
UVERWorld「Touch Off」
【ONKYO GRANBEATで鑑賞】ドラムに確かな重みがあり、床面にズンと音が沈む感覚があり、ズンズン気持ち良い。地熱感が素晴らしく、熱気に満ちていて、男らしく、マッチョ。ボーカルは低域や周囲の楽器と近く、床面よりは奥から聞こえてくる。やや音にもっさりした感じはあるが、ライブ感は非常に良く、音の全てが床面に重みとなって伝わるかのような一体感があって、ロックしてる。
MADKID「FAITH」
【ONKYO GRANBEATで鑑賞】ダークで重厚。バスドラにしっかりと床面に沈み込む重力がある。高域は明るさを強調せず、熱気を閉じ込めてくれ、ボーカルはやや暖かな吐息感があって、セクシーでかっこよすぎる。低域は暖かくキックは広がりがやや大きめながら、浮き上がりは良く、スピード感にもたつきはない。
Celt Islam「Warrior Dub feat. The Renegade Sufi」
【ONKYO GRANBEATで鑑賞】レゲエダンス曲。エレクトロニカって括りの方が正確かな。低域に厚みが出て熱気があるので、まさに中東の暑熱が感じられる。とにかく低域の沈み込みと広がりが良くて、スピード感もあるから重心が低いのにもっさりしない。この曲でかなりウーファー感のあるサウンドを楽しめる。
大原ゆい子「ユビオリ」
【Cayin N6IIで鑑賞】こういう厚みのあるマイルドポップスをかなり暖かく、充実して甘味たっぷりに聴かせてくれる。ピアノは音に深みがあり、ギターは黄金色で、ボーカルは吐息が強調されてふっくら。音はほどよく濃く、マイルドながら発色に物足りなさはない。低域の熱気は充分で、じんわり感のあるこういうポップスは得意。
星を辿れば(アニメ盤) TVアニメ『リトルウィッチアカデミア』エンディングテーマ
【5】総評「音は好みだけど、スペックと通信品質はそれほどでもない」
音は厚みがあって充実感を感じられて、個人的にはすごく好みですし、解像度的にも悪くないと思いますけどね、通信品質があまりよくないです。そしてスペックも価格考えるとめぼしいところがないんですよね。デザインは比較的スマートで高級感もありますし、装着感も悪くないんですけどね。通信品質が個人的には安定しなかったので、この機種はちときついです。もちろん個体差や相性問題の可能性もありますけど。うーん。
音質はね、個人的にはこの価格帯でこれだとちょっといい感じでおすすめしたいんですけどね、私の手に入れた個体は通信品質ほんとダメです。
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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。