DTMerにとって最も基本的な投資対象がオーディオインターフェースです。それにより、ラップトップのようなシンプルなPC環境を使ったホーム・ユース・レベルで作曲をするDTMerは、必要なホーム・スタジオ・セットアップを手に入れることができます。
ミュージシャン、DJ、ビートメイカーなど、レコーディングやプロダクションを始めたばかりの人でも、オーディオインターフェースは最初に購入すべきものの一つです。
つまり、DTMerをはじめとした音楽制作者にとって最初に問題となるのは、楽器を録音し、スタジオのヘッドホンで作品をモニターし、スタジオのモニターで作品を再生するという、インターフェースの基本的なメリットをすべて実現できる製品を、価格を考慮しながら見つけることです。
幸いなことに、最近では高品質でシンプルなオーディオインターフェースを、お金をかけずに手に入れることができます。このガイドでは「シンプル」に、低価格帯のオーディオインターフェースの有力な選択肢を3つご紹介します。
- Behringer U-Phoria UMC22(7,000円程度)
- Presonus Studio 24c(17,000円程度)
- Focusrite Scarlett 2i2 G3(20,000円程度)
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Behringer U-Phoria UMC22(7,000円程度)
Behringerは他社と同等の製品をより安い価格で提供することができるメーカーとして知られています。そのため、DTMのビギナーにはBehringer製品のコストパフォーマンスが有益になることが多いでしょう。
Behringer U-Phoriaシリーズには、ミキシングコンソールで有名なMidas設計のプリアンプが搭載されており、UMC22はその中でも最も廉価な製品となっています。
1万円以下で手に入るこのUSBオーディオインターフェースのマイクプリアンプはMidas製で十分に低ノイズフロアであり、全体的な品質の高さには国内外で定評があります。機能は必要最低限ですが、録音してDAWにアウトプットし、ヘッドホンでモニタリングできる基本的な機能が全て備わっています。
複雑な機能がないために、使い勝手はシンプルであり、初心者には扱いやすいというところも良いでしょう。とりあえずDTMを始めてみたいという人向きです。
美点
- シンプルで使いやすい
- 非常に安い
- 優秀なマイクプリアンプ
欠点
- 必要最低限に近い機能
Presonus Studio 24c(17,000円程度)
配信から音楽まで、あらゆることをこなすことができる「万能型」のオーディオインターフェースとして、Presonus Studio 24cは基本的な機能を全て提供し、録音や制作に優れた品質を提供します。
付属のUC Surfaceソフトウェアを使うことで、Presonus Studio 24cはミキシングインターフェースとしてさらに優れた性能を発揮できるようになり、音楽制作に必要なほぼすべての機能を実現します。
Studio 24cには定評あるDAWソフトウェアであるStudio One Artistもバンドルされているので、これを買うだけで作曲や演奏録音、ウェブキャストに必要な機能はすべて揃い、レコーディングやアレンジ、ミックスを行うことができます。
USBバスパワーで動作し、コンパクトな卓上スタイルのStudio 24cは頑丈なフルメタルシャーシを備え、携行が簡単で、屋外でのライブやイベントで使用するのにも便利です。
もちろんマイクプリも充実しており、Presonus伝統のXMAXクラスAマイクプリアンプは、驚くべき高ヘッドルーム、ディープな低域、スムーズな高域、豊かなサウンドを提供します。
美点
- 低価格でありながら多機能、豊富なバンドル
- 使い勝手の良さ
- 優秀なマイクプリアンプ
欠点
- DCカップリングなし
Focusrite Scarlett 2i2 G3(20,000円程度)
Focusriteは、プロ用オーディオインターフェースの代表的なメーカーであり、Scarlettシリーズの上位機種は、多くの中級者やプロレベルのスタジオプロデューサーに愛用されています。同社のマイクプリは高く評価されていますが、Scarlett 2i2 G3にはこの価格でありながら同社自慢のプロユースのマイクプリが搭載されているため、高品質な録音をしたい人には最適に近い選択肢となります。
Scarlett 2i2 G3は、大型製品の魅力を小型で手頃な価格のパッケージに収めた素晴らしい製品です。頑丈な構造、シャープな外観、高品質なプリアンプはそのままに、必要最低限の機能を選び、ビギナー向けにブラッシュアップされています。
名門Focusriteのサウンドエンジニアによって、ホームユースの決定版であるScarlett 2i2はつねに更新され続けています。最新のGen3では、プリアンプデザイン、ハイエンドのディテールを強化する新しいAirモード*1、ヘッドルームを改善した入力と出力が提供され、検出できないレベルまでレイテンシーを最小限に抑えるUSB-Cポートも実装されました。USB-CポートはiPad Proにも対応しています。
また付属のDAWはレコーディングスタジオのデファクトスタンダードである「Pro Tools」が採用されており、「First Focusrite Creative Pack」版が付属します。これによりスタジオレコーディングの現場と同様の環境を自宅に構築することができ、素人やサウンドエンジニアを目指す学生がプロのツールに習熟する機会が得られます。
美点
- 低価格でありながら多機能、豊富なバンドル
- 使い勝手の良さ
- 優秀なマイクプリアンプ
- iPadとの連携
欠点
- より安く機能的で使い勝手の良いPresonus Studio 24cというライバル
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*1:単純に言うと、Focusriteの上位プリアンプのようなクリア感の高い音質を実現するモード