audio-sound @ hatena

audio-sound @ hatena

オーディオ機器やゲーミングデバイスのレビュー、そして好きな音楽を徒然なるままに

MENU
Please enable / Bitte aktiviere JavaScript!
Veuillez activer / Por favor activa el Javascript![ ? ]

【ハイレゾ対応イヤホン Victor HA-FW1500 レビュー】開放的でブライトなのびやかなサウンドとウッドらしい乾いた温かみのある低域が心地よい。凛とした空間。おすすめ

Victor HA-FW1500

Victor HA-FW1500

Victor JVC HA-FW1500 WOODシリーズ 密閉型イヤホン リケーブル ハイレゾ音源対応

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「軽量で着け心地は良い」

おすすめ度*1

Victor HA-FW1500

ASIN
B07ZJ42H3N
スペック・評価
再生周波数帯域 6Hz~52000Hz
インピーダンス 16Ω
感度 103dB
ドライバー

ダイナミック型

音質傾向

透明感がある、響きが良い、音場が広い、解放感がある、抜けが良い、すっきり、清潔

 ハウジングの形状は伝統的なWOODシリーズのデザインよりはむしろHA-FD01に近いものになっています。HA-FD01のようにノズル部分が回転するようにはなっていないので、シュア掛けをする場合、左右を入れ替える必要があります。遮音性はそこそこです。

 

テスト環境 

 今回のテストはCayin N6II/E01Astell&Kern KANN CUBEONKYO GRANBEAT、Astell&Kern KANNで行っています。ゲイン設定は基本的に「高」設定です。

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

 

【2】外観・インターフェース・付属品「割愛」

 ONZOのサブスク版なので付属品は割愛します。ONZOのサービスについて興味がある方は以下をご確認下さい。

www.phileweb.com

www.onzo.co.jp

Victor HA-FW1500Victor HA-FW1500

Victor HA-FW1500Victor HA-FW1500

【3】音質「見通し感がある広めの中域と高く伸びやかな高域、凛とした響きが広がる静寂空間。そしてウッドシリーズらしい乾いた響きの低域」

周波数特性イメージ(試験運用中)

f:id:kanbun:20200329180845p:plain

※周波数特性イメージはあくまでレビューの便宜上、個人的に周波数分布のだいたいのイメージを掴むための参考情報で、測定方法も測定されたデータも非常にアバウトで厳密な信頼性や正確性に欠けます。いずれ勉強を深めて信頼性を高めていきたいとは思いますが、本ブログは周波数特性の測定をメインとしていませんので、期待しないで下さい。私自身も聴感上の音像印象の解釈の補助として利用しているだけで、この周波数特性イメージを全面的に信頼し、依拠しているわけではありません。

 

※またイヤホンの周波数特性イメージはヘッドホンの測定値との互換性を持たせるために、外耳道を疑似的に再現した環境で測定されています。

 

レコーディングシグネチャー(試験運用中)

 レコーディングシグネチャーはバイノーラル録音されていますが、品質は良くありません。人工的に外耳道に近い環境を作って録音していますので、それなりに自然に近い音になっているとは思いますが、聴いたそのままの音質とは異なりますので、あくまで参考情報ということでお願いします。

 

原曲

www.youtube.com

銀の意志 Silver Will / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation

 

www.falcom.co.jp

 

anchor.fm

 

インプレッション

 今回は標準イヤピの中で、スパイラルドット+のLサイズを使ってレビューします。

 音質的にはこれまでのウッドシリーズに比べて、開放的になっているように思えます。HA-FD01のD3ドライバー以降、JVCイヤホンの音にはこれまでにない「明瞭性」というテーマが付け加わったように思いますが、このHA-FW1500も音が響く空間性が充分に意識されており、響きの「場」の明瞭性の点で、少なくともこれまでのJVC製品より魅力が増したように思われます。とくにD3の1つ「Dignified(凛とした)」の思想はこの新しいWOODシリーズのコンセプトに大きな影響を与えているのではないかと推測します。中域に響きの場が広く取られていることで、たとえばピアノ音に凛とした透明感が出るほどの充分な余韻が感じられる空間性が持たせられているように思います。

 あとで詳しく聞き比べますが、HA-FX1100と比べてみると音の厚み、情熱感みたいなものは少し減っていて、ピアノ音にたぎるような迫力はないのですが、逆に明るい光沢感は増してより上にきれいに響いて輝く、美しい余韻を手に入れました。響きに凛とするほどの緊張感が出る、透明で静寂な空間が意識されています。

e-earphone.blog

 

 私が一聴した印象はJVCはWOODシリーズでHA-FD01的なものを作りたかったのかなというものでした。シンバルの音なんかを聴いてみるとWOODシリーズらしからぬほどの金属的な音に聞こえましたし、すでに述べたようにピアノ音は明るく透明度の高いものになっており、HA-FX1100の厚みもあって沈み込みも良く、ペダルを強く踏み込んでいるような力強さもありつつ、上辺でまろやかさもある音とは異なって、少し冷たい感触に思えたからです。空間はなんか少しざわざわした空気感があって演奏者の魂まで息づいているようなHA-FX1100のものとは異なり、凛とした音が何にも邪魔されずに響くことが出来るよう透明感が高いものになっています。

 たとえばピアノがアップトーンになるところでは、上昇する響きが、HA-FX1100の場合、「ビィャンビィャン」みたいに響いて、空間が音の重みで鳴動する感じがあるのですが、HA-FW1500の場合、「クィィンクィィン」という響きで、張り詰めた空間そのものが震えるような、緊張感のある音になります。凛とした音というのはおそらくこういう音を言うのではないでしょうか。HA-FX1100には独特のフロアノイズ感もあってピアノのペダル踏み込みに生々しさがありますが、HA-FW1500にはそれもなく、響きに集中した表現になっています。

main Theme-piano Ver-

main Theme-piano Ver-

 

 そういうわけで簡単に、空間の透明感とそこから生まれる緊張感というようなものの存在がこの新しいイヤホンの魅力かも知れないことを大雑把に確認しておいて、結論は急がず、今度は各音域を確認していきたいと思います。

 まず低域ですが、いきなり結論から言うと、ドライでクリーンな見通しの良い感じです。ベース音はなかなか黒く、ブンブン感も少しあり、それよりさらにウンウン深いところで鳴る沈み込みの良い音ですが、音の輪郭はスキッとした清潔感があって、響きが適度に拡散されて聞こえるので、篭もる感じはあまりありません。キックはトストスと一点をしっかり突く感じがあり、床面に少し鳴動があります。胴鳴りはそれほど強くなく、ドラムはそれほど膨らんで聞こえませんので、どちらかというとクリアに聞こえます。低域弦楽は少し明るく浮き上がって聞こえ、弦のしなりにビヨンビヨンする感じがわずかにありますが、基本的には少し下向きの透明感のある音です。

 おそらく伝統的なWOODシリーズ愛好者からHA-FW1500が非難されるとすれば、この低域弦楽の厚みのない表現で、これまでドンとした重みと濃厚感のある低域弦楽の豊かさでJAZZやクラシックを楽しんでいたであろう層にはウケが良くないかも知れません。率直に言って、低域弦楽はやや浅煎りで浮き足だって聞こえ、これまでのWOODシリーズのように、響きが重く沈んでいく感触は得られないでしょう。ここを調整することでHA-FW1500はより透明度の高い広い音場を手に入れたとも言えるところはありますが、JAZZは軽っぽく聞こえるようになったことは確かです。

 中域は少しアタック感が強く、基本的には前傾的で清潔にされているようです。これまでのWOODシリーズにあった音の根立ちのよい感じとは異なり、透明感重視で中高域に向かって音を傾斜させて押し出す感じになり、よりのびやかさが感じられるようになりました。ただしその代償として音は少し薄く、太さが若干失われているので、スムースな感じは増えましたが、豊かな音の広がりは中域ではそれほど感じられません。ピアノ音やギターはやや浮かれ気味に明るく伸びていく感じに聞こえます。ボーカルフォーカスは良いですが、ボーカルの声色はこれまでのWOODシリーズに比べると少し薄味で、ツ音や息感が強調されて聞こえるでしょう。それでも音場が清潔になり広く感じられる分だけボーカルに音が被さる感じは減っているはずです。

 中高域は少しアタックを出すために前進的です。ここでは中域に適度な奥行き感を出すほどには音は前に出ており、スネアに硬さを、弦楽音やギターのディストーションには伸びやかさが加えられており、中域から少し早く高く離れていく感覚があると思います。それが音抜けの良さを感じさせ、響きが上に広がって抜けていく開放的な感覚を生み出しています。またこの中高域の明るい感じが音楽全体的に明るさももたらしており、ブライトネスはやや強めの印象を受けると思います。これまでのWOODシリーズはどちらかというと根立ちを意識した音のように私は解釈してきましたが、このHA-FW1500はむしろ音が床面から離れて、空間に高く響いていく感覚を味わわせてくれるでしょう。

 高域の高いところは中高域よりは後退しており、シンバルは少し白味を出して輝きも一定程度ありますが、派手に輝きすぎないよう一定の透明感を意識されているようです。そのため、高さは充分に感じられつつも、中高域の響きの抜けを邪魔しないように煌めきすぎないバランスになっており、大抵の曲では高さを意識させるというよりは抜けを感じさせる程度のものとなっています。弦楽も中高域では少しアタックして筋立ちを見せつつ、上に行くと透明になっていく、ヒステリックさを強調しない味わいに聞こえるでしょう。息感はわずかにスーハーが強調されて息が伸びて抜ける感じがありますが、一般的にはサ行が刺さるほどではないはずです。

 

 総合すると少し清潔感のある響きの広がる透明な空間を意識した、開放的な音場を持つイヤホンです。床面は少し深いところが強調されやすく、中域に近い低域弦楽に濃厚感が出づらいところがあります。音はそういう意味で少し現代的な音場重視に傾けられた印象で、「のびやかさ」と「響きの広がり」を充分に意識した空間を意識した音響設計になっています。人によっては音がやや細く、色味が薄いと思うかも知れません。一方で弦楽に軽やかでのびやかな音を、ピアノに透徹した凛とした響きを感じたい人にはこのイヤホンは魅力的に思えるかも知れません。

 

音質因子評価
音質因子 評価
鮮やかさ
(鮮やか/色味が薄い)
やや鮮やか。空間が中域で透明な感じがあるので、中高域の最も艶やかな部分は比較的くっきり聞こえやすい。ただし色味は濃くない。

鋭さ

(鋭い/鈍い)

やや尖る。弦楽は少し補足伸びる感じはあり、ボーカルも少し尖りがちなところを感じるが、全体的に鋭利な感じは多くない。
明るさ
(明るい/暗い)
明るい。基本的に中高域の支配力が強いのか中域下くらいまで明るい感じがある。
派手さ
(派手/地味)
やや派手。中高域で手がかりを強調する感じはある。
硬さ
(硬い/柔らかい)
やや硬い。スネアは少しアタックは強く出やすいので音が硬く感じられやすいところはある。EDMは少しギシギシするかもしれない。
尖り
(尖っている/丸みがある)
やや尖る。ボーカルや弦楽に少し尖る感じはあるかも知れない。
穏やかさ
(穏やか/騒々しい)
やや騒々しい。中高域にアタック感があるので、少しだけガチャガチャして感じられやすいかも知れない。
力強さ
(力強い/嫋やか)
やや力強い。アタックは少し強め。
豊かさ
(豊か/貧弱)

普通。響きは良い。色味は少し薄めで音場は基本的に広めに取られているので、充実感の強い感じでもない。

太さ
(太い/細い)
やや細い。少し細い印象を受ける。
手触り
(ざらざら/滑らか)
普通。シンバルは少し細かいが、音はほどよく色味が抑えられていて、輝きがあまり強調されず、シルキーでさらさらしている感じに聞こえる。
粒感
(きめの細かい/粗い)
ややきめの細かい。緻密さを強調しすぎないが、音は少し細い。
清潔感
(澄んだ/濁った)

澄んだ。中高域の響きをとくに重視して、空間に清潔感を出している。

潤い
(潤いのある/乾いた)
やや乾いた。音は基本的にドライ。
重さ
(重い/軽い)
やや軽い。浮揚感が強いので、全体的に少し軽い感じの表現に聞こえる。

 

ボーカル因子評価
ボーカル因子 男声 女声
澄んでいるか
(澄んでいる/濁っている)
やや澄んでいる

やや澄んでいる

明るいか

(明るい/暗い)

やや明るい やや明るい

伸びやかか

(伸びる、突き抜ける/天井感がある)

伸びやか

伸びやか

潤っているか

(しっとりしている/乾いている)

やや乾いている やや乾いている

太いか

(太い/細い)

やや細い やや細い

濃いか

(濃い/薄い)

やや薄い やや薄い

子音が強調されるか

(目立つ/目立たない)

やや目立つ やや目立つ

 

空間因子評価
空間因子 評価
主に中域の密度
(ぎっしり/スカスカ)
スカスカ
主に高域の高さ
(抜けが良い/天井感がある)
抜けが良い
主に低域の深さ
(深掘り感がある/浮き上がりがよい)
深掘り感がある
主に中域の奥行き感
(前進的/後傾的/前傾的/後退的)
前傾的
主に低域と中域の横幅
(広い/狭い)
広い
定位感
(頭内的/頭外的)
やや頭外的
分離感
(拡散的/密集的)
やや拡散的

 

美点
  1. 空間が清潔
  2. 響きがよい
  3. アタック感がある
  4. 適度な立体感がある
  5. ボーカルフォーカスは悪くない
  6. 開放的で抜けが良い
欠点
  1. 低域に厚みがない
  2. 濃厚感に欠ける
  3. 色味が少し薄い

 

[高音]:高域は開放的で抜けは良い印象だが、高さを目立たせすぎないように輝きを強調しすぎない。シンバルは充分に白味があるが、輝きは少し透明でシャーンよりはシーンという感じのシルキーな空気感の広がりで臭みがない。弦楽の高い音も透明に抜けていく感じがあり、ボーカルも息感を少し出してサ行は少し強調されるが、刺さらない透明感がある(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:中域は清潔でボーカルは少し薄味に聞こえる。楽器音もピアノやギターはどちらかというと上に伸びていく感じの浮かれた音で明るく、低域から少し分離して聞こえ、ワイドレンジ感があるが、甘味や豊穣感には少し欠ける。

[低音]:100hz~40hzまで少し重い鈍い感じのあるボーッという音。30hzで沈み、20hzでほぼ無音。低域も少しすっきりした見通し感があり、ベース音は黒めだが、ブンブン感はほどほど、深いところのウンウンのほうが少し強く床面に響く深堀り感がある。バスドラキックも同様にトストスドスドスくらいで重みはそれほどなく、しかし床面には少し響く。低域弦楽はやや明るく、ボロンというくらいの浮き上がりが良い印象を受ける(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:中域は清潔系で、中高域でアタックを感じさせ、音が伸びやかに響くような音場になっている。低域は中高域の響きを邪魔しないよう、中低域の上側は前に出すぎないようになっており、少し深いところでコクを感じさせる印象になるだろう。全体的に厚みは少し少なめで、ちょっとすっきりした感じになっている(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:スネアの鼓面は少し硬くアタック感が強めで、バチバチバシバシした叩きつける感じで聞かせる。胴鳴りはそれほどでもなく、むしろ床鳴りのほうが多いくらいで縦軸に長い感じがある。やや上で弾ける感じのパツンパツンないしバツンバツン。ハイハットは透明感がシンシンした感じで透明感が高く、高さもあるが、スネアの湖面の弾けが強いので、激しいロックでは若干吹き飛ばされがちに聞こえる可能性はある。基本的にスネア主導で叩きつけるように疾走感を出していく感じになる(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルは男女ともに豊満さに欠け、コクもあまりなく、透明系の少し薄味に聞こえる。空間が透明で音場が広いので埋没感はないが、少し甘みには欠けるように感じられる可能性はある。ボディが薄い分だけ子音の輪郭は目立ちやすくなっており、また息感は少し強調されて少しスーハー感が強い。爽やかさは感じられるだろう。

 

【4】官能性「伸びやか系の響きが良いサウンド」

松下萌子「雨あがり」(vs JVC HA-FX1100)

雨あがり

雨あがり

【Cayin N6II/E01(A)で鑑賞】比較的音が濃いめで密度感の高い曲なのでHA-FW1500の清潔感がある感じでもあまりスカスカする感じはありません。スネアが少し硬めなので、リズムはドドスコ感がよく出ていて個人的には気持ち良いです。ギターはかなり伸び上がってくる感じで、重めのピアノ音も結構明るく響きます。ボーカルはのびやかで、この曲では結構アップトーンの場面が多いので、ボーカルの上昇圧は多めに味わえる感じがあり、息の抜けも良いので、サビも滞留せず気持ちよく伸びてくれます。ややアタックが強くて楽器音がガチャガチャしますが、音場は適度に整理されているので、それほどうるさくもありません。

 

 さて、同じWOODシリーズのHA-FX1100と聴き比べてみますと、押し出し感が明らかに違い、HA-FX1100はボーカルをしっかり押し込んでくる感覚があります。ギターものびやかさもありますがそれ以上に横の広がりを持っていて、頭を囲い込み、音を逃しません。ボーカルの上昇圧はHA-FW1500に劣り、のびやかさに欠けますが、反面、声色にはコクがあって、滞留する濃厚感があり、サビでもリスナーを意識してまっすぐ伸びてきます。ベース音は下ではっきりと濃く、ギター音は熱気を出して渦巻く感じがあります。やや密度感過多なところがありますが、楽器音全てが響き合うパワフルで充実感のあるサウンドです。

www.ear-phone-review.com

 

 まあ文章の熱の入り方が少し違ったんで、皆さん薄々お気づきでしょうが、ぶっちゃけこの曲を聞くならやはり私はHA-FX1100推しです。個人的に好きすぎる音ということもありますが、HA-FX1100のほうがボーカルに気持ちが乗って聞こえるので、断然没入できます。そもそもHA-FX1100は私が崇拝しているに近い機種であり、もはや私の音楽のソウルフードといっても過言ではないので、HA-FW1500の音は少しお上品すぎて、熱気が足りないなという感想をどうしても抱いてしまいます。あまりに自分が好きな機種とはさすがに客観的な比較は不可能かもしれないという好例です。比較対象が悪すぎました。

 


雨あがり

 

梶浦由記「a fighter-girl from east」(vs Tago T3-02)

a fighter-girl from east

a fighter-girl from east

【KANN CUBEで鑑賞】この曲は木管音中心ですが、その響きをHA-FW1500は丁寧に聞かせてくます。空間に清潔で透明な感じがあり、管楽も上に透明に響く凛とした静寂感があり、弦楽もあまり色味を出しすぎずに透明な響きを空間に広げます。それでいてシンバルの粒立ちは透明感がありながらも細かく、太鼓も張りがあってアタック感があるので、濃さはありませんが手がかりと手応えはしっかりしています。ややすっきりして聞かせるところはあり、低域の床面は少し遠いのがスカスカして感じられる人はいるかもしれません。

 

 さてTago T3-02は明らかにHA-FW1500より色味が濃く、低域も近くて力強く、充実感がある音に聞こえるはずです。管楽はより響きを強くピーヒョロピーヒョロはっきり聞こえ、弦楽も明るめながらすこし太く聞こえ、中域で濃厚感があります。明らかに音は近いので、音場はHA-FW1500に比べると少し狭い印象を受けるかもしれませんが、一方で濃い音の広がりはよく感じられるでしょう。また低域と中高域の両方が濃くわかりやすいので、グルーヴ感はT3-02のほうがよい印象を受ける可能性が高いです。音の本体より響きの雰囲気みたいなものを重視していたHA-FW1500に比べると、音そのものがわかりやすい感じでリスニング的な楽しみは多いように思われます。

www.ear-phone-review.com

 

 個人的な好みでいうと、実はTago T3-02が好きです。基本的に私は色味が濃い音を好む傾向があるというのが大きな理由ですが、低域と中域以上のつながりがよく、音楽により一体感があるというのもT3-02を選んだ根拠です。とくにT3-02は太鼓の響きの震えが床面を揺らしているのが明瞭に感じられ、胴鳴りと床鳴り合わせて生々しい腹にこたえる感じをちゃんと表現しているのが、この曲の場合大きな魅力に思えます。

 


TVアニメ『プリンセス・プリンシパル』オリジナルサウンドトラック

 

ももすももす「アネクドット」(vs JVC HA-FD01[ステンレス])

アネクドット

アネクドット

【KANNで鑑賞】この曲の場合、スネアの手応えがしっかり出て、少し硬めにビシバシスピード感を出してくれる感じが気持ち良いです。またボーカルは清潔系でのびやかで、サビで十分に伸びたあと、さらに少し息が伸びるくらいの突き抜ける清涼感があります。ただし色味はやや薄味で甘みには少し欠ける印象です。ギターも同様に伸びやかで上に響きますが、色味は淡くて音の広がりがややスカスカして感じられます。見通し感はよく、さっぱり味で味わえます。

 

 さて、この曲をJVC HA-FD01(ステンレスノズル)と聴き比べてみます。実はHA-FD01のステンレスノズルとHA-FW1500は印象的に結構似ているところはあり、ボーカルの息感の伸びる感じや透明感がありながらもシンバルの粒立ちがよい感じ、ギターが上に響く、低域が中高域とのバランスと空間性を考えて少し離れて聞こえるなど共通点があります。ただ音場はHA-FW1500のほうが広く感じられ、空間の清潔感はHA-FD01のほうが少し劣って聞こえます。HA-FD01のほうが金属筐体の分だけ音の響きに硬い感じがあり、シンバルなんかはだいぶカチカチしていて、低域も少しパキパキしていますが、なんだかんだいって質感を除けば音響的な基本デザインは、少し音が薄いところも含めて相似しています。ブライト系の音という点も共通です。HA-FD01の音のほうが粒立ちが強く、ソリッド感があるといった細かい相違を除けば、ほとんどおんなじ感じで音楽を味わえそうです。

www.ear-phone-review.com

 

 そういうわけで、ぶっちゃけたところHA-FW1500をHA-FD01を聴き比べての個人的な感想は、これ、HA-FD01あったら別にいらないかもしれないというものでした。 

 


アネクドット

 

【5】総評「開放的で伸びやかな響きが好きならおすすめです」

 個人的にはブライト系の音はJVC HA-FD01で間に合っていて、しかもHA-FD01のほうがノズルカスタマイズもできて自由度が高い感じです。これまでのWOODシリーズは濃厚感重視だったので、それとは違うHA-FW1500の独自な感じが最初は面白いと思いましたが、聴き込んでみた今はあまり求めていた音とは違うかもしれないと思うようになりました。まあ私のWOODシリーズのイメージは完全にHA-FX1100に侵されているんで、当てにならないところがあります。

 もちろんWOODシリーズとしては比較的新鮮味のある音で、音場の開放感を重視して聞きたい人にはかなり魅力的だと思います。クラシック音楽では弦楽や木管、ピアノの響きの空間に広がっていく感じなんかは、これまでのWOODで伸び切らなかったところまで伸びてくれると思います。

 

  • 伸びやかで開放的な音
  • 音場が清潔で広い
  • 濃厚感に欠ける

 

Victor HA-FW1500

Victor HA-FW1500

Victor JVC HA-FW1500 WOODシリーズ 密閉型イヤホン リケーブル ハイレゾ音源対応

 

【関連記事】

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com

www.ear-phone-review.com


 

*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

中華イヤホン
完全ワイヤレスイヤホン
イヤホン
ヘッドホン
デジタルオーディオプレーヤー
ニュース
特集記事
HiFiGOブログ
セール情報

 

新着記事