独自の天窓設計。財布にも収納可能な世界最薄クラスのTWSイヤホン「CARD20」
「フラッシュレビュー」はデータ中心の簡潔な内容で、ポイントを絞ってオーディオ製品を解説します。
今回はクラウドファンディングで話題となっていた世界最薄クラスの完全ワイヤレスイヤホンYOBYBO CARD20を取り上げます。YOBYBOについては実際よくわかりません。このCARD20が製品第一号で、メーカー自体の設立も2019年3月と非常に若いことがわかっています。ちなみに「YOBYBO」の読み方は「ヨービーボ」らしいです。
基本スペック
- 連続/最大再生時間:4h/20h
- 防水性能:IPX4
- 対応コーデック:aptX/AAC/SBC
パッケージ
イヤホンのパッケージ全体のデザインはシンプルです。正直、豪華ではなく、どちらかというとチープです。
付属品は充電用ケース、充電用ケーブル(Type-C)です。
装着サンプル
薄型にするためにインナーイヤー型を採用したと思われます。薄いので、耳に深く挿入されません。装着感は悪くないと思いますが、人によってはずれやすいかもしれません。頭を振ってみましたが、脱落する感じはありません。
接続品質
価格帯では普通くらいです。人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内ではまあまあ良好です。距離耐性は普通で、5m離れてもつながりますが、若干乱れます。遮蔽物には弱いようです。またQCC3020機種に時々あるのですが、接続当初にわずかに通信が荒れやすいです。また距離を取ったりしても少し途切れますし、ときどきプチッとします。
ホワイトノイズは少しありますが、音楽再生中は気になりません。
音質
測定機材
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- オーディオインターフェース:ROLAND Rubix 24
- アナライザソフト:TypeDSSF3-L
※イヤーシミュレーターの特性上、20hz以下と16khz以上の信頼性は高くありません。
周波数特性
上から順に、
- 左右別
- 左右平均
- 左右別(自由音場補正済み)
- 左右平均(自由音場補正済み)
※当ブログの自由音場補正については機材に合わせてサザン音響さんから提供された補正値を使用しております。
周波数特性を見るとご覧の通り、低域から中域にかけてはかなりフラットです。サウンドシグネチャー的には高域に重み付けされており、少し明るめのフラットサウンド、あるいはブライトサウンドになります。やや高域でシャカシャカしやすいですが、中域には充分な厚みがありボーカルは豊かに聞こえます。低域も重みはそれほどでもありませんが、存在感は充分にあります。
サウンド出力は全体的に明るく、音場の見通し感は良いですが、やや音楽全体が前屈みに聞こえます。インナーイヤー型独特のマイルドな抜けがあるので、きつい感じはありませんが、女声ボーカルはややシャウト感があります。たとえば戸松遥「ユメセカイ」のような曲では、ドラムがややパワフルで押し込んでくる感じがあり、ハイハットが若干ギラつき気味に派手にシャカシャカします。ボーカルはサビでかなりシャウトが強くなり、子音はそれほど目立たないのでボーカル単体では聞き苦しいほどではありませんが、周囲の楽器音もパワフルになるので若干ガシャガシャします。人によっては少しうるさいと思うくらいかも知れません。
アコースティックギターは結構エッジがきれいで温もり感もあってなかなかの聴き応えがありそうです。しかし、音楽のテンションは強く表現されやすいところがあって、アコギの音色を味わおうと22/7「空のエメラルド」のような曲を聴くと、高域の押し込み具合のせいか、少しギチギチした印象を受けます。超高域が落ち着いているので、中域に甘味はありますが、サビ前に比較的落ち着いていたボーカルがサビで楽器音とともに少しシャウティに傾きやすいので、全体として見るとやや情緒不安定に聞こえるかも知れません。
あと個人的には、インナーイヤー型のわりに音場はあまり広く感じません。若干中域に音が集まりやすいかまぼこな感じもあるので、私にとってダイナミック感が足りない気がするのはそのせいかもしれません。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。自由音場補正済みです。ソースはFiiO M15を用いています。aptXで接続しています。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
JAZZ
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Sophisticated Fight / 英雄伝説 空の軌跡FC&SC スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
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町「ペンタウァ」 / ファルコムベストサウンドコレクション -All in All- / Copyright © Nihon Falcom Corporation
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Desire / The Songs of Zemeth ~Ys VI Vocal Version / Copyright © Nihon Falcom Corporation
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花と風のうた / 「Zwei!!」 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
OST
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Sophisticated Fight / 英雄伝説 空の軌跡FC Evolution オリジナルサウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
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浮遊大陸アルジェス -Introduction- / Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008 / Copyright © Nihon Falcom Corporation
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QUATERA WOODS / イースVI -ナピシュテムの匣- オリジナル・サウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
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永劫の夢、大空の記憶 -Online Version- (Bonus Track) / Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008 / Copyright © Nihon Falcom Corporation
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ユルギナイツヨサ / 日本ファルコム 英雄伝説 零の軌跡 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
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アプリエス神殿 / Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008 / Copyright © Nihon Falcom Corporation
クラシック
- Sophisticated Fight / We Love 空の軌跡 / Copyright © Nihon Falcom Corporation
- FEENA / イース ピアノコレクション / Copyright © Nihon Falcom Corporation
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第3部「白き魔女」: 白き魔女 / 交響曲「ガガーブトリロジー」 ~白き魔女~朱紅い雫~海の檻歌~ / Copyright © Nihon Falcom Corporation
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組曲 LILIA (ファルコム ネオクラシック フロム スタディオズ イン ロンドンシティ) / ベリー・ベスト・オブ・イース / Copyright © Nihon Falcom Corporation
ロック
- Sophisticated Fight / 空の軌跡ざんまい / Copyright © Nihon Falcom Corporation
- TO MAKE THE END OF BATTLE / Ys Ⅰ&Ⅱ ベストサウンドコレクション / Copyright © Nihon Falcom Corporation
- The Decisive Collision / 英雄伝説 閃の軌跡 スーパーアレンジバージョン / Copyright © Nihon Falcom Corporation
- GENS D'ARMES / イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック / Copyright © Nihon Falcom Corporation
- Mighty Obstacle (2003) / Music From The History Of Ys / Copyright © Nihon Falcom Corporation
総評
音質は明るく、見通し感は悪くありませんが、音場はそれほど広く感じないと思います。本体の小ささのせいかもしれませんが、QCC3020を搭載している機種の割には、通信品質が若干弱い感じがあり、コンパクトさと引き換えに使い勝手の面で少し犠牲にしているものがあるようです。
しかし、コンパクトで携行性には優れており、小さくオシャレな製品が好きなら、悪くない選択肢だと思います。
独自の天窓設計。財布にも収納可能な世界最薄クラスのTWSイヤホン「CARD20」
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