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【中華イヤホン MacaW GT600s Pro ファーストインプレッション③】金ノズル:立体感があり、最もアグレッシブで艶やかだが、このイヤホンの特徴である繊細さも忘れないドンシャリサウンド

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MacaW GT600s Pro

MacaW GT600s Pro

【国内正規品】 MacaW チューニングノズル搭載 ハイブリッド カナル型 イヤホン GT600s Pro

 

 

【1】装着感/遮音性/通信品質「小型で耳への収まりは良い」

ASIN
B083YXJVYX
スペック・評価
再生周波数帯域 10~40000Hz
インピーダンス 16Ω
感度 98dB
ドライバー

ハイブリッド型(ダイナミックドライバー×1, バランスドアーマチュアドライバー×1)

 小型の金属ハウジングは耳への収まりが非常に良いです。遮音性はそこそこです。 

 

テスト環境

 今回のファーストインプレッションのテストはONKYO GRANBEATを使って行っています。

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【2】外観・インターフェース・付属品「ビルドクオリティは充分に高級感あり。mmcxリケーブル可能」

 付属品はイヤーピースの替え、ノズルの替え、説明書です。ケーブル端子はmmcxです。イヤーピースは茶軸のシリコンタイプの他にウレタンフォームタイプが付属しています。

 ONZOのサブスク版なので付属品の詳細はこれ以上は割愛します。ONZOのサービスについて興味がある方は以下をご確認下さい。

 

www.phileweb.com

www.onzo.co.jm

 

MacaW GT600s ProMacaW GT600s Pro

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【3】音質「3種類のノズルで3種類の音。ノズルごとの変化はそれなりに大きく、フラットに近いバランスからザ・ドンシャリな音まで出せます」

周波数特性イメージ(試験運用中)
銀ノズル(標準)

 

黒ノズル(低域強調。実際にはフラットに近い)

 

金ノズル(高域強調、典型的なドンシャリで最もアグレッシブ)

※周波数特性イメージはあくまでレビューの便宜上、個人的に周波数分布のだいたいのイメージを掴むための参考情報で、測定方法も測定されたデータも非常にアバウトで厳密な信頼性や正確性に欠けます*1

 

各ノズルの違い(水瀬いのり「ハートノイロ」)

 パッと周波数特性イメージを見て、音質を軽く聞いた感じ、水瀬いのり「ハートノイロ」みたいな曲が楽しめ、かつ音質変化も感じられやすいかなぁと予想したので、それで各ノズルの違いを簡単に解説します。

ハートノイロ

ハートノイロ

 

銀ノズル

 標準ノズルです。全体的な印象はやや高域に寄せたU字サウンドという感じで、抜けが良くのびやかですが、輝きは相対的に抑えられており、清潔感が意識されています。すべてのノズルの中で風通しが最も良いサウンドで、ボーカルに爽やかな清涼感があり、適度なスネアも金ノズルほどではありませんがアタック感を出し、ハイハットも元気にアタックしてくれます。

 全ノズルの中ではどちらかというと高さを最も意識させるサウンドになっており、音場は開放的です。ピアノ音などは自然よりは少し明るい色づきで、わずかにキンとした緊張感のある凛とした透明感のある音色です。低域は薄味気味なので、全体的にアップトーンな雰囲気があり、音楽全体が上昇気流に乗って聞こえます。

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黒ノズル

 低域強調ノズルです。しかし、実際には低域が強調されると言うよりは全体的に凹凸が減ってフラットに近くなると言った方が当たっており、一般にボーカルは銀ノズルより前に出ており、最もボディが乗って聞こえると思います。

 全ノズルの中で最も聴き心地の良い、落ち着いたサウンドを持っており、銀ノズルの持っていた高域の派手さを適度に維持しつつ、シャープネスを抑え、楽器音に甘味を少し出して聴かせます。その代わりに、楽器音の伸びやかさ、ダイナミズムは明らかに減少し、最も安定的なサウンドを実現します。リズムは落ち着き、スピード感は適度にセーブされますが、元々スピード感早めのイヤホンなので、これでも速いくらいに感じられるかも知れません。

 エレキベース音が明瞭にはなりますが、元々低域は薄味のイヤホンなので、低域強調だからと言って、低域ジャンキーを満足させられるような低域は出ません。

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金ノズル

 高域強調ノズルです。しかし、実際には中域の谷間を深くし、中高域が持ち上げられてアタックが強調されたドンシャリサウンドを作り出すノズルです。そのため実際のところ、抜けの高さは銀ノズルの方が良好に思え、音がより高くまで伸びている気がするかも知れません。

 黒ノズルではボーカルのボディが増える感じでしたが、こちらはボーカルの最も媚びたあたりを強調するので、艶やかで華やかな雰囲気を加え、同様に銀ノズルより前進させます。ボーカルの強調される位置が異なるので黒ノズルとはどちらが前進しているかは単純に比較できませんが、一般に男声ボーカルなら黒、女声ボーカルなら金が相性が良いでしょう。子音の強調が強くなるので、臭みは少し強くなるかも知れません。サ行の刺さりが出る可能性も高いです。

 中高域の楽器音は非常にアグレッシブでスネアは最も前進してビシバシ感を強調し、ハイハットもギラつきを強めます。一方で中域の奥行き感は増すので、ピアノは若干後退し、中域の見通しは非常に良くなっているとともに前方定位的になり、左右も少し広く聞こえます。実際説明書ではクラシック向きと書かれていますが、音の雰囲気がクラシック向きかは好みがあるので置いておくにしても、音場の雰囲気はオーケストラ的になります。

 またリズムはスピード感が最も速く、たたき込みも強く、アタック感が最も強いです。

 銀ノズルや黒ノズルになかった艶やかさと華やかさのある音になりますが、中高域で輝きも強く、押し出し感も強く、ガチャリやすいところがあり、圧迫感もあるので少し聞き疲れはしやすいかもしれません。

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ファーストインプレッション(黒ノズル)

 今回は標準イヤピの中で、茶軸シリコンのLサイズを使ってファーストインプレッションを確認します。

 

媚びる甘いボーカル、細かくクラッシュしながら派手めに走るハイハット、艶やかなギター(Poppin' Party「ガールズコード」)

ガールズコード

ガールズコード

 金ノズルの特徴は女声ボーカルに媚びた甘味が乗ることです。ボーカルの味は少しべたつく感じになるので、くどい感じもありますが、艶めかしさが加わるので、コケティッシュな華やかな雰囲気のかわいらしさがよく出ます。したがって、たとえばPoppin' Party「ガールズコード」のような、少し甘ったるい感じの曲との相性は良いです。

 ボーカルだけでなく、エレキギターも一般に少しエッジを強調しつつ、前向きに、華やかな艶のある音を出してくれますので、浮かれた楽しげな雰囲気を出してくれます。ピアノもつやつやした艶めかしい音になりますから、アイドル的な雰囲気のあるガールズロック曲のこの曲をよく味わわせてくれます。

 スネアも小音量時から活きが良く、キレのある音をきれいに聴かせてくれるので、リズムはノリが良く、元気よく聞こえるでしょう。ハイハットもアタックときめの細かさがあるので、リズムが正確で元気いっぱい穂先を立ててシャリシャリと輝く音を聴かせて場面を明るく色づかせます。ハイハットの雰囲気は若々しいです。

 音場的には中域で奥行きが強調されるため、ボーカルはメロディを歌っているときは少し落ち着いており、サビになると元気にいっぱいに媚びて伸びてくるような変化が楽しみやすくなっていて、ダイナミズムを感じさせます。全体的に少し乾燥した雰囲気がありますが、秋の季節感のある曲なので風味は合っているかも知れません。

 欠点としてはボーカルの子音の尖りが出やすいです。この曲の場合音量を大きくしなければ適正音量ぐらいでは気にならないくらいだと思いますが、気になる人はイヤーピースで高域を抑えるなどして工夫してみると良いです。息は他のノズル同様高く抜けて清潔です。

 

少し吸い込まれるような奥行き感と疾走感、ややギラつく存在感のあるバイオリン(Chiho feat. majiko「エガオノカナタ」)

エガオノカナタ

エガオノカナタ

 金ノズルではバイオリンは前に出てきやすく、やや攻撃的に感じられるかも知れません。エッジが立っており、弓と弦に擦れる感じが少し強く、ややギラつく雰囲気もありながら、しかも高いところでアタック良く軸を立てて、元気に高さを出します。一方で倍音成分は派手さの割には抑えられている雰囲気があるので、貴婦人のような艶としなりの感じられる、優雅さのある音が聞こえます。激しいこの曲の中でも埋もれることなく、背景でしっかりと存在感を出して、楽曲全体に躍動感を加えています。

 このバイオリンは小音量時は相対的に存在感が強く、大音量時は他の楽器のほうがより派手になるので、相対的に落ち着いて聞こえます。

 音場には少し吸い込まれるくらいの奥行き感があり、この曲でも少し前方定位的になります。立体感があり、楽器音の走る感じも奥行きが乗って、活き活きと感じられます。

 

光沢と粒立ち感の強調があり、高域でよく整理された音場(ハート♡インベーダー「好感Win-Win無条件」)

好感Win-Win無条件

好感Win-Win無条件

 明るい方向に寄っていますが、典型的なドンシャリサウンドなので、こういう曲は音が非常に細かく分解されて解像感が高い感じに聞こえます。高域でも立体感が甘い感じがなく、この曲のガチャリやすいところはよく整理されて聞こえます。輝きは強くキラキラ成分は多めなので好みはあるでしょうが、少なくとも分離感の不足はほとんどないはずです。

 質感的にはこの曲の場合非常にカリカリした硬い感じになります。また低域と高域の分離が強いので、ハイブリッドドライバー特有の音が「つながっていない」感じが強く意識されるかも知れません。音は細く鋭角的で充実感には少し欠けます。

 ボーカルは乾いていますが、甘味はあり、媚び媚びで聞こえるので、活き活きした感じは充分に味わえます。リズムも細かく、速く表現されるのでノリも良いです。

 

弦楽やピアノは美しく、立体感があるが、重厚感がない(supercell「銀色飛行船」)

銀色飛行船

銀色飛行船

 立体感的にはオーケストラを楽しめるような奥行き感がありますが、実際にオーケストラ的な音源、たとえば「ドラゴンクエストマーチ」を聴くと、低域に重厚感がなく、中域で楽器音がスカスカします。したがって、個人的にはこのイヤホンであまりクラシックやJAZZは楽しみづらいかなぁという印象があります。

 しかし、中高域の管弦は解像感と艶めかしさがあり、倍音もやや抑えているので相対的に自然にスラッと聞こえます。存在感もしっかりしているので、たとえばsupercell「銀色飛行船」のような曲では、軸の立った弦楽が高いところでしっかりと筋立ち、心の琴線に触れる音を出してくれます。この曲ではバイオリンが細く糸のように音をつなぐ場面がありますが、その細やかな雰囲気は繊細に表現されます。

 ピアノは明るく、中域がスカスカしているのでやや浮き上がり気味ですが、つやつやと艶やかで、甘い味わいを丁寧に出します。ハイハットの粒立ちの細やかさとともに繊細な情緒感を演出します。

 音場は奥行き感があり、それが中域に静寂感を出しています。この曲を繊細に細やかな、触れたら壊れてしまいそうなほどの緊張感と、心の襞に触れるほどの情緒のある弦楽とともに楽しみたいならば、金ノズルは非常におすすめできるでしょう。

 

【4】概括

 今回はMacaW GT600s Proの金ノズルについてその音質インプレッションを確認しました。金ノズルはドンシャリの典型に近いサウンドを実現し、一般に奥行き感が最も高くなるので、全ノズルの中で音は最も活き活きとして聞こえるでしょう。このイヤホン特有の分離感のある繊細さを丁寧に出しつつ、さらに艶やかさを加えて甘味の明るい部分を強調します。華やかでスピード感もある、若々しいサウンドでノリの良い音楽を楽しめます。

 この製品について興味が湧きましたら、引き続き、レビュー記事をお楽しみください。

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MacaW GT600s Pro

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*1:音量による変化、各イヤホンの特性を考慮した補正などを行っておらず、測定環境もスマホマイクで集音しているので非常にアバウトで厳密ではありません。レビュー執筆の参考に使っていたものの、これまでは公表してきませんでしたが、これまでサンプルを取って聴感上の印象と照合してきた感じ、それなりに参考にはなりそうなので、試験的に公開していきたいと思います。いずれ勉強を深めて信頼性を高めていきたいとは思いますが、本ブログは周波数特性の測定をメインとしていませんので、期待しないで下さい。私自身も聴感上の音像印象の解釈の補助として利用しているだけで、この周波数特性イメージを全面的に信頼し、依拠しているわけではありません。

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