Coumi Freedom Dotsを手に入れたので、ファーストインプレッションをお届けします。今回のユニットはCoumiから読者に誠実な印象を伝えることを条件に提供されました。
Coumiの新しいAirPodsタイプイヤホン
Coumi Freedom Dotsのコンセプトは明確です。それはBaseus SiMU S1 ProやQCY HT03と同じように、比較的低価格でAirPods Proのような適度な利便性のある製品を作ったというところです。
アクティブノイズキャンセリングと外音取り込み、IPX7防水、イヤホン単体で6時間程度の再生時間、AAC対応など、この価格帯の多くのライバルと同じような特徴が並びます。
-35dB深度のアクティブノイズキャンセリング
Coumi Freedom Dotsは5000円以下の価格で-35dBのノイズカットを実現するアクティブノイズキャンセリングを搭載しているとされています。
深度35dBクラスのアクティブノイズキャンセリングは一昔前は1万円を覚悟する必要がありましたが、現在はこの価格帯近くでもちらほらこのスペックのアクティブノイズキャンセリングは見られるようになりました。
最近ではSoundPEATS T2やQCY HT03がこのスペック値を持っています。
サウンドインプレッション
早速聴いてみました。Coumiはブランドの特徴として低域から中域を強調し、高域を抑える傾向がありますが、Coumi Freedom Dotsにもよく表れているようです。
耳に入れて音楽を流した途端に、かなり厚みのある音が出てきました。充実感があって悪くありませんが、ディテール感はかなり低いですね。濃厚感があるサウンドですが、少しぼんやりして聞こえやすいです。温かみがあって調和的で浸りやすいサウンドと言えますが、楽器音の躍動感に欠け、輪郭もゆるく聞こえやすいところは好みを分けそうです。
中域は中低域の影響を受けやすく、人によっては露骨にボーカルや楽器音がぼけて聞こえる気がするかもしれません。たとえば、オーイシマサヨシ「神或アルゴリズム (feat.りりあ。)」の冒頭の打鍵音はかなり鈍く、重たげに聞こえ、拍手のクラップ音もキレに欠けるように思うでしょう。歯擦音は目立たず、子音に尖りを感じることはないので聴き心地は良いですが、音像の明瞭性に欠け、サウナの中で音楽を聞いている気分になります。アタック感に欠け、音の立ち上がりが鈍重に聞こえるでしょう。
アクティブノイズキャンセリングをONにすると多少バランスが改善され、低域はもう少しはっきりしますが、中域のイメージングの悪さは改善できません。基本的に籠もっている雰囲気で聞こえやすい音です。
測定値を確認してみると、さもありなんと言った感じですね。アンビエントモードとノーマルモードの音質差はほぼなさそうです。アクティブノイズキャンセリングモードをONにすると、中低域の膨らみが減り、低域の拡張性が向上するので、最大の欠点の一つが改善されます。それでも高域が足りなすぎるので、全体的に曖昧に聞こえやすく、いわゆるヴェールに隠れた雰囲気で音楽を聴く感じになります。
こういう雰囲気の音は安らぎ感を感じる可能性もあるので一概に悪いとは言えませんが、楽器音がかなり色付けされて聞こえるので原音忠実的ではなく、音楽そのものの立体感の再現度にも劣ります。
オーディオステータスを確認しても見事に高域が不足しています。かなり癖が強く、万人向きとは言い難いですね。
アクティブノイズキャンセリング性能は平凡
まだ測定していないので詳細はわかりませんが、QCY HT03のアクティブノイズキャンセリング性能と比較すると、かなり物足りない印象を受けます。価格なりといったところでしょう。耳栓目的であれば、QCY HT03をおすすめします。
まとめ
Coumi Freedom Dotsは結論から言えば、暖かみの強い、ボンボン膨らんで聞こえるような耳に優しい音が好きなら悪くありませんが、解像度はよくないので、値段は手頃ですがおすすめしづらい機種になります。同じ価格くらいでAirPod Proタイプのデザインをしている機種では、QCY HT03が真っ先におすすめでき、次にBasues SiMU S1 Proも悪くないでしょう。Coumi Freedom Dotsはいまのところ、価格帯で購買推奨リストの上位を占めるのは難しそうです。
【関連記事】